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福島・小児甲状腺がん211人、まだまだ増える
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2018/09/06(木) 19:51:05 めげ猫「タマ」の日記
昨日(9月5日)、32回福島県「県民健康調査」検討委員会が開かれました(1)。そこで福島県甲状腺検査3順目の結果が発表になりました(2)。悪性または悪性の疑いの方が前回(4)から3人増え、3順目で15人の方が悪性ないし悪性の疑いと診断されたと発表があいました。(=^・^=)なりに集計すると2、3順目の悪性または悪性の疑いの割合は
避難区域等が設定された13市町村 0.061%(検査 34,563人中 21人)
避難区域外の中通り 0.031%(検査152,703人中 47人)
で、13市町村は避難区域外の中通の2倍の罹患率です。このような事が起こる確率を計算したら統計的の差があるとされる5%(5)を下回る0.8%でした。
チェルノブイリ原発事故で子供の甲状腺がんの多発が見つかりました(6)。これを受けて福島でも事故当時18歳以下だった子供を対象にした甲状せん検査が実施されています(7)。当初の想定は100万人当たり2,3人です(8)。これまでの発表(2)(4)(9)を集計すると累積で
約30万人の検査で211人
の悪性ないし悪性の疑いの方が見つりました。1万人当たりにして7人です。当初の想定に比べ極めて高い割合です。以下に推移を示します。
※(10)を集計
図―1 どんどん増える福島の甲状腺癌
これについて福島原発事故の為とも(11)、そうでないとも主張があります(12)。現時点の公式見解は
「事故当時5歳以下からの発見はないこと、地域別の発見率に大きな差がないことから、総合的に判断して、放射線の影響とは考えにくいと評価する。」
です(13)。
甲状腺がんはヨウ素131の被ばくによって生じる物とされていますが(14)、ヨウ素131は半減期(量が半分になるまでの時間)が8日と短く(15)、その影響を後から調査するのが困難とされているようです。以下に事故直後から継続して放射線量が測定されている6地点(福島市、白河市、会津若松市、南会津町、南相馬市、いわき市平)の事故後から2012年3月末までの放射線量の推移を示します。
※(15)を引用
図―2 福島県6地点の放射線量
図に示す様に事故直後は急激に下がり、その後は下がり方が緩慢になっています。事故直後はヨウ素131等の半減期が日単位で比較的短い(直ぐに無くなる)放射性物質からに放射線が主流で、事故から1年以上を経過すればセシウム134や137等の半減期が年単位(1年では無くらなない)放射性物からの放射線が主流をしめます。事故1年後と事故直後の放射線量に関係性がみられれば、半減期の短いヨウ素131の影響の相対的な大小をその後の放射線量で評価できます。以下に事故直後の2011年3月17日と事故1年後の2012年3月11日の放射線量の相関を示します。
※(15)を集計
図―3 2011年3月17日と2012年3月11日の放射線量の相関
図に示す様に綺麗に直線に並んでいます。ヨウ素131は半減期は短いので事故直後影響しますが、事故から1年も経てば影響は無くなります。事故直後と1年後の放射線量に高い相関があることは、ヨウ素131の影響はセシウム等の影響で評価できることを意味します。絶対的な評価は困難でも放射性セシウムの影響が強い場所はヨウ素131の影響も強かったと言えますし、弱い場所ではヨウ素131の影響も弱いと言えます。セシウムの影響の強弱と甲状腺がんの発生状況を比較すれば影響を把握できます。
放射線の身体的影響には、早期効果と晩発効果の二つに分けられます。早期効果は、一度に大量の放射線を被曝した後数週間以内に現れてくる障害です。晩発効果は、被曝後しばらく症状の現れない潜伏期間があるものをいいます。発癌も晩発効果に含まれます(16)。甲状腺癌も直ぐに現れる訳ではありません。以下にチェルノブイリでの甲状腺がんの発症率の推移を示します。
※1(6)にて作成
※2 年齢は発症時の年齢
※3 チェルノブイリ原発事故は1986年(18)
図―4 チェルノブイリ原発事故での甲状腺癌発生率
図に示す通りチェルノブイリ原発事故では事故の4年目以降から増加が見られます。
福島県の甲状腺検査は2011〜13年度に開始された1順目(先行検査)、2014、15年度開始の2順目(本格調査1回目)(9)、2016、17年度開始ないし開始予定の3順目(本格調査2回目)(2)(4)が実施されます。甲状腺検査は1次検査と詳細な2次検査に分かれています。2次検査が完了して検査が終わったことになります。以下に2次検査完了者÷現時点(9月6日)までの発表で集計した2次検査完了率を示します。
