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日本の物価はいくらなんでも安過ぎる
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/126.html
投稿者 中川隆 日時 2018 年 3 月 05 日 09:34:46: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: 輸出企業が日本を滅ぼす 投稿者 中川隆 日時 2018 年 3 月 04 日 16:01:08)


日本の物価はいくらなんでも安過ぎる 1 (1ドル=50円 程度が適正価格)


日本は賃金が安過ぎて外国人労働者すら回避する国と化す! 2018-01-31

『いずれ誰も来ない国に(外国人材と拓く)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26271910Z20C18A1MM8000/

 人口減で日本の働き手が減る構図が続く限り、年々増える外国人労働者は存在感を高める。国際的な人材獲得競争を見据えてどのように受け入れていくべきか。共生の輪を紡ぐ方策を探る。

 中国・上海市内には多くのフィリピン人女性が家政婦として働く。マリア・トマスさん(仮名、38)は「子供たちと離れるのはつらいが、家族を支えなくてはいけない」。

月収は約8千元(約14万円)。

日本で働いた経験があるが「日本よりも2割多い。中国の方が条件がずっと良い」。(後略)』

 すでに、デフレで貧困化した日本国は、アジアの労働者たちにとって「魅力的ではない国」に落ちぶれつつあるのです。何たる朗報!


 フィリピン人メイドにとって、桃源郷はすでに日本ではなく中国です。

中国本土で働くフィリピン人家政婦は、すでに約20万人。
外国人メイド斡旋業の男性は、 「ビザなど規制が緩和されれば殺到するだろう」と、語っています。


 JETROの調査によると、製造業の一般公職の月給は、インドネシア(ジャカルタ)が十年前の二倍。ベトナム(ハノイ)も三割上昇。


 もはや、単位労働コストで見ると、「東南アジアより、日本の地方(山陰など)に工場を建設した方が安いのでは?」と、思える状況になっているのです。
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12348830889.html
 

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コメント
 
1. 中川隆[-5556] koaQ7Jey 2018年3月05日 09:36:51 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

日本の物価はいくらなんでも安過ぎる 2 (1ドル=50円 程度が適正価格)


日本人エンジニアの給料が上がらない理由 ファーウェイ本社の初任給83万円
http://president.jp/articles/-/24409

2018.2.19  ビジネス・ブレークスルー大学学長 大前 研一 PRESIDENT 2018年3月5日号


中国ハイテク企業のエンジニアで年俸1000万円以下はいない

2017年の採用市場では、中国の通信機器大手ファーウェイ(華為技術)が日本で大卒エンジニアを「初任給40万円」で募集して話題を集めた。厚生労働省の調査によれば日本の大卒初任給の平均は約20万円(17年)。日本企業の場合、エンジニアであろうと事務職であろうと初任給は基本的には変わらない。日本企業の平均初任給の約2倍で募集をかけた「ファーウェイショック」に「優秀な人材が流れてしまうのではないか」と戦々恐々の日本企業に対して、ファーウェイ・ジャパンの広報は「優秀な人材を採るためのグローバルスタンダード」だとすまし顔だ。

  
ファーウェイ日本法人の新卒初任給は学部卒約40万円、修士修了約43万円。(AFLO=写真)

ファーウェイはスマホやルーターなどの通信端末、通信機器メーカーであり、スマホの販売台数、シェアはアップル、サムソンに次ぐ世界第3位。創業者が赤軍にいた、という理由で中国共産党との関係が深い、との嫌疑からアメリカ市場からは実質的に閉め出されているが、欧州や東南アジアではICTソリューション事業も積極的に展開している。中国深セン市にあるファーウェイ本社を20年以上前に訪れたことがある。全社員の8割がエンジニアで、会社の横にアメリカ風の庭付き一戸建てをたくさんつくって将来有望なエンジニアの社宅にして厚遇していたのが印象的だった。中国から世界化する企業が出てくるとすれば第1号はファーウェイだろうと思ったが、その通りになった。

現在、ファーウェイは世界170カ国以上に進出していて、従業員数は18万人以上。今でも半分近くがエンジニアだ。ファーウェイ本社のエンジニアの初任給がいくらかといえば、日本円で月額約83万円。日本で募集した初任給の倍である。要するに今やエンジニアの人件費は中国よりも日本のほうが圧倒的に格安で、ファーウェイはバーゲン価格で募集をかけたわけだ。中国人の半分の給料を「高給」と思って飛びつく日本の技術者。それに衝撃を受けながらも指をくわえて見守るしかない日本のメーカー。落ちぶれたものである。

エンジニアの給料が高いのはファーウェイに限らない。中国のハイテク企業のエンジニアで年俸1000万円を下回る人はまずいないだろう。この20年間で何が起きたかといえば、ICTのエンジニアが圧倒的に不足して、エンジニアの給与水準だけが世界共通になった。つまりエンジニアが安い国がなくなってしまったのだ。

インドの優秀なエンジニアの初任給は年間1500万円

一昔前はインドのエンジニアを使えば安いというイメージがあったが、今やインドの優秀なエンジニアの初任給は大体年間1500万円。最高峰のインド工科大学(IIT)の優秀な学生は15万ドル(1700万円)でグーグルやフェイスブックなどのグローバル企業に引き抜かれる。当然、アメリカのシリコンバレーやサンフランシスコのベイエリアも、エンジニアの初任給が平均15万〜16万ドルになっている。中堅エンジニアなら25万〜30万ドルで引き抜かれる。複数のエンジニアを束ねてプロジェクトマネジメントができるエンジニアなら50万ドル(5400万円)は下らない。

顧客と直接交渉してシステムのスペックを決めて、自分でエンジニアのチームをつくって、見積もりを出して、4億円、5億円レベルのプロジェクトを回せるエンジニアなら1億円オーバーの年俸でオーダーがくる。AI(人工知能)やディープラーニング(深層学習。人間の思考を模したコンピュータによる機械学習)の研究所長クラスなら10億円の値札が付いても不思議ではない。それが世界標準なのだ。

▼アマゾンは平均給与10万ドル、5万人を雇用

17年9月、アマゾンのジェフ・ベゾスCEOが「第二の故郷を見つける」と第2本社の設立計画を発表した。世界最大のネット通販企業の本社はシアトルの街中にあって、いくら新しい事務所スペースや居住用マンションを供給してもほぼアマゾンの社員で埋まってしまう状況が続いてきた。それでも成長を続けるアマゾンにシアトルが悲鳴を上げて「出て行ってくれ」ということになったのだが、ベゾスが発表した計画内容はいわば「アマゾンショック」といえるほど衝撃的だった。

第2本社で採用するのはマネジメント層とエンジニアを中心に最大5万人。平均給与は年10万ドル(約1100万円)超というのだ。北米全土から候補地を募ったら、カナダ、メキシコを含む実に238の都市と地域が名乗りを上げた。平均給与10万ドル超で5万人の雇用があったら街の繁栄は約束されたようなもの。全米を巻き込んで熾烈な誘致合戦が繰り広げられてきたが、先般、アマゾンは20都市に絞り込んだと発表している。

平均給与10万ドル超の会社なんてアメリカ中を探してもほかにない。第2本社で雇用する5万人の7割方はエンジニアだから、そういう数字なのである。アマゾンは各都市の立地提案の内容をさらに精査して、18年中に最終決定するという。カナダのトロントも候補地に残っているが、国内で雇用をつくらないとトランプ大統領に攻撃されかねない。とはいえアメリカ国内でも5万人の雇用に衣食住を供給できるキャパがあるのは、ニューヨークか没落ITシティのボストンくらいのものだろう。

英語が達者なフィリピン人の下で働くしかなくなる

このような世界的なエンジニアの「価格高騰」からまったく隔絶されているのが日本。エンジニアも含めて日本人の給料はこの20年間、まったく上がっていない。日本のエンジニアの給料が上がらないのはなぜか。理由の1つは日本独自の雇用慣習にある。日本の企業が学卒を採るときは事務職もエンジニアも大量一括採用して、同じ給料でスタートするわけだ。世界のエンジニアは何ができるかで名札と値札が決まる。「ビッグデータの解析でこんなことができる」とか「こういうゲームのこの部分をつくった」とか「この橋の構造設計をした」とか、どの領域で何ができるのかで名札が付き、マーケットでの値札が決まってくるのだ。

しかし大量一括採用された日本のエンジニアは、会社の人事評価制度の中で遇されてきた。それらの人事給与制度は日本的な平等主義で社員全体の給与を抑える仕組みになっていても、エンジニアの能力や成果に対して正当な報酬を支払うシステムにはなっていない。東芝でフラッシュメモリを発明した舛岡富士雄氏への報奨金はわずか数万円だったという。舛岡氏は発明者が受け取るべき対価として10億円の支払いを求める訴訟を起こして、8700万円で和解している。

国内に安住するエンジニアにも問題がある。日本の企業に就職して、下働きから始まってコーディング(プログラムを書くこと)経験ばかり延々積み上げた結果、40代になってもマネジメントができないエンジニアが多い。それでは給料は上がらないし、コーディングをやる人材なんてフィリピン辺りにごまんといるから、そのうち取って代わられる。エンジニアとして稼ぎたいなら海外に雄飛するべきなのだが、世界で活躍するには語学がパーフェクトでなければならない。

ところが文科省の“偉大な”功績で日本人の多くは語学が圧倒的に苦手だ。どれだけ技術に長けていても語学ができないエンジニアは使われる側に回るしかない。英語で顧客と交渉してスペックを決めたり、英語で仲間を集めて指示したり、プロジェクトマネジメントができるエンジニアは使う側に回れるから稼げる。だからインド人のエンジニアは強い。日本人の場合、英語ができるといってもマネジメントできるレベルではない。フィリピン人のほうがよほど英語は達者だから、そのうち彼らの下で働くしかなくなる。それが日本のエンジニアの現実だ。

近々、ファーウェイは中国勢で初めて日本に最新スマホの生産工場を新設するそうだが、今後も給与レベルを引き上げて、ぜひとも日本の採用市場を引っかき回してもらいたいものだ。日本のエンジニアの給料、日本人の給与体系がどれだけグローバルスタンダードとかけ離れているか、思い知らせてほしい。

18年度の税制改正で年収850万円以上は所得控除額が195万円で打ち切られることになり、年収850万円超のサラリーマンは実質的に増税されることが決まった。年収850万円ということは月額70万円くらい。社会保険や何やと取られて手元には40万円ちょっとしか残らない。それで家のローンを払ったり、子供の教育費を払ったりしたらカツカツという世帯はいくらでもある。生活レベルから見れば、税金を引っぺがされても仕方がないような富裕層ではない。

世界ではエンジニアの初任給が10万ドルになっている時代に、年収850万円超を「稼いでいる」と野蛮に線引きして、取れるところから取ろうとする根性が実にさもしい。近代国家として恥ずかしくないのかといいたい。


2. 中川隆[-5555] koaQ7Jey 2018年3月05日 09:38:18 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

日本の物価はいくらなんでも安過ぎる 3 (1ドル=50円 程度が適正価格)


なぜ日本のビッグマックはタイより安いのか
2/18(日) 6:00配信 東洋経済オンライン


今や日本のビッグマックの価格はタイや韓国、パキスタンよりも安い。なぜこんなことになっているのか(撮影:今井康一)


 2月13日に日本マクドナルドホールディングスの2017年12月期の通期決算が発表されました。売上高は2536億円と前期比11.9%増、本業の儲けを示す営業利益は189億円となんと同2.7倍。当期純利益は過去最高の240億円となりました。また2018年は店舗数も実に10年ぶりに純増となる計画で、サラ・カサノバ社長の下で2015年から始まった「リカバリープラン」の成果が現れた決算となりました。


 売り上げ拡大の要因を見てみると、”平日ランチタイム向けのワンコインメニュー”に消費者の好感が集まったことが大きいようです。たとえば、ビッグマック+ドリンクが400円で提供されています。この価格、皆さんは割高だと思いますか、それとも割安だと思いますか?  今回はマクドナルドの人気メニューであるビッグマックや、それを基につくられた指標である「ビッグマック指数」に注目して、日本経済全体の現状を掘り下げてみたいと思います。ビッグマックを通して、意外な一面がわかると思います。
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■「ビッグマック指数」って何? 

 さて、改めてビッグマック指数とは何でしょうか。これは1986年に英国の雑誌『エコノミスト』によって「貨幣の”的確”な価値基準」を測るために発明されました。その名のとおり、各国のビッグマックの価格を比較することによって、適正な為替レートを算出しようとしている指数です。

 この指数は、「購買力平価」という理論に基づいています。まず、この「購買力平価」の考え方を、簡単に説明しましょう。
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 外国為替相場(為替レート)は、「自国の通貨と、外国の通貨の購買力の比率によって決定される」という考え方があり、これを購買力平価説といいます。

 では、さまざまな国の通貨の「購買力」は、どのように比較して判断するのが良さそうでしょうか?  ここで、1つのものさしであるビッグマック指数が登場します。

 ビッグマックは世界中でほぼ統一された品質で提供されています。この価格は、原材料費、人件費、店舗の設備投資など、さまざまな要因を基にして決定されるもので、各国の総合的な購買力を比較するにはとても都合が良いのです。自由な経済活動が行われている世界では、同じ商品であればどこでも同じ値段であるという「一物一価」の考え方も前提になっています。


具体的に指数を計算してみましょう。たとえば、日本でビッグマックが380円で売っていて、アメリカでは4ドルで売っていたとします。計算はとても簡単です。

 このように計算します。380円 ÷ 4ドル = 95円/ドル となりますから、ビッグマック指数は「1ドル=95円」ということになります。

 もしこのとき、市場でのレートが1ドル=110円(直近は105円〜106円前後と、少し円高ですが)だとすれば、「ビッグマック指数でみると円は95円でいいのに実際は110円だから、約14%過小評価されている」と判断することができます。
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■実際、世界のビッグマック価格はどうなっている? 

 ここで、実際のデータを見てみましょう。

 これは、2017年のデータを基にした、円ベースでのビッグマックの価格比較です。

 やはり1ドル=110円で計算しています。

 なんと、日本のビッグマックは、韓国の435円やタイの400円よりも安いのですね。

 アメリカでは5.3ドルで販売されていますから、380円 ÷ 5.3ドル ≒ 72円/ドルがビッグマック指数となります。72円/ドルということは、市場レートが1ドル=110円とすると、約35%も円の価値が低く見られているということになります。皆さんはこの結果をどう思われますか? 
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 もう1つ、考えてみます。先ほど、日本のビッグマックがタイよりも安いと言いましたが、以下は日本円に対するタイのビッグマック指数を表したものです。簡単にいえば、折れ線グラフの値が赤線のゼロを上回っていれば、タイのビッグマック価格が日本のビッグマック価格よりも高いことを意味します。タイが日本のビッグマック指数を上回ったのは、2015年頃ということがわかります。

 なぜこういう結果になるのでしょうか。タイは、経済成長や人口増加に伴い、消費者物価指数が年々上昇している一方で、日本の消費者物価指数は近年大きな変動はありません。そのため、この観点からすると一見納得のいくデータかもしれません。


しかし、です。タイの物価が上昇しているといっても、街の屋台でご飯を食べたりすればわかるように、物価は基本的には日本よりも低いはずです。にもかかわらず、ビッグマック指数に関しては、日本よりも上振れるのはなぜでしょうか? 

 こうして見ると、タイにおけるマクドナルドの商品は、屋台や現地の飲食店と比較しても、明らかに割高だということがわかります。一方で、マクドナルドのタイ法人は、2020年に向けて投資を拡大し、売り上げ倍増を目指すと宣言しています。
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 今後、タイの経済成長に伴い最低賃金や物価が上昇していく中で、タイのマクドナルド価格がさほど変わらないなら、割高感も緩和されていくという見通しがあるということが読み取れます。

 それにしても、ビッグマック指数を見ると、日本の価格は、今やタイだけでなくスリランカ(427円)やパキスタン(403円)と比べても、安いのです。一方で今日本では、ビッグマックの価格が380円なのに、業績は絶好調です。重要な指標である既存店の売上高は、この1月で26カ月連続の増加、客単価も上昇中です。
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 なぜビッグマックは他国と比べて安いのに、日本のマクドナルドは好調なのでしょうか。会社側は、好調の理由の1つに、昨年11月に発売した米国のバーガーの味わいを打ち出した「アメリカンデラックスシリーズ」が売れていることを挙げています。同バーガーの価格は490円と同社の中では単価が高く、昨年11月の客単価は前年同月比7.1%増と2017年で最も伸び率が高くなりました。

■ビッグマックを10円値上げしたらどうなるか
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独立系大手資産運用会社スパークス・グループCEOの阿部修平氏は、こうした日本と他国とのビッグマック指数の差」に注目しています。「ビッグマック指数だけ見ていると日本はまだデフレにあるように見えるが、そうではないと思う。日本マクドナルドは、基幹商品であるビッグマックの価格を上げずに、新商品やセットメニューの価格を上げることで、巧妙にデフレからの大転換時代を乗り切ろうとしている」。

 阿部氏はこうも分析します。「日本マクドナルドでは、年間延べ13億回の販売が行われる(レジが売り上げを計上する回数)という。ということは、同社の巧妙な戦略がこれからも成功し続け、満を持してビッグマックを10円値上げしたらどうなるか?  みんながビッグマックを買うわけでないが、それだけで少なくとも100億円近い増収が可能だ。脱デフレ時代の潜在的な成長力は大きいはず」。


最後に、米国の例を見てみましょう。先ほどのグラフで見ると、米国のビッグマック価格は600円と、単品で比べた場合、日本の380円の1.5倍以上の価格となります。しかし、スパークスの米サンフランシスコにある駐在員事務所の調べでは、ビッグマック価格は、シリコンバレーではUSD4.99(1ドル110円換算で約550円)、観光客も多いサンフランシスコではUSD5.59(同約615円)と、地域により価格差があります。
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 このように、世界で最もマーケティング研究が進んでいる米国では、もはやビッグマック価格も状況に応じた、綿密な価格設定がなされる商品になってきているのかもしれません。

 身近に購買力平価を推定することができる指数として重宝されているビッグマック指数ですが、価格設定には各国のマクドナルドの戦略があります。特に、デフレからインフレ基調への大転換を迎えている日本では、他国との比較で見るとわかるように価格バランスが崩れ、信憑性が疑われる現象が起きています。日本のデフレ脱却という大きな枠組みの転換は、ビッグマック指数が窓際に追いやられるほどの時代が到来したことを意味しているのです。

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「牛丼は1杯1000円だって全然おかしくない」
鈴木 雅光 : JOYnt代表 2017年07月13日


日本はあらゆるものの価格が安すぎる。牛丼は世界標準なら1000円だっておかしくない。
今後、もし価格が上がるとしたら、どんなことが待っているのか(撮影:今井康一)


牛丼は国際標準なら1000円だっておかしくない


「ヤマトの値上げは象徴的な出来事。日本の価格はこれから上がるしかない」、

スパークス・グループの阿部修平社長はそう断言する


実際、日本はあらゆるモノやサービスの値段が、異常値といってもいいほど安い。たとえばホテルの宿泊費。日本で1泊6万円のグレードと同じホテルにフランスで泊まろうとしたら、16万円はかかる。

あるいは日本のランチ。牛丼の値段が350円程度で、これを米ドルに換算すると3ドルちょっとになるが、十分においしく、空腹も満たされる。もし、米国でランチを食べようとしたら、10ドル以下はほとんどありえない。

日本には大勢の外国人観光客が来るが、彼らがいちばん驚くのは何か、ご存じだろうか。コンビニエンスストアで売られているサンドイッチの値段だ。海外には、日本のような品質の高い味で、あれだけ安い価格で売られているサンドイッチは存在しないのだ。

つまり、日本においてはさまざまなモノの値段に、歪みが生じているのである。すべては、1990年代から長期にわたって続いたデフレの恩恵ともいうべきものだが、歪んだ価格形成は、必ず修正される。牛丼の値段がグローバル水準にまで値上がりすれば、おそらく1000円くらいにはなるだろう。このように歪んだ価格形成が修正される過程で、日本はデフレから完全に脱し、いよいよインフレの時代へと突入する。仮に円高に進めば一見インフレに見えないかもしれないが、モノやサービスの価値がおカネの価値に比べて上昇する時代に突入したのは間違いない。

ひるがえって、日本の株式市場に目を向けると、株価はまさに異常値というべき割安水準に放置されたままだ。日本株のPBR(株価純資産倍率)は、1倍を少し上回る程度。他の主要国を見ると、米国が3.2倍程度、ドイツとイギリスが1.9倍前後で、全世界の平均値は2.2倍程度だ。PBR1倍とは、言い換えればビジネス価値がゼロということだ。


3. 中川隆[-5554] koaQ7Jey 2018年3月05日 09:41:33 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

日本の物価はいくらなんでも安過ぎる 4 (1ドル=50円 程度が適正価格)


日本に来る外人観光客が増えたのは日本の物価が先進国で一番安いからだった

「東京」が初のトップに!英国人にとってお得な長距離旅行先―英メディア
人民網日本語版 配信日時:2017年9月21日(木) 15時50分


英ロイヤルメール社はある調査報告で、東京がイギリス人にとってもっともリーズナブルな長距離旅行先で、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロが最も高いことが明らかになった。新華社が伝えた。

英ロイヤルメール社はある調査報告で、東京がイギリス人にとってもっともリーズナブルな長距離旅行先で、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロが最も高いことが明らかになった。新華社が伝えた。

この「長距離旅行報告」という名の年度調査はコーヒー1杯、ドリンク1本、コーラ1缶、ワイン1杯、カクテル1杯、板チョコレート1枚、ミネラルウォーター1本、日焼け止めクリーム、虫よけスプレー及びペアのコース料理の10項目のコストにより調査を行っている。

英「デイリーテレグラフ」による調査結果の報道では、東京は10項目の合計が48.9英ポンド(1英ポンドは約151円)で、旅行先30都市のうちトップだった。同調査が開始されてから10年目になるが、東京は初のトップで10項目の費用は去年より23%安くなっており、2012年と比べると60%安くなっている。

トップ10は東京に続き、南アフリカのケープタウン、ケニアのモンバサ、スリランカのコロンボ、ベトナムのハノイ、インドネシアのバリ島、コスタリカのタマリンド、米国のオーランド、マレーシアのペナン島、ドミニカのプンタカナの順となっている。

一方で最も高い旅行先はブラジルのリオ・デ・ジャネイロで10項目合計160英ポンドという結果になった。ペアのコース料理が1食につき107.85英ポンドかかり、ドリンクは1本は平均で4.07英ポンドとなっている。(提供/人民網日本語版・編集TK)

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世界各国のビックマック価格

購買力平価という考え方がある。

世界各国の物価水準は摩擦が無く貿易されれば同じ物なら同じ価格になるように為替水準は調整されるはず、という理論だ。

そして世界中で売られているマクドナルドのビックマックを基準に購買力平価を計算したものが「ビックマック指数」だ。

以下の一覧は2015年1月時点で円換算した際の価格だ(1ドル117.77円 56か国)。

1位 スイス      888円 2.4倍
2位 ノルウェー    742円 2.01倍
6位 アメリカ     564円 1.52倍
15位 オーストラリア 509円 1.38倍
18位 ドイツ      501円 1.35倍
38位 日本       370円 

※ルクセンブルクは調査対象外
(世界のビッグマック価格ランキング 世界経済のネタ帳)
http://blogos.com/article/110634/


500円くらいでも日本ではそこそこ満足できる昼ご飯を食べられますが、欧米で5ドルや5ユーロ程度でまともな昼ご飯を食べられるということはまずありません。

私は、今日夜からオーストラリアのシドニーに出張ですが、シドニーでは普通のレストランで昼ご飯を食べても2000円程度はします。まさに「Japan is cheap」です。

私は、米国のビジネススクール(ダートマス大学タック経営大学院)を30年前に卒業し、今では同校のアジア地区のアドバイザリーボードのメンバーをしています。数年前に学校側からあった説明では、授業料が1年で7万ドル近くに上昇しているというのです。2年制の大学院ですからその倍の学費がトータルでかかります。もちろんそれ以外にも生活費がかかりますから、卒業までには最低でも2000万円くらいの費用がかかります。多くの学生はローン(MBAローン)を組むなどして資金をねん出します。

しかし、無事卒業さえできれば、それはすぐに取り戻せるのです。実は、卒業生の卒業後3年目の平均サラリーは18万5千ドル(約1900万円)なのです。これは優秀な人だけの数字ではなく平均です。3年後でこのレベルですから、それ以降はもっと稼ぐ人ももちろん大勢います。中には億円単位で稼ぐ人も少なからず出てくるのです。
http://blogos.com/article/187248/


食事も旅の楽しみの1つですが、スイスでは持ち帰り用のデリでも2,000〜3,000円かかります。

レストランでの食事は、場所にもよりますが、ファミレスのような場所で約2,500円、

雰囲気のよい店舗では最低6,000円は見積もらないといけないでしょう。

さらに良いサービスを受けたときは、10%ほどのチップを支払うのがマナーですので、それも勘定にプラスしなければなりません。

スイスのビックマックセットは12スイスフラン(1,440円)。

ポテトチップスは1袋700円以上します。


物価の高い理由、それはずばり人件費が高いからです。

スイスではファーストフード店でアルバイトした場合でも、時給は2,500円ももらえます。人件費がかかる分、商品の価格が高くなってしまうのです。
http://www.spintheearth.net/travel_switzerland_price/


スイスのチューリッヒは、世界の中でも物価の高い都市として知られる。

駅でミネラルウォーターを買えば4フラン、トイレの使用料に2フラン、つまり水を飲んで用を足すだけで6フラン(約600円)もかかる計算になる。

一説には、高技能職の移民以外は受け入れないために、あえて物価を高くしているとの説もあるほどだ。

一方、スイスの最低賃金は、毎月3500フラン(約35万円)にも上る。

これほどの高賃金だから物価が高くても生活できるわけだが、一般的な経済原則に反して、高賃金にも関わらず失業率も低い。
http://media.yucasee.jp/offshore-news/posts/index/646


2017年10月20日
観光立国神話の間違い 外人観光客誘致は日本を貧しくしている

「貿易黒字が回復」「貿易赤字が悪化」のように言うのは間違い
引用:http://www.asahicom.jp/articles/images/AS20161024001223_comm.jpg


「輸出は良いこと」と言う間違い

日本には「輸出は良いこと」で「輸入は悪いことだ」という考え方が、徳川300年の因習のように染み付いています。

しかもこう信じている総本山が自民党幹部だったり、経産省や財務官僚、東大教授、経団連トップだったりします。

無学な人間ががどう喚いても総本山は自分が正しいと思っていて、改める気配すらありません。


安倍首相のアベノミクスも良く言われるように大企業偏重で、もっと言えば輸出企業偏重でした。

それを象徴するように大新聞やテレビは日本の貿易黒字が増えると「稼ぐ力が戻った」と大喜びしました。

財務省や経産省や自民党も「貿易黒字が”回復した”」とガンが直ったように喜んでいました。


アベノミクスでは貿易黒字を増やすために観光客誘致に力を入れ、2016年に2000万人を達成し、2017年は2500万人以上が確実になっています。

外国人が金を使うのは自動車を輸出するのと同じで、日本が儲かる=良い事だと皆思っています。

政府は輸出や観光客を増やすために円安に誘導し、現在は1ドル112円程度で推移しています。


ところが為替レートは日米の物価上昇率によって、同じ数字でも実効為替レートはどんどん変動しています。

たとえば日本の物価上昇率が20年間ゼロ、同じ期間アメリカは2%だったとすると、同じ為替レートでも実質的に、毎年2%円安になっています。

現在の1ドル112円は1995年時点の、130円か140円に相当する「超円安」になっています。


仮に今後1ドル80円になっても、1995年時点の1ドル100円以上でしかない筈で、円安の恩恵を受けて貿易黒字になったのが良く分かります。


輸出と観光偏重が日本を貧しくする

では貿易黒字で儲かったからこのまま続ければ良いのではないか、とも思えるがそうは行きません。

日本の貿易黒字で喜ぶのは日本人だけで、貿易相手はみんな不愉快になり怒り出します。

中国の貿易黒字が増えたとき、日米では中国人への反感が高まりましたが、80年代には欧米で「ジャパンバッシング」がありました。


日本がこのまま輸出を増やして貿易黒字を増やすと、間違いなくジャパンバッシングは復活するでしょう。

さらに貿易黒字だけが拡大し続けると、儲かった外貨の一部は日本円に交換されるので、円高圧力がどんどん高まります。

80年代に貿易黒字を溜め込んだ日本は、1995年の超円高で全て吐き出す破目になりました。


超円高や阪神大震災の傷も癒えて、小泉政権で再び貿易黒字を溜め込んだが、2011年の超円高でまた吐き出しました。

言っては悪いが「大食い選手権」で食えるだけ食って、トイレで吐いている大食い芸人と同じです。

これらで分かるのは輸出で儲けてから吐き出すには10年以上の時間差が有った事で、恐らく安部首相も引退する2030年までに次の超円高が起きます。


もっと前にも「高度成長期」に溜め込んだ貿易黒字を1985年プラザ合意の超円高で吐き出しています。

1971年にはニクソンショックによって1ドル360円の固定レートが廃止され、変動相場制に移行しています。

これら全ては、日本が貿易黒字で儲けすぎたのに欧米諸国が反発し、為替レートを上げる事で調整した結果でした。


10年か20年ごとに同じ事を繰り返しているわけで、偉い人達もいい加減に学習して欲しいです。


輸出するには同額の輸入が必要

ではどうすれば良いのかというと、実は非常に簡単な話で、輸出と同じ金額の輸入をすれば良いだけです。

自動車を100万台輸出しようが1000万台輸出しようが、同額の輸入をすれば為替相場は円高に動きません。

”偉い人達”は輸出を喜んで輸入を毛嫌いしていますが、その原因になっているのは恐らく、財務省の勘違いです。


財務省はGDPの計算方法で「輸出はプラス」「輸入はマイナス」にしていて、間違いではないが非常に誤解を与えています。

「輸出はプラス」に異論はないが「輸入はマイナス」の部分は、まるで輸入するほど日本のGDPが下がっているような印象を与えています。

毎回同じ例を挙げるが、例えばアメリカから100グラム50円で牛肉を輸入したとします。


スーパーで売るときには100gあたり150円とか300円になり、3倍から5倍もの値段で販売されています。

さらに牛肉は牛丼になったり、しゃぶしゃぶ、ステーキなどになり国内で付加価値がついて販売されています。

日本が輸入する大半は原料なので、輸入した価格の何倍もの価値が国内でつけられ「輸入によってGDPが増えている」のです。


アイフォンのような完成品でさえ、輸入したものを販売しサービスし課金されることで、やはり何倍もの付加価値が国内で生まれます。

輸出がGDPに貢献しているのと同様に、輸入もGDPに貢献していて、国内で付加価値が生まれているので分かり難いのです。

日本政府が輸出を増やしたいのなら、同額の輸入を増やすべきだが「輸出だけ増やせ」と言うから必ず失敗するのです。


今回の「安倍景気」も輸出だけに偏重するのなら、小泉景気と同じく、10年後に無残な失敗に終わるでしょう。
http://www.thutmosev.com/archives/73197193.html


2017年12月28日
外国人観光客3,000万人へ バブルの行き着く先


膨大な経常黒字を観光収支の黒字がさらに拡大させている。
こんな事をすれば将来の超円高を招く
引用:https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/r/recomme_jp/20170824/20170824170841.png


外国人が増えると嬉しいか?

