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世界の首脳が「予測不可能」なトランプ米大統領との間合いに頭を悩ます中、安倍晋三首相は何よりも仲良くなることに全力を注いだ。米国内外から「差別」「憲法違反」などと批判を浴びる大統領令などの問題を抱え、苦境に立つトランプ氏にとって、何の異論もなく称賛してくれる外国の首脳は希少な存在だ。米メディアからは「おべっか」などと冷ややかな声も出ている。
最初から「蜜月ぶり」は全開だった。安倍首相がこの日、選んだのは、トランプ氏が変えさせたホワイトハウスのカーテンと同じ黄金色のネクタイ。首相が到着すると、トランプ氏が首相を抱擁。会談前に固い握手をかわし、米CNNは「19秒間の長い握手」と報じた。
会談後の共同記者会見で、トランプ氏が「外国首脳の中で、もっとも早くホワイトハウスを訪問した一人だ」と歓迎。フロリダ州の自身の別荘での滞在にも触れて、「長く実りのある週末を過ごそう」と厚遇ぶりを強調した。
安倍氏も、トランプ氏について「素晴らしいビジネスマン」と持ち上げた。トランプ氏の大統領選勝利を「まさに民主主義のダイナミズムだ」と手放しで称賛した。大統領選は異例の「中傷」合戦となった上、ロシア政府のハッキングによる介入問題など、米国内を分断させた選挙だった。
両首脳は会談後、フロリダ州パームビーチに向かった。トランプ氏は移動中の機内で撮影した安倍首相との笑顔のツーショット写真をツイッターに投稿した。
両首脳は11日朝(日本時間同夜)から「トランプ・ナショナル・ゴルフクラブ」でゴルフをプレー。異例の厚遇ぶりで、安倍氏とトランプ氏の個人的な関係の強さを世界に強烈にアピールした。
しかし、「蜜月」と何でも話せる関係とは違う。会見では、米メディアは、日米関係のことより、トランプ氏が出した中東・アフリカ7カ国の国民の入国を一時禁止する大統領令の対応について尋ねた。トランプ氏は「この場に関係のない質問だ」と渋い表情に変わった。この質問はトランプ氏へのものだったが、安倍氏は「入国管理や難民政策は内政問題なのでコメントを差し控えたい」と回答。日本側の説明では、首脳会談で、大統領令の問題について触れなかったという。
そもそも、首相は大統領令を批判する気はなかった。政権幹部も以前から「コメントしない」との立場を決めていた。中国や北朝鮮の脅威を前に、オバマ前大統領と築いた同盟関係をトランプ政権でも維持させるため、トランプ氏が嫌がる入国禁止などの問題を棚上げした。
一方、トランプ氏にとっても首相の姿勢は願ってもないものだ。ニューヨーク・タイムズは「安倍氏の訪問は大統領にとり、外国首脳との前向きな動きを強調する好機」と指摘した。
大統領令の問題で批判を浴びる中、トランプ氏の政策に異論を挟むどころか、称賛してくれる安倍首相は助け舟だ。日本と衝突する可能性のある「取引(ディール)」を先送りし、日本との「蜜月」を強調した方が自分の得になるとの判断があったとみられる。
■米メディア、「おべっか」皮肉も
ただ、こうした首相の姿勢を、一部の米メディアは冷ややかに報じた。
NBCニュースの政治担当ディレクター、チャック・トッド氏はツイッターで「メイ英首相よりもさらに、日本の安倍首相はトランプ大統領に取り入ろうとしている」と投稿。米タイム誌(電子版)は「日本の首相は大統領の心をつかむ方法を示した。お世辞だ」と題した記事で「首相は記者会見で大げさに大統領をほめた」と皮肉った。ニュース専門局MSNBCのアナリスト、デビッド・コーン氏もツイッターで「こんなに大統領におべっかを使う外国の首脳は見たことがない」。
CNNなど主要テレビは共同会見を生中継したが、終了後は日米関係にはほとんど触れず大統領令を集中的に報じた。ワシントン・ポストは「安倍首相がホワイトハウス訪問。だが、入国禁止の大統領令がニュースを独占した」と報道。「晴れ渡った安倍首相との会談を、裁判所の判断が曇らせた」と表現した。
(ワシントン=下司佳代子、峯村健司、津阪直樹)
2月12日 朝刊
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