http://www.asyura2.com/17/warb20/msg/510.html
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(投稿者コメント)
藤永茂氏の記事。ISの役割と米国の嘘等。
(以下転載)
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http://blog.goo.ne.jp/goo1818sigeru/e/1f862c600578c679781fdb67d573795c
ISの最後の謎が解けた(1)
2年以上前の2015年4月15日付の記事『IS(イスラム国)問題』で、私は、結語として、
「川上泰徳さんがおっしゃるように、本質的には、「イスラム国」の出現は、「アラブの春」で目覚めたサラフィー主義の若者たちの運動だと位置づけるべきなのでしょう。しかし、それはそれとして、いまの私の目に明らかなことは、米欧とアラブ世界の一部の国々(トルコを含む)にとって、これはいわゆる“外人部隊”なのであり、“外人部隊”として利用しているという事です。世界各国からの隊員のリクルートのやり方も“外人部隊”のそれなのだと私は見ています。 “外人部隊”は雇われた兵隊です。この“外人部隊”にとっての現在の最重要のassignmentはシリアのアサド政権の打倒であって、それ以外はサイドショウです。シリア国土の不法爆撃はシリアのインフラ破壊が大きな目的です。」
と書きました
川上泰徳さんは元朝日新聞社の中東アフリカ総局長だったベテラン・ジャーナリストで、今も中東について盛んに発言をしておられます。川上さんの「イスラム國」についての結論的な文章を引用します:
#「イスラム国」の出現は、「アラブの春」で目覚めたサラフィー主義の若者たちの運動だと位置づけるべきである。「アラブの春」の後の混迷が「イスラム国」出現を後押ししたという要素もあるとしても、イスラムの教えに基づいて正義や公正を実現しようとするサラフィー青年の運動が、「イスラム国」という形をとった、と考えなければならないだろう。若者たちは純粋であるだけに、運動が過激化しやすいことも確かだ。「イスラム国」をテロ組織として軍事的に攻撃しても、なくなりはしないことは既に述べたが、逆に過激化させることになる。
「イスラム国」についての問題の本質は、アラブ世界を動かす存在となっている若者たちが直面する問題をどのように解決するかということである。そろそろ、「対テロ戦争」で「イスラム国」を壊滅させれば問題は解決するという考え方から、脱却すべきだろう。世界が「イスラム国」を軍事的に敵視し、たたき続ける限り、現在の「イスラム国」が世界にとっての安全保障の脅威、つまり「テロの温床」になる。必要なのは、世界の方から「イスラム国」との間で軍事的ではない対応をさぐることである。
「イスラム国」に対する最善の解決は、「イスラム国」に参加しているサラフィー主義の若者たちが、シリアやイラク、またはその出身国で、サラフィー主義者として政治勢力として活動できるような民主的な政治環境をつくることだろう。いまの中東の混乱を考えれば、理想的に過ぎると見えるかもしれないが、民主主義や人権、法の支配を回復する中で、「イスラム国」として突出したアラブの若者をも包含するという中東正常化の方向に向かわなければ、事態はさらに悲劇的な方向にむかうことになるだろう。#
上掲のブログ記事『IS(イスラム国)問題』で、ただ一介の市井の老人としての身分をわきまえた上で、あえて、川上泰徳さんのご意見に異を唱えました。 ISの発祥の原点が何であれ、ISの現実の役割が代理戦争遂行勢力、つまり、“傭兵”であることの認識が最も重要なポイントであるというのが、私の見解でありましたし、この見解が誤ったものでないことを、過去2年間の事態の展開は証明してくれていると私は考えます。
この6月18日(日)シリア北部のラッカ周辺で米国空軍機がシリア國空軍機を撃墜しました。米国の支援のもとにイスラム國の首都ラッカ攻略の作戦を進めているSDF(Syrian Democratic Forces) に対して、シリア空軍機が爆撃を加えてきたので、その報復として、政府軍機を撃墜したと、米国側は発表しました。これに対してシリア政府は、爆撃はISに対して行われたもので、SDFに対しては行なっていないと言っています。どちらの言い分が正しいのか、私には分かりませんが、昨年9月にラッカの南東のデリゾール地方で起った米軍機による“誤爆”事件を思い出しました。この事件では、IS軍に対して優位に戦闘を進めていたシリア政府地上部隊に対して米軍機が猛爆を行って、シリア兵数十人が殺され、IS軍が救われる結果になりました。この時には、米国側は、申し訳ない“誤爆”だったと謝罪したのでしたが、 IS軍が大打撃を免れたのは確かです。今回のSDFを含む米国側勢力が、ISの首都ラッカでIS国軍部隊を包囲殲滅すると称しながら、IS側と馴れ合いになって、ISの兵士たちを、ラッカの南方で、政府軍とIS軍が激闘している地域に移動させている、というニュースもしきりに流れています。
「米国はシリアでISと懸命に闘っている」という巨大な嘘に対して、激烈な、そして、胸のすくような弾劾の文章を私の敬愛する論客Paul Craig Roberts が書いてくれました:
http://www.paulcraigroberts.org/2017/06/19/another-step-toward-devastating-war/
全文の翻訳が、これまた私が敬愛してやまない「マスコミに載らない海外記事」に、明日にでも、掲載されることを希望します。皆さんの食欲増進のため(to whet your appetite)、さしあたって、さわりの一つを原文で引用しておきましょう:
How many agreements with Russia does Washington have to break before the Russians finally understand that a signed agreement with Washington is meaningless? Will the Russians ever learn? The American Indians never did. There is a famous American T-shirt: “Sure you can trust the government: Just ask an Indian.”
さて、タイトルに掲げた「ISの最後の謎」のことですが、「イスラム國」については、多数の専門家の方々の解説が世に溢れています。私もそのいくつかに目を通し、宗教的な面からの理解にも努力してきたつもりですが、私にとって最も深刻な謎として残っていたのは、イスラム國にリクルートされた若者たちが一貫して発揮する異様なまでに極端な残忍性です。ところが、つい最近、一つの論考を読んで、謎がストーンと解けた気持ちになりました。次回にその話をします。
藤永茂(2017年6月21日)
- シオニストサイコパスの主張とISIS(上記記事のコメント欄より) HIMAZIN 2017/6/26 22:46:56
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