2017年は訪日外国人数が2,800万人に達したと推測され、年間で4兆円のインパウンド消費が見込まれている。

政府はさらに外国人観光客を倍増させるつもりで、2018年は3,200人の訪日、5兆円近い消費を予想しています。

ところで外国人が日本に来て消費するのは経済的に、日本から外国に輸出するのと同じ経常黒字になります。


物を輸出するのと、外国人が日本で消費するのは、お金の流れとしては同じ「外国から日本へ」です。

その経常収支は10月に過去最大2.1兆円の黒字を記録し、通年でも過去最高に近い数字が出ると予想されます。

経常黒字が大きくなると、「やった!日本が儲かった」と喜ぶ人が居ますが、これは「儲かる、損をする」とは関係ない数字です。


経常収支が黒字なのはお金が日本に流れた一方で、日本の労働力が外国の為に消費されたのを意味します。

トヨタが300万円の自動車をアメリカに輸出すると、日本はお金を受け取り、アメリカは日本の労働力を自動車1台分受け取ります。

受け取った300万円分のドルを有効に使えれば良いが、日本の労働者を300万円で買ったアメリカ人の方が、得をしているかも知れません。


90年代から2000年代に日本は空前の経常黒字を積み重ねたが、貧しくなるばかりで経済は縮小を続けました。

これを振り返っただけで「経常黒字(貿易黒字)=日本の儲け」は完全に間違っているのがわかります。

「輸出=儲かる」「経常黒字(貿易黒字)=日本の儲け」という間違った考えのせいで、日本は自国の労働力を外国のために使ってしまいました。

外国人観光客が増えるのも同じであり、日本人の労働力を中国人や韓国人のために使い、日本はお金という紙くずを受け取っています。


円高の戦犯は小泉元首相

要するに日本人が中国に出稼ぎメイドをしているのと同じであり、日本が儲かっているとかでは有りません。

中国人相手に接待している労働力を、日本のために使ったほうがずっと良いのだが、政府の上の人はそう思っていません。

外国人が増えたといって喜んでいると、80年代に自動車や家電輸出で儲けたときと同じく、最後は悲惨なバブル崩壊で終わります。


なぜなら国の経常黒字が増えると、変動相場制によってその国の通貨を上昇させる圧力が生じ、耐え切れなくなった時に超円高になるからです。

最近では2007年から2011年にかけて円高が進み、1ドル70円台になったが、その原因は2007年までの輸出攻勢にありました。

小泉首相は日本経済を再生するため円安に誘導し、その時は輸出が拡大して経常黒字が増えて、日本はかなり儲けました。


当然の結果としてこのような経常黒字は円高圧力を生じさせ、2007年の1ドル124円を天井として、2011年に80円を割るまで下がり続けました。

2011年の超円高を引き起こしたのは、2000年代前半に円安誘導した小泉首相や竹中財務大臣、福井日銀総裁らでした。

そして現在、小泉時代と同じように安倍首相と黒田日銀総裁は円安に誘導し経常黒字を増やし、「日本は勝った!日本は儲けた」と言っています。


彼らのせいで再び超円高になるのは、2020年代以降と予想されるので、小泉元首相と同じように責任を認めないでしょう。
http://www.thutmosev.com/archives/74237738.html

滅茶苦茶な金融緩和で超円安にして株価と不動産価格だけバブルにしても日本は豊かにならない


小泉景気は2001年から73カ月も続いたが、内容は円安で輸出を増やすものだったので、円高であっけなく終了しました。

むしろ強引な円安誘導で国際収支の黒字を積み重ねた結果、儲けたドルが一斉に円に換金され、空前の超円高を作り出した。


貿易や海外投資で儲ければ、儲けたドルは後で円に交換されるので円高を引き起こし、結局は儲けた金を全て吐き出す破目になります。

貿易黒字はまったく無意味とまでは言わないものの、日本が儲けるという観点からは「ほとんど無意味」なのは事実です。

同様に安倍首相が力を入れ年間2500万人に達した外国人観光客も、国際収支の黒字を増やすだけで「ほとんど無意味」です。


国際収支が積み上げられた結果、「将来円に交換される外貨」が増えていき、最も円高になって欲しくない時に、一斉に円に交換し超円高になります。

ここでも悪事を働いているのは財務省で、貿易黒字や国際収支黒字を「日本の稼ぐ力」と呼び「貿易黒字が回復した」と良い事のように言っています。

財務省は「財政」つまり国の貯金がいくらあるかを数える役所なのだが、経済については分かっておらず、無知なのに口を出します。


国際収支の黒字は将来の超円高を作り出す「悪い事」なのに、「黒字になった、勝った勝った」と喜んでいるのです。

日本のようにGDPの7割近くも個人消費が占めている国では、景気が回復したら輸入が増えて貿易黒字になるので、巨額貿易黒字は「不況」のサインでしかありません。
http://www.thutmosev.com/archives/72361513.html

輸出や外国人観光客の誘致をいくら頑張ってやっても日本が豊かにならない理由


経済コラムマガジン 2016/10/24(913号)落日の構造改革派

構造改革派の中にも、段々と問題は供給サイドだけでなく、需要サイドにもあるのではないかと考える者が現れるようになった(日本の供給サイドは特に大きな問題がないと筆者は見ている)。明らかに構造改革派は落日を迎えている。しかしいきなり財政支出による需要創出というわけには行かない。筆者の記憶では、最初に需要サイドに着目した構造改革派は「霞ヶ関埋蔵金」を問題にした人々である(埋蔵金を使っての需要創出をしろと主張)。


その次は外国人観光客の誘致を唱える人々である。
これは外国人観光客の買い物による需要増を狙っている。

そして最近ではTPP締結が注目されている。ところでアベノミクスの第三の矢である「成長戦略」の柱は規制緩和などによる構造改革だったはずである。ところが奇妙なことに最近になって「成長戦略」の第一はTPPという話が出るようになっている。これは TPP による輸出増が狙いである。

このように外国人観光客の誘致やTPPの目的は需要増といっても外需の増加ということになる。

たしかに構造改革よる供給サイドの強化といった現実離れした考えからは、これらはいくらか進歩していると言える。しかしこれに対して筆者達は、これ以上外需依存を高めるのではなく(外需依存はいずれ円高で苦しむことになる)、財政政策(ヘリコプター・マネーなどによる)による内需拡大政策を主張しているのである
http://www.adpweb.com/eco/eco913.html


2016年07月04日
訪日外国人2000万人も経済はマイナス 外国人観光は経済に貢献しない

外国人が何千万人来ても、それで経済成長することは絶対に無い。


http://livedoor.blogimg.jp/aps5232/imgs/a/5/a5a20193.png


外国人観光客は2016年も増え続けていて、この調子なら2000万人達成も可能だと言っています。

だが外国人がいくら増えても日本の景気は良くならず、むしろマイナス成長になっているのは何故でしょうか。


無策のツケを誰が払う?

政府は訪日外国人が1000万人を超えたとして、次は2000万人、あるいは3000万人だと言っています。

2011年の原発事故の後、増え続けた訪日客は特に安部政権が始まった2013年から、目だって増加しました。

安倍首相は「訪日外国人が増えたのは自分の手柄だ」と言っていて、それは別に構わない。


だが不思議なのは外国人が2倍に成っても日本のGDPがマイナス成長な事で、むしろ外国人が増えるほど経済が悪化している。

訪日外国人が増える事と、日本の経済成長に関係があるのかないのか、議論されませんでした。

皆当たり前のように「訪日客が増えれば経済効果がある」と言っているが、わたしはそう思いません。


訪日外国人がお金を使うのは、お金の流れを見ると輸出と同じで、例えば自動車1台輸出すると200万円のドルが得られます。

実際は原材料費などを輸入しているので1台100万円として、外国人が5人くらい訪日すると、交通費込みでそのくらい使います。

外国人がお金を使うのだから日本は儲かっている、と輸出論者は言うのだが、それは戦前から1980年頃までの話です。


その頃までは通貨は事実上固定相場制で、日本が何台自動車を輸出しても、1ドルは360円や200円で固定されていました。

ところが日本の輸出で大損をしたアメリカはぶち切れてしまい、ある日日本の大蔵大臣をNYに呼んで「今日から変動相場制にするから」と通告しました。

これが1985年のプラザ合意で、以来30年間日本はずっと円高不況で苦しんでいます。


同じ場所でクルクル回るだけのハムスター経済
引用:http://pds.exblog.jp/pds/1/201209/15/22/f0189122_15113970.jpg


日本はハムスター経済?

変動相場制では輸出すればするほど円高になるので、輸出で儲ける自体不可能で、むしろ輸出するほど損をします。

アメリカのような輸入超過国のほうが儲かるように出来ていて、その為にアメリカはルールを変更したのでした。

観光客がドサドサやってきてお金を使うのも同じ事で、彼らの買い物のせいで円高になり、余計輸出企業が苦しむだけです。


固定相場制では「輸出するほど儲かった」が、変動相場制では「輸出するほど罰を受ける」のです。

2016年に入って中国ショックやイギリスショックで円高になり、一時99円に達してまた戻っています。

評論家はイギリスのEU離脱の影響と言っていますが、何も無くたって輸出と観光客のせいで円高になるのです。


安倍首相の経済政策をみると、円安に誘導して輸出や観光客を増やしているが、輸出が増えたら必ず円高になります。

輸出とはドルを円に交換するで、観光客もドルや人民元を円に交換し、際限なく円高になります。

なんだかハムスターが車輪を回しているが、同じ場所で自分が走っているだけ、というのを連想してしまいます。


輸出や観光客でお金を集めようとして必死に働いているのだが、こんな事をいくら頑張ってもゼロ成長のままです。

観光と輸出にはもう一つ大きな問題があり、日本人が働いた成果が国外に流出し、蓄積されない事です。

日本で自動車を生産しアメリカに輸出したら、日本には何もなくなり、アメリカには自動車が1台増えます。


輸出や観光で経済成長はしない

お金という紙切れを受け取る代わりに、高度な工業製品である自動車を渡すのは、あまり有利な取り引きではありません。

アメリカは受け取った自動車を何年か有効に使いますが、日本の自動車メーカーが受け取ったお金は有効に使われているでしょうか。

大抵は中国や海外に別な工場を建てたりして、日本人には何の恩恵ももたらしはしません。


あるいは企業の内部留保になったり、株価や地価を吊り上げたり、ロクな事に使われないのが現実です。

輸出や観光で日本が受け取った外貨は、一般国民のために使われる事は、まずありません。

外国人旅行者より国内旅行者を増やした方が経済効果が大きいのに、外国人を泊めるために日本人をホテルから追い出しているのです。


この政策を続ける限り、来年も再来年も、日本はゼロ成長でしょう。

ではどうすれば経済が成長するかと言うと、今まで書いた逆、つまり輸入を増やして貿易や観光を赤字にすれば、その分円安で輸出し易くなります。

貿易黒字の日本より貿易赤字のアメリカ企業の方が、成長力があり儲かっているのはこの為です。
http://thutmose.blog.jp/archives/62830797.html


2017年8月3日【小浜逸郎】日本人よ、外国人観光客誘致などに浮かれるな
https://38news.jp/economy/10870

2020年東京五輪を控え、外国人観光客をもっともっと迎えようではないかという機運が高まっています。
実際、ここのところ訪日外国人数はうなぎ上りに増えています。
2014年と2016年とを比較すると、わずか2年間で、1340万人から2400万人、倍率にして1.8倍という目覚ましさです。
http://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/since2003_tourists.pdf

また先ごろ、2016年の「旅行収支」が1.3兆円の黒字を記録したことがマスコミによって報じられ、一般国民を喜ばせています。
なかには、日本はこれから観光立国を目指すべきだなどという、いささかおっちょこちょいなことを言いだす人も出てくる始末です。

たしかに、多くの外国人が(移民としてでなく)観光のために日本を訪れ、
「おもてなし文化」のような日本のよいところを知ってもらうのは悪いことではありません。

また、外国人がたくさんお金を落として行けば、観光資源の豊富な地域は儲かるでしょうし、新たに外国人誘致のための観光開発に力を入れることで、経済波及効果が望めるかもしれません。

しかし、です。

こういう議論が、果たしてどれだけこれからの日本経済全体や日本文化全体に資するものかどうかは、もっと慎重に考えてみなくてはなりません。

まず、訪日外国人といっても、すべてが観光目的で日本に来るわけではありません。
観光目的は、全体の約6割にとどまります。残りはビジネスその他なのです。
http://bit.ly/2hkBlYK

ビジネスでは、利にさとい中国商人などが、巧みに利益をかっさらっていかないとも限りません。

次に、外国人の内訳ですが、韓国、中国、台湾、香港の4地域で、全体の73%を占めます。

欧米加豪の合計はわずか14%にすぎません。
しかも、2014年当時、前者は、67%、後者は18%でした。
http://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/since2003_tourists.pdf

つまり、増えているのは、東アジアからの訪問者であって、ヨーロッパや英米圏から日本を訪問する人たちの割合は、むしろ減っているのです(絶対数は増えていますが)。

数字を大きく押し上げているのは、近隣諸国だということがこれでわかります。

私たちは、外国人と聞くと、何となく西洋人を思い浮かべてしまう習慣から抜けきっていないのではないでしょうか。
そうして、そういうお客さんがたくさん来てくれることはウェルカムだ、とどこかで感じていないでしょうか。

そこには、近代以降の西洋コンプレックスが微妙に左右していると思いますが、それはともかくとしても、韓国や中国がいまの日本にとって、たいへん不安定で剣呑な関係にあるということを忘れないほうがいいと思います。

筆者は別に、この両国の国民一人一人に対して嫌悪感情や差別感情を抱いているわけではありません。
それは、筆者の勤務する大学での留学生に対する対応の仕方を見ていただければわかると思います。

しかし、実際に長野オリンピックの際に来日した中国人は、ああいう乱暴な振る舞いに及んだわけですし、最近は少しおとなしくなったものの、訪日中国人観光客のマナーの悪さは有名です。

さらに中共独裁政権には、国防動員法という法律があって、国外に滞在している中国人はすべて有事の際に政権の命令に従わなくてはならないことになっています。

違反すれば厳罰でしょうから、彼らは「便衣兵」としてゲリラ戦を展開する可能性が大きい。

また慰安婦問題に限らず、韓国の反日感情は尋常ではなく、サッカー大会やフィギュアスケート大会などにおけるヒステリックな反応、仏像の窃盗、靖国神社の放火、落書きなど、数々の狼藉ぶりは私たちの記憶に新しいところです。

日本なら確実に犯罪行為とみなされることも、本国ではとがめられるどころか、「もっとやれ」と言わんばかりの調子です。

こういう人たちが「訪日外国人」としてうなぎ上りに増えているからといって、外国人観光客が増えることはいいことだなどと単純に言えるでしょうか。

訪日外国人が増えることを素直に喜べない理由のもう一つ。

じゃんじゃん高級ホテルの建設でも進むなら話は別ですが、実際には、
サービスの悪い民泊の増加による料金低下競争が起きています。老舗旅館などが経営難で閉鎖されていきます。

デフレ不況期にこういうことが起きると、移民による賃金低下競争と同じで、日本の経済全体に悪影響を及ぼすのです。

さらに、次の点が重要です。

「旅行収支」が1.3兆円の黒字と聞くと、それだけで日本経済の復活に貢献するかのように思ってしまいます。

観光のにぎわいというのは目立ちますし、外国からたくさんの人がやってきて日本の土地を踏んでくれることは、日本が国際的に認知されて何となく繁栄につながるかのようなお祭り気分に国民を誘います。

しかし、「旅行収支」とは何でしょうか。

要するに、旅行によって外国人が日本に落とすお金(収入)と、日本人が外国に落とすお金(支出)との単なるバランスを示す数字です。

日本人にお金がなくて海外旅行にあまり行かなくなれば、それだけで黒字幅は増えます。

知っておくべきなのは、旅行収支は、GDPに算入されないという事実です。

旅行収支は経常収支のうちのサービス収支の一種ですが、経常収支でGDPに算入されるのは、純輸出(輸出額−輸入額)だけです。

GDPは、次の恒等式によって算出されます。

Y(GDP)=C(消費)+I(投資)+G(政府支出)+NX(純輸出)

ここで、言うまでもなく、消費や投資や政府支出とは、国内における日本国民による支出(=他の「日本国民」にとっての所得)を指しています。

つまり、外国人がいくら日本にお金を落としても、それだけでは、GDPの増加にはつながらないのです。 必ずしも内需(国内生産)が増えるわけではありませんからね。

一方で国内需要にもとづく財やサービスの生産が大きく落ち込んでいれば(いるのですが)、何にもなりません。

ところで、旅行収支1.3兆円の黒字というマスコミの報道ですが、これって、GDPのわずか0.26%にすぎませんよね。

GDPに算入されないうえに、この程度の黒字幅をもって、何か日本の経済が好転しているかのような幻想を振りまくマスコミの罪はたいへん重い。
こうした報道は、政府が本来やるべきことをやらない口実として利用され、不作為の事実を隠蔽する効果を生むだけなのです。

日本は、「観光立国」などという、できもしない浮かれ騒ぎにうつつを抜かすのではなく、 一刻も早くPB黒字化目標を破棄し、政府債務の対GDP比という正しい「財政健全化」概念を採用すべきです。

そのうえで、分母であるGDPを拡大させるために、政府支出を惜しまず、大胆な公共投資に打って出るのでなくてはなりません。

____

筆者は前回、「日本人よ、外国人観光客誘致などに浮かれるな」と題して、2016年の「旅行収支」が1.3兆円の黒字を記録したことなどにそんなに大げさに騒ぐなという趣旨の一文を寄せました。
https://38news.jp/economy/10870
ところが、その矢先、日経新聞が見事にこの大騒ぎをやってくれたのです(8月13日付)
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO19940990S7A810C1EA3000/?n_cid=NMAIL003

訪日消費、主役は欧州客 「爆買い」より体験

訪日外国人の消費が新しいステージに入ってきた。

これまで日本でお金を使う外国人といえば中国人が中心だったが、
英国など欧州勢も1人あたりの消費額を伸ばし、存在感を高め始めた。

地方での訪日消費も息長く続き、いずれ地方経済のけん引役は
公共投資から観光消費にかわるとの期待も出ている。(中略)

観光庁によると、4〜6月期の1人あたり旅行消費額は、
首位の英国が25万円、2位のイタリアが23万円。
近年トップだった中国は22万円で3位。
フランスやスペインも20万〜21万円台で肉薄する。

消費の主役はいまや欧州勢だ。

1〜6月期の訪日客消費額は2兆456億円で過去最高。

みずほ総合研究所は下期もこの勢いを保つなら、
年間の付加価値誘発額は4兆円になると試算。

名目国内総生産(GDP)で0.8%の上昇が期待できる。(以下略)

突っ込みどころ満載ですが、三つにまとめておきます。

1.一人当たり消費額が、中国人より英国客のほうが少しばかり多くなっても、絶対人数では中国人が20倍以上。そのことは記事の後略部に書かれているのに、それに対するネガティブな評価は一切書かれていません。

しかも、筆者が前記事で述べたように、観光客は、「外国人訪問客」の6割どまりで、残りはビジネスその他なのです。

日経記事は、「1人あたり旅行消費額は、首位の英国が25万円、2位のイタリアが23万円。近年トップだった中国は22万円で3位」と、グラフまで掲げて麗麗しく書いていますが、英国とイタリアの訪日人数の合計は、中国一国のわずか6%にすぎません。これでどうして「主役は欧州客」なのでしょうか。印象操作もほどほどにしてほしい。
http://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/since2003_tourists.pdf

2.訪日外国人が増えても、GDPにカウントされるのは「旅行収支」なので、そのぶん日本人の海外渡航での出費が増えれば、GDPは増えません。

記事中に、「年間の付加価値誘発額は4兆円になると試算。名目国内総生産(GDP)で0.8%の上昇が期待できる。」とありますが、この数字は、たとえ予測通りとしても、日本人が海外で消費する金額が差し引かれていないので、明確に誤りです。

海外取引額としてGDPにカウントされるのは「純輸出」、つまり輸出額−輸入額ですが、旅行収支もこの中に含まれます。
結局、0.8%という見込み数字は、「輸出分」だけを計算しているのです。

3.ちなみに「旅行収支」のGDP寄与額1.3兆円は、2016年で、わずか0.26%です。
これで、「いずれ地方経済のけん引役は公共投資から観光消費にかわるとの期待も出ている」とは、お臍が茶を沸かします。

地方財政は、わずかな例外を除いて、いまどこも逼迫しています。
ことに、度重なる災害が起きた地域では、対策費捻出に血のにじむ思いをしています。

中央政府は財務省の「緊縮真理教」のために、ろくな財政出動も行わず、公共投資を減らし続けています。

地方交付金をケチってきたために、老朽化した橋やトンネルを修繕できずに潰してしまうところも出ています。

橋やトンネルを潰すということは、そこを通過する道を丸ごとなくしてしまうということでもありますよね。

災害大国日本のインフラ整備は、こんな情けないありさまなのです。

これでは、百歩譲って「観光大国」なる目標を景気回復の選択肢の一つとして認めるとしても、そのために不可欠な基盤整備や観光資源の維持・開発もままならないでしょう。

そういう現実をきちんと指摘して、政府に喫緊の課題として突きつけるのがマスコミの役割であるはずなのに、なんと日経は、「政府は20年に訪日客消費を現状2倍の8兆円の目標を掲げる。」などと、もともと何の根拠もない謳い文句を嬉々として掲げ、政府の宣伝係を自ら買って出ているわけです。

日経のこの記事には、悪政のお先棒担ぎをやっているさまがありありと出ています。いまの日本のマスコミの劣化状態を象徴していると言ってよいでしょう。恥を知れと言いたい。

一番の問題は、「経済専門紙」を標榜する日本経済新聞のようなマスコミが、日本はすでにデフレから脱却したという、このような超楽観記事を載せることで、国民がそう思い込んでしまうことです。
https://38news.jp/economy/10950  


安倍首相は間違った政策を実施して、せっかくの経済成長を潰そうとしています。

第一の危機は2019年に迫る消費増税で、実施したら再びマイナス成長とデフレに戻るが、安倍首相は増税すると発言しています。

今までの消費税創設と増税でマイナス成長にならなかった事は一度もなく、税収が増えたことも在りませんでした。


第二の危機は安倍政権の輸出偏重で、今まで輸出を増やそうとしたり、外国人観光客を誘致してきました。

その結果、輸出はマイナスで観光客も成長に寄与していないという結果が出ているわけで、今回外需はマイナスでした。

日本経済の8割が内需で外需は15%程度なのに、一生懸命外需を増やして内需は消費増税で潰してきました。


まるで逆噴射しながら離陸しようとする飛行機のようで、これでは日本経済の高度が上がる筈が在りませんでした。

内需を増やすには消費支出、個人消費、設備投資、公共事業を増やすことで、まず政府が支出を増やす必要があります。

今までの25年間、政府は支出を減らしてきたたために、個人消費と設備投資が減少し、GDPが減り税収も減らしました。


安倍首相が同じ間違いを繰り返すようなら、日本経済も同じようにマイナス成長になり、財政も悪化します。
http://www.thutmosev.com/archives/72298540.html

2017年09月15日
観光ブームの欧州で「嫌観光客」旅行者襲撃も


トレビの泉はもっと観光客を増やすために、池の周りに通路を増設した
引用:https://st2.depositphotos.com/1184024/11890/i/950/depositphotos_118901056-stock-photo-tourists-at-trevi-fountain-in.jpg


増えすぎた観光客に住民が悲鳴

最近30年間ほど世界では外国観光客が急増し、各国は観光客誘致に力を入れてきました。

冷戦期には世界で5億人以下だったのだが、1995年には5.3億人、2005年に8.1億人、2015年には11.8億人に増加しました。

特に世界的な人気観光地に旅行者が集中し、イタリアやスペインは外国人旅行者が急増しました。


だがおかしな事にこれら外国人旅行者が急増した国の多くは、最近経済苦境に陥っている国と一致しています。

外国人旅行者が増えると外国人からお金を受け取り、自国民がサービスを提供するので、やっている事はフィリピンのメイドと同じです。

フィリピン人は国が破綻しているため、外国に出稼ぎメイドをして仕送りしているが、それで国が豊かになる事はありません。


貴重な労働力を外国人のために使い、自国では何も生産していないので、外国人観光や派遣メイドで経済成長はしないのです。

外国人向けサービスで外貨を得て利点があるのは、失業率が高い国で失業率を下げる場合で、既に十分に失業率が低い場合はマイナスしかありません。

多くの人にこんな理屈は無関係だが、なんとなく「外国人旅行者が増えても暮らしは良くならない」「むしろどんどん悪化している」のは気づいています。


イタリアやスペインでは増えすぎた外国人観光客への嫌悪感が高まっていて、外国人を襲撃する過激グループも存在します。

両国の住民は増えすぎた観光客に苦情を訴えているが、政府は努力しないで外貨を稼げる観光を奨励している。

ローマの「トレビの泉」は後ろを向いてコインを投げると願いが叶うらしいが、コインを投げる前に数時間並ばなくてはならない。


観光客制限は人種差別?

