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日本にも「まさか」が起こり得る“トランプリスク第2幕”を警戒せよ(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/18/hasan126/msg/615.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 4 月 04 日 10:08:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

日本にも「まさか」が起こり得る“トランプリスク第2幕”を警戒せよ
http://diamond.jp/articles/-/165821
2018.4.4 熊野英生:第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト  ダイヤモンド・オンライン




 3月23日から鉄鋼・アルミニウムの対米輸出品に高関税がかけられた。事前には、友好国・同盟国は輸入制限の対象から外されるという見通しから、日本も除外されるという楽観論が広がっていた。結果的に、そうした楽観論は完全に打ち砕かれた。

 トランプ大統領は、「安倍首相らは『こんなに長い間、米国をうまく騙せたなんて信じられない』とほくそ笑んでいる。そんな日々はもう終わりだ」と述べたという。

 耳を疑うような言葉だが、秋の中間選挙を意識されていることは明らかだ。

「自国第一」を掲げて登場したトランプ政権は世界経済に様々な波紋を投げかけてきたが、「トランプリスク」の第二幕が始まるのを覚悟する必要がある。

日本にもスーパー301条適用
“円高誘導”の再現


 トランプ大統領は、各国の首脳に対し個人的な友好関係を築こうとはしているように見えるが、基本は利害に基づいて動く動機の方が強いと考えられる。

 11月の中間選挙を前にして、日本に対しても、貿易問題を必要以上に問題視してくる可能性はある。

 中国に対する通商法スーパー301条の適用の次は、日本が標的にされるシナリオもゼロではない。

 トランプ政権が中間選挙までに仕掛けてきそうな行動について、いくつかのシナリオが考えられる。常識的にはあり得ないと感じられても、そうした「まさか」のシナリオは起こり得ると準備しておいた方がよい。

<シナリオ1>日本に対するスーパー301条の適用

 トランプ大統領が貿易赤字を問題視することは知られている。第一の標的が中国だとすれば、第二は日本である。

 中国に対しては、情報通信機器など1300品目を対象に検討を行い、最大600億ドルもの輸入品に25%の高関税をかける構えだ。中国は、すぐに報復関税の発動を表明し、食品など128品目に関税上乗せを行う予定である。

 だが、米国からの強硬な姿勢に対して、中国には「奥の手」がある。巨大な外貨準備として米ドルを保有し、米国債を大量に持っていることだ。中国はそれを売却することを「あらゆる措置」と表現して、米国に譲歩を求めている。強かである。

 もし、日本が米国から厳しい要求を突き付けられたとき、牛肉や農作物に報復関税を課すると強く対抗できるだろうか。それは難しいということで、日本がトランプ大統領や強硬派のスタッフたちに弱腰姿勢を見せれば、遠慮のない「日本バッシング」にさらされる恐れがある。

<シナリオ2>円高誘導

 トランプ大統領の頭の中は、1980年代の日米摩擦のイメージが今も残っている。

 当時は、貿易摩擦を是正するために、為替レートの調整が用いられた。象徴的なのは「ドル高是正」を掲げたプラザ合意だった。1990年代も、クリントン政権(第1期)が円高誘導を振りかざしてきた。

 米韓FTAの再交渉でも、韓国の隠密介入を透明化して、自国に有利なウォン安誘導を禁ずることが盛り込まれた。ムニューシン財務長官も1月にドル安を歓迎する発言をしている。

 ドル安誘導は、ドル高を維持し世界各国から資金を集めてきたこの20年間の米国の戦略や感覚から見れば「非常識な行為」である。米国に資金還流しにくくなり、米国債を海外投資家が買い控えることで、金利上昇が促される。

 FRB(米国準備制度理事会)に対しては、金融緩和圧力が高まり、物価上昇圧力が放置されることになるだろう。そうなると、パウエル議長と大統領の関係も悪化する。物価上昇やFRBの信認低下は、ともにドル安に拍車をかける。

 ドル安政策は、米国にとっても悪魔的な影響を及ぼすだろう。

米朝首脳会談、不調で終われば
円高、さらに進む恐れ


     

 シナリオ1と2は、トランプ大統領が意図的に進めることを想定していた。これらとは別に、トランプ大統領が想定していない悪いシナリオもあることを理解しておかねばならない。

 それは、北朝鮮と米国の首脳会談が不調に終わったときに起こるシナリオだ。

 筆者が注目するのはドル円レートの推移である(図表)。

 3月8日に流れたトランプ大統領が金正恩委員長と首脳会談を行うというニュースは、ドル高円安の材料となるはずだった。しかし、ドル円レートは予想に反して円安方向には戻らなかった。

 一般的には首脳会談の先行きには慎重な見方が根強いので、ドルの買い戻しの圧力もそれほど大きくないと見られている。為替レートは、潜在的リスクが高いときにはリスク回避の円高となる傾向はいまだに続いている。

