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自らの戦略を実現するために軍事的な緊張を高め侵略している米国は、そのために武器兵器も密輸
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2017.09.16 櫻井ジャーナル
9月15日に朝鮮がIRBM(中距離弾道ミサイル)を発射したのだという。東アジアの軍事的な緊張を緩和させようとしていた韓国の文在寅大統領も朝鮮のICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射実験や水爆の爆破実験などでアメリカや日本の好戦派に押されているが、そうした流れを加速させるような動きだ。
本ブログでは何度も指摘しているが、朝鮮の軍事的な行動を最も喜んでいるのは日米好戦派にほかならない。ロシアや中国は経済発展を推進するために戦争を嫌い、そうした中露の計画を妨害しようとしているアメリカにとっては好都合ということだ。朝鮮は講和条約の締結を望み、アメリカ支配層がそれを拒否するという構図があったが、中国やロシアを睨んで東アジアの軍事的な緊張を高めたいアメリカ、軍事技術を手に入れたい朝鮮、両国の利害が一致しているように見える。
朝鮮の新しいミサイルが搭載しているエンジンはウクライナから持ち込まれた可能性が高いとする分析結果が8月14日、ミサイル防衛を専門にしているマイケル・エルマンによって明らかにされた。ウクライナで西側の専門家が目撃した情報とも合致しているという。ウクライナから朝鮮への技術移転にイスラエルが関与しているとする情報もある。この推測が正しければ、アメリカも関与している可能性が高い。
調査ジャーナリストのロバート・パリーによると、エンジンの出所だと疑われている工場の所在地はイゴール・コロモイスキーという富豪(オリガルヒ)。ウクライナ、キプロス、イスラエルの国籍を持つ人物で、2014年2月のクーデターを成功させたネオ・ナチのスポンサーとしても知られている。勿論、その背後にはアメリカのネオコンがいる。2014年7月17日にマレーシア航空17便を撃墜した黒幕だとも噂されている人物だ。
ウクライナはアメリカの好戦的な親イスラエル派、つまりネオコンがネオ・ナチを使ったクーデターで乗っ取られた国だが、アメリカはシリアの体制を転覆させるために送り込んだアル・カイダ系傭兵集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)へも武器を供給してきた。
ダーイッシュが売り出される2年前、2012年にアメリカ軍の情報機関DIA(国防情報局)は反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団だと指摘、バラク・オバマ政権が宣伝していた「穏健派」は存在しないとする報告書をホワイトハウスへ提出している。その中で東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるとも警告されているが、それはダーイッシュという形で現実になった。
この報告書が作成された当時のDIA局長がマイケル・フリン中将。ダーイッシュが売り出された直後の2014年8月に退役させられているが、翌年の8月にアル・ジャジーラの番組へ出演、ダーイッシュが勢力を拡大できたのはバラク・オバマ政権の政策があったからだと指摘している。そのフリンをドナルド・トランプ大統領は国家安全保障補佐官に据えるが、有力メディアを含む支配システムが総攻撃してホワイトハウスから追い出されてしまった。
Head to Head - Who is to blame for the rise of ISIL?
シリアの侵略軍へ物資を運ぶルートの中心はトルコからのものだったが、そこへ運び込むルートをブルガリアのジャーナリストが7月2日、明らかにした。公文書を根拠にした記事で信頼できる。アメリカ、イスラエル、サウジアラビアなどが購入した武器をアゼルバイジャンの国営航空会社がさまざまなルートでアル・カイダ系武装集団、ダーイッシュやクルドなどへ運んでいるとしている。なお、この大スクープをものにしたジャーナリストは8月24日に解雇された。ドイツの基地も武器密輸に利用されていたとする報道もある。
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