ディズニーランドと同じでただのアトラクションであり、金を使わせるための遊戯施設になっている。

エッフェル塔もピラミッドもベネツィアもドイツの古城も全部こうした有様で、イナゴがキャベツ畑を食い荒らす様子に似ている。

日本でも奈良公園や大阪城など外国で有名な観光地では、歩いているのは7割が中国人と韓国人で、残りはアジア人や欧米人で、日本人は2割も居ません。


昔は存在した神秘的な雰囲気は根こそぎなくなってしまい、奈良公園は「中国人が鹿と記念写真を撮る場所」になりました。

鹿達も多すぎる観光客にスレてしまい、人を襲って(荷物を引っ張るだけだが)食べ物を奪うようになり、目つきの悪い鹿が増えた。

地元住民の5倍、10倍もの外国人が小さな町に押しかけたら、もう住める環境ではなくなるでしょう。


イタリア北西部の小さな漁村チンクエ・テッレは5つの村を合計して人口5000人だが、去年250万人の外国人観光客が押し寄せた。

住民の生活は完全に破壊され、静かな公園や散歩する道、買い物する店は全て観光客で溢れている。

住民は怒り狂っているが、行政や政府、観光産業の人間は「人権」などを持ち出してもっと観光客を誘致している。


観光業の人間が言っている「人権」とは「外国人を差別するのは難民を差別するのと同じで、お前は人種差別主義者だ」という事です。

多すぎる観光客に不満を訴えると住民は「ネオナチ」「差別主義者」とレッテルを貼られて攻撃されています。

日本政府は外国人観光客2000万人を達成したと鼻高々ですが、あっという間にイタリア、スペインと同じ状況になるでしょう。


もうひとつ住民を窮地に陥れているのが「世界遺産」で、その土地に住んでいる住民にとっては呪いでしかありません。

世界遺産になったとたん、自分の土地なのに自分のものではなくなり「人類共有の財産」になるからです。

人口千人の村に政府は毎年100万人の観光客を押し込んで「政府の政策の輝かしい成果だ」などと言っています。


日本でも中国人や韓国人に文句を言ったり入店禁止にすると「人種差別主義者」のレッテルを貼られ、テレビや新聞で叩かれます。

そして今の政策を続けると、日本もすぐにイタリアやスペインになるのです。
http://www.thutmosev.com/archives/72596845.html


ここにも忍び寄る中国資本! 知らぬ間に中国人オーナーに入れ替わり 老舗旅館やホテルが“草刈り場”に
9/30(土) 8:48配信 産経新聞


https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170930-00000508-san-soci.view-000
旅館・ホテルの倒産件数と負債総額(写真:産経新聞)


 訪日外国人観光客(インバウンド)に沸く国内で、地方の旅館やホテルの経営者が様変わりしつつある。将来が見通せないなどとして、日本人オーナーが手放した施設を外国資本が購入するケースが相次いでいるのだ。中でも、高額取引を持ちかける中国人の手に渡ることが多いとされ、経営形態を大きく変化させる施設も出現している。(社会部 三宅陽子)

 「後継者がいない中では売りに出すほかない…」

 岡山県内で旅館を営む男性(70)は今、施設の売却を考えている。旅館は古きよき風情が漂う隠れ家的宿として知られており、こだわり抜いた食事の評価も高く、リピーターが来訪客の30%を占めるという。

 だが、部屋の回転率は60〜70%にとどまり、土曜日以外はガラガラの状況だ。こうした中、共に働いてきた妻が体の不調を訴えるようになったこともあり「そろそろ引退したいと考えている」と男性。思うように利益が上がらない中では改装など思い切った改革には踏み切れない。子供たちもすでにそれぞれの道を歩きはじめている。

 男性は今年、夫婦二人三脚で守り抜いてきた旅館を6500万円で売り出すことに決めた。

   × × ×

 現在、地方旅館の多くはオーナーの高齢化に加え、施設の老朽化やこれまでの過剰債務などから“廃業の危機”にさらされている。

 厚生労働省の「衛生行政報告例」によると、国内にある旅館は約4万軒(平成27年度)。だが、その数は減少傾向が続いており、18〜27年度だけを見ても、1万軒以上が姿を消した。

 帝国データバンクの調べでは、27年の旅館・ホテル経営業者の倒産件数は前年比8・9%増の86件となり、東日本大震災が発生した23年以来4年ぶりに増加。「業歴30年以上」の倒産が半数以上を占め、多くが設備の老朽化や改修に伴う借入負担などを理由に、経営を悪化させていた。

 こうした中、激増しているといわれるのが、外国資本による国内旅館・ホテルの買収だ。特に衰退が進む地方は、“草刈り場”に近い状態に置かれつつあるとされる。

 ホテル・旅館の経営コンサルタントで「ホテル旅館経営研究所」の辻右資(ゆうじ)所長(58)のもとには、東京五輪・パラリンピック開催が決まって以降、「旅館を買いたい」という外国人からの相談が殺到している。

 毎日30〜40件はあるという問い合わせの約9割は中国人で、「契約件数は毎年30〜40件に上っている」と辻氏。「彼らは日本人客が減って経営に行き詰まる地方の旅館でも、中国から観光客をどんどん連れてくることで十分稼げると踏んでいる」と語る。

   × × ×

 大阪府内にある温泉ホテルを中国人に売却した不動産会社経営の男性(54)は、そのビジネス手法に驚かされた1人だ。

 売却前のホテルは客足が遠のき、借金が膨れあがっている状況だった。これまでの慣例を見直して無駄な経費を削減するなど努力も続けたが、男性は将来への展望を描けず売却を決意。立地が訪日客に人気の「ゴールデンルート」にあったことなども助けとなり、中国人が約1億5千万円で購入した。

 だがその直後、ホテルは“様変わり”したという。

 連日、中国人ツアーを乗せた大型観光バスが到着するように。宿泊料金は1泊3千円(朝食付き)ほどに値下げされたが、8畳間に4〜5人を泊まらせるなど“詰め込み”が目立ったという。

 当時ホテルで働いていた関係者からは客室の稼働率が大きく向上したと聞いたが、「日本人客には敬遠されるようになったようだ」と男性は語る。

 関係者によると、中国人が購入旅館を自ら経営するケースでは、これまで当たり前だったサービスに変化が生じることもある。客室稼働率を上げるため、宿泊料金の大幅な値下げに踏み切ろうとするからだ。

 コストカットの対象にされやすいのは食事。日本の温泉旅館では夕食は懐石料理というスタイルが多いが「『夜は外食で』となり、1泊2食付きから1泊朝食付きとなる」(関係者)。

 ただ、従来のサービスがそぎ落とされた温泉旅館は「寝泊まりするだけのシティホテルのよう…」との声も聞こえてくる。

   × × ×

 一方、これまでゴールデンルート内にあった中国人の投資意欲は、エリア外にも広がりつつある。

 前述の辻氏は「日本を訪れる中で、ゴールデンルート以外の観光地にも素晴らしいところが多いと気づくようだ。今は全国の老舗旅館やホテルに関心が向かっており、最近は箱根や草津が人気だ」と説明。相談にやってくる中国人はこれを手始めに投資先を増やしていこうとしていることが多く「東京五輪・パラリンピック以降もこの投資熱は続くだろう」と辻氏はみる。

 最近では、訪日した際に知り合いなどを呼び寄せたいという個人が「ゲストルーム的」な感覚で老舗旅館を買い取るケースもある。実質的経営はこれまで通り日本人に任せるスタイルを取ることもあり、こうした場合は高級感や伝統的サービスは維持され、客層は国内外の富裕層となるようだ。

 ひいきにしていた旅館・ホテルのオーナーが、知らぬ間に中国人オーナーに入れ替わっていた…なんていうことも増えるかもしれない。

_______


2018年1月22日【三橋貴明】外国人に媚びない観光サービス
現在の日本における観光サービスは、
何というか「外国人に媚びまくる」形で
発展していっています。

いつの間にか、鉄道の電光掲示板に
簡体字やらハングルやらの文字が。

英語なら百歩譲って分かりますが、
なぜ特定のアジアの方々に向けた
掲示板のせいで、日本国民が
迷惑をこうむらなければならないのでしょう。

一事が万事、この調子。

そもそも、世界で最も外国人観光客が
訪れるフランスのパリには、
英語の表記すらありません。

パリのホテルで、

「英語のマップをくれ」

とフロントマンに言ったところ、
冷たく「ない」と言われました。

フランスの観光サービスは、
外国人に対して全く媚びていない。

それにも関わらず、
世界一なのでございますよ。

日本が本格的に「観光大国」を
目指すならば、あの煩わしい
簡体字とハングルを外すべきでしょう。

日本国民が、日本中の観光地を訪れ、
結果、日本の観光サービスが隆盛を極め、
質が高いサービスを目指して
外国人が「苦労しながら」やってくる。

これならば、分かります。

とはいえ、現実の日本の観光サービスは、
外国人観光客「様」に媚びるのが基本です。

良質のサービスを「安く」供給することで
リピーターを増やすという、まさしく
デフレ国の国民に相応しい落ちぶれた
スタイルで「観光立国」を目指しています。

挙句の果てに、民泊を拡大。

兵庫県養父市の特区では、白タクを解禁。

東北新幹線を走る「E5系」などの車両で、
今年の夏から順次、乗客がWi─Fi(無線LAN)の
サービスを利用できるようにすると発表。

理由は「中国人観光客様」の
利用需要が高まっているためです。

外国人「様」にひたすら媚び、
観光サービス業が外国人に懸命に
頭を下げ続けたところで、年間の
訪日外国人の旅行消費額は4・4兆円。

高々、4.4兆円。

それに対し、日本の個人消費
(民間最終消費支出)は
300兆円規模になります。

国民が一年間にわずか2%、
消費を増やすだけで、訪日客の
消費以上の経済効果になるのです。

それにも関わらず、政府は
緊縮財政で国民の消費を押さえつけ、
観光関連の規制を次々に緩和していく。

結果、日本国民は東南アジアで
トゥクトゥクを漕ぐがごとく、その日の
生計を立てるまでに落ちぶれるわけです。

大本の緊縮財政路線、財政均衡主義を
打ち破らない限り、我が国は観光サービスを
先頭に発展途上国化していくと思います。
https://38news.jp/economy/11544


植民地のインドは商品を輸出しても、その見返りの代金は
ポンドでイギリスに蓄積され、デフレになり、不景気になった
2006年2月9日 アメリカの謎を解く 橋本裕の文学・人生日記帳

ブッシュ大統領が1月31日の一般教書演説で、「私は8800億ドルを減税し、国民に返却した。今後も減税を恒久化し、09年に財政赤字を半減する」と述べた。

 一方で、アメリカの経常赤字は05年が7900億ドル(93兆6940億円)、財政赤字も06年度は4230億ドル(約50兆2千億円)で過去最大、債務残高はすでに8兆ドル(約950兆円)を越えている。

 日本では、税制赤字を解消するために、増税をしなければならないと考えられているが、アメリカは逆である。減税をして国内消費を活性化し、景気をよくして税収をあげようとする。さらにアメリカの場合は戦争によって軍需景気を作りだしているわけだ。

 いずれにせよ、アメリカは消費大国。国も国民も借金をして消費を楽しんでいる。このアメリカの消費を助けているのが日本をはじめとするアジア諸国だ。とくに日本の貢献が大きい。日本は政府と民間が何百億ドルというアメリカ国債を買っている。

 先日、朝日新聞夕刊「経済気象台」に「米国のもう一つの謎」という文章が載った。経常収支の赤字が拡大しているにもかかわらず、ドル高が持続している謎について、それは借金国のアメリカが負債について支払う金利が「異常」に低いからだと書いている。これに反して、アメリカの対外資産は巨大な利益を手にしている。

 アメリカは莫大な借金をし、そしてその中から、わずかな一部を他国に貸している。そして不思議なことに、巨大な借金のための利払いよりも、わずかな海外資産の方が多くの利益を生み出しているというのだ。

 どうしてこんなマジックが可能なのか。それは日本がこの逆をしているからである。なぜ日本がこの分の悪い役回りを続けるのか、実はこれこそが本当の謎だということになる。

驚くべきことに、小さな対外資産から受け取る利子と配当が、大きな対外負債に支払う利子と配当を今日まで上回り続けている。家計にたとえると、収入を上回る買い物をして毎月赤字が続き、借金が膨らんでいる。ところが、多額の借金に支払う金利がゼロに近ければ、わずかばかり保有する預金などから受け取る利子の方が大きいという状態なのだ。これでは赤字をいくら出しても、借金さえできれば、後は何の憂いもなく買い物ができる


このうまい話に手放しで悪のりして、米国は経済収支赤字を続け、負債の増加に加速度がついている。この構図が最近話題になり、債権国が浮き足だっている。日本にその気配がないことが「謎」の源である


 実はアメリカのこの「うまい話」は、19世紀に繁栄した大英帝国をまねているだけだ。大英帝国の場合は、その繁栄の謎をとく鍵はインドをはじめとする植民地が持っていた。たとえば当時イギリスの植民地であったインドは、香辛料などの原材料を輸出してイギリスを相手に多額の黒字を計上していた。ところが黒字はルピーではなく、ポンドを使って決済され、そのままイギリスの銀行に預けられていた。

 だからイギリスはいくら植民地を相手に赤字を出しても平気だった。イギリスの銀行に預けられたポンドを、イギリス国内で使えばいいからだ。インドは名目上は債権が増え、お金持ちになったが、そのお金をイギリスの銀行から自由に引き出し、自分の国では使えなかった。お金の使い道は預金者ではなく、イギリスの銀行が決めていたからだ。そしてもちろん、イギリスの銀行は国内の人々に貸し出した。

 イギリス国民は植民地から輸入した品物で生活をたのしみ、しかもしはらったポンドもイギリスの銀行に吸収され、イギリスのために使われるわけだ。こうしてイギリスはどんどん発展した。

 一方植民地はどうなったか。たとえばインドは商品を輸出しても、その見返りの代金はポンドでイギリスに蓄積されるだけだから、国内にお金がまわらなくなる。どんどんデフレになり、不景気になった。

 仕事がきつくなり、給料が下がり、ますます必死で働いて輸出する。ところが黒字分の代金は、ポンドのまま名義上の所有としてやはりイギリス国内で使われる。こうしていくら黒字を出してもインドは豊かになれなかった。そして、赤字を出し続けたイギリスは、これを尻目に繁栄を謳歌できた。

 このイギリスとインドの関係は、そっくり現在のアメリカと日本の関係だと言ってもよい。経済同友会元副代表幹事の三國陽夫さんは、「黒字亡国」(文春新書)にこう書いている。


輸出拡大によっていくら日本が黒字を蓄積しても、それはアメリカ国内にあるアメリカの銀行にドルで預け入れ、アメリカ国内に貸し置かれる。日本からの預金は、アメリカにしてみれば資金調達である。貸し出しなどに自由に使うことができる。

 日本は稼いだ黒字にふさわしい恩恵に与らないどころか、輸出関連産業を除いて国内消費は慢性的な停滞に喘いでいる。停滞の原因であるデフレはなかなか出口が見えない。

 日本の黒字がドルとして流入したアメリカはどうなのか。ドルはアメリカの銀行から金融市場を経由して広く行き渡り、アメリカ経済の拡大のために投下されている。日本の黒字は結局、アメリカが垂れ流す赤字の穴埋めをし、しかもアメリカの景気の底上げに貢献しているのである。・・・

 輸出で稼いだ黒字を日本がドルでアメリカに預け、日本の利益ではなく、アメリカの利益に貢献している限り、円高圧力もデフレ圧力も弱まることなく、政府・日銀がいくら財政支出や金融緩和というデフレ解消策を講じても、一向に持続性ある効果は現れないのである


 幸い、最近この貿易構造がかわりつつある。日本の貿易相手国が中国をはじめとするアジアやヨーロッパにシフトしたことで、日本の対米黒字の割合が相対的に低下したからだ。こうして日本がデフレから解放されるチャンスがここから拡大した。

 しかし、問題はすでに厖大なドル建て資産をアメリカに持っていることだ。日本人の汗の結晶であるドル建て資産が、今後ドル安で何百兆と失われる可能性がある。こうした形で、アメリカは最終的に日本の資産を合法的に手に入れようとする。

「今後も減税を恒久化し、09年に財政赤字を半減する」というブッシュの一般教書の宣言は、これからも日本をはじめ、世界から資金を調達するという意思表示と読むべきなのだろう。
http://www.asyura2.com/0601/hasan45/msg/253.html


4. 中川隆[-5553] koaQ7Jey 2018年3月05日 09:43:41 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

日本の物価はいくらなんでも安過ぎる 5 (1ドル=50円 程度が適正価格)


2018年01月31日
都心で高級マンションブーム 海外勢購入で価格上昇


10億円の物件がある「パークコート赤坂檜町ザ タワー」(中央)
引用:プレマンhttps://i2.wp.com/premiermansion.com/wp-content/uploads/2016/07/park-court-arasaka-hinokicho-the-tower1.jpg?fit=640%2C423&ssl=1&w=640


都心の高級マンションブーム

不動産価格は供給過剰で下落するという予想があり、実際アパートは供給過剰が目立っている。

しかし都心の一等地には次々に高級マンションが建てられ、億ションならぬ『10億ション』が完売している。

欧米では1区画が100億円を超える『100億ション』もあるので、日本は割安でまだまだ上がるという予想もあります。

特に大手7社、住友・三井・大京・三菱・野村・東京建物・東急の寡占化が進んでいて、シェアは5割近くに達しています。

大手寡占が進む背景としては、地価高騰のために用地獲得が難しくなり、参入障壁が高くなったからだと指摘されている。

都心ではマンションだけでなく不足する高級ホテルや総合商業ビルの建設が相次ぎ、小規模業者は参加しにくくなっている。


2008年のリーマンショックで総合不動産業者は390社から122社まで減少し、競争が少なくなり小数の大手が価格を決めている。

2017年の都心マンション平均価格は前年比7.6%上昇し5908万円になり、1億円以上の物件は52%増の1928戸も売れました。

実際には1億円以上の物件の多くは賃貸されているので、個人などが購入した戸数はもっと少ない。


1戸10億円以上の三井不動産の「パークコート赤坂檜町ザ タワー」(2016年)が完売し、森ビルも虎ノ門ヒルズで10億円以上の物件を予定しています。

富裕層は1億円程度の物件ではあきたらず、もっと高級な物件を求める傾向がある。

1億円の物件は賃貸価格月100万円程度、10億円の物件だと賃貸料月1000万円にもなるが、作れば売れるという。


海外勢が都心不動産に投資

米ゴールドマンサックスは世界最大の投資会社ですが、森ビルの「虎ノ門ヒルズ」を300億円で購入すると報道されています。

既に完成しているのオフィス棟部分の約2.5フロア分で、スターアジアグループから購入する。

海外投資家の日本不動産投資は2017年に1兆1000億円で前年の3倍、過去20年で最高となった。


都心の不動産価格は円安もあって、マンハッタンやロンドンなどより大幅に安く、バーゲンセールのように見えるという。

また日本は海外より低金利のため、借入金を含めた不動産取得コストが低く、トータルで良い利回りが期待できる。

ノルウェー政府年金基金は2017年12月に、1325億円で都心の商業ビル5棟を一括購入していました。


シンガポール政府投資公社(GIC)も2017年12月、新宿マインズタワーを625億円で取得いていました。

こうした商業ビルでは供給過剰感もあり、今後は沈静化すると見る専門家も居る。

2017年の不動産取引の24%を海外勢が占め、株価と同様に海外投資家が値段を吊り上げている状況が読み取れる。


こうした海外主導の相場は為替レートに左右されやすく、円高になると一気に売りに出され下落する可能性もあります。
http://www.thutmosev.com/archives/74727695.html


5. 中川隆[-5552] koaQ7Jey 2018年3月05日 09:46:08 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

日本の物価はいくらなんでも安過ぎる 6 (1ドル=50円 程度が適正価格)


2018年02月25日
ドル円相場はいくらが適正か 100円から70円まで

同じ為替レートでも日本のデフレでどんどん円安になっていく
このため日米の物価上昇率分だけ、円高になる
引用:https://moneyzine.jp/static/images/article/212170/01.png


購買力平価では1ドル105円以下

2018年に入って為替市場はドル安円高方向にふれていて、どこまで円高になるかが議論になっています。

この手の議論には正解がないのできりがなく、結果を見てみないと分からない。

将来ドル円がいくらになるか予想するためには、まず「いくらなら適正なのか」を知る必要があります。


大きく分けて為替の適正相場を知る方法は3つほどあり、一つは購買力平価から算出する方法です。

2つ目は日銀が公表している実質実効レートから判断する方法、3つ目はビッグマック価格から判断するビッグマック指数です。

まず購買力平価は各国の物価の違いを調整して、A国とB国の物価が同じになる為替レートを算出する方法です。


例えば日本の物価がアメリカより2割高いなら、ドル円レートを2割円高にすれば「正しいレート」になります。

細かい計算は省略して結論だけを書くと、1ドル95円から110円、その中でも100円から105円程度が適正になります。

2月後半は1ドル107円前後で推移しているので、購買力平価ではもう少し円高になれば適性になります。


実質実効レートでは90円台

実質実効レート(実効為替レート)も日本と外国の物価上昇率の違いを調整して、客観的な数値にしたものです。

日本はデフレで物価下落、アメリカはインフレで物価上昇なので、同じ1ドル100円でも日本の物価はどんどん安くなっていきます。

すると同じ為替レートでは日本では100円で買えるものがアメリカでは110円になってしまい、この分は為替が円高になることで物価が調整されます。


これも計算を省略して結論だけを書くと、現在の1ドル120円は1970年代の1ドル280円に等しい「超円安」になっていました。

日銀は実質実効為替レートは90前後で安定すると見ていて、現在は75前後なので1割か2割は円高になる余地がある。

すると実質実効レートから見たドル円の適正レートは、1ドル90円台という事になる。


ずいぶん円高のように思えるが、日米の物価上昇率の影響で、現在の90円台は20年前の1ドル110円台でしかない。

最後にビッグマック指数だが、これはビッグマック価格を基準に、各国の価格が同じになる為替レートを算出する方法です。

現在日本のビッグマックは390円でアメリカでは5ドルなので、ずばり1ドル78円が適正レートになる。


因みにリーマンショック前のビッグマック指数では1ドル90円台が適正だったが、最終的に1ドル70円台まで下落していました。
http://www.thutmosev.com/archives/75059779.html


6. 中川隆[-5551] koaQ7Jey 2018年3月05日 09:48:39 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

日本の物価はいくらなんでも安過ぎる 7 (1ドル=50円 程度が適正価格)


ドル-円は絶対に「黒田シーリング」124円台後半〜125円より円安にはならない


実質実効為替レートについて 2014年1月17日
http://www.central-tanshifx.com/market/market-view/sf-20140117-01.html


2013年のマーケットのキーワードとなっていた【アベノミクス相場】も、ここにきて最大の踊り場局面を迎えており、安部政権発足以来進行していた円安・株高がもたつきはじめてきました。

国策とも言われている【円安・株高】が滞ってしまえば、今まで相場の主役であった円が脇役に押し戻され、マーケットは次の主役探しに走ることも十分に考えられます。

今週に入り、ルー米財務長官は

「日本の長期的経済成長は(内需拡大により成されるべきであり)、為替水準の恩恵に過度に依存すべきではないし、それは不公平である。」

という主旨の発言をしました。15年以上に及ぶデフレから脱却し、世界経済の牽引役として重宝されてきた日本ですが、さすがにここにきて「為替依存症」が目に付いてきたのかもしれません。


果たして、現在の円安は行き過ぎなのか?

過去の円相場と比較して、アメリカなどの諸外国の逆鱗に触れる水準まで来てしまっているのか?

それについて、実効レートを通して考えてみたいと思います。


通貨の実力は実効レートで測る

日本では『実効レート』という物差しでマーケットを見る参加者が、今でも非常に少なく残念に思っています。

私自身も、最初にFXのディーラー・アシスタントとして東京でスタートした時には、この言葉を知らずに仕事をし、何の不都合も生じませんでした。

その後、1989年にFXの本場:ロンドンで仕事をはじめてからというもの、事あるごとに『実効レート』という単語を耳にし、「なんだろう?」と疑問を持ち始めたのです。特に英国中央銀行(BOE)は政策金利決定の判断材料として、実効レートを参考にしていると知ってから、必死で勉強しました。

日本で実効レートを知らずに仕事が出来る理由のひとつとして、日本の中央銀行である日銀が、他の主要国の中央銀行とは違い、レート自体を発表していないことが挙げられると思います。

英国・欧州・米国それぞれの中央銀行は、毎日自国通貨の実効レートを公表していますが、日銀は国際決済銀行(BIS Bank for International Settlements)が毎月一度発表している世界各国別の実効レートをそのまま使用しているに留まっています。


日本銀行 「実効為替レート(名目・実質)」の解説
http://www.boj.or.jp/statistics/outline/exp/exrate02.htm/

日本銀行 円の実効為替レート 月足
http://www.stat-search.boj.or.jp/


日銀はBISのデータをそのまま使用しているため、円実効レートは1ヶ月遅れで月に一度だけ発表されます。


これは1980年から2013年11月末までの円実効レート、月足チャートです。

これを見て、私はハッとしました。というのは、最近の円相場を語る時、ドル円のレベルだけを見て「まだまだここからの円安余地はある」と感じておりましたが、実効レートを見た途端、【究極の円安レベル】に達しているのが、わかったからです。

この円実効レートのチャートは、日本が変動相場制に移行した1973年から数年後の1980年から現在に至るまで、30年以上に渡り全ての数字が載っています。


リーマン・ショックが起きた2008年9月の円実効レートは、85.89。

そして最新の2013年11月のデータを見ると、実効レート: 77.61/東京市場ドル・円 スポット17時時点/月中平均: 100円04銭

と書いてありました。

その後、ドル円は105円をうかがう展開となりましたので、実効レートのレベルは当然11月の77.61よりも低い=円安色の強い数字になっていると想像されます。


過去に80を下回ったのは、いつなのか?と調べてみると、

一番最近では円キャリートレード全盛期の2007年(120円台)となっており、

それより以前では1980年代までさかのぼることになり、その当時のドル円は200〜250円台となっていました。


アベノミクス効果で、「3桁のドル円」に目が慣れてしまったせいか、なんとも思わなくなっていましたが、こうして実効レートで『本当の円の実力』を検証してみると、変動相場制以降、3番目か4番目に円実効レートが低い(=円安)『異常事態』とも言えるようです。


ここではじめて【為替相場をターゲットとしない内需拡大による持続的成長】を要請してきたルー米財務長官の言葉がやっと理解出来た気がします。

アメリカ財務省が年に2回提出する為替政策報告書は、例年5月頃と10〜11月頃の発表となっています。さすがに日本を名指しで非難しないとは思いますが、為替市場に従事する人間としては、「アメリカ政府の堪忍袋の緒が切れた」のかどうかを占う上でも、為替動向とアメリカ側からの発言内容やタイミングをきちんと把握すべきでしょう。
http://www.central-tanshifx.com/market/market-view/sf-20140117-01.html


止まらない円の価値下落… 2016/05/02
1ドル106円でも「超円安」のワケ 実質実効為替レートで読み解く円相場
https://zuuonline.com/archives/105338


4月29日のNY外国為替市場の円相場は、約1年半ぶりの水準となる1ドル106円28銭をつけた。これを聞いたら驚かれるかもしれないが、それでもなお、現在は「超円安圏」にあるのだ。

どういうことなのか、詳しく見ていこう。


続く「超円安」水準

「黒田シーリング」、それは、昨年初夏に市場参加者らにより設定された、ドル円為替での124円台後半〜125円に覆いかぶさり一段の円安進行を阻止せんとした「天井」のことである。

黒田日銀総裁は、衆議院予算委員会で

「実質実効為替レートがここまで来ているということは、ここからさらに円安に振れるということは、普通に考えればありそうにない」

と発言、ある種の「口先介入」とも捉えられ、上記シーリングの根拠となっていた。

中国ショックや原油価格崩落等に端を発した世界同時株安を経たドル円相場は現在110円をも大きく割り込み、振り返ってみると、確かにその天井は重要な節目となった。

わざわざ強調して用いられた「実質実効為替レート」なる表現。

当時、円の実質実効為替レートは、変動相場制移行以降では、なんと「史上最安値(円安)」に達してしていた。

具体的に過去を振り返る前に、実質実効為替レートについて簡単に解説しておこう。


円がドルに対して上昇していても、ユーロに対しては下落しているような時、すぐには円高なのか円安なのか分からない。そこで円の複数の通貨に対する総合的な為替レートとして貿易相手国との貿易取引量で加重平均して算出する値が実効為替レート。

さらにその数値にインフレ等の物価調整を施した後のものが実質実効為替レートである。

つまり、「一国の通貨の対外競争力を総合的に捉えるための単一の指標」と言い換えられよう。


止まらない円の価値下落

下図は、

「ドル円直物為替レート(赤線。 以下、ドル円)と、

円の実質実効為替レート(青線。単位:2010年=100。 以下、R)」

の1971年以降の推移であり、それに歴史上の重要なトピックスを補記したものである。


@1973年2月:変動相場制移行当時のドル円は300円程度。
Rは71.93と、基準値である100対比、約28%の円安水準。

A1985年9月:G5が協調してドル高是正を取り決めたプラザ合意当時のドル円は240円程度。
Rは84.47。

B1995年4月:史上初めて80円割れを示現したドル円。
Rは149.87へと価値急騰。

C1998年8月:日本金融危機・アジア通貨危機等を背景にドル円は145円へと急反発。
Rは95.73へと減価した。

D2008年9月:リーマンショック勃発直前のドル円は107円。
Rは85.84。

E2011年10月:ドル円は史上最安値75円32銭まで暴落。
Rは105.66。

F2015年6月:「黒田シーリング」設定。ドル円は125円手前。
Rは67.80。


水準比較で分析してみると・・・、

BとE時点ではドル円は70円台までの急落をみたが、 Rは149.87vs105.66と、期間も長く深い円高局面となった2011年の方が、逆に円の価値上昇がマイルドであった。

@とF時点の Rは70前後であるが、ドル円は300円vs125円と約58%円高水準となっている。

これは逆の見方をすれば、円の対外競争力としての価値は、1ドル300円当時以上に減価してしまっていることを意味するわけで、黒田総裁はじめ金融当局者らがかなり危機的意識を持ってマーケットを注視していたことも頷ける。


なお、1973年〜1995年までのドル円と Rは共に右肩下がり、つまり円高方向のトレンドを形成している。

ところが、1995年を境にドル円は概ね横ばいである一方で、Rは右肩上がりの軌跡を描き、両者は大きく乖離した状態で現在に至っている。

日本がデフレ状態にあったことなど様々な要因を挙げることができようが、筆者はIT革命によるグローバリゼーション加速の恩恵にあずかった新興国台頭の影響が最も大きかったとみている。

日本が貿易取引量を拡大させるのと時期を同じくして、新興諸国は輸出財において国際競争力をつけ、また資源・原材料価格の継続的な上昇を追い風にした。結果、著しい経済成長を遂げ、それが更に次の投資を呼び込むという好循環に繋がったことでそれらの通貨価値は上昇して行った。


交易条件は芳しくない状態

実質実効為替レートは、一国の通貨の対外競争力を総合的に捉えるための単一の指標であると述べた。それは即ち、国外の財やサービスを購買する力に他ならず、国力の現れのひとつでもある。今、その力が「歴史的にも最弱の領域」に達しているのだ。

また同時に、その様な状況下、日本の貿易収支は2011年06月あたりから頻繁に貿易赤字を記録しており、それはもはや円安をテコに輸出を大きく伸ばすことができないほどに、グローバル型製造販売体制として産業構造が変容してしまっていることをも意味している。


望まれる円の価値安定

現在、円の実質実効為替レートは、75前後となっている。

過去に照らせば、第2次オイルショック後期(1982年)と同程度の超円安水準だ。

円の実質実効為替レートの下落が、交易条件の好転に結び付かない構造となっているのであれば、円安がもたらすメリットをディスカウントして捉える必要があるだろうし、底値圏から反発局面にある原油価格に一段の上昇がみられた場合、交易条件の更なる悪化は免れない。

トリクル・ダウン(富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が滴り落ちるという経済理論)が不十分であれば、家計部門は一層痛むことにもなろう。

筆者はそれらをも踏まえ、円の価値を更に「人為的に」減価させ経済成長のテコとして用いるとの戦術を好ましく思わない立場だ。

更に言えば実質実効為替レートを80〜100に安定的に収まるような金融・為替政策を採って行くべきとの見解に立っている。
https://zuuonline.com/archives/105338


7. 中川隆[-5550] koaQ7Jey 2018年3月05日 09:56:07 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

株価が急騰の一方、為替が膠着している理由
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171020-00193867-shikiho-bus_all
会社四季報オンライン 2017/10/20(金) 18:01配信


 前回は米国長期金利の動きから見た為替レートの短期的な動向を検討したので、今回は長期的な観点から見直してみよう。

 一国の通貨の価値は、長期的には物価動向に沿った形で決まる(短期的には必ずしもそうはならないが)。物価上昇率が低い国の通貨は高くなり、物価上昇率が高い国の通貨は安くなるということだ。

 また、ある通貨が高いのか安いのかを考えるときに、特定の相手通貨ではなくて、貿易額などに応じて様々な相手通貨との関係を見たほうが望ましい場合がある。

 こうした点を踏まえて、通貨の割高さや割安さを長期的に判断するのに適した指標と考えられるのが実質実効為替レートだ。「実効為替レート」とは、貿易相手国通貨との為替レートを貿易額による加重ウェートで平均したもの。「実質」は物価上昇率を調整していることを示す。

 長期的な為替レートの変動要因である物価上昇率を調整した後のレートなので、短期的要因によって一定のレンジ内を上がったり下がったりはするものの、基本的にはそこから大きく外れることはない。そのため、実質実効為替レートを見れば、そのままその通貨の長期的な割高さ・割安さが分かるということになるのである。