 その半面、ドル円レートは、米朝首脳会談が不調だったときのリスクを十分に織り込んでいるとは思えない。

 筆者は、米朝会談が不調になった場合はさらに円高が進むのではないかと見ている。

 3月26日から金正恩委員長は北京を訪問した。一時、北朝鮮は、米国の経済制裁に協力する中国に強い不快感を示してきた。それが一転して中国に再接近したのである。

 これは、スーパー301条を適用して崩れ始めた米中関係に対して、北朝鮮が中国に接近するチャンスと見たからだろう。見方によっては、5月の米朝首脳会談が不調だったときの保険をかけたようにも思える。

 仮に、トランプ大統領が5月に金委員長との話し合いのテーブルを蹴って北朝鮮への強硬姿勢に戻ったとき、中国は以前のように米国の経済制裁には協力しないだろう。そうなれば経済制裁で北朝鮮を追い詰めることはできなくなる。

 そのことを先読みして、北朝鮮は中国との関係改善に動き始めたようだ。

 この状況は、コインの裏表のようにトランプ大統領には苦境を意味する。

 これは日本にとっても苦境である。

 最悪のシナリオとしての北朝鮮への軍事介入に近づくことになる。中国抜きの経済制裁は、実効性が低いので、軍事介入による強硬策を採らないで解決しようとする選択を米国がする可能性は少なくなる。

 その場合は、さらに円高が進むことを覚悟しなくてはいけない。

過度の米国頼りは失敗する
米国以外と貿易連携拡大を


  日本はどうすべきか。

 トランプ大統領の強硬策は、結局は米国の孤立を招く。米国は、他国からの協力が得られず、外交パワーが著しく低下するだろう。

 日本にとっては、米国との間で外交・経済面で過度にパワーを頼りにした戦略が失敗するリスクが高まる。

 相対的に外交・経済面で影響力を強めるのは中国である。

 日本にとっての、ひとつの対応策は、貿易連携で、米国以外のネットワークを強めることだ。

 TPP11や日欧EPAを早期に発効して、その輪の内側に米国以外の国々をなるべく多く取り込むことだ。日本は、新しい貿易・投資ルールをつくる役割を率先して担い、自由貿易のリーダー役になることだ。

 別の対応としては、トランプ後の米国が自由貿易のグループに戻る準備を進めることだ。

 中間選挙で共和党が敗北すれば、トランプ政権は力を落とす。さらにトランプ大統領の弾劾という事態もあり得る。大統領の弾劾手続きは、下院で過半数、上院で3分の2以上の賛成があると罷免となる。

 現時点ではあり得ないと思えても、その「まさか」も、今後はあるかもしれない。そうした先の先を読んで、米国の自由貿易の賛成者との協力を下準備しておくことだ。トランプ政権の保護主義的な政策は長く続けられるものではない。

(第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト 熊野英生)



 

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コメント
 
1. 中川隆[-7768] koaQ7Jey 2018年4月04日 11:05:30 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-9925]
1ドル50円が適正価格だ

輸出で儲けたら円高になるに決まってるからな

そもそも日本の技術者の賃金が中国人より安いのがおかしいんだよ

輸出すればするほど日本人は貧しくなるんだ

輸出企業を海外に追い出して、円高放置が正しい



[18初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数により全部処理

2. 中川隆[-7767] koaQ7Jey 2018年4月04日 11:08:47 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-9925]
日本は輸出企業だけを優遇して、輸出企業だけを優遇する消費税を導入、賃金を限界まで下げ、超円安政策を取ったからGDPが何十年も増えなかっただけさ:


輸出企業優遇が賃金とGDPと労働生産性を下げた


植民地のインドは商品を輸出しても、その見返りの代金はポンドでイギリスに蓄積され、デフレになり、不景気になった
2006年2月9日 アメリカの謎を解く 橋本裕の文学・人生日記帳


ブッシュ大統領が1月31日の一般教書演説で、「私は8800億ドルを減税し、国民に返却した。今後も減税を恒久化し、09年に財政赤字を半減する」と述べた。

 一方で、アメリカの経常赤字は05年が7900億ドル(93兆6940億円)、財政赤字も06年度は4230億ドル(約50兆2千億円)で過去最大、債務残高はすでに8兆ドル(約950兆円)を越えている。

 日本では、税制赤字を解消するために、増税をしなければならないと考えられているが、アメリカは逆である。減税をして国内消費を活性化し、景気をよくして税収をあげようとする。さらにアメリカの場合は戦争によって軍需景気を作りだしているわけだ。

 いずれにせよ、アメリカは消費大国。国も国民も借金をして消費を楽しんでいる。このアメリカの消費を助けているのが日本をはじめとするアジア諸国だ。とくに日本の貢献が大きい。日本は政府と民間が何百億ドルというアメリカ国債を買っている。

 先日、朝日新聞夕刊「経済気象台」に「米国のもう一つの謎」という文章が載った。経常収支の赤字が拡大しているにもかかわらず、ドル高が持続している謎について、それは借金国のアメリカが負債について支払う金利が「異常」に低いからだと書いている。これに反して、アメリカの対外資産は巨大な利益を手にしている。

