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ミャンマー治安機関の責任追及を、少数民族を性的暴行
2月6日、国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)」は、西部ラカイン州で軍や警察などの治安機関がイスラム系少数民族ロヒンギャの女性や少女に対する性的暴行に組織的に関与していると非難し、治安機関の司令官らを罰するようミャンマー政府に求めた。写真は5日、バングラデシュの難民キャンプにある診療所で健康診断を受けるロヒンギャ族の難民たち(2017年 ロイター/Mohammad Ponir Hossain)
[ヤンゴン 6日 ロイター] - 米国に本拠を置く国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)」は6日、西部ラカイン州で軍や警察などの治安機関がイスラム系少数民族ロヒンギャの女性や少女に対する性的暴行に組織的に関与していると非難し、治安機関の司令官らを罰するようミャンマー政府に求めた。
HRWは、ミャンマー軍による弾圧を受けて隣国バングラデシュに逃れた約6万9000人のロヒンギャにインタビューし、女性に対するレイプや集団性的暴行などについて報告書にまとめた。
報告書によると、「性的暴力は無作為ではなく、ロヒンギャに対して組織的に」行われているとみられるという。
この件に関するミャンマー政府のコメントは得られていない。
ラカイン州には、推定110万人のロヒンギャが暮らしている。昨年10月にロヒンギャとみられる武装集団が警察施設を襲撃して以来、治安部隊が掃討作戦を進める同地域には記者や人権団体の立ち入りは禁止されている。
政府はこれまで、治安機関による性的暴行や暴力、殺害、市民の拘束など大半を否定。村の焼き討ちなどは、ロヒンギャの武装集団に対する合法的な掃討作戦と主張している。
*写真をつけて再送します。
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http://jp.reuters.com/article/myanmar-rohingya-idJPKBN15L0IW
“宗教戦争”最前線──イスラム教徒を虐殺するミャンマーの怪僧
Tag: 宗教 、 アシン・ウィラス 、 戦争 、 イスラム 、 ミャンマー 、 ボドゥ・ボラ・シーナ 、 ロヒンギャ 、 民族
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「イスラム国」の台頭など、世界では宗教をめぐる争いが深刻化している。民主化が認められたミャンマーでもまた、新たな抗争が生まれている。仏教徒集団「ボドゥ・ボラ・シーナ」が、少数派イスラム教徒ロヒンギャ族に虐殺行為を繰り返しているのだ。英国版『GQ』は、ミャンマーのビンラディンと呼ばれる、この団体のリーダー、アシン・ウィラスを追いかけ、この民族抗争の真実に迫った。
Text: Alex Preston Translation: Ottogiro Machikane
969運動を率いる高僧アシン・ウィラス
2013年3月、ミャンマー中部の都市メイッティーラで仏教徒とイスラム教徒の対立から虐殺が発生した。モスクと、そのまわりの建物が焼き尽くされた惨劇の跡/左:969運動を率いる高僧アシン・ウィラス Getty Images (left center), AFP-JIJI (background)
たわわな果実さながらのオオコウモリを枝々にぶら下げた熱帯樹のでこぼこ道を三輪タクシー──トゥクトゥク──がガタゴトと市街中心部に向けて走っていく。海からどんより漂ってくるもやの向こうに銃を提げた警備兵の姿がおぼろげに浮かび上がり、トゥクトゥクの湿気た帆布製の日よけに隠れようと私は後部席で身を縮め、帽子を目深にかぶり直した。ここはミャンマー最西部のラカイン州、ベンガル湾とバングラデシュ国境にほど近い州都シットウェ。この地で深刻な人道被害が発生し、世界の注目を浴びるに至った。多くの人がその惨状をこう表現する──まぎれもなく、これはジェノサイド(民族浄化)だ、と。