■ 現在の円は歴史的な割安水準で推移

 円が変動相場制へ移行した1973年2月以降の円実質実効為替レートの推移を見ると、つい最近までのレンジは概ね70台半ば〜140台くらいである(通常の為替レートと異なり、数字が大きいほど円高、小さいほど円安となる)。

 ところが近年では、2015年に70を割り込み、今年8月末時点でも75.9とかなりの低水準で推移している。時系列で見てみると、デフレ懸念の増大と金融緩和の遅れから急激な円高が進んだ1995年以降、ほぼ一貫して円の実質価値は低下し続けている。つまり、物価変動や特定の通貨の影響を除いた実力ベースで円は売られ続け、現在では変動相場制への移行以後で最も割安な水準にあるといえるのだ。

 円の実質実効為替レートの長期下落傾向が何を意味しているのかは、なかなか答えるのが難しい問題である。もしかすると、貿易上の非価格競争力が落ちてきていることの証かもしれない。もしくは悪化を辿る財政リスクに対するプレミアムが発生しているのかもしれない。ただ、明らかなことは、単に名目的な為替レートで見る以上に、実質的には大幅な円安が進んでいるということである。

 そう考えると、この水準から大幅に円が売られることは、(1)日本の物価水準が大きく上がる、もしくは(2)本格的な“日本売り”が起きる、ということでもなければ考えにくい。だが、現時点ではいずれのシナリオも現実的ではないだろう。2015年半ばにはドル円で一時125円台までの円安が進んだが、インフレ期待は当時から低下してきており、現時点でそのような大幅な円安を見込むことは難しいと考えられる。むしろ、現在総じて堅調な世界経済(とくに米国経済)に陰りが生じるようなことがあれば、大きく円高に振れる余地が生まれる。

 前回見たように、短期的要因である実質長期金利からは、やや力不足ではあるものの円安方向への力がかかっている。そして、今回見た物価上昇率を考慮した長期的観点では、すぐにどうこうというものではないが、潜在的な円高圧力が大きく残っている。このように長短期の要因で相反する構図が、現在の為替相場の膠着を招いているのである。

 ここまで為替相場が現在のもみ合いを脱するかを、短期、長期の視点から検討してきたが、そうなるにはまだもう少しの時間と、何か新しい要因が必要となりそうである。


8. 中川隆[-5549] koaQ7Jey 2018年3月05日 09:58:52 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

1990年代から円の実効レートは下がり続け、実質的な円安が進行している(グレー帯は景気後退期)
http://livedoor.blogimg.jp/aps5232/imgs/7/c/7cab7693.jpg

株価と並ぶもう一つの投資要素である為替(ドル円レート)についても、1ドル100円を大幅に上回り、2015年には125円をつけました。

2000年代の小泉景気の時、2002年の円最安値が135円、2005年に101円の円高なり、2007年に124円をつけました。

小泉景気の最中ですら、ドル円は大きく乱高下していたのが分かります。


現在の1ドル110円は2000年ごろの1ドル140円に匹敵する円安
引用:FP資料館
http://fp-user.com/wp-content/uploads/2017/01/4322195cbcb6251dd4447fd287a5c868.jpg


為替レートの錯覚

2008年にリーマンショックで100円を割り、2009年に90円を割り、2011年に80円を割り込んで9月に1ドル76円をつけました。

ちなみに明治時代は1ドル=1円だったので、まだまだ円高が進行する余裕は100倍くらいあります。

1950年代に1ドル360円だったのが、時間の経過と共に円高になっていて、今後も乱高下しながら円高が進行するでしょう。


すると2015年の1ドル125円はいかにも円安が進みすぎていて、円安だけが一方的に続いた例は最近50年くらいは在りませんでした。

現在の1ドル110円以上はかなりの円安で、日銀によると1ドル100円以下が適正になっています。

日銀が公表しているデータに「実効為替レート」があり、円の価値が現在どの水準か知る事ができます。


現在の実効為替レートは76で、1ドル80円だった2010年が100、小泉景気の2000年代には100を上回っていました。

つまり1ドル110円台は2000年代の1ドル130円よりも円安で、1ドル90円くらいで適正になります。

こうなる理由は日本のデフレと米国のインフレで、米国が日本より物価が上がると、基準点が移動します。


アメリカの物価が10%上がると、同じ1ドル100円のレートなら、10%円安になったのと同じになります。

だから現在の1ドル110円は、昔の130円や150円に匹敵するような円安で、これ以上円安になる可能性が低いのです。

株と為替の両方が高すぎる水準なので、今は投資をするには不向きで、銀行預金にでもしておいた方が良いです。


もし株価が下落して円高が進んだら、土地の値段などあらゆる相場も、連動して下落するでしょう。
http://thutmose.blog.jp/archives/69063967.html.


9. 中川隆[-5550] koaQ7Jey 2018年3月05日 10:15:04 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

日本円が超円安になった理由

「アベノミクス」の正体
日本食潰す金融投機資本に貢ぐ 2013年5月17日付


安倍政府が発足して以後、「アベノミクス」と呼ばれる異次元の金融緩和や公共投資を中心とする政策が台頭し、急激な円安と株高の局面があらわれている。

昨年11月に民主党・野田政府が解散を表明した時点で8600円台だった日経平均株価は、半年たった今年5月中旬には1万5000円台まで急騰し、為替相場は1j=79円台だったものが102円台まで円安になるなど、世界的に見ても例がないほど大きな変動が起こっている。

海外投資家が時価総額のうち七割を占めている株式市場が熱狂し、さらに円安でトヨタをはじめとした輸出企業が過去最高益を上げるなど、金融緩和と為替マジックで金融資本や一部大企業がバブルに浸っている。

ところが一方で、燃油や穀物を中心に日本国内では生活必需品の価格が急騰し始めるなど、国民生活に深刻な影響が広がっている。「アベノミクス」でいったいなにが起きているのか、どうなっていくのかが重大な関心を集めている。


 
 バブルに群がる海外投資家

 この間、日経平均株価はリーマン・ショック以前と同レベルの価格まで急騰してきた。それほど好景気なわけでもなく、むしろ怒濤の首切りや製造業の海外移転を経て失業や貧困が全国的な範囲で広がり、生活実感としては悪化しているにもかかわらず、「日本株、年初から45%の上昇率」「1万5000円台回復」が叫ばれている。今後はさらに1万6000円台、1万7000円台まで上昇するとエコノミストたちが煽っている。

 しかし株式市場もよく見てみると、東証一部の約6割にあたる1000近くの銘柄が値下がりしている。株価が急騰している4割のなかでは円安効果の恩恵を受けた自動車産業や、ソニー、パナソニック、三菱電機といった企業が年初から倍近い株価をつけている。逆に株価が急落している企業としては不動産関係や、国内小売りのヤマダ電機、イオン、東芝などの企業群だ。

 東証の株式時価総額は昨年10月末には261兆円まで落ち込んでいたのが、今年4月末の段階では411兆円にまで膨れあがっている。わずか半年で150兆円がなだれ込んでいる。この半年の推移を見てみると、11月に14兆円増加し、12月には26兆円増加、1月に29兆円、2月に13兆円、3月に23兆円、4月には46兆円とすさまじい勢いで資金が流入しているのがわかる。

 このなかで投機の中心的なプレイヤーとして振る舞っているのが海外のヘッジファンドや投資家といわれ、時価総額の大半は国内資金ではなくこうした海外資金であることが明らかになっている。

サブプライム危機で行き場を失った膨大な余剰資金がヨーロッパを食い物にし、ギリシャ、スペインなど南欧諸国の国家破綻でボロもうけした後しばらくは中国や新興諸国のバブルに巣くっていたが、それも一段落ついて今度は「アベノミクス」バブルに大集結していることを反映している。


 世界3大投資家の一人であるジョージ・ソロスがわずか3カ月で970億円を稼いで

「黒田はガッツがある」

「緩やかに死に向かっていた日本市場の目が覚めた」

などと褒めちぎり、

「しかし円が雪崩のように下落する恐れがある」

などと発言する状況ができている。こうした抜け目ない守銭奴は、日本経済が低迷しているといわれた時期に底値で株式を買い取るなど仕込みを終え、現在のように素人が「株がもうかる」と思い始めるような段階には見切りをつけて売り抜けている。

カモにされるのはいつも決まって素人で、証券会社にそそのかされた年寄りや、中流世帯が巻き込まれて泣きを見ている。

 加熱する米国債の購入 日銀の金融緩和で


 国債市場は株式市場よりも規模が大きく、世界的には株式市場の3倍にもなるとされている。この間の円安で輸出企業は潤ったといわれているものの、円安そのものが国債暴落で、1j=80円の段階で例えば1万円の日本国債の価値がドルベースで換算すると125jだったのが、いまや1j=100円超えなので、その価値は100jと大幅に下落することになった。

 こんな日本国債を持っているよりは、ドル建ての米国債を購入した方が儲かるという判断が働いて、日銀が金融緩和すればするほど米国債買いが加熱して、海の向こうに資金が流れ出していくことになっている。

円建ての日本国債を売り払って円を調達し、その円を売り払ってドルを買って米国債を購入するのが流れになり、あるいは国債を売り払った資金で株式市場に投機する動きとなった。


 安倍政府、日銀による異次元の金融緩和は、米国債購入という形で吸い上げられ、あるいは国際金融資本の博打の源泉として食い物にされる仕組みになっている。

リーマン・ショック後に、米国ではFRBが気狂いじみた量的緩和を実行し、銀行群の損失処理にあたり、ヨーロッパではECBが負けず劣らずの量的緩和をやり、市場に資金を供給してきた。そうしたマネーに寄生し、バブルを渡り歩いてきたのがヘッジファンドで、熱狂した後に売り浴びせることは、過去に日本市場でも経験済みだ。

 円安でも拠点を戻さず 海外移転の大企業

 日本国内ではこの数年、大企業が円高を理由に海外移転を繰り返してきた。ところが円安になったからといって日本に拠点を戻すわけでもなく、多国籍企業のようになって出ていく。内部留保を散散貯め上げたうえで、そうした過剰な資本は国民生活の水準を引き上げるためには用いられず、より利潤の得られる後進諸国への資本輸出や進出へと向けられている。ベトナム、ミャンマーといった進出先のインフラ整備までODAで日本政府に肩代わりさせるのだから、国民の面倒は見ずにもっぱら寄生するだけの存在というほかない。

 その株式を保有しているのが米国をはじめとした海外の超富裕層や、錬金術に長けた金融資本で、人為的な円安、株高政策にせよ、TPPにせよ、日本の富を米国富裕層の個人資産に移し替えてくれる「アベノミクス」だからこそ大歓迎している。

 グローバリゼーションのもとで、かつてなく世界を股に掛けた投機が横行し、産業集約が進んでいる。金が溢れて投資先に困るほど、生産は社会化して富は増大している。ところがその金は一%にも満たない超富裕層が握りしめて離さないことから、九九%がますます貧困に追いやられ、モノが売れずに経済活動は停滞。金融が破綻すれば損失を国家に転嫁するというデタラメがまかり通っている。

 ヘッジファンドが食い荒らしている日本市場の姿と、その資金をせっせと提供している「アベノミクス」の存在が暴露されている。
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/enyasukabudakanokagedekyuurakusurukokusai.html


安倍「官製相場」の正体。国民生活が疲弊し対米従属は加速する=吉田繁治 2016年10月20日
http://www.mag2.com/p/money/24781


2012年12月に発足した安倍内閣はアベノミクスを標榜し、株価上昇をその支持基盤としてきました。あれから約4年、いよいよ「株価政権」の総括検証をすべき時期が来ています。(『ビジネス知識源プレミアム』吉田繁治)

※本記事は有料メルマガ『ビジネス知識源プレミアム』2016年10月19日号を一部抜粋・再構成したものです。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。本記事で割愛した内容(約5,000文字)もすぐ読めます。

なぜ株価は景気を反映しなくなったのか?官製相場の欺瞞を斬る

安倍首相の「スタートダッシュ」

消費税10%法案を通した野田民主党の自滅により、自民党は2012年12月、3年4ヶ月ぶりに政権に復帰しました。首相自ら「アベノミクス」と呼ぶところの、安倍政権の経済・金融政策の始まりです。

安倍首相は前回の失敗から、「スタートダッシュが肝心」と決めていました。自公政権が確実になった12年10月に明らかになったのは、
◾脱デフレの大きなマネー増発策
◾10年で200兆円の国土強靱化の公共投資

でした。日銀法を改正し、独立権を奪ってでも、マネーを増発させるという強いものだったのです。

【関連】株も不動産も奪われる! 預金封鎖よりも怖い「財産税」の傾向と対策=東条雅彦

国土強靱化は、財政赤字を200兆円分拡大して危険だ、という財務省の反対で消えました。東日本大震災の復興予算として、別途、28兆円の政府支出が必要だったからです。

マネー増発を推進するミッションを持ち、黒田総裁・岩田副総裁体制になった日銀は、異次元緩和(量的・質的金融緩和)を開始します。

量的緩和は、金融機関がもつ国債を買ってマネーを増発する政策です。質的緩和は、日銀が日経平均(株式ETF=上場投信)とREIT(不動産投信)を買いあげて、価格を上げるものです。

日銀による株買い(ETFの購入枠は6兆円/年)、これは普通、中央銀行が禁じられていることです。

恐慌の研究家である前FRB議長のバーナンキは、「日銀がケチッャプを買えば物価上がる」と言っています。あるいはヘリコプターでお金をばらまけばいいとか、ニコリともしないで異常なことを言う。

日銀が増刷した円で店頭商品を買えば、需要の超過になり物価は上がります。車を100万台(3兆円)、住宅を100万戸(30兆円)買ってもいいが、さすがにそれはできない。そこで株を買う。

日銀の株買いは迂回(うかい)して行われた

金融機関は、国債をはじめとする債券と貸付金で預貯金や基金を運用しているので、余分な現金は持ちません。

量的・質的緩和を政策にした日銀が、郵貯、年金基金(GPIF)、かんぽがもつ国債を買う。政府系金融と基金(GPIF)はそこで得た円で、日米の株とドル国債を買う。ワンクッションおいていますが、日銀が直接に日米の株を買い、米国債を買うことと同じです。

日銀は直接買うETF(年6兆円の枠)以外に、迂回路をとり数十兆円の株買いを行ったと言えます。方法はごまかしめいて姑息ですが、マネーの流れとしては露骨です。

日銀は量的・質的緩和として、円を下げ、株を上げ、インフレに誘導する「可能な手段の全部」をとってきたのです。

株価上昇は、株主の資産(東証一部時価総額511兆円 ※16年10月18日時点)を増やします。同時に企業の増資コストを下げます。資産が増えた株主は、資産効果で消費を幾分か増やします(しずくのようにわずかなのでトリクルダウンという)。百貨店で、100万円級の機械式時計が売れたのが、この資産効果です。

株価は理論的には、企業の将来の税引き後の予想純益を、期待金利(リスク率を含む株式益回り:6.6% ※16年10月18日時点)で割ったものと等価です。これが表現するのは、株価は企業の予想純益の結果ということです。

しかし多くの人々には、「株価が上がった→景気がよくなったからだ」と理解されます。下がっていた血圧が輸血で上がったから健康に戻った、と思うような本末転倒ですが、投資家と上場企業は歓迎します。支持率が上がるので、政府与党も喜ぶ。

株価が下落し、支持率も低くなった前回の反省を踏まえた安倍首相は、スタートダッシュで円安の誘導、株価の上昇に躍起になりました。円安の誘導は、輸出を増やし、株価を上げるためでした。

マネーの流れ

ヘッジファンドは保有しているドル国債を日本に売り、得た円で、出遅れていた日本株を買う。そして実は、総資金量が420兆円と日銀よりも巨大な政府系金融(現在名ゆうちょ銀行、かんぽ保険、GPIF:総資金量420兆円)は、日銀に国債を売って得た円で、米国債も買っています。

公的年金の残高139兆円(15年12月)を運用しているGPIFの、15年12月のポートフォリオ(分散投資)は、「円国債38%、国内株23%、外国債券(主は米国債)14%、外国株23%」です。

※日銀がGPIFの国債を買いあげる→GPIFは得た現金で国内株、米国債、米国株を買う→GPIFに米国債を売ったヘッジファンドはそのマネーで日本株を買う

マネー運用には遅滞が許されないので、この迂回路取引がコンピュータの中で、一瞬で起こります。

安倍政権の初年度だった2013年には、外国人(ヘッジファンド)からの15.1兆円もの巨大買い越しがありました。

外国人の売買は、東証一部の年間売買額460兆円のうち320兆円(約70%:16年7月水準)です。国内勢(金融機関と個人投資家)は、1990年のバブル崩壊後の損失の累積で資産を減らしたため売買がとても少ない。国内勢の売買は140兆円です。

他方、多くがオフショア(タックスヘイブン:租税回避地)からであるヘッジファンドの売買が320兆円です。東証はこのヘッジファンドの支配下です。

ヘッジファンドの日本株買いと、円先物売りのマネーの多くは、GPIFにおけるような迂回路をとって日銀が買い続けている、政府系金融の国債の現金化から来ています。

安倍政権前から始まっていた「官製相場」

政治相場(あるいは官製相場)は、14年10月末に発表された「日銀の追加緩和」と「GPIFの運用方針の変更」から始まったように言う人が多い。

しかし、マネーの流れを比較貸借対照表で調べると、安倍政権が始まる前の12年の10月から秘密裏に開始されています。最初は、円安介入のための30兆円の政府系金融マネーでした。

※総資金量420兆円の政府系金融3機関が、日銀に国債を売ったマネーで、米国債を30兆円買った→米国債を売ったヘッジファンドが日本株買い/円の先物売りを行った

安倍政権が確実になる前、12年9月の日経平均の予想PER(加重平均)は、1ドル80円台の円高の中で12倍付近と低かった。米国ダウのPERは15倍と3倍高かった。

上場企業(東証一部2000社)においては、輸出製造業の株価シェアが大きい。円安/ドル高になると、利益が数倍に増えます。このため、円安で日本の株価は上がり、円高で下がる基本性格があります。

通貨の低下は、普通、国力(政治力)と経済力の低下を示します。しかし日本では、ドルでは同じでも円での輸出価格が上がる。このため、上場企業の利益が増える予想がたち、株が買われます。
(注)予想PERは、株価の時価総額を次期予想純益で割った株価/収益倍率であり、株価の高さ、低さを判断するための指標です

PERが15倍なら将来15年分の、未実現の企業純益を株価が含んでいます。16年10月の日経平均の加重平均のPERは、14.3倍付近です。単純平均のPERでは18倍と高い。日経平均は、ユニクロ(ファーストリテイリング)の34倍のような高PER銘柄を含むからです。

2016年10月現在、日経平均は1万7000円付近です。米国ナスダックの予想PER(単純平均)は現在21.9倍で、バブル価格の水準です。他国をあげると、インド18.2倍、英国17倍、米国ダウ16.8倍、上海総合14.4倍、ドイツ13.3倍、ロシア6.8倍です。

円安誘導という名の「米国債買い」を実行

安倍政権誕生の2ヶ月前、1ドル77円(12年9月)だった円は、その2ヶ月前から下がりはじめ、10月に80円、11月に83円、12月には87年円と13%の円安になっています。続く13年1月に92円、2月には93円と下がり、6月には岩盤に見えていた100円も超えたのです。
(注)円安のピークは、15年6月の125.8円です。16年2月のマイナス金利以降は、逆に円高になり16年10月は104円付近です

円安は、世界の外為市場(円の売買が日量120兆円:2016年)での「円売り/ドル買い」が「円買い/ドル売り」を超過することで起きます。なぜ50%(1ドル120円)もの円安になったのか?

ここで、財務省の外貨準備($1.26兆:126兆円:16年10月)は、目立つので使われなかった。かわりに、ゆうちょ銀行、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、かんぽに、推計30兆円の「円売り/ドル買い」を行わせたのです。

前述のように、日銀がゆうちょ、年金基金、かんぽがもつ国債を買い、政府系3機関は、そこで得た円で、円安誘導を目的にしたドル債買いを実行するわけです。

さて、米国政府は、為替介入を行う国を「為替操作国」と強く非難します。しかし、円売り/ドル買いで得たドルで米国債を買うと途端に沈黙します。この理由は何でしょうか?

アメリカ政府の債務は2000兆円

米政府の総債務(自治体と社会保障の債務を含む)は、日本国債の2倍の$20.0兆(2000兆円:16年)に膨らんでいます。米国債も$15兆(1500兆円:同年)に増えています。

財政赤字は毎年、$7000億付近(16年度は$7130億)です。17年には、公的医療費($2.8兆:280兆円:12年)の増加で、赤字は$1兆を超えるでしょう。

米国の人口ピラミッドは、日本の10年遅れです。医療費では診療単価が約2.5倍高く、総額で$2.8兆(280兆円:12年)です。3.2億人の国民の、健康な人を入れた1人あたり年間医療費は$9000(90万円)です。

日本の医療費は、40兆円で1人あたり31万円/年。米国は1人あたりで3倍も多い。米国の医療費は信じられない高さです。盲腸の手術や流産で200万円とか…日本は世界的には医療費は安い。

米国政府は、この高すぎる医療費のため、日本の10年遅れで高齢者が増えるとつぶれます(ほぼ確定でしょう)。

米国は、新規国債のうち50%は、経常収支が黒字の中国と日本に売らねばならない。米国内では50%分しか買い手がない。米国は、海外からマネーを借りる構造を続けています。円でドル国債を買うことは、マネーの流れとしては米国への貸し付けです。

経常収支の赤字国は、感覚では逆ですが、資本収支では黒字になります。資本収支の黒字とは、マネーが流入することであり、現象形は、海外の金融機関が米国債、株、社債、MBS(住宅ローン担保証券)を買って、ドル預金をすることです。

わが国の民間では、国内の運用先がない三菱UFJグループ(総資産281兆円:16年6月)が、米国運用を増やしています。米国経済は、海外資金が大挙して引き揚げるとひとたまりもない。このため、米国はユーロや円より約2ポイントは高い金利を続けねばならない。

米国が利上げしなければならない本当の理由

米国が14年10月に、3回行った量的緩和(QE:$4兆:400兆円)を停止し、2015年12月にFRBが0.25%利上げした本当の理由は、金利が低いままだとドル債が売られ、海外から来たマネーが逃げる恐れがあったからです。逃げはじめてからの利上げでは、間に合わない。

米政府とFRBが、日本に金融緩和を強く勧めるのも、米国債と株を買ってもらうためです。異次元緩和にも米国への資金環流という条件がついていました。リフレ派は亡国のエコノミストに思えます

リーマン危機のあと、400兆円のドルを増発した3度のQE(08年〜2014年)でマスクされていた米国の「大きな対外不均衡」は、今も世界経済における根底の問題であり続けています。

米国の対外総債務は、$20兆(2000兆円)、対外資産を引いた純負債は$8.8兆(880兆円)と巨大です(15年末)。

一方で日本は、官民で948兆円の対外資産をもち、対外債務は609兆円です。339兆円の純資産があります(15年末:財務省)。経常収支が黒字になり、バブル経済で世界ナンバーワンと言われた1980年代以来、企業と金融機関が営々と貯めてきたものが、対外純資産になっています。

関連して言うと、中国は、公式には$2.1兆(210兆円:14年)の対外純債権国とされています。しかし、15年と16年に民間で起こった「元売り/ドル買い」に対抗して、政府が行った「元買い/ドル売り」により、今は、純債務国に転落していると推計できます。

2015年12月で$3.3(330兆円)とされている外貨準備では、銀行の持ち分と政府の持ち分が二重に計上されています。中国の4大銀行は、全部が国有です。選挙と議会制度がない共産党国家・中国の経済統計には、かつてのソ連と同じ問題があります。

ヘッジファンドによる円売り・日本株買いのカラクリ

アベノミクスとは、インフレを目標にした、

1.日銀の国債買いによる通貨増発
2.ドル買い/円売りによる円安誘導
3.政府系金融とGPIFによる日本株買いと米国債買い


です。

2%のインフレを目標にしたのは、年金・医療費・介護費(社会保障費)が年率3%(3兆円)で増え続け、それが国債の増発に繋がって、債務比率(政府総債務1277兆円/名目GDP505兆円=253%)が拡大することを防ぐためです。

分母の名目GDPが年率で3%以上増え続けないと、債務比率が大きくなり、近い将来の財政破綻が確定するからです(名目GDPの下限目標=実質GDP1%+インフレ率2%)。

仮にインフレになっても、企業所得と税収が増える中で世帯の所得が増えない場合、国民の生活は苦しくなっていきます。年金支給額が固定されている年金生活者3100万人(15年:厚労省)と、円安では企業所得が減る多くの中小企業の雇用者4100万人(06年:経産省)、合計で7200万人は、インフレで実質所得が減ります。

しかし、それらは構わない。政府にとっては、差し迫る財政破綻の防止がはるかに大切だとされたのです。

円安と株価上昇には有効だった量的・質的緩和

需要が増えることによる物価上昇に効果がなかった量的・質的緩和は、12年末から15年までの円安と株価上昇には有効でした。13年と14年の物価上昇は、円安での輸入価格上昇が主因です。世帯消費と企業の設備投資は増えていません。

東証では、年間420兆円の売買額の70%が、オフショアからのヘッジファンドによるものです。国内の個人投資家と金融機関は、90年からのバブル崩壊、00年のIT株崩壊、08年9月からのリーマン危機で3回の大きな損失を被ったことから、売買額が30%に減っています。

個人投資家700万人の多くは、上がるときは損失を回復するため売り越す、下がるときは難平(なんぴん)買いで買い越すという行動を取ります。

2012年末以降の日本株式市場の売買構造

このため、わが国の株価を決めているのは、70%のシェアになったヘッジファンドの売買です。


1.ヘッジファンドが買い越せば上がり、売り越せば下がる

2.下がっては、政府と投資家が困る

3.ヘッジファンドが売り超になると、3つの政府系金融(総資金量420兆円)と日銀(同459兆円:16年10月)が買いをいれる

という単純な基本構造が、2012年末から2016年10月まで続いているのです。

しかし2016年は、政府系金融と日銀の買いに対する株価上昇の反応が鈍い。この理由は、

1.アベノミクスによる株価上昇が政治相場(または官製相場)であることを皆が知った

2.このため二番目に大きな売買シェアを持つ個人投資家(700万人)が、政府系金融に追随した買いを入れなくなった

ことにあります。


米国の後追い。2015年から日本でも自社株買いが増加している

1日平均売買額が2.9兆円(15年平均)だったものが、2.3兆円(16年7月)に減った現在の東証一部で、大きく増えているのは自社株買いの4.3兆円です(16年1月〜9月)。

これは、事業法人の買い超に含まれます。年間では5.7兆円の買い超になるでしょう(13年1.5兆円、14年2兆円、15年3兆円)。

自社株買いは、市場で流通する株式数を減らします。会社利益は同じでも、1株あたり利益は上がったようになり、株価も上がります。タコが自分の足を食べることに似たこの自社株買いは、上場大手企業が留保利益で将来投資をせず銀行預金として貯まった、現金100兆円で行われています。

自社株買いでも、買いが増えれば株価は上がるので「株価上昇という形の株主配当」とされています。経営者が株主サービスとして行うのです。問題は、自社株買いは、いつまでも続けることはできないことです。

米国の2012年以来の自社株買いは、とても大きい。16年の第一四半期で$1820億(18.2兆円)です。年間では73兆円という巨額です。米国では、日本よりはるかに個人株主の要求度が高い。株価が1年も下がり続ければ、資産を失った株主により、株主総会で経営者が追放されます。

このため、経営者は米国FRBの量的緩和と、わが国と同じ将来投資の少なさから滞留したキャッシュフローで、年間73兆円もの自社株買いで事実上の減資をしているのです。

時価総額で世界一のアップル($6091億=60兆円:16年9月)は、社債を発行しゼロ金利マネーを得て、それで巨額の自社株買いを行っています。米国のダウやナスダックの大手企業の株価は、大きな自社株買いで20%から30%は高値になっているでしょう。

本稿執筆時点のダウは1万8161ドル、ナスダックは5243ポイントで史上最高値圏です。過去10年の純益を元にしたシラーP/Eレシオ(26.6倍:16年10月)が示すように、数十%のバブル性があると見ることができます。株価維持のために膨らみすぎた自社株買いの減少があれば、下がります。

自社株買いは、政府主導の官製相場と同じく、3年も5年もと続けることはできません。事実、2016年は米国の自社株買いはピークアウトして、今後は減少する傾向も見えます。

米国の自社株買いの傾向に注目してください。これが減ると、米国株は下がります。米国株が下がると、日本と欧州にも即日に波及します


株価が景気を反映しなくなった理由

ポートフォリオ投資とHFT(超高頻度売買)を組み合わせた売買シェアが、60%まで増えています。10年代の国際金融は、ネットワークで、リアルタイムに連結されているからです。

世界中の国債や株の売りも買いも、コンピュータ画面で一瞬です。株と債券の金融市場は、インターネットで変容しています。売買を叫ぶ「場立ち」があった「のどかな市場」ではない。

それでなくても、わが国の日経平均は米国ダウの子供です。米国株を売買しているヘッジファンドがポートフォリオ(分散投資)で、日本株をたとえば12%と一定割合にしているからです。米国株が下がると、ポートフォリオの中の米国株が減少します。かわりに、12%枠と決めている日本株の構成比が上昇します。これでは日本株の下落リスクが大きくなる。

株価罫線を分析するトレンド理論(傾向理論)とは違う、ランダムウォークの理論では、向こう3ヶ月で10%上がる確率があるときは、10%下がる確率も同じです。このため、ポートフォリオでのリスクが、コンピュータが自動計算する数値で大きくなる。

従って、米国株が下がると日本株を売って減額調整するプログラムが組み込まれています。ヘッジファンドのほとんどの売買で行われているHFT(超高頻度売買)がこれです。人間は関与せず、現物・先物・オプションの売買を組み合わせ、瞬時に売買が行われます。

