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https://jp.sputniknews.com/opinion/201804024736119/
イージス・アショアの日本配備にロシアが反対する理由は?
© AFP 2018/ Tim Kelly
オピニオン
2018年04月02日 09:50
タチヤナ フロニ
米国がミサイル防衛(MD)システムを世界中に展開し、日本がそれに組込まれることはロシアの国益に関することだと、ロシアのラブロフ外相が指摘した。「自国領を守る手段を選ぶ日本の権利に完全な敬意を払うが、ロシア側は、各国のあらゆる行動が『安全保障の不可分性の規則』を踏まえるべきであるという立場に立つ。そして誰も他国の安全保障を圧迫することで自国の安全を保障するべきではないという立場だ」とラブロフ氏は強調した。
スプートニク日本
軍事政治分析局のアレクサンドル・ミハイロフ局長に、スプートニクは「安全保障の不可分性の規則」について話を伺った。
「安全保障の不可分性の規則は国際安全保障の主な原則の1つだ。これは、1国の安全保障は他国の安全保障を犠牲にするべきではないというもの。日本はロシア国境の直近に強力な軍事力を有する隣国だ。日本は北大西洋条約機構(NATO)の加盟国ではないが、その重要な同盟国であると世界では認識されている。日本はNATOのグローバル・パートナーシップ・プログラムに入っており、巨大な在日米軍を公然と駐留させている。当然、これはロシアに懸念を引き起こす。」
© Sputnik/ Host photo agency/Sergey Guneev
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しかし日本にも重要な地域的な論拠がある。これは、北朝鮮政権とそのミサイル核計画の予測不能性と閉鎖性に対する日本の懸念と関係している。ロシアはこれを理解する一方で、反論も有する。日本へのMDシステム配備は日本を北朝鮮のミサイルから守るだけでなく、アジア太平洋地域でのロシアの戦略核戦力を弱めることもできるためだ。
この点で日米が共同で行った行動はどのようなものか?
「日本は2000年代中旬から米国のミサイル探知レーダーを配備しているが、2017年12月、日本は地上配備形弾道ミサイル防衛システム『イージス・アショア』の配備を決定。NATOは以前、米国の高高度防衛ミサイル『THAAD』を購入するよう日本にロビー活動を行っていた。しかし米国の出した金額が余りに高く、正式に日本が承認したのはイージス・アショアだった。」
これはロシア政府の懸念を呼ぶ。米国のMDシステムが日本に配備されると、ロシアの1地方が射程範囲内に置かれるとミハイロフ氏は強調する。
「イージス・アショアが用いるSM-3シリーズの迎撃ミサイルは地上からも艦上からも発射可能で、射程は700キロ。近い将来に『SM3ブロック2A』に置き換えられ、射程は2500キロに伸びる。そうなれば、ロシア極東地域は潜在的に『対象下』に置かれる。」
© 写真: Scherbak A.A./MFA of the Russian Federation
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この情勢は、自国領を守る新たなオプションを検討するようロシアを促した。プーチン大統領が最近発表したのが、そのオプションである。ミハイロフ氏は、ロシアの軍需産業がMDシステム突破に注力していると説明する。
「ロシアの新型兵器は『極超音速』により目標を達成する。新型ミサイルと極超音速ユニットは弾道飛行ではない軌道が可能。このため、米国のMDシステムは標的への『上昇』中や下降中にミサイルを迎撃することができない。だが、ロシアの新型兵器はまだ最終実験段階にある。」
外交レベルでロシアと日本は建設的な対話を続け、注意深くお互いの見解を聴くことで一致したとラブロフ外相は3月の訪日の後に述べた。
タグ 軍事, 武器・兵器, 米国, ロシア, 日本
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