ラカイン州はミャンマーに属してはいるが、南北に連なるアラカン山脈によって他の地方とは切り離され、西隣のバングラデシュに含めてもよさそうな地勢をなしている。このラカイン州はムスリム(イスラム教徒)が最もまとまって暮らす地域(州北部の人口約126万人のうち72%がイスラム教徒とも)である。そして、この地で代々暮らしてきたロヒンギャ族というムスリムの集団が、いま深刻な迫害を受けている。ベンガル地方から流入した不法な移民として外国人扱いされるばかりか、爆発的な人口増を力にミャンマーを乗っ取ろうとしているなどと言いがかりをつけられ、暴力にさらされてもいるのだ。
そのロヒンギャ族を訪ねるために、私はミャンマーまでやってきた。「世界で一番迫害されているマイノリティのひとつ」と国連が表現するムスリムたちの現状をつぶさに見て世界に伝えたい、そんな思いに突き動かされてのことだった。
次のページ仏教国ミャンマーでのイスラム教徒迫害の歴史
http://gqjapan.jp/culture/column/20150607/ashin-wirathu/page/2
スー・チー氏窮地 反イスラム制御できず ミャンマー
2017年02月05日 06時00分
ミャンマーに昨年3月発足した新政権の事実上のトップ、アウン・サン・スー・チー氏が窮地に陥っている。イスラム教徒少数民族のロヒンギャ問題を巡り国内で反イスラムの動きが拡大。国外からは指導力不足を批判された。1月には側近の法律顧問が射殺され、同氏の対応が注目されている。 (バンコク浜田耕治)
1月29日、ヤンゴンにある国際空港のタクシー乗り場で惨劇は起きた。スー・チー氏率いる与党・国民民主連盟(NLD)の法律顧問コー・ニー氏が至近距離から銃で撃たれ、死亡したのだ。インドネシア訪問から帰国した直後だった。
コー・ニー氏は、憲法の規定で大統領になれないスー・チー氏を「国家顧問」にする法案策定で、ブレーンとして重要な役割を果たした。仏教徒が9割を占めるミャンマーでは少数派のイスラム教徒だった。
現場で拘束された男は「金で殺害を依頼された」と供述。動機や背後関係はまだ分かっていない。政府は「国の不安定化」を狙った犯行との声明を出したが、イスラム教に絡む憎悪犯罪(ヘイトクライム)の疑いも指摘されている。
■ ■
実際、ミャンマーでは「反イスラム」の動きが広がっている。ロヒンギャが多く暮らす西部ラカイン州では昨年10月、警察施設が何者かに襲撃され、警官9人が死亡した。軍はロヒンギャの仕業として州北部で掃討作戦を実施し、ロヒンギャの集落の焼き打ちやレイプなどの迫害を繰り返した疑惑が浮上した。
しかし、多数派の仏教徒に配慮して最高指導者のスー・チー氏は沈黙を守ったまま。このため、スー・チー氏は「軍を制御できていない」としてイスラム諸国から集中砲火を浴び、ノーベル賞受賞者のほか、国連からも非難された。
今年1月に入ると国内各地で、イスラム教預言者ムハンマドの生誕祭が、保守派の仏教僧らの圧力で相次いで中止に追い込まれた。
■ ■
イスラム排斥を掲げる保守派の仏教僧らのグループが近年、台頭している。2015年の総選挙で敗れた軍系の連邦団結発展党(USDP)を支持し、スー・チー氏のNLD政権に対しては「仏教保護に熱心でない」として否定的とされる。
ミャンマー政治に詳しい北九州市立大の伊野憲治教授は「軍が力で抑え込んでいる時は、イスラム教徒の宗教行事を中止に追い込むような問題は表面化しなかった」とした上で「軍は治安維持などで手を抜いている節がある。(次の総選挙をにらんで)軍の関与がないと社会が混乱するぞ、と印象付ける狙いもうかがえる」と指摘する。
依然として強い影響力を持つ軍と国際社会の圧力に“板挟み”となっているスー・チー氏。側近の射殺によって、ミャンマーの民主化は危険な局面に入ったとの指摘もあり、同氏の手腕が注目される。
=2017/02/05付 西日本新聞朝刊=
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