ファンドマネジャーの関与は、ポートフォリオの割合(パラメータ)を変えるときです。以上の売買構造が増えたため、日米の株価の動きは同時化します。日米だけではない。

世界の株式市場(時価総額6000兆円:世界のGDPの1倍)が、ほとんど瞬間連動して動きます。基礎的な経済指標によるファンダメンタル理論(端的に言えば、景気がよくなると株価が上がる)は、ほとんど関係がなくなっているのです。
http://www.mag2.com/p/money/24781



10. 中川隆[-5539] koaQ7Jey 2018年3月05日 13:24:11 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

アダム・スミス2世の経済解説  2015-05-10
アベノミクスがもたらした株価上昇による100兆円の損失
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-184.html


アベノミクスの評価は、現時点においてもさまざまである。その中で多くの人たちが認める功績は、株価を上昇させたことであろう。アベノミクスの否定論者でも、アベノミクスは株価を上昇させたこと以外にメリットは存在しないという評価を下す人は多い。

株価を引き上げたことは功績であるにしても、現在の株価は上がりすぎであり、バブルであるとの批判は存在する。

今回は、アベノミクスが株価上昇により巨額の損失を日本経済に与え、最近ではその累計額が100兆円にまで到達したという事実を説明する。

最後に、このような巨額の損失が発生した原因として、最近、株価の需給コメントのシリーズで書いているものと同じ内容を記すことにする。

繰り返すが、アベノミクスの否定論者でも、株価を上昇させたことだけは功績として認める人が多い。一方、私は、株価上昇のプラス面、マイナス面の両方を今までに何度も書いてきた。今回はプラスの面には触れず、マイナスの面だけに触れることにする。唯一の正しい見方ではないが、一つの有力な観点から見た場合、大変大きなマイナスにもなりうる、ということを書くことにする。

そもそも、利益、損失、純資産の増加、純資産の減少というものは、会計基準によって変わるものである。民間企業でも、日本会計基準、国際会計基準、米国会計基準によって利益や純資産は異なる。利益、純資産というものは、万人の意見が利益、純資産であると一致するものは当然存在する。しかし、利益か利益でないか、純資産の増加か増加でないか、専門家の間で意見が分かれるものも当然存在する。そのため、会計基準によって利益や純資産は異なってしまう。

正確性が他の会計基準より明らかに低い会計基準は、過去には使われていた。しかし、そのような会計基準は修正され、現在では使われていない。現在使われている複数の会計基準の利益、純資産の中で、どの基準が一番正しいかは、専門家の間でも一致してはいない。そもそも会計基準というものは、国や時代が異なれば、「正しい」内容が異なっても当然なのかもしれない。

より難しいのは、民間企業以外の利益、あるいは純資産である。日本という国レベルで、純資産が毎年どれだけ増加、または減少しているかについての会計基準は、事実上、一つしか存在しない。現在、日本で使われている日本の純資産に相当するものは、国民経済計算ベースでの国富(=正味資産)である。この会計基準は、いろいろと問題点が指摘されることが多い。しかし、現在、国ベースでどれだけ資産を増やした、あるいは減らしたかを認識できる統計は、国民経済計算ベースの国富しか存在しない。問題点があることは頭に入れながらも、事実上、一つしか存在しない日本の国富を表すグラフを下記に示す。


国富
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/img/20150510172757912.gif/


国富の大半は非金融資産である。それ以外は、金融資産の一部である対外純資産だけである。国富の大半をしめる非金融資産が減少傾向を示している最大の原因は、地価の下落である。対外純資産は増加傾向にある。

国富には、対外純資産以外の金融資産が存在しない。これは、金融資産が存在すれば、必ずそれに等しい金融負債が存在していると国民経済計算では考えるからだ。この場合、株価が上昇しても、株価の時価総額の増加額に等しい金融負債が増加していると考えるのである。この考え方に基づけば、アベノミクスの結果株価が上昇しても、プラスは発生しない。株価の時価総額と同金額の金融負債が同時に増加すると考えるからだ。株式保有金額の増加額のうち海外投資家による日本株保有分については、海外投資家の資産増加と、国内部門の負債の同金額の増加が発生すると考える。これを日本から見れば、国内の負債の増加分と同金額の国内資産が増えているのではなく、同金額の対外負債の増加だけが発生していると見える。対外負債の増加であるから、対外純資産の減少、すなわち国富の減少を意味する。日本の株価が上昇すればするほど、資産は増えず、対外負債だけは増加し、対外純資産と国富は減少する。

国民経済計算は年1回公表され、最新のものは2013年度版である。非金融資産については国民経済計算が唯一の統計である。しかし、対外純資産を含む金融資産については、国民経済計算に準じるものとして、日銀の資金循環統計が存在する。これは年4回公表、最新のものは2014年版である。両者の会計基準は、主体や項目などの分類の定義に違いがあり、一致しない数字も多いが、理論的には同種のものと考えてよい。そのため、前回と同様に、国民経済計算ではなく資金循環統計の数字を使って、株価上昇による損益を計算する。なお、国民経済計算の株式は未上場株をも含めたすべての株式が対象であり、上場株だけの数字を求めることはできない。ここで使う数字は、資金循環統計における上場株だけの数字である。

2014年末における投資部門別の株式保有金額(上場株だけが対象)を表すグラフを下記に示す。


投資部門別保有金額
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/img/2015051017282459d.gif/


2014年末における最大の大株主は海外投資家であり、その金額は165兆円、全体の31%を占めていた。

次に、アベノミクス相場の開始以降、上記の株式保有金額がどれだけ増加したかを表すグラフを下記に示す。


投資部門別保有金額の増加額
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/img/201505101728253d4.gif/


アベノミクス相場の開始日は、野田前総理が衆議院解散を明言した2012年11月14日である。しかし、その日からの統計は存在しないので、代わりに2012年9月末を基準にした。保有金額にだいたいは比例しており、海外投資家による株式保有金額の増加額が95兆円と一番大きい。

次に、アベノミクス相場開始以降の投資部門別の売買状況を表すグラフを下記に示す。

投資部門別売買
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/img/201505101728224f6.gif/


このグラフの起点も、2012年9月末にした。見てわかるとおり、買いの大半は海外投資家である。2014年から公的資金が買い始めたので、信託銀行が少し買い越しになっている。最大の売り越し主体は家計、すなわち個人である。

次に上記の2つの表で示される金額の差を表す投資部門別の調整額というグラフを下記に示す。

調整額
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/img/20150510172758332.gif/


調整額の定義は、資産の変動金額と売買金額の差である。具体的には、調整額の大部分は株価の値上がり益であり、かなり広い意味ではあるが統計上の不突合が一部に含まれている。最大の大株主である海外投資家が一番大きな株価の値上がり益を獲得している。

最初に示した国富の中の対外純資産は、フローベースでは「経常収支+資本移転等収支」の累積金額になる。一方、ストックベースではそれ以外のさまざまな資産価格の変動の影響を受ける。さまざまな資産価格の変動の中で最も寄与度が高いのは、為替レートと株価の変動分である。

日銀の資金循環統計ベースの対外純資産は、2012年9月末の277兆円から、2014年12月末の376兆円まで98兆円の増加となっている。このうち、海外投資家の日本株投資残高は、先のグラフで示したとおり95兆円、うち買越金額は20兆円、調整額、すなわち株価の値上がり益は75兆円である。海外投資家は日本の株価上昇により、75兆円前後の値上がり益を獲得した。このため、日本の株価が2012年9月と2014年末が同じであったと仮定するならば、対外純資産は376兆円より75兆円多い451兆円になっていたはずである。株価が上昇したがために、75兆円もの対外純資産と国富が減少したことを意味する。

しかし、アベノミクス開始以降の対外純資産は、株価上昇によるマイナス効果以上に円安によるプラス効果の方が大きかった。フローベースの「経常収支+資本移転等収支」の金額は小さかった。そのため、主として円安の結果として対外純資産は増加し、株価上昇によるマイナス効果は見えにくかった。

株価上昇によって海外投資家が獲得した75兆円の調整額は、2014年末の金額である。2015年に入ってからも、日本の株価は上昇している。ここで海外投資家の保有株式金額はTOPIXと同じ動きをすると仮定する。今年に入って、海外投資家は現物株を買い越しているが、残高との比率では大きな数字にならないので、ここではゼロと仮定する。この仮定に基づいて、2014年末からの海外投資家の日次の調整額累計を表すグラフを下記に示す。


海外投資家の調整額
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調整額の起点である2012年9月末の株価は、2012年11月14日の株価より少し高い。従って、基準点が2012年11月14日のグラグが作成可能であったと仮定したならば、その金額は上記のグラフの金額を少し上回ることになる。それ以外の調整額についての仮定も、実際の調整額より少なく算出される仮定になっている。ただし、統計上の不突合は上下のどちらにも存在する。それでも、より正確なデータが存在すれば、上記のグラフの少し上を進んでいる可能性が高い。

少しばかりの仮定をおいて算出される累積調整額は、2015年4月22日に100兆円に到達した。この金額は、アベノミクス相場開始以降、日本の株価上昇によって失われた国富の金額にほぼ等しい。アベノミクスによる株価上昇が原因で失われた国富は、4月22日についに100兆円に到達してしまったのである。4月22日は実に悲しむべき日である。しかし、4月22日という日は、2000年4月14日以降、日経平均株価の終値が2万円台で引けた記念すべき日でもある。株価が上がってめでたし、めでたしの日でもあった。私が悲しむべきと考える日と、みんながお祝いをしている日が、同じ日になってしまった。


アベノミクス相場の開始以降の株価上昇による(上場株だけから発生した)国富の損失100兆円という数字は、多少の誤差があるとしても、ほぼ正しい金額である。

ただ問題点は、国民経済計算という会計基準、その会計基準に基づいて算出された国富の金額が、正確な富の変動を本当に表しているかどうかという点である。会計基準を少し変えれば、100兆円の損失が大きく変わる可能性はありうる。会計基準に絶対的に正しいという基準は存在しない。

国民経済計算という基準、中でも、ストック統計の会計基準についてはいろいろな批判が存在する。しかし、日本という国レベルで、純資産、あるいは国富が毎年どれだけ変動しているかを知るための会計基準は、事実上、一つしか存在しない。その唯一の基準とも言うべき国民経済計算という基準を使えば、アベノミクスによる株価上昇で失われた国富の累計額が、4月22日に100兆円前後に到達したという事実を動かすことはできない。

株価上昇はアベノミクスの最大のメリットというのは正しくない。国民経済計算という有力な会計基準を使った場合、アベノミクスは、株価上昇の結果として日本の国富を100兆円も失わせた。アベノミクスがもたらした株価上昇の結果は、大変大きな利益ではなく、100兆円という巨額の国富の損失であったという観点が存在することは重要であり、この事実を忘れてはならない。

最後に、最近、株式需給コメントのシリーズに書いているものと同じ内容、すなわち100兆円の巨額の損失が発生してしまった原因とその対策を記すことにする。
 

政府・日銀の犯罪的な政策について

日本企業の株というものは、日本国民にとっての大変貴重な財産である。それに対して政府・日銀が過去にとってきた政策は、1989年12月29日の高値38,915円から2009年3月10日の安値7,054円まで、19年強の期間、最大で82%も日経平均株価を下落させたことである。

そして、国内投資家に、株価はもう上がらないという非常に強い予想、期待、確信と、株価が戻れば売らなければならないという非常に強固な信念を抱かせてしまった。そして、1991年以降、結果として取引所という流通市場だけで92兆円、発行市場も含めた国際収支ベースでは114兆円もの日本の現物株を国内投資家が海外投資家に安値で売り渡すことになってしまった。

これは犯罪的とも言えるレベルの政策である。アベノミクス相場が始まってからも、国内投資家は取引所という流通市場だけで20兆円の現物株を海外投資家に売り渡しており、犯罪的な政策は是正されていない。


ここまで来てしまった以上、完全に手遅れであり、経済をデフレ不況に戻すことなくこの問題を解決する方法はもはや存在しない。できること、可能なことは、損失のさらなる拡大をくい止めることだけである。そのためには、国内投資家が株を買い越すようになるまで金融緩和の強化を続けるしかない。

2013年4月の異次元緩和は、あまりにも遅すぎであり、金額も少なすぎた。実施の翌週に、国内投資家が過去最高の金額の現物株を海外投資家に売り渡すという非常に大きなマイナス効果が現実のものになってしまった。2014年10月の第2弾の翌週も、国内投資家が海外投資家に現物先物合計で過去最高の金額を売り渡すという巨額のマイナス効果しかもたらさなかった。

現在も効果がマイナスという状態が続いている。金融緩和を大幅に強化すれば、巨額の残高が存在する国債という運用先を失った国内投資家は、高値でも株を買わざるをえなくなる。この場合、国内投資家に、安く海外投資家へと売り渡した株をバブルに匹敵する高値で買い戻すように誘導することになる。実にバカバカしいことだ。しかし、これ以上海外投資家に株を売り渡せば、株価上昇と並行して増える損失がさらに拡大する。過去の政策があまりにも犯罪的すぎたので仕方がない。

株価が2万円前後にまで戻っても、国内投資家がまだ海外投資家に大量に株を売り渡し続けているという現状は異常である。過去における政府・日銀による犯罪的な政策を容認し、現在の異常な状態を異常と思わない人が多すぎることは、大問題である。
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-184.html

アダム・スミス2世の経済解説 2017年6月第3週 株 コメント


日銀の量的質的金融緩和策には効果がある。第2週の2万円を少し下回ったところでは個人を中心に買い越しを維持していた。しかし、2万円台を抜けて上昇すると個人と投信の現先合計で週間5000億円以上の売り越しになってしまう。

これは、金融緩和に効果はあるが、不足しているから起こる現象である。

アベノミクスが始まってから、株高によって100兆円前後というとてつもない国富の損失が発生している。しかし、その損失はほとんど認識すらされていない。

ここでテーパリングではなく思い切った金融緩和の強化を実施すれば、国内投資家が上値でも買い越しになる可能性が高まる。

海外投資家に安く売った株を高値で買い戻す。実に馬鹿馬鹿しい買いである。

しかし、株価上昇による損失拡大とデフレ不況の両方を避けるためには、国内投資家は今からでも買うしか方法がないのである。
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-328.html#more


11. 中川隆[-5520] koaQ7Jey 2018年3月06日 17:03:27 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2018年03月06日
日本の物価が安すぎる リーマン前と酷似し危険な状況

日本の物価がアメリカより安くなる分、毎年円高にならないとおかしい
無理に円安にしたら、後でまとめて円高になる
引用:アメリカ出張よもやま話 45 日米 消費者物価指数推移の違いhttp://image.space.rakuten.co.jp/d/strg/ctrl/9/30ecbe8294906dce483423d0bb7a1c094e553291.84.2.9.2.jpeg

日本の物価は主要国最低

日本の物価水準が主要国の中で並外れて低く、もはや先進国とはいえない水準になっています。

この状態はリーマンショック前の2007年と同じで、欧州のどの国も日本1.5倍以上という状況でした。

その後円高によって安すぎる日本の物価は調整されたが、2012年以降の『超円安』によってまた物価の乖離が起きている。



こうなった原因は日本と主要国の物価上昇率の差で、日本はアベノミクス以降でも年0.5%程度のインフレ率に留まっている。

欧米は年2%以上である事が多いので、ここではわかりやすく主要国インフレ率は2.5%、日本より2%高いと仮定しておきます。

すると毎年日本は主要国に比べて、年2%デフレが進行しているのと同じ状態で、アメリカやドイツから見て日本の物価は年2%下がります。


それでいて日本政府と日銀は円安誘導しているので、ついに日本と主要国の食品等の値段は1.5倍差になりました。

2000年年代中ごろにスイスではビッグマックが4,52$(500円)で、その他の欧米は400円くらい、日本では300円くらいでした。

2007年のドル円は1ドル120円台だったので、3割円高の1ドル90円前後で日本の物価は正しくなる計算です。


ビッグマックだけではなく、当時欧州では賃金が日本の2倍とか、水のボトルが500円とか、電車の初乗りが1000円など、欧米の物価は目を見張るほど高かった。

それを見て日本人は「日本はもうだめだ。”超円安”になって衰退するだろう」という特集を経済誌やテレビでやっていました。

それでどうなったかというと、承知のごとく1ドル70円台まで円高が進み、日本の安すぎた物価は強制的に高くなりました。

1ドル80円台が適正か

その後アベノミクスと黒田バズーカによって円安誘導し、また1ドル120円台の”超円安”にした結果、日本と主要国の物価が乖離してしまった。

現在アメリカや欧州のビッグマック価格は5ドル以上、日本は4ドル以下なので2割以上は円が安すぎる。

1ドル110円で物価が2割違ったのだから、適正な為替レートは1ドル80円台という事になります。


欧州でも物価が高いとされるパリでは、ランチは10ユーロ以上、コーヒーは2ユーロ、カフェオレは4ユーロもする。

缶コーヒーやコンビニコーヒーは無いようで、ミネラルウォーターも含めてドリンク類は高い。

パリのビッグマックは4.30ユーロなのでやはり500円以上、スタバのトールラテも500円以上なので日本より3割は高い。


労働者の賃金では欧州は最低賃金12ドル以上なのに対して日本は7ドルど問題外、これを為替で調整するには1ドル60円にならないといけない。

1ドル70円にいつかは成ると思いますが、それが1年後か20年後かは分かりません。

ただリーマンショック時には2007年に1ドル120円台だったのが、毎年10円下がって2011年に1ドル70円台になりました。


1985年のプラザ合意では1ドル260円だったのが、2年かけて1ドル120円になっています。

いずれの場合も日本の物価水準が並外れて安すぎ、為替レートによって強制的に調整されたと見る事ができます。

日米欧の正しい物価や賃金が同じ水準だとしたら、いつか必ず為替市場による調整が起きます。
http://www.thutmosev.com/archives/75195715.html


12. 中川隆[-7025] koaQ7Jey 2018年4月01日 14:52:24 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-9700]
日本の管理職給料は「中国よりずっと下」 大卒初任給”40万円”は普通の水準
http://president.jp/articles/-/24813
2018.3.31  ジャーナリスト 溝上 憲文 PRESIDENT Online


アジア各国の給料相場がぐんぐん上がっている。最新の調査によれば、中国やシンガポールなどの管理職の給料は、日本企業の管理職よりはるかに高い。専門家は「この10年の間に日系企業の給与は低いというのが労働市場に定着してしまっている。給与で日系企業が優位性を持っている国はどこにもない」という――。

給与上昇、中国・インド毎年10% タイ・マレーシア毎年5%

2018年の春闘の賃上げ率は2.17%だった(3月22日、連合集計)。昨年同時期よりも若干のプラスとはいえ2%程度のアップにとどまっている。日本の給与は依然伸び悩んでいる。

        

一方、アジア各国の給与が日本をじりじりと追い上げている。それどころが一部の職種では日本の給与を上回るケースも発生している。

それを象徴するのが中国の通信機器大手の華為技術日本(ファーウェイ・ジャパン)だ。

昨夏、同社が日本の大卒初任給で「40万円」という求人情報を出し、大きな話題になった。同社は毎年10人前後を採用しているが、2015年以降、初任給を徐々に上げ、18年卒の理工系の大卒エンジニアを「40万1000円」、修士修了者を「43万円」に引き上げた。

中国企業の台頭は今に始まったことではないが、業績や規模の拡大に伴い、中国の現地企業の給与は毎年平均10%程度上昇している。

中国だけではない。マレーシア、タイは毎年5%程度の給与の上昇が続いており、成長著しいインドネシアやインドも毎年10%も上がっている。この状態が続けば日本の給与を上回るのはそう遠くないだろう。

▼「日本の給与がアジアで断然高い」は昔の話

そう聞いても、「日本の給与のほうがアジアの中では断然高い」と思っている人もいるのではないか。しかし、すでに現実はそうではない。

アジアの日系企業の「課長」の給与が現地企業に負けている、というデータがある。人材紹介業大手のJACリクルートメントがアジア各国の中途採用時の給与水準を調査した「The Salary Analysis in Asia 2018」(※)という公表資料がある。

※シンガポール、マレーシア、タイ、ベトナム、インドネシア、香港・中国、韓国、インドの給与水準を資本(日系、現地系、その他欧米系などの企業)、業界、職種ごとに区分して調査。調査期間:2017年7〜9月

この調査は各国の「日系企業」「欧米系外資」「大手現地企業」を比較したものだが、たとえば「経理課長」の年収を指標に日系企業と現地企業を比較してみよう。

まず、中国だ。中国における日系企業の経理課長の年収は下限が92万円、上限が254万円。それに対して現地企業は下限が203万円、上限が338万円であり、日系企業を上回っている。ちなみに、部長級は日系企業254万〜593万円、現地企業は338万〜678万円でこちらも日系企業のはるか上だ(金額はいずれも2月27日の為替レートで試算・以下同)。なお、中国の現地企業は「欧米系外資」と同水準という。

「給与で日系企業が優位性を持つ国はどこにもない」

マレーシアでは、日系企業の「経理課長」は260万〜370万円に対し、現地企業は256万〜356万円とほぼ拮抗している。

ところがインドネシアになると日系企業は125万〜196万円だが、現地企業は203万〜384万円、部長は日系企業が204万〜266万円、現地企業が360万〜563万円。完全に水を空けられている。

調査を担当したJACリクルートメントの黒澤敏浩フェローは「給与で日系企業が優位性を持っている国はどこにもない」と指摘する。

「日系企業は早い時期からアジアに進出していますが、その後に欧米系外資が進出し、日系より高い給与で人材を引き抜かれるケースが増えた。その後、現地企業の業績拡大に伴い給与水準が上がり、日系企業から現地企業に人が流れるケースも増えており、給与を上げないと人材を確保できない状況になりつつあります」

▼「金融業の営業職の給与」日本は中国に惨敗

      

人材確保の厳しさは巨大市場の中国で特に顕著だ。

「欧米系外資よりも給与水準が高い現地企業も少なくありません。中国人の人気が一番高いのは現地の元国営企業、次に欧米系外資、最後が日系企業の順になっています。残念なことにこの10年の間に日系企業の給与は低いというのが労働市場に定着してしまっている。近年、欧米企業は中国に積極的に投資しており、日系企業の人材確保はますます難しくなっているのが実情です」(JACの黒澤氏)

今度は「金融業の営業職」の給料を比較してみよう。

中国の金融業界の営業職の場合、日系企業の課長級の年収は390万〜796万円。それに対して現地企業は474万〜948万円であり、日系企業を上回る。

営業職の部長級は日系企業1051万〜2118万円、現地企業は1271万〜2542万円。日系企業も決して低いわけではないが、それを上回る年収を得ている。

次に、1人当たりの名目GDPが日本の1.4倍と経済的には先進国に入るシンガポールになると、格差はもっと大きくなる。日系企業の課長が488万〜813万円であるのに対し、現地企業は853万〜2438万円。

部長になると日系企業が650万〜1219万円、現地企業は1544万〜2844万円になる。日本企業の上限年収よりも現地企業の下限年収が上回っている。

シンガポールの給与水準は幅が大きいが、月額30万〜60万円が最も多い層といわれる。2017年度の国立大学卒の理系の初任給は約33万円を超える求人もあり、文系も約25万円と日本の新卒初任給よりも高い。これでは現地の人が日本企業に入りたくないと思うのは当然かもしれない。

日本の大企業の課長・部長給与は「中国よりずっと下」

では、日本国内の企業に勤める管理職の年収はいくらなのか。

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」(2017年)から試算した課長級の年収(男女計、学歴計)は約853万円、部長級は1051万円だ。ともに前年より下がっている。

従業員1000人以上の大企業でも課長級989万円、部長級1232万円となっている。前述した中国とシンガポールの「金融系の営業職」の管理職はすでに日本の大企業の課長、部長級を上回る企業が当たり前のように存在しているのだ。

「今現在でもアジア各国の上位層の年収が日本を抜いているところも多いです。特に中国の上位層は日本以上の高い年収をもらっています。いずれミドル層についても日本を追い越すのは間違いありません。市場規模自体が中国は日本より大きく、管理職が高い給与をとるのは自然の流れです。日本の平均的給与は10年後にはアジアのトップクラスから2〜3位に転落する可能性は十分にあります」(JACの黒澤氏)

▼日本で爆買いするのは「富裕層」ではなく普通の会社員

       

日本の正社員の平均給与は487万円(2016年、国税庁調査)。アジアに誇れる“給与先進国”とは言えなくなりつつある。

近年、日本に来る中国などアジアの観光客が増加の一途をたどっている。その背景にはアジアの給与の上昇に伴う可処分所得の増加が関係している。観光で来日するのは一部の「富裕層」ではなく、ごく普通の会社員なのだ。

かつて日本人の多くが、タイ、マレーシアなどの観光地に大挙して出かけて彼我の所得格差の違いを享受した。その逆の現象がすでに始まっているのだ。


13. 中川隆[-9631] koaQ7Jey 2018年4月14日 10:00:53 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-10276]

最先端技術の中国人研究開発者の賃金、日本の水準を上回る―中国メディア
http://www.recordchina.co.jp/b591234-s10-c20.html
2018年4月13日(金) 0時10分


中国のある情報技術企業が日本に研究所を設置し、新入社員の初任給が40万円と高額であると話題になっている。瞭望東方周刊が伝えた。(文:陳言。報道関係者、日本問題専門家)

日本メディアは同企業が日本で何を研究しているのかには注目しておらず、「月給40万円」という点に注目していた。現在、日本の大手企業の初任給は22万円程度で、中小企業なら20万円以下というのが一般的だ。つまり、40万円というのは一般的な初任給の約2倍で、多くの日本人が目を丸くしている。

筆者のある日本人の友人は50歳近くで、中規模の情報技術企業で管理職に就いている。その友人は、「40万円というのは相当多い」と感じている。彼は20年前に会社の中国支社で働いたことがあるが、当時中国と日本の賃金差が大きかったことは記憶に新しいという。

彼は、「当時、中国の一般社員の給与はとても安く、日本との差は大きかった。今、中国企業が日本の新入社員に、日本の平均的な水準をはるかに上回る40万円の給料を払うことができるということは、中国の情報技術企業が近年、飛躍的に実力をつけているほか、中国国内の賃金水準が大幅に向上しているということだろう」と話した。

また、人工知能、ハイエンド通信、バイオ医薬品などの分野では、日本企業は中国人研究開発者を雇おうと思えば、日本の人材よりお金がかかると感じ始めている。

中国にある日系研究開発企業の数社に取材したところ、中国では人工知能の研究開発が盛んで、関連人材が引っ張りだことなっており、月給40万円でも必要な人材を見つけるのは困難だという。ある研究所の所長は、「中国の研究開発人員の賃金は、東京よりかなり高くなっている」と話した。

発展段階で、米国でかなりのお金を出して、研究開発人材を雇ってきたという日本の企業も多かった。しかし、中国人研究開発者の賃金が日本人より高いというのは、これまでに聞いたことがない状況だった。

別の通信研究開発企業の日本研究所の所長は、「第5世代移動通信システム(5G)に携わる研究開発者は、中国人の方が日本人より賃金が高くなる」と話した。

「当社の5G研究開発の中心地は米国と中国。米国と比べると、中国の研究開発人員の数が多く、市場も大きい。そのため、ここ数年は中国に多くのプロジェクトを置き、中国を中心に5Gの研究開発を進めるという形ができつつある。賃金や待遇も自然と同じ方向に傾いていく」という。

視点を変えると、日本企業が中国人研究開発者に高い給料を払う根本的な原因は、将来の中国市場に大きな期待を抱いているからだ。

一方、中国と日本を比べて賃金水準が逆転しているのは、今のところ主に情報技術や人工知能、ハイエンド通信、製薬業などの研究開発分野に限られている。一般従業員の賃金水準を見ると、やはり日本の方がかなり高い。しかし、中国のハイエンド研究開発人材の賃金水準が向上しているということは、さらに多くのイノベーションの成果が生まれ、「メイド・イン・チャイナ」、「中国のイノベーション」を推進し、良い循環が形成されると期待できるだろう。近い将来、さらに多くの分野で中国の賃金水準が日本を超える可能性もある。

最先端技術の分野で「報酬の魅力」がなくなると、「日本製」にどのような影響が出るのかという点も注目に値する。(提供/人民網日本語版・編集/KN)


14. 中川隆[-9905] koaQ7Jey 2018年4月16日 13:47:39 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-10564]

2018年4月16日
焦点:日米首脳会談に警戒感、米為替報告書「名目も円安」と指摘

[東京 16日 ロイター] - 米財務省が13日に発表した為替報告書では、日本を引き続き監視対象国に指定し、大きな貿易不均衡が日米間に存在することに懸念を示した。実質実効レートだけでなく名目レートでの「円安」も指摘。為替介入も事実上封じ込めた。


こうした米国の厳しい姿勢は、17―18日の日米首脳会談で先鋭化する可能性があるとして、市場では警戒感が広がる。

<強い日本への風当たり>

今回の為替報告書で、為替操作国に認定された国はなかったが、中国、日本、韓国、ドイツ、スイスを引き続き監視対象国としたほか、2017年に国内総生産(GDP)の2.2%相当の外貨を購入したとして、インドを新たに対象国に加えた。

物価変動を除いた円の実質実効レートは、2017年から今年2月までに2.4%下落し、過去20年の平均値と比べ25%近くも円安であるとした。実質実効レートに関する類似の文言は前回、前々回の報告書にもあったが、今回目を引いたのは名目レートに関する記述だ。

報告書では、名目レートでみた円相場が「過去10年と比較すると、2013年上期から歴史的な平均値に比べて割安である」と今回初めて指摘した。

日銀が、量的・質的金融緩和政策(QQE)を導入したのは2013年の4月。今回の為替報告書では、日銀の金融政策については、現状を簡単に説明するに留めた。しかし、日銀の金融政策が円安誘導の嫌疑をかけられる可能性もある。

トランプ氏は2017年1月31日、「中国が現在行っていること、日本がこれまで何年も行ってきたことを見れば、彼らがマネーマーケットや通貨安を手玉にとっているのを、われわれは座して眺めているだけだった」と述べている。