※1(10)を集計
※2 3順目の()内は実施年度
図―5 2次検査完了率
図に示すように1順目の検査では図―4との比較においてチェルノブイリでは発祥が増加する以前の事故後4年以内の2014年3月末に概ね終わっています。2、3順目の検査は同じくチェルノブイリでは増加がみられた4年目以降に確定しています。チェルノブイリの例を習うなら1順目の検査に比べ、2順目以降の検査は事故の影響を強く受けた結果が出ます。
以上の議論を纏めれば、
@ヨウ素131の影響を絶対値として評価できなくとも、セシウム等で相対的な評価が可能である。
Aチェルノブイリの例の習えば事故3年以内にほぼ終わった1順目の検査に比べ、4年目以降に結果が確定した2順目以降の検査は事故の影響を強く受けた結果が出る。
になります。2順目以降の検査でセシウム汚染が酷い場所や人とそうでない場所や人を比較すれば事故の影響が分かりそうな気がします。
福島県の放射線リスクアドバイザーの高村昇氏は
「県民健康調査で行われている『甲状腺検査』のうち先行検査で甲状腺がんあるいはその疑いと診断された方の発症頻度を地域別に比較したところ、避難区域等の13市町村(田村市や伊達市、川俣町含む)で10万人当たり33.5人、中通りで38.4人、浜通り(避難区域以外のいわき市、相馬市、新地町)で43.0人、会津地方で35.6人と甲状腺がんの頻度はほぼ同じであり、少なくとも事故当時に東京電力福島第一原発の近くにいらっしゃった方に甲状腺がんが多いということはありません。」
との寄稿文を福島県地方紙の福島民報に寄せています(19)。以下に当該分における地域分けを記載します。
※1(20)のデータを元に(21)に示す手法で9月1日に換算
※2 避難地域等の13市町村は避難勧奨地点が設定された伊達市および緊急時避難準備区域のみの広野町を含む(22)
※3 福島県の区域分けは(23)による。
※4 浜通り、中通りは13市町村以外
図―6 福島民報での甲状腺の区域分け
9月5日に32回福島県「県民健康調査」検討委員会が開かれましたが開かれました(1)。そこで福島を4地域に分けての検査の集計結果が発表になりました(2)。「悪性ないし悪性疑い者数」を「罹患者」、「悪性ないし悪性疑いの割合」を罹患率とすると、2,3順目(本格調査)の罹患率は
13市町村 検査 34,563人中 罹患者 21人 罹患率 0.061%
13市町村以外の中通り 検査152,703人中 罹患者 47人 罹患率 0.031%
13市町村以外の浜通り 検査 51,062人中 罹患者 11人 罹患率 0.022%
会津 検査 32,212人中 罹患者 7人 罹患率 0.022%
合計(福島県全体) 検査270,540人中 罹患者 86人 罹患率 0.032%
で、地域によって大きな差があります。これについて福島県立医大は
「地域別の発見数については、年齢、性別、検査間隔、年齢階級別一次検査受診率、二次検査受診率など、様々な因子が影響している可能性があるため、今後、解析方法を詳細に議論した上での評価が必要と考えられる。」
と主張し(24)、これが事故影響を証明する物ではないとしています。
そして罹患率だけでなく種々のパラメータに差があるとしています(24)。甲状腺検査は1次検査、2次検査、細胞診の順で実施されます(25)。この中で地域ごとに最も大きな差があったのが最終の細胞診受診率です。以下に記載します。
13市町村 2次検査受診 293人中 細胞診受診 38人 受診率13.0%
13市町村以外の中通り 2次検査受診 967人中 細胞診受診127人 受診率13.1%
13市町村以外の浜通り 2次検査受診 340人中 細胞診受診 31人 受診率 9.1%
会津 2次検査受診 188人中 細胞診受診 10人 受診率 5.1%
合計(福島県全体) 2次検査受診1,788人中 細胞診受診206人 受診率11.5%
でした。細胞診受診率に大きな差があります。特に13市町村と会津で大きな差があります。これについては2つの解釈が可能だと思います。
@図―6に示すように13市町村に比べれば会津の汚染はかなりマシです。放射線影響は出にくく、細胞診が必要な方の割合が少なくなった。
A会津の汚染が少ないので、会津の方は放射線影響をあまり心配しておらず、細胞診よりも経過観察を選ぶ方が多く、結果として細胞診受診率が下がった。
です。さらに会津の3順目検査は2017年度の検査実施ですが、図−5に示す様に2次検査が確定していません。 図―6に示す様に13市町村と中通りでは中通りの方が放射線量が低くなっています。そこで比較してみました。再掲になりますが
