http://www.asyura2.com/17/kokusai20/msg/238.html
Tweet |
世界史を「陸と海のたたかい」と言ったのはカール・シュミットですが、これは、単に、ヨーロッパ中心の見方に止まらず、各国・各地域に於いても言える事ではないかと思います。
例えば、世界的に見れば海洋勢力の中心はアメリカですが、そのアメリカにしても、トランプ大統領の登場乃至トランプ現象をどのように見るか?について、グローバリズムvs反グローバリズム(アメリカ第一)という表象の背後にある、南北戦争以来の陸と海との対立・葛藤を背景に入れてみて、初めてその意味が見えて来ます。
お隣の中国にしても、「南船北馬」という言葉があるように、宋(南)→元(北)→明(南)→清(北)→中華民国(南)→中華人民共和国(北)と、南と北がかわりばんこに権力を握っておりますが、船と馬が其々海と陸のシンボルであるろころに着目すれば、ここにもやはり、同じ様な力学が見えるのです。
そして日本や韓国、乃至朝鮮半島、勿論、島=国と半島は、微妙に似てるようでもあり、微妙に違ってるようでもある。 日本の場合、ドゥルーズ言うところの大陸島と大洋島、即ち大陸(文明)(の端っこ)を意識する存在と大洋島即ち大陸(文明)との隔絶を意識する存在ーNO.1より”オンリーワン”(『世界に一つだけの花』)ーと。 前者は、必然的に、海外の動向に敏感であり、後者は海外よりも国内の方に目が向いているー”ガラ携(ガラパゴス携帯)”なんか典型でしょう。
無論これらは截然と分かれているという訳ではなく、その時代、或いはその時々でどちらが優位であるのか、ヘゲモニーを握っているのか?という問題になって来ます。 明治以降の日本は、当然のことながら、前者のヘゲモニーの下に在りますが、時々後者が優勢になることがある。 与那覇潤氏のいう「江戸時代化」というのはこれを指しているのです。
そうして韓国乃至朝鮮半島ですが、「半島」という概念が示す通り、半分は海的要素があります。 勿論あと半分は陸的要素、従って陸と海とのせめぎ合いの狭間に在るのが半島ということになります。 日本と中国の間で翻弄される近代が典型でしょうが、それに対して主に二つの態度なり対応が表れる。 一つは、所謂、事大主義です。 ご存知の通り、これは、本来は、大陸即ち中華帝国に対する態度を意味したのですが、中国の威勢が弱まるのに反比例するように海(日本)からの圧迫が強まると、より強い方になびいて自己保存を図るという風に変化する。 大戦後はアメリカであることは言うまでもありません。 それに対して、むしろ自己保存の為に自己主張に重きをなすという態度であり、通常これはナショナリズムと呼ばれるものですが、韓国の場合(これは日本も同様)、伝統的には小中華主義に当たるものです。
つまり、朝鮮半島伝統の事大主義と小中華主義が、現代になって、親米派と民族派の対立・葛藤になって現れ出ているのが韓国の政治状況、ということになります。 マスコミでは、前者を保守、後者を革新と呼んだりしますが、日本同様、戦後体制(占領体制)の受益者で、その体制を守り保つ立場を保守、そのような仕組みを革り変えようするのを革新と言ってるわけで、それ自体(それ以外)の意味はありません。
そしてここからすれば、文在寅政権を「左派政権」とか「親北政権」と呼ぶのが如何に的外れであるか、分かるはずです。
民族派の立場に立てば、「北であれ南であれ我が祖国」(李恢成)なのであり、韓国にせよ北朝鮮にせよ、仮称の、過渡期の存在に過ぎない。 従って、斯かる「北であれ南であれ我が祖国」=”半島ナショナリズム”から見れば、左と右は陸と海の其々の代理人としか見えず、一方に身を寄せること自体、自らの立場を毀損することになるからです。
無論、だから、朴槿恵政権が、中国にすり寄ったかと思うとアメリカに大きく振れるこの4年間の軌跡は、斯かる立場からすれば事大主義の典型に見え、しかも日本にズルズルと接近するとなると、「親日派」の地金が出たという風に見えていることでしょう。
ー以上、ここまで見て来たことで明らかだと思いますが、昨年から今年に掛けて異様な盛り上がりを見せ、遂に朴政権打倒にまで踏み切らせたものは”半島ナショナリズム”であることは間違いない。 だからこそ、繰り返しますが、危機感を覚えた米軍は、謀略(金正男暗殺)を仕掛け、全力を挙げてナショナリズムの抑え込みに掛かった、ということでしょう。
従って、ここから見れば、文在寅政権の動向次第で、再び三度、謀略を含んだ”半島危機”が出て来る可能性も否定は出来ない。 まさか「地下鉄サリン事件」の様な大謀略事件は起こらないとは思いますが、「VX」も直近で使用してることからーVX=北朝鮮との刷り込みは出来た様なのでね!−いつ何時、「BC兵器を使ったテロ」が起こらないとも限りません。
兎に角、この種の事が起きたら、米軍がー或いはその手先がーと考えて間違いないでしょう。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。