<日米首脳会談、為替に言及あるか>

日本と米国は17―18日に米フロリダ州で首脳会談を開く予定だが、為替報告書で確認された米国の姿勢からは楽観はできない。

米側は、日本に防衛費のさらなる積み増しと自由貿易協定(2国間FTA)を要求してくる可能性があり、そこでは、農産物の自由化とともに、為替条項が入る可能性がある。先の米韓FTAの見直しでは、付属文書に為替条項が入り、韓国の為替介入を許さないとの意思表示をした。

「米国による関税引き上げが自由貿易の妨げになると国内外の批判にさらされ、中国がその自由貿易の旗振り役を買って出ているという構図の下、国内産業重視のトランプ政権の姿勢が疑問視され始めた。(為替報告書は)通商政策ではなく為替政策に重点を置くための布石と見ることもできる」と三井住友銀行・チーフストラテジストの宇野大介氏は語る。


「そのリトマス紙として、日本の通商姿勢を執ように批判しているトランプ氏が、今週の日米首脳会談で貿易不均衡是正のため、内需主導の成長を求めてくると同時に、円安抑止も求めてくるかが注目される」と同氏はいう。

トランプ大統領は12日に「日本は長年にわたって通商で我々に大きな打撃を与えている」とツイートした。3月22日には「(日本が)米国をうまく利用する時代は終わった」とホワイトハウスで述べ、2月13日には、同盟国である韓国と日本に対し「貿易面では同盟国ではない」と突き放した。

「低支持率が続き、苦戦を余儀なくされているトランプ大統領は、周辺国に敵をつくり、彼らに強くあたって成果を演出したい面がある」とグローバル・エコノミストの斎藤満氏は言う。

これまでは、安倍・トランプの良好な関係から、米国が日本に無理な注文を付けないとの期待があったが、米朝首脳会談の設定後は「日米関係にすき間風が吹き、日本が(米国と)親しい同盟国の地位を失いつつある」と同氏はみている。

<米側は不均衡是正と構造改革求める>

米国は2016年4月、主要な貿易相手国の為替政策の評価について新たな枠組みを導入した。

同枠組みの下では1)対米黒字が200億ドル以上である。2)経常収支黒字がGDP比で3%を超えている。3)過去12カ月で継続的な外貨購入を行い、合計額がGDP比で2%を超えている──の3つの要件を満たした場合には「為替操作国」に認定され、厳しい対応を迫られる。

このうち2つに抵触すると「監視対象国」としてリストアップされる。

米財務省は「巨大かつ自由な為替市場においては、介入は非常に限定的な状況で、かつ適切な事前の協議を持って実行されるべきもの」との見解を前2回と同様に日本に対して表明し、為替介入を事実上封じ込めた。

そのうえで、日本は安定的な成長があるうちに構造改革を進め、公的債務と貿易不均衡を削減すべきとし、報告書では日本の2017年の経常黒字が国内総生産(GDP)の4%に達し「対米貿易黒字も690億ドルと引き続き大きい」と不満を表している。


15. 中川隆[-11253] koaQ7Jey 2018年4月24日 17:16:22 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-12184]
2018年04月24日
日本は原油高、円高に強くなったは本当か

原油高でもあまり打撃を受けていないが、1バレル100ドル超ではこうはいかないだろう
引用:http://www.oab.co.jp/images/news/180419134803805.jpg


日本は原油高を克服したか

WTI原油価格は2016年に30ドルを割り込んだが、現在は70ドルを超えようとしている。

対して日本株は2016年に1万6000円だったのが、現在は2万2千円とかなり上昇している。

最近の期間でみても、2017年6月に原油45ドル、日経2万円だったが、原油は値上がりしたのに日経は上昇している。


これをもって「日本は原油高を克服した」と評価する人もいて、数字の上ではそのように見えます。

70年代のオイルショック時に日本は輸出大国を標榜していて、原油価格上昇は日本製品のコスト増加を招き打撃を受けた。

だが現在の日本の輸出依存度は10%未満であり、経済は輸出に依存していない。


今の日本経済を支えているのは投資と内需で、原油値下がりはオイルマネーの減少によって悪影響をもたらす。

サウジなどアラブ国は原油価格が低迷すると打撃を受け、日本や外国への投資を控えるので、日本には悪影響がある。

だが原発の大半が停止しているので、再び史上最高値の100ドル越えになると、多額の負担を強いられる。


日本は円高を克服したか

日本が以前より原油高の影響を受け難くなったのは事実でしたが、もう一つの円高については議論が分かれるでしょう。

安倍政権発足前は1どる80円だったのが120円以上になり、最近は105円前後に定着しています。

105円を割っても日本株はそれほど下落しなかったので、一見すると円高も克服したように見えます。


だがこれは「円」という通貨がデフレの影響で外国通貨より強くなり、基準点が移動したのでそう見えているだけです。

アメリカは日本より平均2%は物価上昇率が高いので、10年経つと1ドルの価値は円に対して2割以上も安くなります。

分かり難いですが10年前にコーラが1ドル=100円だったとすると、10年後には同じコーラがアメリカで1ドル10セント、日本ではデフレで90円になっています。


日米の物価そのものが大きく変動したので、同じ1ドル100円と言っても、実は昔の1ドル120円程度でしかないのです。

安倍政権で1ドル120円だったときは、90年代の1ドル140円台に相当する超円安で、現在も実は「円高」ではないのです。

これを実質実効レートとか実効レートと言い、円高ではないので日本株は打撃を受けていないだけです。
http://www.thutmosev.com/archives/75872453.html


16. 中川隆[-11584] koaQ7Jey 2018年4月30日 21:07:43 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-12667]
日本経済の将来を占ううえで最も重要なのが、人材だ。そこでも日本はアジア諸国に大きく遅れている。

 世界の大学ランキングというものがあるが、実は、日本の大学は、東大でも世界46位と大きく順位を下げている(Times Higher Education2018)」。

 世界ではどうしてもアメリカやイギリスの大学が上位に入るので、アジアだけのランキングで見るとどうなるか。当然東大が1位だと思う人が多いかもしれないが、実は、毎年順位を落としてついに8位まで下がってしまった。1位シンガポール国立大学、2位清華大学(中国)、3位北京大学(中国)、4位香港大学、5位香港科技大学、5位南洋理工大学(シンガポール)、7位香港中文大学で9位と10位は韓国の大学である。上位21校中(20位が2校あるので21校)のうち、日本は東大と京大(11位)の2校だけ。中国は7校、韓国と香港が5校、シンガポール2校だった。

 将来のことを考えると、子供や孫の進学では、東大や京大よりも中国やシンガポールや香港の大学を勧めた方が良いということになるのだが、実は、日本人には、これらの大学に進学するのは極めて難しい。語学の壁があるということもあるが、それ以上に入試のレベルが、中国などの大学の方が日本よりもはるかに難しいからだ。

 中国の受験競争の激しさは有名だが、その厳しさに負けて、日本の高校に留学して日本の一流大学を目指す動きがここにきて急速に強まっている。先日もNHKのニュースで放送していたが、宮崎県の私立高校が中国で留学生獲得の営業をかけたら多くの優秀な中国の学生が応募してきた。今や学生の過半が中国人で、日本の大学に全員が合格している。留学生に聞くと、中国で良い大学に入るのは難しいから諦めて、日本の大学を目指すことにしたという。彼らにとっては、日本語で受けるとしても、まだ中国よりは易しいというのである。それほど、日本と中国の若者の学力に差がついているということになる。

 この傾向は、経営大学院(MBA)については、より顕著だ。フィナンシャルタイムズが発表した世界のMBAランキング2018では、ベスト100のうち大半はアメリカの大学院だが、アメリカ以外では、英国の14校に次いで2番目に多くランクインしたのが、中国の7校だった。1位スタンフォード(米)、2位INSEAD(仏)、3位ペンシルバニア大ウォートン校などの常連に交じり、何と中国の中欧国際工商学院が8位とベスト10入りをして世界を驚かせている。その下に続く9位がMIT(マサチューセッツ工科大)、10位カリフォルニア大バークレー校と聞けば、そのすごさがよくわかる。5、6、7位がハーバード、シカゴ、コロンビアだが、今の勢いだと、10年以内にトップの座を占める可能性もあると言われるほどだ。ちなみに、この大学院の卒業生の卒業直後3年の平均年収は、16万2858ドル。1ドル110円で計算すると1791万円だ。日本のMBAを卒業してもほとんど箔付け程度にしかならないのと比べると雲泥の差と言って良いだろう。

 この中国の大躍進に対して、日本のMBAがベスト100にいくつ入っているのだろうかと思って、ランキングを上から順にスクロールしてみると、ついに一番下の100位まで行っても発見することはできなかった。つまり、100位以内にゼロである。中国の7校に比べて、何とも寂しい話だ。

 これらの情報は秘密でも何でもない。新聞などでも報じられている。ただし、記者に何の問題意識もないので、これが何を意味するのかが理解できず、極めて小さな扱いでごく一部の情報を載せるだけである。

 一方、優秀な若者は徐々にこうした事実に気づき始め、東大よりも海外の有名大学を目指す動きが広がっている。しかし、それは、残念ながら、まだごく一部である。

 それを象徴する話を聞いた。元民主党女性議員の令嬢が、上智大学を卒業後、香港の大学院に進学した。それをその元議員が友達に話したら、「上智まで出たのに、なんでまた、香港なんかに出したの?」という反応ばかりが返ってくるというのだ。その元議員の令嬢は、メールでこう連絡して来たという。

「ママ、中国は日本をドンドン追い越してるのに、日本人は、気づいてない。それって、相当ヤバくない?ここで勉強したことをちゃんと生かせる仕事がないから、日本に帰っても仕方ないね。アメリカかシンガポールで仕事を探すわ。給料もずっと高いから」

 もう一人、カリフォルニア大バークレー校でMBAを取って、アメリカで今年起業したある日本人の若者の話を聞いた。

「日本に帰る理由を考えたけど、一つもなかった。強いて挙げれば、そこそこおいしいご飯がタダ同然で食べられることかな。ランチの定食が10ドル(1100円)なんて信じられないよね。アメリカだと、その何倍もするからね。でも、アメリカの大都市なら、お金さえ出せば、おいしい店はたくさんあるし、日本の何倍も稼げるから、結局、安いご飯は大した魅力にはならないな」

 そして、こう付け加えた。

「日本人留学生は、ほとんどが政府や企業のひも付きで、日本に帰る前提で勉強している。留学は箔付けというレベルだから、米国で独立して活躍できる人材は少ないね。中国人ならたくさんいるよ」

 日本の未来を支えるはずの若者のレベルが国際比較でこんなに低下しているとしたら、日本経済の将来は本当に危機的状況にあると言って良いだろう。
http://www.asyura2.com/18/senkyo243/msg/796.html#cbtm


17. 中川隆[-12455] koaQ7Jey 2018年5月14日 13:55:43 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-13966]
定年退職したのに年収1500万円!? 中国の自動車メーカーに転職した日本人に聞いた驚きの現状
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180514-00010000-autoconen-bus_all
オートックワン 5/14(月) 6:33配信

中国の自動車メーカーは、デザインも安全性能も10年前とは大違い

世界最大の自動車市場中国は、1年間に4輪車が約2888万台も売れる市場である。伸びは鈍化したとはいえ、9年連続世界一の台数であり、日本の約5.6倍といったところ。台数もスゴイが、最近の中国車の進化も目覚ましい。デザインも安全性能も10年前とは全く違ってきている。乗用車はまだ日本での販売はないにしても、世界シェアトップのBYD社製EVバスは京都や沖縄で活躍中だ(おなじみ2階建ての赤いロンドンバスもBYD製EV)

日本人技術者もひと役買った!? 最新中国車を画像で見る

そしてその凄まじい変化と進化を支えているのが、海外から集められた優秀な技術者たちである。

中国の自動車メーカーでは、日本人技術者が大人気!

中国の自動車メーカーは、とくに、日本やドイツ、イタリアをはじめとするヨーロッパやアメリカで積極的に、リクルート活動を行っている。中でも人気は日本人技術者で、現在もネットの求人広告には中国自動車メーカーが超高待遇で技術者を迎えることを伝えている。

長城汽車のように、首都圏に作られたR&D施設で多くの日本人技術者を集めている中国自動車メーカーもすでに存在する。

高待遇で転職、再就職した日本人技術者たちは、どんな風に働いているのだろうか? 中国の自動車メーカーで働く日本人技術者達に話を聞いた。

40台後半で日本の自動車部品メーカーから転職したKさん

「中国の自動車メーカーA社に転職したきっかけは、日本のネット求人誌に募集が出ていたからです。条件はすごくよかったですね。当時の私の年収が800万円位で、A社の条件は15年以上の経験で1200万円(手取り)で、外国人技術者専用のマンションも用意してくれました。そのマンションには私の他に日本人技術者が数名、あと、ドイツやアメリカ、イタリアなど様々な国の技術者が住んでいますよ。

私は中国語ができなかったのですが、専用の通訳も用意してくれました。英語はTOEIC800点位で日常会話には困らない程度でしたが、英語を仕事で使うシーンはあまりないですね。他国の技術者と話すとき位です。転職して7年経ちますが、自分の能力が正当に評価されて十分な報酬も得られてとても満足しています。」

日本の自動車メーカーを定年退職後に再就職したSさん

「すでに中国の自動車メーカーに再就職した先輩からの紹介で私も同じ会社に行きました。子どもたちは自立していましたので、家内と二人で第二の人生を中国でスタートしました。60歳で定年退職しても、まだこんなに私の経験や能力を高く買ってくれる会社があるのだということに驚きましたね。900万円だった年収は1500万円になりました。

今働いている会社には日本人技術者が100名以上在籍しています。もちろん日本だけではなく、世界中から様々な分野の技術者が来ていて、職場はエネルギーに満ち溢れています。中国市場だけではなく、グローバル企業としてどんどん世界に出ていく車を開発しているので、それぞれの市場に合わせて世界各国の技術者が集まってきていても不思議ではないですね。技術の流出とか、秘密を聞き出すとか(笑)もうそんなレベルではないんです。中国車メーカーが日本にR&Dセンターを作って、日本人技術者と共に研究開発を行うケースも増えていますね。」

中国の会社、HUAWEIは大卒初任給が40万円!

自動車メーカーではないが、昨年は世界有数のICTソリューション・プロバイダー華為技術(HUAWEI)日本株式会社の新卒募集内容がスゴイと話題になった。

HUAWEIは中国の会社で、大卒初任給が40万円と日本企業のおよそ2倍。年収は入社1年目からいきなり550〜560万円超となるそう。同社は中国でも研究開発費や人材への投資を惜しまない企業として有名だが、初任給40万円は世界的に見ればそれほど高い水準ではないそうだ。

シリコンバレーで成長を続けるような企業では、このレベルがエンジニアのスタンダードだという声もある。

ものつくり日本の基幹産業である自動車産業だが、花形であるはずのエンジニアへの報酬が今のままの待遇では、優秀な人材の海外流出をくい止めることは難しいかもしれない。


18. 中川隆[-12456] koaQ7Jey 2018年5月15日 17:47:43 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-13990]

2018年05月15日
NY州で家賃高騰、マンハッタンではワンルームが月40万円

マンハッタンでこの程度の1Rが月30万円以上する
http://usimg.sulekhalive.com/cdn/rentals/images/rentals_2018-01-13-05-01-36-538_9410808.jpg

NYの家賃相場

ニューヨークの賃貸住宅家賃が上昇し、働いても家賃を払えないのでルームシェアやハウスシェアする人が増えている。

といってもマンハッタンの中心地のことではなく、電車や車で1時間もかかる郊外でのことです。

ニューヨークの家賃相場は毎年5%以上は上昇し、10年前の2倍になったところも少なくない。



郊外の築数十年エレベーターなし、ワンルームマンションの家賃が最低月20万円以上になっている。

日本とは築年数の基準が違い、アメリカでは戦前のマンションでも手入れされているが、それでも高すぎる。

マンハッタンの人気地区ではワンルームで家賃40万円、2部屋なら郊外でも30万円以上に値上がりしている。


こんな具合なので働いてかなりの収入があっても家賃を払えず、年収500万円の「ホームレス」すら存在する。

もしマンハッタンの内側に家族でまともや部屋に住もうと思ったら、家賃だけで年500万円以上も支払うはめになる。

アメリカのテレビドラマに出てくるようなおしゃれな物件は、今やNYでは富裕層しか住めなくなった。


そこでニューヨーカーがやっているのはシェアルームやシェアハウスで、複数人で一つの物件を共有する。

ドラマでは楽しそうだが、実際には好きでやっているのではなく、一人では本当に家賃を払えないのでそうしている。

複数の部屋がある物件を借りて、一人が一部屋ずつ使用するのが基本スタイルだが、それでも決して安くない。

年収1000万円のNY貧困世帯

ニューヨーク郊外でも3ベッドルームで家賃30万円はするので、ルームシェアでも一人10万円になる。

そこで最近は一つの部屋をさらにカーテンなどで間仕切りし、何部屋かに分けてルームシェアしている人が多い。

1部屋10万円としても、1部屋をさらに分割すれば、一人当たり5万円にするのも可能です。


マンハッタンから40分以上かかるクイーンズやブルックリン地区でも、やはりワンルームで月20万円以上はします。

アメリカは1部屋の面積が広いので、半分にシェアしても「四畳半」ほどの広さがあり、月8万円程度の家賃が多い。

住居費とともにアメリカ人を悩ませているのが医療費の高さで、入院などをきっかけに家賃が払えなくなり、ホームレスになる人が多い。


ニューヨーク州の世帯年収(一人当たりではない)は4人世帯で1000万円、共働きがほとんどなので個人平均では500万円程度になります。

年収1000万円でも家賃だけで400万円から500万円、医療保険に年100万円以上支払い、子供の教育費もかかります。

当然食べなくてはいけないし服も買うしアメリカでは自動車も必要なので、年収1000万円世帯ではマンハッタンには住めなくなっています。


NY市の調査では年収4万ドル以下の世帯では年収の50%近くの家賃を支払っている。
http://www.thutmosev.com/archives/76155353.html


19. 中川隆[-12457] koaQ7Jey 2018年5月16日 10:16:31 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-14005]

格差の超簡単な解決策は最低賃金引き上げだ
「適正水準は1300円」とアトキンソン氏
デービッド・アトキンソン : 小西美術工藝社社長 2018年05月16日
https://toyokeizai.net/articles/-/220689


働いても働いても楽にならない「ワーキングプア」は、なぜ生まれるのでしょうか

日本でもようやく、「生産性」の大切さが認識され始めてきた。

「生産性向上」についてさまざまな議論が展開されているが、

『新・観光立国論』(山本七平賞)
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%87%E3%83%BC%E3%83%93%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%88%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%B3-%E6%96%B0%E3%83%BB%E8%A6%B3%E5%85%89%E7%AB%8B%E5%9B%BD%E8%AB%96-%E3%83%87%E3%83%BC%E3%83%93%E3%83%83%E3%83%89-%E3%82%A2%E3%83%88%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%B3/dp/4492502750


で日本の観光政策に多大な影響を与えたデービッド・アトキンソン氏は、その多くが根本的に間違っているという。

34年間の集大成として「日本経済改革の本丸=生産性」に切り込んだ新刊

『新・生産性立国論』
https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4492396403/toyokeizaia-22


を上梓したアトキンソン氏に、真の生産性革命に必要な改革を解説してもらう。

低所得層の増加こそが「格差」の本当の問題

「格差社会」が問題視され始めてから、もう長い時間が経ちました。最近ではこの言葉を聞く機会も減ってきましたが、統計を見る限り、状況が劇的に改善しているわけではありません。日本では格差がなくなったのではなく、格差が「当たり前」になってしまったということでしょうか。


『新・生産性立国論』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

とはいえ、私は日本の「格差社会」は人為的につくられたものであり、解決するのはそう難しくないと考えています。今回は本連載でも取り上げた「最低賃金」というテーマに戻って、格差社会と最低賃金の関係について考察を加えていきたいと思います。

さて、改めて言うまでもなく、格差社会とは収入の多い上位層と少ない下位層の差が著しく開いてしまった社会のことを意味しています。

格差がどれくらい開いているかを測るために使われる代表的な指標に、「ジニ係数」があります。この係数が高ければ高いほど格差が開いていることを指します。

CIAの直近のデータによれば、日本のジニ係数は37.9。先進国の中で3番目に高いのです。確かに、日本のワーキングプア比率は米国とほぼ同水準です。つまり日本はすでに、米国と同じような格差社会になってしまっているのです。

なぜ格差がこれほど開いてしまったのでしょうか。格差社会の原因を探求する際、特に米国を見るときは、収入上位の層の存在がその原因であるかのように語られるケースが多くみられます。つまり、一部の富裕層に富が集中してしまうのが、格差社会の原因であるという理屈です。

しかし改めて分析してみると、格差の指標との相関が最も強いのは、収入の上限ではなく下限、つまり最低賃金であることがわかります。日本は高給取りが非常に少ない国であるにもかかわらず、ジニ係数が高い格差社会となっていることを考えると、感覚的にも納得できる結果です。

ということは、格差社会は最低賃金と深い関係があると言ってもよいでしょう。

最低賃金は「平均」と比べてどれだけか

先進国の場合、「1人・1時間当たりGDPに対する最低賃金の割合」と格差を表す指標「ジニ係数」の間に、84.4%もの相関が認められます。先進国以外の国も含めた25カ国でみても、69.0%とかなり高い相関がみられます。

https://toyokeizai.net/articles/-/220689?page=2


「『低すぎる最低賃金』が日本の諸悪の根源だ」の記事の中でも指摘しましたが、「1人・労働時間1時間当たりGDP」に対する最低賃金を見ると、日本の数値は約27.7%。これは、中国や米国とほぼ同じで、極めて低い水準です。

一方、1人・1時間当たりGDPが日本に近いドイツ、フランス、英国などの欧州の先進国の場合、最低賃金は「1人・労働時間1時間当たりGDPの約50%」と、高い水準に設定されています。これら欧州各国では、ジニ係数が低く抑えられている、すなわち社会の中での収入格差が小さい点で、日本とは対照的です。


https://toyokeizai.net/articles/-/220689?page=3


1人・1時間当たりGDPに対して、最低賃金を50%と設定すれば、格差の幅は小さくなる。27%と設定すれば、収入の格差は広がる。当たり前といえば当たり前です。つまり、格差社会の行方は最低賃金をどう設定するかにかかっていることになります。日本の格差社会の主因は、最低賃金が異常に安く設定されており、最低賃金しかもらっていない層が増えていることにあるのです。

反対派は「年収170万円」で生活してみよ

最低賃金が低く抑えられていることが大きく影響し、日本国民の収入は世界標準に照らし合わせると、極めて低い水準になってしまっています。

国連が計算している購買力調整済み労働者年収を見ると、日本人の平均は3万9113ドル。欧州の約90%、米国の約65%しかありません。日本の技術力や高い教育水準を考慮すると、今の状態は誰がどう考えても理解できない、おかしな低水準です。

https://toyokeizai.net/articles/-/220689?page=3


日本が中国や米国のような格差社会になってしまっているのは、極めて低い最低賃金と深いかかわりがあるのは間違いありません。つまり、格差社会を解消したいと考えるのであれば、最低賃金を引き上げるのが最も有効なのです。

現在、日本の最低賃金(加重平均)は854円です。この水準の給料の人は、年間2000時間、まじめに働いても、年収はたったの170万円にしかなりません。しかも、この少ない年収から、社会保障費や税金を支払わなくてはいけないのです。

欧州と同じように1人・1時間当たりGDPの約半分と設定するなら、2020年までに日本の最低賃金を1300円にする必要があります。現時点で計算しても、1200円です。理論値まで最低賃金を引き上げていけば、年収は70万円増え、240万円となります。

「『低すぎる最低賃金』が日本の諸悪の根源だ」の記事は大変たくさんの人に読んでいただき、250を超えるコメントをいただきました。多くのコメントが私の主張に賛意を表明するものでしたが、中には最低賃金の引き上げに反対のコメントもあってビックリさせられました。

最低賃金の引き上げに反対の人には、額面170万円の年収で、実際に生活してみてほしいと思います。それと同時に、日本の技術力の高さや国民の勤勉性に誇りを持っているのに、同じ日本人にたった時給1200円すら払いたがらない理由を教えていただきたいです。

今、最低賃金、もしくはそれに近い水準の給与をもらっている日本人は、技術力もなければ勤勉でもないというのでしょうか。この層はそれなりのボリュームがあり、理屈上は日本人全体の平均値に大きく影響しますので、日本人全体も勤勉でもなければ、技術力もないという結論を受け入れなければならなくなります。彼らの年収を170万円のまま据え置くべきだという主張をどう正当化するか、非常に興味があります。

倒産を理由にした反対は「甘え」だ

以前も紹介しましたが、英国では1999年から20年かけて、最低賃金を当初の2.1倍に引き上げました。この政策が導入される前、エコノミストや企業経営者から大反対の声が上がりました。やれ「倒産が増える」「失業者が増える」と、それはそれは大騒ぎになったものです。

しかし、彼らの心配は杞憂に終わりました。失業率の大幅上昇などの予想された悪影響はいっさい確認されなかったのです。

その理由は、低所得者の場合、所得が少ないので欲しいものや本来必要なものも買わずに我慢しながら生活しており、収入が増えるとその大部分を消費に回すので、経済にプラスの効果が表れやすいためだと言われています。

同じ現象は日本でも起こることが予想できます。今、年収170万円で生活している人は、いろいろな面で非常に切り詰めた生活を強いられています。最低賃金を引き上げ、彼らがもう70万円手にできるようになれば、これまで我慢していたものを買うようになり、消費が活発化することでしょう。

先に紹介した英国の例と同様に、日本でも最低賃金の引き上げには、中小企業の経営者から反対の声があがることでしょう。しかし、私に言わせれば、年収170万円の労働者をこきつかえないとやっていけないような会社には、そもそも存続する意味がありません。

こういう会社に貴重な労働力を浪費させるのは、これから急速に生産年齢人口が減少する日本にとってはマイナスでしかありません。もっと高い年収の払える、生産性の高い会社に移ってもらうべきなのです。

「おカネじゃない」という妄想

日本では「サービス料を払ってもらえない」「お客に価格転嫁ができない」などを理由に、 最低賃金の引き上げができないという経営者の声を聞くことがあります。また、「日本人はおカネばかりを目的に働いているわけではない」「だから賃金を上げる必要はない」とうそぶく経営者までいます。私に言わせれば、まったくのナ・ン・セ・ン・スです。

最低賃金には理論値があり、しかるべき水準であるべきなのです。しかし、日本では政府が(理論値の存在を知ってか知らずか)、理論値をまったく無視し、理論値を大幅に下回る最低賃金を設定しています。その結果として、国民が理論的にもらうべき水準の給料がもらえていないのです。

「デフレによって価格が下がって、何が悪い」「見返りを求めないおもてなしこそ日本独特な文化で、すばらしい」などと言う人がいます。これはただの妄想です。

実際には、国はインフラの整備・維持、年金・医療費などの社保障の負担を負わなくてはいけません。見返りを求めない、最低賃金が低い、価格転嫁できないなどの理由で国民の所得が増えなければ、払うべき税金を納められない状態が続くだけです。その結果、国の借金としてその分が蓄積されていきます。

「日本には、おカネ以外に見えない価値がある」「日本型資本主義だから」と非現実的なことを言う人がいまだにいます。しかし、他の先進国並みにインフラや社会保障制度が整備されている日本では、これらの「見えない価値」はただ単に、国の借金という「見える形」で積み増されていくだけです。非現実的な「日本型資本主義」のコストは、国の借金という形できちんと勘定されています。日本人の甘え・妄想・非現実性が、国債という形でそのまま積み上がっているのです。

経済合理性を否定する「論者」が多いこの国では、この事実が理解されていないのです。


20. 中川隆[-12456] koaQ7Jey 2018年5月16日 10:21:26 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-14005]

「低すぎる最低賃金」が日本の諸悪の根源だ
2020年の適切な最低賃金は1313円
デービッド・アトキンソン : 小西美術工藝社社長
https://toyokeizai.net/articles/-/210482

日本でもようやく、「生産性」の大切さが認識され始めてきた。

「生産性向上」についてさまざまな議論が展開されているが、『新・観光立国論』(山本七平賞)で日本の観光政策に多大な影響を与えたデービッド・アトキンソン氏は、その多くが根本的に間違っているという。

34年間の集大成として「日本経済改革の本丸=生産性」に切り込んだ新刊『新・生産性立国論』を上梓したアトキンソン氏に、真の生産性革命に必要な改革を解説してもらう。

日本の最低賃金は「韓国以下」


『新・生産性立国論』(書影をクリックするとアマゾンのページにジャンプします)

前回の「大胆提言!日本企業は『今の半分』に減るべき」では、人口が激減する日本でこれから生産性を上げるためには、減っていく生産年齢人口に合わせて企業の数を減らす必要があり、政府による企業統合促進政策が求められることを指摘しました。

読者から多くのご指摘をいただきましたが、やはり人口減少の規模に驚かれた方が多かったようです。また、企業数を減少させないと人口に占める社長・役員の比率が上がるだけで、経済合理性に悪影響を与えることは、ご理解いただけたかと思います。

生産性の定義に疑問を持たれる意見も散見されましたが、国際標準である「1人あたりGDPを購買力調整したもの」であると強調しておきます(この点については、回を改めてご説明します)。

さて、生産性の向上のためには、企業数の削減と深いかかわりのある、大変重要な政策がもうひとつあります。それが「最低賃金の引き上げ」です。

世界的に見て、日本の最低賃金はあまりにも低すぎます。実際どのレベルなのかご存じない方も多いと思いますので、まずはデータを確認しましょう。

直近の各国の購買力調整済み最低賃金を見ると、日本の最低賃金は、日本と同じように生産性が低いスペインとほとんど変わらず、それ以外の欧州各国を大幅に下回る水準です。

https://toyokeizai.net/articles/-/210482?page=2


さらに衝撃的なことに、日本の最低賃金は、なんと韓国よりも低いのです(2018年1月より)。この最低賃金の低さがデフレの一因であり、格差社会の最大の原因でもありますし、イノベーションがなかなか起きない最大の要因でもあります。

