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破綻した経済をコロガシで誤魔化してきた米国だが、それも限界で、戦争への道を歩む(その4)
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2018.02.05 櫻井ジャーナル
アメリカ国防総省で1992年2月にDPG草案が作成される直前、ネオコンは自分たちがライバルのソ連に勝利したと思い、唯一の超大国になった自分たちに逆らう国は存在しないと考えた。世界はアメリカの軍事力に屈服し、パックス・アメリカーナが実現されるというわけだ。
世界の覇者となったアメリカは全ての利益を独占する権利があり、自分たちの行動や態度を顧みる必要はないとネオコンは考えた。それはアメリカという国が富を独占するということではなく、アメリカを支配する何百分の一%かの社会的強者が総取りするということだ。そうした支配者に刃向かうものたちは「制裁」の対象になる。
そうしたネオコンのプランはウラジミル・プーチンがロシアを再独立させることで破綻してしまう。アメリカが軍事侵略してもロシアや中国は手を出せず、この両国を先制第一撃で破壊できるので全面核戦争を恐れる必要はないと考えた。
しかし、2008年8月のジョージアによる南オセチアへの奇襲攻撃が失敗したことで、そうしたネオコンの認識は正しくないことが判明する。2003年にはネオコンのポール・ウォルフォウィッツが国防次官時代の1991年に語ったプランに従ってイラクを先制攻撃、11年にはリビアとシリアを傭兵で侵略する。その傭兵の主体はサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団であり、その黒幕はアメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟を中心とする勢力。リビアではこうした傭兵で編成された地上軍とNATOが保有する航空兵力の連携が機能してムアンマル・アル・カダフィ政権は崩壊、カダフィ自身は惨殺された。
イラクのサダム・フセインやリビアのカダフィを殺した三国同盟はシリアのバシャール・アル・アサド大統領が亡命すると予測していたようだが、逃げ出さなかった。本人だけでなく妻もシリアに留まり、抵抗を続ける。2015年9月30日にはロシア軍がシリア政府の要請で軍事介入、傭兵部隊は劣勢になり、今では壊滅寸前。アメリカは自分たちと関係の深い戦闘員を救出し、アフガニスタンへ運んだり、クルドを中心とする新たな戦闘集団に合流させているが、状況は良くない。
それに対し、ロシア軍は保有する航空機、防空システム、戦車、巡航ミサイルなどが高性能だということを見せつけ、アメリカ軍は強くないということを明らかにしている。そこでアメリカ支配層の内部にはロシア軍との衝突を避けようとする動きが現れ、2015年春には次期大統領として内定していたはずのヒラリー・クリントンでなく、ドナルド・トランプが当選する事態になった。
ところがネオコンは1992年2月に作成した世界制覇プランに固執、中国やロシアを軍事力で屈服させようとしている。アメリカの支配体制はドルが基軸通貨だということで維持されてきたのだが、そのドル体制が今、揺らいでいる。ドルを基軸通貨の地位から引きずり下ろす力の源はロシアと中国だ。
アメリカは何をしでかすかわからない国だと思わせれば自分たちが望む方向へ世界を導けるとリチャード・ニクソンは考え、イスラエルは狂犬のようにならなければならないと同国のモシェ・ダヤン将軍は語った。凶人のように振る舞い、狂犬のように行動すれば中国やロシアも恐れをなして屈服するとネオコンは今でも信じているようだ。
安倍晋三政権や有力マスコミなどは、そうしたアメリカやイスラエルに従属している。日本人の多くがこうした現実に気づけば破滅への道から逃れることができるが、日本が滅びようと、そうした狂気の戦略に従わないと自分たちの不利益になるという考え方が広まっている。(了)
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