 アメリカは莫大な借金をし、そしてその中から、わずかな一部を他国に貸している。そして不思議なことに、巨大な借金のための利払いよりも、わずかな海外資産の方が多くの利益を生み出しているというのだ。

 どうしてこんなマジックが可能なのか。それは日本がこの逆をしているからである。なぜ日本がこの分の悪い役回りを続けるのか、実はこれこそが本当の謎だということになる。

驚くべきことに、小さな対外資産から受け取る利子と配当が、大きな対外負債に支払う利子と配当を今日まで上回り続けている。家計にたとえると、収入を上回る買い物をして毎月赤字が続き、借金が膨らんでいる。ところが、多額の借金に支払う金利がゼロに近ければ、わずかばかり保有する預金などから受け取る利子の方が大きいという状態なのだ。これでは赤字をいくら出しても、借金さえできれば、後は何の憂いもなく買い物ができる


このうまい話に手放しで悪のりして、米国は経済収支赤字を続け、負債の増加に加速度がついている。この構図が最近話題になり、債権国が浮き足だっている。日本にその気配がないことが「謎」の源である


 実はアメリカのこの「うまい話」は、19世紀に繁栄した大英帝国をまねているだけだ。大英帝国の場合は、その繁栄の謎をとく鍵はインドをはじめとする植民地が持っていた。たとえば当時イギリスの植民地であったインドは、香辛料などの原材料を輸出してイギリスを相手に多額の黒字を計上していた。ところが黒字はルピーではなく、ポンドを使って決済され、そのままイギリスの銀行に預けられていた。

 だからイギリスはいくら植民地を相手に赤字を出しても平気だった。イギリスの銀行に預けられたポンドを、イギリス国内で使えばいいからだ。インドは名目上は債権が増え、お金持ちになったが、そのお金をイギリスの銀行から自由に引き出し、自分の国では使えなかった。お金の使い道は預金者ではなく、イギリスの銀行が決めていたからだ。そしてもちろん、イギリスの銀行は国内の人々に貸し出した。

 イギリス国民は植民地から輸入した品物で生活をたのしみ、しかもしはらったポンドもイギリスの銀行に吸収され、イギリスのために使われるわけだ。こうしてイギリスはどんどん発展した。

 一方植民地はどうなったか。たとえばインドは商品を輸出しても、その見返りの代金はポンドでイギリスに蓄積されるだけだから、国内にお金がまわらなくなる。どんどんデフレになり、不景気になった。

 仕事がきつくなり、給料が下がり、ますます必死で働いて輸出する。ところが黒字分の代金は、ポンドのまま名義上の所有としてやはりイギリス国内で使われる。こうしていくら黒字を出してもインドは豊かになれなかった。そして、赤字を出し続けたイギリスは、これを尻目に繁栄を謳歌できた。

 このイギリスとインドの関係は、そっくり現在のアメリカと日本の関係だと言ってもよい。経済同友会元副代表幹事の三國陽夫さんは、「黒字亡国」(文春新書)にこう書いている。


輸出拡大によっていくら日本が黒字を蓄積しても、それはアメリカ国内にあるアメリカの銀行にドルで預け入れ、アメリカ国内に貸し置かれる。日本からの預金は、アメリカにしてみれば資金調達である。貸し出しなどに自由に使うことができる。

 日本は稼いだ黒字にふさわしい恩恵に与らないどころか、輸出関連産業を除いて国内消費は慢性的な停滞に喘いでいる。停滞の原因であるデフレはなかなか出口が見えない。

 日本の黒字がドルとして流入したアメリカはどうなのか。ドルはアメリカの銀行から金融市場を経由して広く行き渡り、アメリカ経済の拡大のために投下されている。日本の黒字は結局、アメリカが垂れ流す赤字の穴埋めをし、しかもアメリカの景気の底上げに貢献しているのである。・・・

 輸出で稼いだ黒字を日本がドルでアメリカに預け、日本の利益ではなく、アメリカの利益に貢献している限り、円高圧力もデフレ圧力も弱まることなく、政府・日銀がいくら財政支出や金融緩和というデフレ解消策を講じても、一向に持続性ある効果は現れないのである


 幸い、最近この貿易構造がかわりつつある。日本の貿易相手国が中国をはじめとするアジアやヨーロッパにシフトしたことで、日本の対米黒字の割合が相対的に低下したからだ。こうして日本がデフレから解放されるチャンスがここから拡大した。

 しかし、問題はすでに厖大なドル建て資産をアメリカに持っていることだ。日本人の汗の結晶であるドル建て資産が、今後ドル安で何百兆と失われる可能性がある。こうした形で、アメリカは最終的に日本の資産を合法的に手に入れようとする。

「今後も減税を恒久化し、09年に財政赤字を半減する」というブッシュの一般教書の宣言は、これからも日本をはじめ、世界から資金を調達するという意思表示と読むべきなのだろう。
http://www.asyura2.com/0601/hasan45/msg/253.html


[18初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数により全部処理

3. 2018年4月04日 19:05:16 : hUkJW5PNLO : vS5oQ06@H3c[884]
泳がせた 甲斐があったと ほくそ笑み

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