最低賃金と生産性には強い相関がある

生産性向上の重要性を論じるにあたってなぜ最低賃金か、と不思議に思うかもしれませんが、実際、最低賃金とその国の生産性の間の相関係数は84.4%と非常に高く、最低賃金が高い国ほど生産性が高いことが、世界中のさまざまな研究機関から発表されています。日本は、この関係を真剣に検討する必要があります。

https://toyokeizai.net/articles/-/210482?page=2


しかし、最低賃金と生産性はただ高い、低いという議論をする価値があるとは思えません。私が強調したいのは、人材の質と最低賃金と生産性の関係です。

先進国の場合、労働者の質と生産性の間に82.3%という極めて強い相関関係があります。スペインやイタリアなど、生産性の低い国を分析すると、やはり人材のレベルが低いことが低い生産性の主因であることがわかります。先ほど説明したとおり、最低賃金と生産性にも強い相関があるので、当然、労働者の質と最低賃金の間には強い相関があってしかるべきです。

日本人労働者の質は世界第4位で、大手先進国の中ではトップです。であるにもかかわらず、日本の最低賃金は大手先進国の中の最低水準です。先進国だけで分析すると、労働者の質と最低賃金の間には85.9%もの相関係数が認められますが、日本だけが大きくずれているのです。

https://toyokeizai.net/articles/-/210482?page=3


政府は、この事実をどうとらえているのでしょうか。本当は日本の人材など、大したことがないとでも思っているのでしょうか。高く評価されているのは、「何かの間違い」とでも思っているのでしょうか。日本人の人材の質は、第32位の韓国よりも低いと思っているのでしょうか。さもなければ、最低賃金が韓国より低く設定されている理由がわかりません。

アベノミクスを成功させるためには生産性改革が不可欠であり、それにはまず企業を動かすことが大前提になります。そのための手段として最も確実で、生産性の向上に最適なのが「最低賃金の引き上げ」です。このことは諸外国ですでに確認されています。

「失業率上昇」は杞憂だ

日本で最低賃金の引き上げを提案すると、「企業が倒産する」「失業者が増える」と反対を唱える人が、エコノミストを中心に現われることでしょう。海外でもそうでした。その意見は、確かに需給だけを考えれば、経済学の教科書的には理屈上正当化できるかもしれません。


3月12日、丸善丸の内本店にて『新・生産性立国論』の刊行を記念した講演会を開催します。詳しくはこちら(撮影:今井康一)

しかし、実際のデータをみれば根拠がないのは明らかです。たとえば英国では、1998年に新しい最低賃金の法律が可決され、1999年から実施。その後、19年間かけて、最低賃金は約2.1倍に引き上げられてきました。

英国が最低賃金の導入を決めた1998年、当時の労働党政権の法案に対し、保守党は企業への悪影響とそれに伴う失業率の大幅な上昇を懸念して、猛反対しました。

その後、実際には失業率の大幅上昇などの予想された悪影響は確認できず、逆に経済に対してよい影響を与えたと評価されるに至り、2005年、保守党は意見を翻して賛成に回りました。今では、最低賃金の引き上げが失業につながるという説を強調する学者は減りました。当然の結果です。

それでも、あきらめないエコノミストもいるでしょう。中には、短期的に失業率が上昇しなくても、長期的な悪影響を懸念する人もいます。最低賃金を引き上げると、経営者は長期的にITなどの活用を増やし、人を雇わなくなるという、興味深い主張です。

しかし、日本ではこれから人口が減り、それを上回るペースで若い人が減るので、仮に諸外国で長期的に悪影響が出る可能性があったとしても、日本ではそんな心配をする必要はないのです。

逆に、このエコノミストの「経営者は長期的にITなどの活用を増やし、人を雇わなくなる」という主張は、今の日本は最低賃金があるべき水準より低いため、「IT投資よりも人を安くこき使ったほうが得」だという指摘です。つまり、最低賃金を引き上げることによって、経営者にイノベーションを強制できるのです。

日本政府は日本人労働者をバカにしている

さきほど説明したように、最低賃金と生産性の間には強い相関関係があります。

最低賃金と生産性の相関がここまで強いということは、諸外国は最低賃金を「感覚的に」設定しているわけではなく、何らかの「計算式」が存在していることが推察されます。明示されてはいませんが、この相関からして実質的なコンセンサスのようなものがあることになります。

実際計算してみると、1人あたりGDPが日本に近いドイツやフランス、英国の場合、最低賃金は「1人・労働時間1時間あたりGDP」の約50%に相当します。一方の日本はというと、なんとわずか27.7%という、ありえないくらい低い水準に抑えられているのです。

欧州の50%に比べて、たったの27.7%だからこそ、日本のワーキングプアは欧州に比べて多く、格差が生まれています。最低賃金の引き上げは、格差社会是正の役割も果たします。

今挙げたドイツ、フランス、英国は社会保障制度が充実しているという点で、日本と共通しています。社会保障制度を維持するために最低賃金を高くして、稼ぐ力を高めさせて、税収を維持する仕組みとなっています。

人口が増えない中で社会保障制度を維持するためには、生産性を向上させるしかありません。日本はこれができていないことによって、国の借金が増え、社会保障制度も維持できなくなっています。この悪循環を打破するには、最低賃金の向上が必要不可欠です。

さきほども確認したとおり、日本の労働者の質はこれら欧州の国よりも高く評価されています。にもかかわらず、最低賃金が低く抑えられている理由とはいったい何なのでしょうか。日本の最低賃金を欧州並みに引き上げたとして、何の問題があるのでしょうか。欧州でもできることが、なぜ日本人にはできないのでしょうか。

最低賃金をこのように低く抑えこんでいる日本政府の態度は、まるで「日本人労働者が本当は技術がなく、勤勉でもなく、手先も器用ではない」と言っているのと同じように私には映りますが、そのように解釈していいのでしょうか。違うというなら、完全なる矛盾です。

政府は企業を優遇しすぎて、国民をいじめているのです。バカにしていると言っても過言ではありません。

実は、アメリカの最低賃金も日本と同様に、1人・労働時間1時間あたりGDPの28%とかなり低い水準に抑えられています。これを根拠に、日本の最低賃金の水準は妥当だと思われる方もいるかもしれません。

しかし、日本はアメリカを基準に考えるべきではありません。アメリカはそもそも社会保障制度が充実しておらず、格差を必ずしも悪としない文化があります。かつ、人口も増加しています。一方、日本は欧州と同じように社会保障制度が充実しているうえ、人口が減少しているので、基礎条件はアメリカより欧州に近いと言えます。

さらに国連は、先進国の最低賃金の絶対額が収斂していると分析しています。アメリカは1人あたりGDPが欧州よりかなり高い水準なので、最低賃金が収斂していれば、1人あたりGDPに対する比率が低くなっても当然です。一方、1人あたりGDPが低い日本には、この理屈は通用しません。

最低賃金の「相場」が1人・労働時間1時間あたりGDPの50%だと仮定すると、経済成長率と予想人口から、日本の「あるべき最低賃金」を大まかに計算することができます。

詳しい計算は省略しますが、2020年まで毎年1.5%ずつGDPが成長すると仮定すると、2020年の適切な最低賃金は1313円になります。2017年度の全国の加重平均は848円ですから、あと3年で少なくとも465円上げる必要があるのです。

企業の「保身のための反対」に耳を傾けてはいけない

最低賃金の引き上げには、中小企業を中心に猛反対の声が上がることでしょう。やれ、「いまでもギリギリだ!」「倒産しろというのか!」と大騒ぎになるかもしれませんし、実際、海外では似たような事態になった国もありました。

しかし、実際はさきほどの英国のように、経済への悪影響が顕著に現れたことはほとんどなかったのが現実です。

政府のスタンスとして重要なのは、どんなに反対の声が上がったとしても一切聞き入れないことです。仮に、最低賃金を引き上げたことで、苦しくなる企業が一時的に増えたとしても、日本人の労働者の質にふさわしい給与が払えない以上、それこそ前回提言したように、企業を統合して、無駄を省いて、規模の経済を追求して、払えるようにすればいいのです。

そもそも前回の記事でも指摘したように、日本の企業数は将来的に多すぎる状況になるので、減らす必要があるのです。最低賃金の引き上げくらいで成り立たなくなってしまう競争力のない会社には、技術者や一般労働者を守るために統合してもらったほうがよいのです。そもそも企業統合によって困る人は、経営者や役員だけです。現場の労働者ではありません。

日本は先進国の中で第2位の経済規模を誇る大国で、社会保障制度も充実しています。その国で、先進国最低水準の賃金の労働力が使えなければやっていけないような生産性の低い企業には、そもそも存在価値はありません。今後人口が減る中で、そのような企業を守る余裕はありません。日本はもう、そんな贅沢はできないのです。

そうでなくても、日本ではこれから人口が減って、人手が足りなくなるので、このような存在価値のない企業には退場してもらうべきです。このような生産性の低い企業がなくなれば、世界第4位の質を誇る労働力を、奴隷のような低賃金の仕事から解放し、より生産性の高い、所得の高い仕事に移動させることができます。これこそ、日本が再生へ向けて歩むべき道筋です。

次回は、低すぎる最低賃金が可能にしている「高品質・低価格」という奴隷制度を取り上げます。


21. 中川隆[-13219] koaQ7Jey 2018年6月13日 15:48:09 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-15550]
中国人が日本の不動産を買いまくる2つの理由(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/474.html
https://diamond.jp/articles/-/172221


2018.6.13 東方新報 ダイヤモンド・オンライン


中国人は、和歌山県白浜町の不動産まで買っている(写真提供:KRGホーム) ©東方新報


中国人が日本の不動産を大量に購入、今や日本は米国、オーストラリア、カナダに続き人気の国だ。その理由は、大きく言って二つある。1995年に日本で創刊された中国語と日本語、2カ国語の新聞『東方新報』の取材班が取材した記事をご紹介しよう。

東京に留学する子どものために
2億円のマンションを購入

 超低金利や円安により、中国の投資家たちが日本の不動産に投資するケースが増えている。今や日本は、米国、オーストラリア、カナダに続き、中国人が海外で不動産を購入する際の人気の国だ。

 その結果、中国人は日本における不動産購入者の一大勢力になりつつある。西池袋にある不動産代理業者、フューチャーリーディングの柳田文華取締役は、「ちょうど2ヵ月前に、都内の高級マンションを2億円で購入したお客様も中国の方でした。民間企業を経営する社長で、東京に留学するご子息のために購入されたのだとか」と話す。

北京の家を1つ売れば
東京でビルが1棟買える

 温泉地の宿泊施設や商業ビルを、旅館や民宿にする目的で探す客も多く、予算は平均6億〜7億円だという。一方で、2000万円以下の小型物件を購入する客も徐々に増えている。購入者は、中国の管理職階級が多いという。


「有一居」の康楽CEO ©東方新報

「北京の家を1つ売れば、東京でビルが1棟買える」というのは、最近、中国ではやっているフレーズだ。柳田取締役は、「日本で不動産を購入する中国人には、貿易関係の仕事をされている方も多いですが、子どもの将来のために日本で起業、もしくは定住される方もいらっしゃいます」と語る。

 北京市の繁華街、王府井のオフィスビルの中に「有一居」という会社がある。中国のバイヤーに向けて、日本での不動産購入を専門的に取り扱う「ワンステップサービス」を提供している会社だ。

 創立者の康楽CEOは、世界のさまざまな場所を回ったが、日本が一番好きだという。「日本の文化は中国と通じる部分がありながら、独特な魅力を放っている」。多い時で1年間に十数回日本に来ているという康CEOだが、宿泊場所を探すのに少々手間取るといい、「特に桜の季節は、手頃なホテルが見つからなかった。この問題は毎回私を悩ませていたため、自分のための宿を長期的に借りるか、もしくは購入しようと思い当たった。東京の不動産は思ったほど高くなかったためだ」。

 康CEOは2015年に新宿の40平方メートルの物件を200万元(約3500万円)で購入。自分だけの宿泊場所を手に入れ、時折、友人を泊めるようになったという。

 中国人投資家たちにとって日本の不動産の“敷居”は比較的低く、「有一居」で取引された最安値はたったの70万元(約1200万円)。東京の不動産は平均で1軒260万元(約4500万円)と、中国の投資家たちにとっては十分魅力的なのだ。

日本の不動産が選ばれる
最大の理由は資産保全

 日本の不動産を購入しても在留ビザがもらえるわけではないのに、中国の投資家や在日中国人は依然として日本の不動産を買いたがる。外国人が日本で不動産を購入するメリットについて、不動産開発業者、KRGホームの小林一郎社長は、「中国国内の投資者にとって最大の魅力は資産保全だ」と話す。


「有一居」が北京で行った日本不動産相談会 ©東方新報

 KRGホームは、主に和歌山県白浜町の不動産開発を行っており、中国人の購入者も少なくないという。小林社長は、「変動の激しい中国の不動産市場と比べ、日本市場はやや理性的すぎるくらいだ。成熟し安定した市場は、成長こそあまりないが少なくとも安全だ」と分析する。

「中国の一部の投資家たちは、利益を追求しているわけではなく、資産が減らなければそれでいいという考えもあり、日本の不動産は資産保全に最適だとされている」と小林社長。また、日本で暮らす中国人にとって、不動産を購入するのは必須だと言う。資産保全のメリットのほかに、治安もいいし便利な上、社会福利なども完備されているため人気なのだという。

 人口減少のあおりを受けたり、経済成長が長い間、緩やかになったりしていることもあって、小さな街や観光地の宿泊施設が経営難に陥るケースが増えており、不動産購入を検討している中国人投資家の格好の対象となっている。

 小林社長は、「岐阜県の下呂温泉は有名な温泉郷の一つだが、有名な老舗旅館が経営難で破産してしまった。その後中国人が購入し、マンションに建て替えて売り出し、利益を得ている。日本人であれば、旅館をマンションに建て替えようとは思いつかないだろう。中国人は頭がよくて商売がうまい」と話した。

日本に移住するために
事前に住まいの準備

 中国で有名な不動産会社のホームページ上で「200万元(約3500万円)で日本のマンションが2部屋買える。頭金は10%から」という広告が載ったことがあった。価格に関しては、中国の北京、上海、広州、深センなどより安いのは事実だ。日本の不動産への投資は「敷居の低い投資」として浸透しつつある。

 ベテランの投資コンサルタントでもある、スマイルコーポレーション海外投資部の陳斯翰部長は、どうして中国人がはるばる日本まできて不動産を購入するのかという疑問に対し、「お客様の言葉を借りれば、北京の不動産は高すぎるため、新たな投資先への需要が伸びているから。同時に、人民元の価値が下がるリスクに備えるためでもある」と答えた。

 陳部長は、日本の不動産を購入する目的は大きく分けて2種類あるとし、ほとんどは純粋な投資目的だが、もう一つは自分が日本に移住するための、事前の準備のためだという。また、そういった人たちは、投資家と違って管理職階級の場合が多いという。

 現在、日本の不動産に投資する顧客の大部分は、賃貸に出しやすい小型マンションに集中しているという。150万〜200万元(約2600万〜3500万円)の物件を購入する顧客が80%を占めており、賃貸による1年間の収益率は5〜6%に上るという。

不動産市場価格を高騰させる
「犯人が中国人」は一種の感情論

 富士通総研の金堅敏主席研究員は、中国人投資家が日本の不動産に惹かれる理由を以下の6点だと分析する。

(1)世界の主な不動産市場と比べて日本の不動産価格は比較的安く、収益率もいい。
(2)日銀の金融緩和政策による円安で、日本の不動産価格はさらに競争力をつけた。
(3)日本の製品は質が高いことで有名だが、日本の不動産の質も同じように高い。
(4)日本には、外資による不動産購入に関する制限はなく、仲介企業を通じれば簡易的な企業を設立し、投資者を長期滞在させることも可能。
(5)2020年の東京五輪の影響で相場が上がる可能性がある。
(6)日本の文化や生活習慣は中国と似ており、距離も近いため行き来しやすい。


 富士通総研の金堅敏主席研究員 ©東方新報

 とはいえ金主席研究員は、「日本の不動産市場全体における中国人投資者はごくわずか。中国人の投資が日本の不動産市場の価格を高騰させているという一部の評価は、データ統計に基づかない感情論だと言わざるを得ない」と指摘した。

 東京五輪の後、日本の不動産の相場が下落するのではという見方に対し金主席研究員は、「日本の不動産市場全体から見ると、中国のような“過熱”によるバブル現象は起こらないだろう。多少の価格変動は避けられないが、大きく下落するような状況にはならない。中国人投資家も、目的は長期滞在や宿泊施設の経営であるため、五輪の後も大幅な変化は起こらないだろう」と分析している。

(東方新報取材班)

※『東方新報』は、1995年に日本で創刊された中国語と日本語2ヵ国語の新聞です。


22. 中川隆[-13905] koaQ7Jey 2018年7月25日 11:13:33 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17305]
2018年07月24日
日本の最低賃金 低すぎるのは円安の影響も

実効レート(青線)はどんどん円安になり、名目より2割か3割円安になっている

すると日本の賃金も外国より何割か安くなる


引用:https://moneyzine.jp/static/images/article/212170/01.png

日本の賃金が低すぎる原因は

働き方改革の一環として、日本の最低賃金を上げるべき、あるいは上げるべきでは無いという議論が起きています。

日本の最低賃金は800円程度で先進国最低、OECDによると12か国中11位で、最下位は意外にもアメリカだった。

日本は7.4ドル、アメリカは7.2ドル、1位のフランスは11.2ドルで、2位のオーストラリアは11.1ドルでした。


アジアでは2ドル以下の国が多いが、韓国は例外的に8350ウォン(約835円)に引き上げた。

その韓国では政府が最低賃金を引き上げて、労働時間を減らした結果、企業は労働者を雇わなくなり失業者が増えて収入が減少した。

アメリカでは以前、ファーストフードの労働者が賃金引き上げを求めてデモやストを行っていました。


マクドナルドなど企業側の反応は、バイトを雇うのをやめて、自動注文レジに置き換えるというものでした。

果たして最低賃金を上げると、失業者が増えて総収入は低下するのか、それとも最低賃金が増えた分収入が増えるのでしょうか。

日本の労働の多くは労働集約的とされていて、効率や生産性の悪さを、大勢が長時間働くことで補っています。


日本の生産性は先進国最低で、同じ時間働いても欧米より低い価値しか生産できないでいる。

これには最低賃金の低さも影響していて、安い賃金で労働者を長時間働かせることが可能だから、企業は生産性に投資しない。

新しい機械や技術に投資すれば、少ない人数の短時間労働で同じ生産ができるのに、あえてそうしていない。


円が安すぎるから日本の賃金が低い

最低賃金を上げれば企業は生産性に投資せざるを得なくなり、日本の生産性は上がるでしょう。

現在日本は空前の人手不足なので、今最低賃金を上げても失業率は増えず、生産性向上の効果が期待できる。

韓国の失敗は、韓国は現在不況の真っただ中であり、失業率が高いのに最低賃金だけ上昇させました。


ただでさえ人手は余っていたので、企業は労働者を雇わなくなり、より一層失業率は上昇しました。

ところで日本の労働者の賃金は、先進国の中でぶっちぎりに安いのですが、この結果何が起きるか予想してみます。

実は2007年の世界経済危機の前も同じ状況で、日本の物価や賃金は例えばイギリスや北欧の半分と言われていました。


日本の物価が不釣り合いに安かったのだが、超円高が起きて是正され、日米欧の物価や賃金は同じ程度になりました。

だが経済危機が収まると、再び同じように日本の物価や賃金だけが安くなりました。

これはおそらく日本経済や生産性のせいではなく、円が不当に安い円安の影響だと考えられます。


1ドル110円前後の為替水準は、90年代の1ドル140円以上に相当する円安で、このせいで日本の物価と賃金がが安いのです。

不当に安すぎるものは為替変動で是正され、リーマンショック時のように日米欧が再び同じ物価水準になると考えます。
http://www.thutmosev.com/archives/76960628.html


23. 中川隆[-13727] koaQ7Jey 2018年8月19日 11:38:51 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17932] 報告

2018年08月19日
世界一住みやすい都市 大阪が日本首位の理由

大阪の一部の店では果物、パン、卵などが激安

画像引用:http://www26.tok2.com/home/lunchboy/DSC013381.jpg


大阪は日本一住みやすい?

英誌エコノミストによる「世界の住みやすい都市ランキング」でウィーンが1位、メルボルンが2位に選ばれました。

注目は3位でなんと日本の大阪、日本から他には7位の東京が10位以内に入りました。

日本国内の一般的な「住みやすさ」調査では富山とか福岡とか山梨など地方都市が選ばれることが多い。



日本の調査では子育てのしやすさとか持ち家率の高さなどが重視されるが、外国の基準は違うようです。

エコノミストは政治的安定性、社会的安定性、犯罪、教育、健康医療制度の利用しやすさなどを重視していると説明している。

逆に住みにくい都市は1位シリアのダマスカス、2位バングラデシュのダッカ、3位ナイジェリアのラゴスと続いた。


住みにくさで見ると治安がかなり重視されているようだが、大阪は日本の中では治安が良い方ではない。

エコノミストの住みやすさランキングでは、今年だけでなくずっと大阪が上位で、たとえば2011年は大阪が12位で日本では最上位だった。

大阪が日本最上位の理由は「住居費の安さ」「物価の低さ」と都市の利便性を併せ持っている点です。


大阪には家賃2万円台のアパートやマンションがゴロゴロしていて、「スーパー玉出」に象徴されるように物価が安い。

それでいて日本有数の巨大都市で交通の便が良く、教育や就職の機会に恵まれている。

医療環境も整っていて、国際性もあり頻繁に世界的なイベントが開催されている。

大阪は世界一物価が安い?

こういった点が大阪の良いところとして目に留まり、毎回高ポイントを稼ぎ出している。

2017年3月のブルームバーグで「大阪は世界で最も物価が安い都市」と紹介されたことがありました。

「大阪は5分、ベネズエラなら9時間−朝食代稼ぐのに必要な労働時間」によると大阪では5分働けば朝食代を稼げると書かれている。


朝食はミルク1杯と卵1個、トースト2枚、果物1個で、「スーパー玉出」なら80円で買えるでしょう。

時給1000円なら5分で83円なので、バイトや派遣でも5分で朝食を買える。

そして住居費は抑えようと思えば3万円まで圧縮でき、関西では労働賃金が高い。


確かに大阪はある意味で暮らしやすく、あまりお金がなくてもある程度の生活ができる。

マーサーの「2018年世界生活環境調査(Quality of Living Survey) ‐ 都市ランキング」では順位はまったく違っている。

東京 (50位)、神戸 (50位)、横浜 (55位)、大阪 (59位)、名古屋 (64位)が上位で、アジアの中ではこれでもかなり上のランクになっている。
http://www.thutmosev.com/archives/77244717.html

24. 中川隆[-13447] koaQ7Jey 2018年10月04日 08:31:29 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19003] 報告

2018年10月04日
「円安だから外貨投資を」と勧める投資専門家に注意


今は円安なのでこの先は円高になると容易に推測できます

画像引用:為替・ドル円相場の超長期チャート | 金プラチナ相場情報 Let's GOLDhttps://lets-gold.net/chart_gallery/chart_usdjpy_long_term.php

外貨建て運用を勧める人に要注意

定期的にメディアで取り上げられる投資ネタに「外貨運用」があるが、これを言い出す人物には警戒したほうが良い。

というのは現在は歴史的に見て日本円はかなり円安で、将来もっと円安になる可能性は低い。

円安、円高、円安、円高というサイクルが存在するのは長期チャートを見れば誰でも理解できる。




2018年の現在は2011年の超円高からリバウンドし、かなりの円安水準となっている。

10月現在は1ドル113円だが、日本のデフレとアメリカのインフレで、90年代の130円や140円にも相当している。

ある期間にアメリカで10%インフレ、日本で5%デフレが進行したら日米の価格差は15%も拡大します。


良くたとえに挙げられるのはビッグマックで、日米で400円=4ドルだったのが日本はデフレで380円、アメリカはインフレで4.4ドルになります。

すると同じ1ドル100円の為替レートでも、日本では400円でビッグマックが買えるのに、アメリカでは4ドルで買えなくなります。

このように為替レートが同じでも日米インフレ差によって、年数パーセント実効レートが円安になっています。


だから現在の1ドル113円は20年前の1ドル140円にも相当し、長期的にこれ以上円安になる可能性は少ない。

もうひとつ円安が望めない理由として日本の膨大な経常黒字があり、2017年度は21兆円も黒字でした。

経常黒字は外国から日本にお金が流れることなので、毎年21兆円がドルから円に交換されます。

円高の時に外貨投資をするべき

実際には外国で稼いだ金は外国で運用されるのですが、リーマンショックのような経済危機があれば一斉にドルから円に交換され超円高になります。

どのくらい円高になるかというと1995年の円高では1ドル79円、2011年の円高では1ドル75円になりました。

円高のたびに円の水準が切り下げられているので、次の超円高では1ドル60円台になると考えます。


こんな状況で外貨投資を他人に勧めるのは「お金を捨てましょう」と言っているのと同じで警戒しなくてはなりません。

外貨資産を長期保有したら円高によって自動的に目減りするので、金利ゼロでも日本の銀行に預金したほうがましです。

では外貨運用はすべてダメかというと、超円高のときに外貨を買うとものすごく儲かります。


例えば2011年に1ドル75円でドルを買っていたら、その後1ドル120円に上昇したので数年で1.5倍になったはずです。

さらNY株式市場は同じ期間に3倍にもなったので、ダウ平均などを買っていたら4.5倍になっていました。

さらにそれに10倍のレバレッジを掛けていたら45倍になったはずで、円高の時に外貨投資をすれば一財産築けるかも知れません。
http://www.thutmosev.com/archives/77730602.html

25. 中川隆[-13372] koaQ7Jey 2018年10月10日 15:25:07 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19105] 報告

外国人観光客が、なぜ日本に殺到するのか。
それは、良い品質やサービスが異様に安いからです。

はっきり言いますが、一部のサービスについて、日本はすでに東南アジアよりも安いのです(しかも、品質は良い)。

 日本国は、デフレにより貧国化しました。ところが、確かに「日本人の優秀性」というものは存在し、低価格の製品やサービスであっても、相対的に品質は高いのです。それはまあ、外国人観光客が、 「安く良いものが手に入る」と、日本国に殺到するわけです。


我が国は97年の橋本緊縮財政により経済がデフレ化し、「ヒトが買い叩かれる時代」が始まりました。


 経営者は設備投資をせず、資本装備率はだだ下がり。日本経済は次第に労働集約的になっていき、技術や設備ではなく「ヒトの根性」で「安く良い品質の製品・サービス」を提供するという狂気の状況に至ります。


 とはいえ、少子高齢化、生産年齢人口比率の低下を受け、すでに「優秀で真面目な日本人を安く買い叩ける」時代は終了しました。


 ところが、経営者は未だにデフレマインドのままで、「ヒトを安く買い叩く」ことのみを求め、資本主義に必須の「リスクを伴う生産性向上のための投資」に乗り出そうとしません。


 とはいえ、生産年齢人口の縮小という「巨大な圧力」は、企業経営者に否応なしに「生産性向上のための投資」を迫ります。つまりは、政府が人手不足の問題を「放置」しておけば、企業は生産性向上のための投資に乗り出さざるを得なかったはずなのです(実際には、始まっていますが)。


 それにも関わらず、安倍政権はどう動いたか。
「人手不足ならば、移民(外国人労働者)を入れよう」
 と、日本人の生産性向上ではなく、移民受入で人手不足を埋めようと図る。


 これ以上、最悪の選択は、思いつきません。


 こんな国は、普通に亡びます。むしろ、亡ばない理由を教えて欲しいです。


 何しろ、少子化で日本人が少なくなっていく反対側で、出生率が高い移民受入を拡大しようとしているわけです。半世紀後には、日本列島に住む日本人は少数派になっていることでしょう。
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12410850852.html

26. 中川隆[-13582] koaQ7Jey 2018年11月12日 17:13:10 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20560] 報告

マカオ転職で給料4倍! このままでは日本の賃金が危ない! 2018年10月23日
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1810/23/news046.html#utm_source=yahoo_v3&utm_medium=feed&utm_campaign=20181112-013&utm_term=zdn_mkt-bus_all&utm_content=rel1-1


 日本で働いていた料理人がマカオのレストランに転職が決まり、年収が4倍になったという話がネットで話題となっている。

 中国の都市圏における経済発展は日本の想像をはるかに超えており、日本はアジアの中でも賃金が安い国となりつつある。日本人が仕送りなどを目的にアジアに出稼ぎに行くようになる日はそう遠くないのかもしれない。

アジアと日本の賃金の差が浮き彫りに。写真はマカオの繁華街(写真提供:ゲッティイメージズ)
アジアと日本の賃金の差が浮き彫りに。写真はマカオの繁華街(写真提供:ゲッティイメージズ)

アジアの賃金は想像以上に上がっている

 Twitterで情報発信している和食の料理人が、マカオのレストランへの転職が決まったとつぶやいたところ、日本とのあまりの待遇差にネット上でちょっとした話題となった。年収が4倍になり、医療費(歯科通院含む)も会社が100%負担してくれるという。

 現地レストランでのポストは副料理長ということなので、能力が高い人物の話ではあるが、同じスキルの人物でここまで年収に差が付くというのは少々驚きである。

 2017年における日本の1人あたりGDP(国内総生産)は3万8000ドル(430万円)だったが、マカオは7万7000ドル(約870万円)と日本の2倍以上もある。1人あたりのGDPは、その国の平均賃金と考えて差し支えないので、マカオでは平均的なビジネスマンが800万円以上の年収を稼ぐことは特に不思議なことではない。

 マカオは大規模なカジノが軒を連ねており、世界でも有数の豊かな地域として知られている。一方、日本ではサービス業に従事する人の賃金が異様に低いという事情もある。今回のケースはやや特殊な部類に入るかもしれないが、アジア全域で人件費が高騰しているのは事実である。

 マカオのお隣、香港の1人当たりGDPは4万6000ドル、シンガポールの1人あたりGDPは5万7000ドルといずれも日本より多い。中国は国土が広く、内陸部には貧しい地域もあるので全体の平均値は低いが、上海や深センなど沿岸都市部におけるホワイトカラー層の収入は、マカオや香港、シンガポールに近づきつつある。