13市町村 検査 34,563人中 罹患者 21人 罹患率 0.061%
13市町村以外の中通り 検査152,703人中 罹患者 47人 罹患率 0.031%
で、13市町村は避難区域外の中通の2倍以上の罹患率です。このような事が起こる確率を計算したら統計的の差があるとされる5%(4)を下回る0.8%でした。
以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。
表―1 偶然に起こる確率の計算結果(13市町村と中通りの比較)
※ 計算方法は(=^・^=)の過去の記事(26)による
以下に0−19歳の方の事故後4ヶ月間の被ばく線量分布を示します。
※1(27)を集計
※2 年齢は事故時
図―7 事故後4ヶ月間の0−19歳の被ばく線量分布
図に示す様に0−9歳と10−19歳の分布に大きな差はありません。0−19歳の被ばく線量分布はほぼ同一であり、これを甲状腺検査の対象である0−18歳にも適応できます。数値を記載すると
1ミリシーベルト未満の方 92,874人
1ミリシーベルト以上の方 50,960人
で(27)、被ばく線量1ミリシーベルト以上は38%で1ミリシーベルト以下が大半です。以下に1順目の検査で、罹患者と判定された方の事故から4ヵ月間の放射線量分布を示します。
※1(9)を集計
※2 被ばく線量は事故から4ヶ月間
図―8 1順目(先行検査)罹患者の被ばく線量分布
図に示す通り1順目(先行検査)で見つかった罹患者の被ばく線量分布は図ー7と比較して全体の分布と大きな差はりません。数値を記載すると
1ミリシーベルト未満 47人(全体の71%)
1ミリシーベルト以上 19人(全体の29%)
です。
以下に2,3順目(本格調査)で見つかった罹患者の被ばく線量分布を示します。
※(2)(4)を集計
図―9 2、3順目(本格調査)罹患者の被ばく線量分布
図に示す様に全体の分布(図−7)や1順目(図―8)に比べ、高線量側にずれています。数値を記載すると
1ミリシーベルト未満の方 16人
1ミリシーベルト以上の方 25人
で(2)(4)、被ばく線量1ミリシーベルト以上は63%で1ミリシーベルト以上が多くなっており、数字が逆です。このような事が偶然に起こる確率を計算したら
全体の放射線量分布 0.2%
1順目と2,3順目の比較 1.3%
で共に、統計的な差が統計的の差があるとされる5%(4)を下回っています。
以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。
表―2 偶然に起こる確率の計算結果(基本調査との比較)
※ 計算方法は(=^・^=)の過去の記事(26)による
表―3 偶然に起こる確率の計算結果(1順目検査との比較)
※1 計算方法は(=^・^=)の過去の記事(26)による
※2 黄色部分は計算による。期待値は1順目、2順目とも1ミリシーベルト未満の割合が同じとして、計算式は以下の通で計算
B=@(観測値)+A(観測値)
E=C(観測値)+D(観測地)
F=@(観測値)+C(観測値)
G=A(観測値)+D(観測値)
H=F+G
I=F÷H
@(期待値)=B×I
A(期待値)=B×(1−I)
C(期待値)=E×I
D(期待値)=E×(1−I)
※3 Iはχ2の合計(I)と自由度3で計算
以上をまめると
@13市町村と13市町村にくらべれば汚染が少ない中通り(13市町村以外)を比較すると、13市町村の罹患率は倍以上である。
A全体の被ばく線量と2,3順目の検査を比較すると2,3順目の罹患者は高線量側にずれている。
Bチェルノブイリの例から事故影響が少ないであろうと思われる1順目検査と2,3順目検査で見つかった罹患者の被ばく線量を比較すると、2,3順目の罹患者の被ばく線量が高い。
との特徴が見受けられます。「県民健康調査」検討委員会の議論(28)を聞いていると結論は出ていませんが、限りなく黒に近いグレーです。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
これについて福島県の地方紙・福島民友は
「検討委は1巡目の結果を踏まえ、検査で見つかったがんは『放射線の影響とは考えにくい』との中間報告をまとめている。」
と報じていました(29)。記事が引用した中間とりまとめは2016年3月に発表されたもので(13)、2年半が経過してます。そろそろ次のとりまとめがあっても良いと思うのですが、そのような様子がありません。もし、そのような取りまとめをすれば、2,3順目(本格調査)では「地域差がある」 「罹患者が高線量側にシフトしている」事に触れざるをえず、「放射線の影響とは考えにくい」とは言えなくなります。地域差あっても、放射線の影響とは言えないとする福島県立医大の資料は、最初は2017年11月30日に発表されたもので(24)、1年近く更新されていません。事実を知るなら常に更新し、「地域差あっても、放射線の影響とは言えない」が今も成立するか確認する必要ががります。でも、その様な事はしません。福島県は「放射線の影響」を否定することには熱心でも、事実を究明には関心がないようです。これでは福島県が「風評被害」を主張しても(30)、福島の皆様は信用しないと思います。
