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破綻した経済をコロガシで誤魔化してきた米国だが、それも限界で、戦争への道を歩む(その3)
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2018.02.05 櫻井ジャーナル
アメリカのリチャード・ニクソン大統領は中国との関係修復に動き、ベトナム戦争も終える。その時期に田中角栄首相は中国を訪問し、周恩来と会談して両国の友好関係樹立を実現した。その際、両者は尖閣諸島の領有権問題の「棚上げ」で合意している。この事実を否定することはできない。
東アジアの軍事的な緊張と高めるためにはこの合意を壊す必要がある。その引き金を引いたのが民主党の菅直人政権だった。
2010年9月、菅政権の時に海上保安庁は尖閣諸島付近で操業していた中国の漁船を取り締まり、漁船の船長を逮捕しているが、これは「日中漁業協定」を無視する行為。当然、海上保安庁は協定を熟知しているはず。海上保安庁は国土交通省の外局で、その当時の国土交通大臣は前原。大臣の意思がなければ不可能な行為だ。つまり、前原は田中と周による棚上げ合意を壊し、日本と中国との関係悪化を図ったのである。日中関係を悪化させる目論見は安倍晋三政権も引き継いでいる。
ネオコンの世界制覇プランが国防総省のDPG草案という形で作成されたのは1992年2月のことだが、この当時、アメリカの好戦派は自国が唯一の超大国になったと認識、ロシアも中国も自分たちに刃向かうことはできず、国連を無視して単独で好きなことができるようになったと思い込んでいる。
日本では1994年に細川護煕政権の諮問機関「防衛問題懇談会」が「日本の安全保障と防衛力のあり方(樋口レポート)」を作成するが、これは国連中心主義だった。そこで国防大学のマイケル・グリーンとパトリック・クローニンは日本が自立の道を歩き出そうとしていると主張、友人のカート・キャンベル国防次官補を説得してジョセフ・ナイたちに自分たちの考えを売り込み、1995年の「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」につながる。その後、日本はアメリカの戦争マシーンに組み込まれていった。
その戦争マシーンはアメリカの軍事力が他国を圧倒していると思い込む。CFR/外交問題評議会が発行しているフォーリン・アフェアーズ誌の2006年3/4月号に掲載されたキール・リーバーとダリル・プレスの論文では、アメリカ軍の先制第1撃でロシアと中国の長距離核兵器を破壊できるようになる日は近いと主張されている。つまりアメリカはロシアと中国との核戦争で一方的に勝てると見通していたのだが、これはアメリカ好戦派の九通認識だったのだろう。
2008年8月8日に北京で夏季オリンピックが開幕するが、その日にジョージア(グルジア)は南オセチアを奇襲攻撃する。この攻撃の前月、2008年7月10日にアメリカのコンドリーサ・ライス国務長官がジョージアを訪問しているが、この時に奇襲攻撃に関する何らかの話し合いが持たれたのではないかと推測する人もいる。ジョージア政府が自分たちの意思だけで戦争を始められるとは考え難いからだ。
攻撃の直前、2008年1月から4月にかけてはアメリカの傭兵会社MPRIとアメリカン・システムズが元特殊部隊員を派遣しているが、イスラエルは7年前からジョージアに対する軍事支援を始めている。イスラエルの軍事会社はジョージアへ無人飛行機、暗視装置、対航空機装置、砲弾、ロケット、電子システムなどを含む武器/兵器を提供、軍事訓練も行っている。
ジョージアのエリート部隊を訓練していた会社はイスラエル軍のガル・ヒルシュ准将(予備役)が経営する「防衛の盾」で、予備役の将校2名の指揮下、数百名の元兵士が教官としてジョージアに入っていた。しかも、イスラエル軍の機密文書が使われていたとする証言もある。
これだけに時間をかけて準備された軍事作戦だが、ロシア軍の反撃で完敗する。戦争後、ジョージアの攻撃を「無謀だった」と言う人もいたが、ジョージアは勿論、アメリカもイスラエルも勝てると考えていたはずだ。ロシア軍が予想以上に強かったのだ。ロシア軍は出てこないと考えていた可能性もある。8月15日にライスは再びジョージアを訪問、サーカシビリと会談している。
イスラエルがジョージア政府に食い込んでいたことは当時の閣僚を見てもわかる。流暢にヘブライ語を話せる閣僚がふたりいたのだ。ひとりは奇襲攻撃の責任者とも言える国防大臣のダビト・ケゼラシビリであり、もうひとりは南オセチア問題で交渉を担当していた再統一担当大臣のテムル・ヤコバシビリだ。
その後、サーカシビリはジョージアから逃げ出し、今はウクライナへ不法入国している。ネオコンが仕組んだ2014年2月のクーデターが計画通りに進まず、ウクライナは破綻国家になっている。このクーデターはソチ・オリンピックの開催にタイミングを合わせたものだった。ウクライナでは新たな戦争を目論んでいるとも言われているのだが、そうした動きの中心にサーカシビリがいる。
シリアへ傭兵部隊を送り込んでバシャール・アル・アサド政権を倒して傀儡対瀬を樹立することに失敗したアメリカは新たな戦争を引き起こして一発逆転を狙い、東アジアでも軍事的な緊張を高めようとしている。今年3月18日にはロシアで大統領選挙があり、6月14日から7月15日にかけてはロシアでサッカーのワールドカップがある。アメリカが戦争を仕掛ける時、こうしたイベントがしばしば使われる。
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