 こうした地域でちょっとしたお店で夕食を食べると、料金が1万円近くになるのはごく普通のことなので、日本が相対的に貧しくなっているのは間違いない。


日本で携帯電話の料金が高く感じるのは経済力低下が原因

 こうした傾向は大卒の初任給にも如実に表われている。17年、中国の通信機器メーカー・華為技術(ファーウェイ)の日本法人が大卒初任給として40万円以上を提示したことが大きな話題となった。同社が就職情報誌で提示した新卒の初任給は、学部卒が約40万円、修士修了で約43万円。日本企業の大卒初任給は20万円程度、比較的給料が高い企業でも25万円程度なので、ファーウェイが圧倒的に高給であることは明らかだ。

大卒の初任給が高いと話題になったファーウェイだが……
大卒の初任給が高いと話題になったファーウェイだが……

 しかしファーウェイは日本人向けに特に高い年収を提示しているわけではない。

 近年はグローバル化の進展で、企業活動の標準化が全世界レベルで進んでおり、一定水準以上の企業の場合、社員の待遇についても、地域間での格差が縮小している。欧米企業における技術系社員の初任給は50万円台というところが多いので、ファーウェイ日本法人の初任給が特別高いというわけではない。

 日本では携帯電話の料金引き下げが政治問題となっている。携帯料金が高すぎるという政府の見解は半分間違っているが、半分は当たっている。

 携帯電話は典型的な設備産業であり、どの企業も同じような設備投資を行っている。規制料金が設定されていない限り、地域によって極端に通信料金に差が出ることはなく、総務省の比較調査でも日本だけが突出して料金が高いという結果にはなっていない。

 だが日本人の所得が相対的に下がっている現状では、同じ通信料金でも生活に与えるインパクトは違ってくる。通信料金が月1万円だったとして、大卒初任給が40万円の国と20万円の国では、料金に対する印象が異なるのは当然の結果といってよいだろう。

「中抜き」のビジネス慣習を見直すだけでも効果あり

 こうした事態を根本的に打開するためには、日本がもっと経済成長するしか方法はないのだが、ビジネスの慣習を見直すだけでもそれなりの効果がある。

 日本は現在、深刻な人手不足に陥っているが、その理由は人口減少だけではない。企業が過剰に人員を抱え込んでおり、本来は1人でできる仕事を1.5人あるいは2人で行っているというケースが多いのだ。業務をスリム化すれば、人手不足の一部は解消できる。

 例えば、日本で住宅設備の取り付けや修理といった各種作業を依頼した場合、顧客が支払った料金に対して、実際に作業をしている労働者が受け取る賃金はかなり少ない。仕事を仲介する事務的な作業に過剰なホワイトカラーが従事しており、これが全体の生産性を著しく下げている。

 欧米に行くと、それほど単価が高くない仕事をしている労働者が、大きなマイホームを購入していて驚かされることがある。こうした生活が実現できているのは、日本のような「中抜き」が少なく、労働者に代金の多くが渡っているからである。

 肥大化した事務部門が中間搾取する事業構造を見直さないと、賃金は上昇しないし、人手不足はますます深刻になるばかりだ。高いスキルを持った人ほど、海外で就労するチャンスを見出す結果となってしまうだろう。日本人がアジアに出稼ぎに行く時代の到来を懸念する前に、やるべきことはたくさんあるはずだ。

27. 中川隆[-13757] koaQ7Jey 2018年12月10日 22:19:52 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-21907] 報告
日本を選んで"貧困"に落ちた中国人の後悔 上海のお手伝いさんより月給が安い
https://president.jp/articles/-/26878
2018.12.10  フリージャーナリスト 姫田 小夏 PRESIDENT Online


「中国は日本よりも生活水準が低い」というのは過去の話だ。都内の大手メーカーに勤務する永住者の中国人女性は「上海の友人のお手伝いさんは、自分よりも月給が高い」と嘆く。また埼玉県に住む50代の中国人男性は「“全身エルメス尽くし”の知人を満足にもてなす余裕がない」と話す。日本で働く中国人たちの本音とは――。

日本のパスポートは憧れ“だった”

10年ほど前、上海である商談に臨席したときのことだ。同行させてもらった男性が、日本の名前を刷り込んだ名刺を渡そうとした瞬間、客先の中国人女性からこんな言葉が口をついてでた。

「あなた本当に日本人なの?」

その質問に対し、「いえ、帰化したんです」と男性が答えると、中国人女性はすかさずこう言ったのだ。

「なーんだ、ニセの日本人か」

その物言いは確かに皮肉たっぷりだった。だが、名刺を渡した男性も、そして筆者も彼女がその言葉を発した根底に嫉妬心があることを知っていた。当時、「日本のパスポート」を持つことは中国の人々の憧れでもあったからだ。

日本の暮らしを選んだ中国人は満足しているか

日本で生計を営む中国出身の人々は少なくない。法務省によれば、2017年末の在留外国人数は約256万人、そのうち中国を祖国に持つ人たちは全体の3割を占め73万人にものぼる。永住者や留学生、日本人を配偶者にした人たちなどがこの日本で生活しているのだ。他方、日本には中国籍を捨て日本に帰化した人たちもいる。1952年〜2017年の統計(法務省民事局)を累計すると、その数は14万1668人を数える。だが、日本での暮らしを選んだ彼らは今、その生活に本当に満足しているのだろうか。

朱麗さん(仮名)は永住者として都内の大手メーカーに勤務する20代の女性だ。筆者はこの中国人の朱さんと池袋の喫茶店でお茶をした。よもやま話が続いた後、朱さんはおもむろにスマホの画像を差し出してこう切り出した。

「これね、すごく高級な茶葉なの。誰からもらったと思います? 幼なじみの家のアーイーからもらったんです」

アーイー(阿姨)とはお手伝いさんを意味する中国語だ。聞けば、朱さんが上海に一時帰国した際に訪れた幼なじみの家で、お手伝いさんからお土産として高級茶葉を渡されたのだという。

筆者からすれば耳を疑う話だ。お手伝いさんは主(あるじ)に雇われる低賃金労働者であり、「低賃金でこき使われている」というのがその典型だからだ。たまに理解のある雇用主が、気を遣って便宜を図ることがあっても、外省出身のお手伝いさんが「(上海人の)主の友人にお土産を直接渡す」なんて考えられない。

お手伝いさんの月給は32万円

朱さんはこのお手伝いさんについてこう語り始めた。

「幼なじみの友人はそのアーイーに2万元(約32万円)の月給を渡しているそうなんです。最近、上海ではアーイーの需要がすごくて、まれに1万元(約16万円)を超える月給をもらう人も出てきました。確かにこのアーイーは学歴があるようなんですが、だからと言って2万元はあり得ない。私の日本の月給を超えているんですよ!」

“お手伝いさんからもらった高級茶葉”は、「あなたより私のほうが上」という無言のメッセージだったのか。茶葉は朱さんに大きなショックを与えた。さらに朱さんのショックは、「2万元」をポンと払える幼なじみ夫婦にも向けられていた。

幼なじみ夫婦はともに上海の外資系勤務。その暮らしぶりのよさは、自宅マンションの立地や室内の家具からも伝わってきた。朱さんによれば、「早晩子どもが生まれる予定の幼なじみは、この学歴あるアーイーを家庭教師にさせるつもりで、今から高給で囲い込んでいるのではないか」と語る。

一方の朱さんは、新卒採用で都内の有名大手企業に入社した上海出身者だ。今の職場には不満はない。人間関係もいいし、仕事の内容も充実している。だが、ひとつだけ気に食わない点があった。それは「日本企業の給料の低さ」だった。

「上海に帰ってお手伝いさんでもやろうかな」

「私は家族と同居だから家賃や光熱費は考えなくてもいいけど、そうでない場合は大変です。母国との往復もしなければならない外国人にとって、手取り十数万円なんかじゃ生きていけないのです」

そしてこう本音を訴えた。

「日本って本当に魅力ある国なんでしょうか。魅力があるのは、日本の風景や日本の製品だけなのでは? 生活するにしても働くにしても、この国で生きていくのは結構キツイです」

確かに、今の上海の生活は日本以上に便利かもしれない。スマホのアプリをダウンロードすれば、ありとあらゆるサービスを享受できる。上海の街の至る所に掲げられるのは「共産党スローガン」であっても、それを見れば、なぜか「明るい未来」が到来するかのような錯覚に陥る。少子高齢化で先細る日本のような悲壮感はない。朱さんは別れ際に、冗談交じりにこう言った。

「私も上海に帰ってお手伝いさんでもやろうかなー」

日本と中国の生活水準は逆転していた

気が付けば、日中の生活水準は逆転していた。もちろん、中国から貧困問題が消えたわけではないが、とりわけ沿海部の大都市・上海と日本の生活水準を比べれば、その差は決して小さいものではない。

そもそも、なぜ彼らはそんなにカネを持っているのか。その答えは簡単だ。彼らは“事業用不動産”を持っているからだ。上海では多くの人が、住宅の転売や賃料収入で富裕になった。かつての国営工場(上海は工場の街だった)の“労働者階級”ですら、払い下げてもらった住宅を事業用不動産として運用し、不労所得に浴している。

税金面においては、個人所得税や事業税なども、その課税は日本ほど厳密なものではなく、固定資産税や相続税などは本格的な制度整備には至っていない。また、株式をはじめとする各種の理財(投資)商品は、乱高下がありながらも、経済成長を背景に確実に上昇した。激しい物価上昇といっても、農産物の値段は都市部の割には低く据え置かれている。

全身エルメス尽くしの友人に「敵わない」

こうした状況下で、彼らの貯蓄はあっという間に膨れ上がった。持てる中国人と持たざる日本人――この差が広がる今、日本に帰化した中国人は複雑な思いを抱えている。

埼玉県在住で日本名を持つ東島勇さん(仮名、50歳代)にとって、「大陸の中国人とどう向き合うか」は切実な問題だ。

「大陸の友人は貯蓄もたっぷりあって、年金もいい。そんな友人が私に同情してくれるんです。『支払いはいいよ、俺が払うから』と。しかも、豪華なレストランでの支払いです。今度は私がお返しをする番ですが、正直、このクラスの飲食店で彼を招待することなど、私のような“小さな貿易会社社長”の経済力なんかではできません」

エルメスが好みで“全身エルメス尽くし”。そのブランド品すら飽きが来れば使い捨て。移動は常にビジネスクラスで、この10年で世界各国隅々まで旅行した――そんな中国の友人は「もはや敵わない相手」(同)だという。東島さんは心中をこう吐露した。

「今の中国では、カネで地位が決まります。“成金中国人”はカネのない人間を軽視し、それを言葉や態度に表します。どんなに優秀でも、どんなにすばらしい思想の持ち主でも、カネがなければ発言権はないも同然なのです」

“中国よりも貧しい”中間層

貧乏人に発言権なし――それが現代中国の流儀だと東島さんは嘆くが、翻せば、これは国家間にも当てはめることができるだろう。日本という国家に経済力がなければ、あるいは国民一人ひとりに十分な資金力がなければ、いずれ中国から見下されてしまうのだ。

東島さんは一時期、悶々としていた。15年前、中国から日本に飛び出したまではよかったが、まさかこの短期間で中国経済が日本経済を凌駕しようとは、想像もしなかったからだ。中間層の生活を比べれば、日本は“中国よりも貧しい国”になってしまい、自分自身もまた中国の友人たちより質素な生活を送るようになってしまった。

東島さんは“金持ち中国人”とどう付き合うか、二者択一を真剣に悩んだと打ち明けた。ひとつは「まったく関わらないようにすること」、そしてもうひとつは「それでも付き合う」ということだった。東島さんの出した結論は後者だった。「中国から仕事をもらう身だから」というのがその理由だった。

「一生の幸せ」を考えると日本

ある日、その東島さんの表情はすがすがしいものになっていた。

「富を得るために私が今の中国に戻りたいかと問われれば、答えは『ノー』です。出版規制や情報コントロールなど、表現の自由があまりにひどい。政府にとって都合の悪い情報はホームページからすぐ消され、たかが通信アプリでのチャットでも国民は発言に気を遣う。私は思想をコントロールされてまで中国でカネ儲けをしたいとは思いません」

振り返れば、東島さんにとって中国籍を手放すのは乾坤一擲(けんこんいってき)の一大決断でもあっただろう。ひとたび、これを喪失すれば、中国での財産の相続権を失うことになる。また、彼は外国人になるわけだから、不動産投資含む中国での財テクが難しくなる。中国籍の喪失は、すなわち「富」から遠ざかることを覚悟しなければできない決断だったのだ。だが祖国中国に、人間が人間らしくあるための「自由」はない。東島さんはこの反目する2つの価値にようやくケリをつけたのだった。

日本を選び、日本企業で働くことが果たして正しい選択だったといえるのか――これを反芻する在日の中国人は少なくない。お金をためる、お金を儲けるという側面のみで見るならば、確かに日本は精彩を欠いているとも言えるだろう。

だが、その一方で、今の中国に見切りをつけて日本に住みたいと思う中国人もいる。友人が上海の街の画像を送ってきて、「今日も空気が悪い」とつぶやくように、日本には中国にない価値がある。「人の一生の幸せ」を考えたとき、やはり日本を選択してよかったと思う中国人も存在するのだ。

姫田 小夏(ひめだ・こなつ)
フリージャーナリスト
アジア・ビズ・フォーラム主宰。1997年から上海、日本語情報誌を創刊し、日本企業の対中ビジネス動向や中国の不動産事情を発信。2008年夏、同誌編集長を退任後、語学留学を経て上海財経大学公共経済管理学院に入学、修士課程(専攻は土地資源管理)を修了。14年以降は東京を拠点にインバウンドを追う。著書に『中国で勝てる中小企業の人材戦略』(テン・ブックス)、『インバウンドの罠』(時事通信出版局)ほか。

28. 中川隆[-13759] koaQ7Jey 2018年12月11日 11:21:49 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-21946] 報告

2018年12月11日
日米、米中貿易とドル円レートのゆくえ


戦後の大きな流れでは10数年ごとに円高になっている

引用:https://moneyzine.jp/static/images/article/212170/01.png


円高か円安か

米中貿易対立や日米貿易交渉のゆくえを受けて、為替レートの値動きが大きくなっている。

一般的には日米経済が好調なら円安、不調なら円高になりやすいとされている。

これは日経平均が上がると円安、下がると円高いなるのを見れば良く分かります。



アメリカの株価とドル円の連動も強く、NY株価が上がると円安、下がると円高になります。

日米対立や米中対立は貿易を減らし株価や経済にマイナスなので、深刻化すると円高になります。

米中央銀行FRBは利上げの終了を示唆したので、短期的にはドル安の影響がある。


中期レートを見ると2012年に79円だったドル円レートは、2015年に125円まで円安が進みました。

その後何度か105円を割り込んだものの必ず回復し、現在は113円前後になっています。

上は120円、下は100円の大きなレンジ内での値動きが5年以上続いているといえます。

円高には周期サイクルがある

もっと長期で見ると為替レートは日米の経常黒字と経常赤字から大きな影響を受けています。

日本はアメリカにモノやサービスを売って代金を受け取るので、毎年数兆円がドルから円に交換されます。

日本が黒字でアメリカが赤字である限り、じわじわと円高が進みいつかはまた1ドル100円を割り込みます。


この超円高のサイクルは2011年、1995年、1985年、1970年のように10年から10数年おきに発生しています。

それぞれの円高には別の要因があるものの、日本の経常黒字で円高圧力が蓄積し、ダムが決壊するのがおよそ10数年ごとというとらえ方もできる。

前回の超円高は2011年なので、長期サイクルからは次回の円高は2021年から2025年ごろだと推測できます。


日本の輸出産業は競争力が落ちているとされるが、経常黒字はむしろ増えて年10兆円から20兆円に達しています。

対するアメリカは年50兆円前後の経常赤字なので、差し引きすると70兆円円高ドル安の圧力が発生します。

ダムに水が溜まって最後に決壊するように、円高圧力は満タンにたまるまで影響はなく、ある日一気に水が放出されます。


それまでは小幅な値動きしか起きないと予想されるので、今年や来年は10%程度の変動しかないでしょう。

円高になっても1ドル100円は割れず、円安になっても1ドル120円以内のレンジに収まるでしょう。
http://www.thutmosev.com/archives/78364661.html

29. 中川隆[-13442] koaQ7Jey 2018年12月26日 13:46:47 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22207] 報告

2018年12月26日
アメリカの子育て費用 高校まで2600万円、大学で2倍


アメリカで「中間層」より下だとまともな子育ては難しい

アメリカの子育て費用の高さ

日本は子育てに費用が掛かり国は無理解だとされ、比較対象として欧米先進国が理想的に語られることが多い。

先進国の中もアメリカはそうでもないという話があり、2015に誕生した子供が17歳になるまでに2600万円かかる。

この数字は”2012年に生まれた子供”の時は2300万円だったので、3年で300万円増えている。(1ドル110円程度として)




米農務省が2017年に発表した数字は前年より3%増加し、中間所得者層で約23万ドルが必要と書かれている。

米国では中間層の水準がかなり高く総額5万9200から10万7400ドル、日本円で年収650万円から1200万円になる。

実態とかけ離れている気もするが、年収600万円以下の世帯はアメリカでは貧困者扱いになっている。


年収600万円以下の”低所得者”世帯でも子育て費用はあまり安くならず、17歳までに17万ドル以上(約1900万円)もかかる

これは高校までの費用だが、かなり良い大学に通わせるなら17歳までと同額程度の費用がかかる。

日本では大学まで私立だと総額2600万円、ずっと公立だと1300万円ほどとされるがこれは教育費のみです。


アメリカの計算では住居費、食費、交通費、洋服費、医療費まですべて合計している。

純粋な育児教育費だけだと1割か2割にすぎず、半分以上は住居・食費・洋服でかかっている。

日本も育児教育費の他に子供のための住居や食費、洋服代や医療費などで2倍は支出している筈です。

日本の子育て費用も安くない

するとアメリカでは大学卒業まで5000万円以上、日本はずっと私立だとやはり5000万円、ずっと公立で倹約生活なら3000万円程度でしょう。

日本で有名医学部に通って医師になるには4年間で2000万円程度かかり、どのレベルの教育を受けさせるかで大きく違う。

日本で大学に進学せず高卒で働けば2000万円程度ですみ、18年間で割ると年間110万円前後になります。


アメリカでは子供でもアルバイトでお金を稼ぐのが普通だが、日本は大学でも費用をすべて親に払ってもらう人が多い。

しかもアメリカでは大学費用は奨学金(という名の高利貸し)で自分で支払うが、日本では親が払っている。

このように考えると特に日本では、大学進学に伴う親の負担が大きい。


アメリカで「低所得者」として切り捨てられる年収600万円以下世帯では、大学進学は困難だろうと思われます。

それどころかニューヨークの小学生の1割がホームレスで、充分な食事がなく支援を受けている子供が多い。

ちなみにアメリカでは親戚に預けられたり施設に保護されていてもホームレスで、日本とは基準が違う。


アメリカでは高校まで義務教育で、公立だと授業料が無料で自宅学習でも卒業できる。

従って高校までの進学率は高く大学への進学率も高いのだが、低所得者や貧困層は相当ひどいことになっている。

結局アメリカでは年収600万円以下は貧困者とされ、統計すら取って貰えないのです。
http://www.thutmosev.com/archives/78535267.html

30. 中川隆[-13319] koaQ7Jey 2018年12月30日 10:37:00 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22210] 報告
サンフランシスコでは年収1800万円でも「かろうじて食いつないでいけるレベル」の生活
Melia RobinsonMar. 26, 2017
https://www.businessinsider.jp/post-1135?utm_source=yahoo&utm_medium=news&utm_campaign=201812


サンフランシスコのベイエリアで暮らしていると、年収が1000万円を超えても貧乏と感じてしまうようだ。

Twitterの従業員が、匿名を条件にThe Guardianの取材に応じた。40代前半、サンフランシスコ在住のこの男性は、年収16万ドル(約1800万円)。だが、かろうじて暮らしていけるレベルだと語った。翌月まで「食いつなぐ」ために借金をしたこともある。

「ソフトウェア・エンジニアになったのに、家計に苦労することになるとは」。そう語る男性は、このエリアで家族と暮らしていくためには自分の収入は「かなり低い」と考えている。

家計のもっとも大きな支出は家賃。毎月3000ドル(約34万円)かかる。妻と2人の子ども。場所を考えるとこの家賃でも「ものすごく安い」と彼は言う。

サンフランシスコのベイエリアは、アメリカでもっとも人気が高いエリア。不動産サイト「Trulia」によると、家賃は平均月4200ドル(約48万円)。Google、Uber、Airbnb、Twitterなどに勤める中堅以上のエンジニアは、給料の40%〜50%を勤務先の近くに住居を借りるために使っているという研究結果もある。

サンフランシスコの人口のおよそ30%を占めるミレニアル世代が家賃を高騰させている。節約のために大勢のルームメイトと一緒に暮らしている者も多く、住宅市場の競争を加速させている。

同エリアでフルタイムで働く18歳〜34歳の人々の平均収入は、2013年に5万9000ドル(約671万円)だったと米国勢調査局のデータが伝えている。

[原文:A Twitter employee making $160,000 a year says he's only scraping by in San Francisco]


31. 中川隆[-13116] koaQ7Jey 2019年1月10日 08:13:47 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22222] 報告
もはや先進国ではない。なぜ、日本経済はスカスカになったのか?
https://www.mag2.com/p/news/382054
2019.01.09 冷泉彰彦『冷泉彰彦のプリンストン通信』 まぐまぐニュース


一部報道などでは日本経済の好調さが伝えられていますが、実感として受け止められないというのが正直なところではないでしょうか。なぜこのような事態に陥っているのでしょうか。米国在住の作家・冷泉彰彦さんはメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』でその理由を「日本の産業構造がおかしくなったため」とし、この「負のトレンド」を反転させなければ国の繁栄と個人の成功はありえないと結んでいます。

スカスカになった日本経済、どうしてこうなったのか?

経済新聞や安倍政権の周囲では、日本経済は絶好調だとか、多くの企業が史上空前の利益を上げているという声があります。ですが、そんな好況感は、日本全国を見渡すと全く感じられません。

国全体の「購買力」は弱り切ったままです。観光ブームということもありますが、結局はインバウンド、つまり訪日外国人が支えています。例えば、星野リゾートの場合は、価格帯によってブランドを分けていますが、フラッグシップブランドの「星のや」の場合は、一泊二食で4万とか5万という強気の価格設定ですが、お客の多くはインバウンドです。

同じく北海道のリゾート産業の雄である「鶴雅グループ」は、支笏湖に「碧の座(あおのざ)」という超高級旅館を建設中ですが、同じく価格帯は4万から6万でこれもインバウンドがメインでしょう。

JR九州が「ななつ星」という予約制の豪華寝台列車を走らせて話題になりましたが、もっと豪華なJR西日本の「瑞風」などは、シンガポールからビジネスクラスで往復するパッケージツアーなども組んでいます。

とにかく景気がいい話は、インバウンド向けぐらいで、国内の需要向けについては、相変わらず、オールバイキング形式で一泊二食7,800円とかが主流です。コンビニなどの弁当や牛丼の価格はワンコイン以下の安いままであり、それはそのまま多くの人の「昼食代の予算」を反映しています。

花火大会やパレードなど、「無料のイベント」が行われると、空前の人出になるので、結局は警備費がかさんで大会が中止になったりしますが、では有料化すればどうかというと、いきなりパタンと客足は途絶えるわけです。

購買力の衰えということでは、例えば「若者のお金離れ」などという言い方があって、世代間格差が原因だという声もあります。また「非正規差別」が原因であり、派遣労働の規制緩和をしたのが悪いという論調も相変わらず多いわけです。

多くの専門職が「それだけでは生活できなくなっている」と言われています。例えば、タクシーのドライバーは、ウーバーやリフトがまだ上陸したわけでもないのに、需要低迷と供給過剰のために苦しんでいます。また、バスの運転手の給与も低くなっています。電車の運転手に至っては、自動運転(実際は遠隔操作に近いので心配は要らないのですが)を本格化させる話も出ています。

例えば、安倍総理は毎年春になると財界に対して「もっと給与を上げてくれ」という要求をしていますが、財界サイドは総理に頼まれてもなかなか賃上げに応じようとはしません。

報道では「史上最高の決算」とか「アベノミクス株高」などと言っているのに、どうして各企業は国内での賃上げを渋るのでしょうか?どうして昔はちゃんと生活できていた職が、非正規になったり、給与が極端に安くなっているのでしょうか?

一部にはグローバルな労働市場が発達したからだという意見がありますが、海で囲まれた日本の場合に、モノは出入りしますが、サービス業に関しては、世界の安い賃金に影響されて日本も賃金が下がるというのは、説明として納得感はありません。

何が問題なのでしょうか?

各企業が20世紀や昭和の時代と比べて、著しく強欲になっていて、一部の管理職や重役だけが巨額の報酬を独り占めしていて、給与を切り下げているからなのでしょうか?

そうではない、ということをしっかり理解することがまず必要です。

問題は日本の産業構造が「おかしく」なっているということです。もっといえば「スカスカ」になっているのです。

現在の日本には、昔のように「世界の市場で大きなシェアを持っているエレクトロニクス製品」とか「集中豪雨的輸出だとして怒られるぐらい世界で売れている自動車」などの製造業はほとんど残っていません。

では、何が残っているのかというと具体的には日本の主要産業は3つ、

・部品産業
・日本語による非効率な事務仕事
・観光がらみのサービス産業

があるだけです。勿論「だけ」というのはやや言い過ぎで、日本国内向けの医療や福祉、サービス業はあるし、自動車の場合は一部は完成車も作っています。ですが、主要な産業といえば、この3つになっているのです。

例えばスマホというビジネスがあります。世界の主要なシェアは、アップル、サムソン、LGそして元ノキアのマイクロソフト、元モトローラのグーグルなどがあります。

そして日本は部品産業に転落しています。液晶、半導体、アンテナ周りの複雑でミクロの部品など、日本の製造業がなくては世界のスマホは成立しません。

ですが、どんなに技術力を誇っても、部品産業はしょせん部品産業なのです。最終メーカーが価格も発注量も握っており、部品産業はベンダーとして受け身のビジネス、薄利かつリスクのあるビジネスになってしまいます。

その昔、ソニーがウォークマンで世界の若者文化を席巻したように、パナソニックが「性能の良すぎる」テレビやビデオ機器で世界から怒られたりしながら、物凄い収益を上げていたように、最終製品を作るということはしていないのです。

例外としては、B2Bつまり法人や政府向けがありますし、パナソニックの場合もこちらに逃げていますが、消費者向けの最終製品ということでは、日本のエレクトロニクスの場合は見る影もありません。東芝の場合は、何と言っても半導体やハードディスクですが、それすらも売ってしまいました。

事務ということでは、とにかく「原本」「ハンコ」「ファックス」「稟議書」「ファイリング」などといった昭和の化石のような日本語文書の管理ということが、今でも官庁でも、民間でも行われています。そこで職を得ている人は猛烈な数になり、そのコストも膨大ですが、どういうわけか日本の企業や政府はこれが止められないわけです。

ですが、ここ数年、銀行業務がフィンテック化して、人も紙も支店も不要になって来ています。同じような革命が全業種と行政に波及しなくては、この非効率な作業が日本経済を滅ぼすと思います。

観光業ですが、すでにGDPへの貢献ということでは自動車産業を超えたと言われています。それ自体は結構なことで、プラスアルファの経済として成立するのであれば、それはそれで良いことです。訪日外国人年間3,000万が実現し、政府目標の4,000万が視野に入ったというのも良いことです。

ですが、問題は観光業というのは労働集約型であるし、低付加価値かつ固定費が高いビジネスだということです。それが主要産業だというのは、その国の経済としては決して立派ではありません。

つまり、産業構造として日本は先進国から滑り落ちそうになっているのです。

何がいけなかったのでしょう。理由は次のようなことです。

・自動車の次として宇宙航空に本格進出できなかった
・コンピュータ時代に合わせてOSやアプリなどソフトの分野で負けた、どころかコンピュータ関連の人材をバカにして育成もしなかった
・バイオや製薬で世界のトップを走るだけの人材育成や投資をしなかった
・金融のグローバル化に全く対応しなかった
・英語での事務仕事ができず、香港やシンガポールにアジアのビジネスセンターの座を完全に奪われ、そのことを恥じてすらいない

ということです。つまり全体の戦略が全く違っていたということです。

勿論、企業単位では例えばトヨタやホンダ、ソニー、コマツなど、多国籍企業として優良な企業はたくさんあります。ですが、その多くは、製造販売だけでなく、研究開発や設計も海外でやっているのです。そうした数字は日本のGDPにはなりません。

史上空前の利益というのも、その多くは海外の収益であり、連結決算では円安のおかげで膨張して見えるかもしれませんが、カネ自体は海外で再投資されています。

いやいや、日本企業は好業績で、配当もしているという反論もあるかもしれませんが、そもそも優良な多国籍企業の場合は、外国の株主が多いわけで、配当も海外でグルグル回るだけです。

今でも、経済新聞には「海外の企業を買収」とか「日本製品が某国の交通システムで採用」とか、「某社の車がアメリカで人気ナンバーワン」といった記事が出ると、何となく嬉しいニュースということになります。

ですが、これはマジックであり、日本国内のGDPにも税収にも、そしてトリクルダウンという形での好影響も「全くない」のです。

私は、トランプ流の「経済ナショナリズム」は大嫌いですし、経済というのは国際分業によるグローバリズムが「最適解」になるし、それをねじ曲げると、最終的には経済はダメになると思っています。

ですからこの日本流の空洞化について、税制や規制でなんとかしようとは思いません。ですが、これは明らかに敗北であり、敗北ゆえに貧しくなっているというのは厳然たる事実です。そのことから目を背けるというのは、やはり政治としても財界としても、あるいは世論としても間違っていると思います。

部品製造と、日本語文書による事務文書と、そして観光業が産業の柱などというスカスカな経済はもはや「先進国クオリティ」ではありません。そのこと自体が失敗であり、敗北であり、歯を食いしばって、その負のトレンドを反転させることにしか、国の繁栄と個人の成功はないのではないでしょうか?

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