福島のお米は美味しいそうです(31)。福島県は福島産は全量・全袋検査で「安全」だと主張しています(32)。でも、福島県相馬市のスーパーのチラシには福島産米はありません。
※(33)を引用
図―10 福島産無い福島県のスーパーのチラシ
(=^・^=)も福島県相馬市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-2640.html
(1)第32回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成30年9月5日)の資料について - 福島県ホームページ
(2)(1)中の資料3-1 県民健康調査「甲状腺検査【本格検査(検査3回目)】」実施状況 [PDFファイル/996KB]
(3)第31回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成30年6月18日)の開催について - 福島県ホームページ
(4)(3)中の資料3-2 県民健康調査「甲状腺検査【本格検査(検査2回目)】」結果概要<平成29年度追補版> [PDFファイル/8.77MB]
(5)有意水準とは - 統計学用語 Weblio辞書
(6)放射線被曝とがんとの関連性3 | トピックス | 日本臨床検査薬協会
(7)県民健康調査について - 福島県ホームページ
(8)第3回「県民健康調査」検討委員会(平成23年7月24日開催) - 福島県ホームページ中の当日配布資料
(9)(3)中の 資料3-1 県民健康調査「甲状腺検査(先行検査)」結果概要 [PDFファイル/969KB]
(10)「県民健康調査」検討委員会 - 福島県ホームページ
(11)「福島の子供の甲状腺がん発症率は20〜50倍」 津田敏秀氏ら論文で指摘
(12)福島県における小児甲状腺超音波検査について
(13)県民健康調査における中間取りまとめ - 福島県ホームページ
(14)ヨウ素131 - Wikipedia
(15)半減期 - Wikipedia
(16)平成22・23・24年度 県内7方部環境放射能測定結果 - 福島県ホームページ
(17)放射線診療技術研修支援システム -社団法人 日本獣医師会-
(18)チェルノブイリ原子力発電所事故 - Wikipedia
(19)放射線 放射性物質 Q&A 甲状腺がん 浜通りの割合高い? | 東日本大震災 | 福島民報
(20)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成29年9月9日〜11月16日測定) 平成30年02月20日 (KMZ, CSV)」
(21)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)
(22)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(23)福島県 - Wikipedia
(24)第9回甲状腺検査評価部会(平成30年1月26日)の資料について - 福島県ホームページ
中の「 資料2−2 地域別にみたB・C判定者、および悪性ないし悪性疑い者の割合について [PDFファイル/395KB]」
(25)福島県での甲状腺がん検査結果の現状(鈴木眞一氏)|エネ百科|きみと未来と。
(26)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
(27)(3)中の 資料1 県民健康調査「基本調査」の実施状況について [PDFファイル/674KB]
(28)甲状腺がん集計外含め211人〜福島県 | OurPlanet-TV:特定非営利活動法人 アワープラネット・ティービー
(29)「甲状腺がん」11人に 3巡目の検査、新たに2人確定:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(30)福島県風評・風化対策強化戦略について - 福島県ホームページ
(31)ふくしま米
(32)全量全袋検査に関するよくある質問 - 福島県ホームページ
(33)Webチラシ情報 | フレスコキクチ中の「相馬店」
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