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メキシコ国境だけじゃない:世界各地の「壁」
高い壁は朝鮮半島や欧州などにも存在する
米国とメキシコの国境
By THE WALL STREET JOURNAL
2017 年 1 月 26 日 18:02 JST
ドナルド・トランプ米大統領が25日、メキシコとの国境沿いに壁を建設することを命じる大統領令に署名した。世界各地には同様の「壁」が数多く立っている。
インドとパキスタンの国境
PHOTO: IMAGO/ZUMA PRESS
PHOTO: ZUMAPRESS.COM
インドとパキスタンの国境には数百キロにもわたってフェンスと投光器が設置されており、その光は宇宙からでも確認できる。両国は1947年に英国から独立して以降、複数回の紛争を経験した。昨年9月にはインド軍の兵士19人が武装勢力に殺害され、緊張が高まった。
ベルリンの壁
PHOTO: WIECZOREK/ULLSTEIN BILD/GETTY IMAGES
旧東ドイツ政権が1961年、市民が西側に逃亡するのを阻止する目的で建設した。壁の全長はは約160キロで、1980年代初頭までに一部は高さ3.7メートルに達し、内側にも低い壁が建設され、有刺鉄線や障害物も設置された。ベルリンの壁記念館によれば、少なくとも139人が壁で命を落とした。ベルリンの壁は1989年に崩壊した。
欧州の難民フェンス
PHOTO: DIMITAR DILKOFF/AFP/GETTY IMAGES
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マケドニア、ハンガリー、オーストリア、そしてブルガリアなどは、中東やアフリカからの難民が殺到したのを受け、2014年に国境沿いにフェンスを設置し始めた。オーストリアはスロベニアとの国境沿いに、高さ約2.4メートルから4.6メートルのフェンスを約4キロにわたって建設している。
朝鮮半島の非武装地帯
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韓国と北朝鮮の国境にある非武装地帯(DMZ)は、長さ約240キロ、幅約4キロに及ぶ。両国は合わせて150万人の地上軍兵士をDMZに配置しており、多くの対戦車地雷や対人地雷も埋設している。
モロッコ内にあるスペインの飛び領土
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セウタとメリリャは、北アフリカにあるスペインの飛領地。1993年にはモロッコとの国境線を引くため、セウタに約8.4キロ、メリリャには約11キロのフェンスが設置された。フェンスは三重で、約90センチの間隔が開いている。外側のフェンスの高さは約6メートルで、それより少し低い内側の壁には有刺鉄線もある。ロッククライミング用の道具などを使ってフェンスをよじ登る移民もいる。
イスラエルのパレスチナ自治区
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PHOTO: THOMAS COEX/AFP/GETTY IMAGES
イスラエルはガザ地区とヨルダン川西岸地区を囲むように壁を建設。パレスチナ人からの攻撃に対処するためのものだとしているが、パレスチナの指導者や国際社会からは批判も受けている。ガザの分離壁は1990年代から存在する。コンクリートの壁やワイヤフェンスからなる西岸地区の壁は2002年から建設が始まり、今も作業が続く。全長約700キロの計画のうち約450キロが完成している。
キプロスの緩衝地帯
PHOTO: IAKOVOS HATZISTAVROU/AFP/GETTY IMAGES
南部のキプロス共和国と北部の北キプロス・トルコ共和国(トルコのみが承認)の間の緩衝地帯では、国連軍がパトロールを続ける。緩衝地帯は1964年に設置され、1974年には面積が拡大した。現在は長さ160キロ以上で、幅は18メートルから6キロに至る。フェンスや監視塔に囲まれる緩衝地帯には今も約1万人が暮らし、農地などで働いている。
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【社説】トランプ氏の「壁」に救いはあるか
大統領の移民政策、選挙中より軟化の兆し
メキシコのシウダーフアレスと米国の国境(25日)
2017 年 1 月 26 日 17:25 JST
米国とメキシコの国境に壁の建設を命じたドナルド・トランプ氏の大統領令が、米国の輝かしい瞬間として記憶に残ることはないだろう。だがトランプ氏が着手している移民政策は少なくとも、選挙中の発言に比べて過激さが薄れ、移民の現実に対する譲歩がみられる。
トランプ氏は不法移民の大量送還と「大きな、大きな壁」の建設を掲げて選挙を戦い、当選した。同氏が何も知らない有権者に対して唐突に、「堅固で、切れ目のない、通行不能な物理的障壁」(大統領令)を持ち出したなどと主張できる者はいない。ただ、トランプ氏は昨年、大統領に就任したらこうした姿勢を「軟化」させることをたびたび示唆していた。ある意味でそれを実行している。
「壁」――恐らくは二重のフェンス――が象徴する考えは、米国の最高の伝統に相反する。自由を重んじ、歴史的に移民を吸収してきた国が、常に米国を一段と偉大にしてきた新参者に対する強力なシグナルを送っている。壁は友好的な隣人の反感を買う。メキシコでの米国に対する政治的反発は左派ナショナリストを勢いづかせかねない。
不法移民の実態
壁を建ててもトランプ氏が主張している問題は解決されない。1954マイル(約3150キロ)にわたるメキシコ国境のうち652マイルでは既に、車両と歩行者に対するフェンスが最も重要な区域を守っている。メキシコはガザ地区ではなく、境界を軍事化する必要はない。
トランプ氏は大げさに話しているが、メキシコの犯罪者が国境に殺到しているわけではない。16年には19万2000人が国境で逮捕されたものの、10年前の98万1000人に比べれば減少している。ピュー・リサーチ・センターの推計によると、米国に住む不法移民は約1110万人(人口の3.5%)、その52%がメキシコ人だ。この比率は年々低下し、アジア、中米、サハラ以南のアフリカ出身の不法滞在者が増えている。その大半は、合法的に入国したが査証の期間が切れた後も滞在しているケースだ。
壁を増やせば不法入国をいくらか防げるだろうが、高くつく。政府監査院(GAO)は、国境フェンスのコストがマイル当たり1600万ドル(約18億円)、プロジェクト全体では150億〜250億ドルと試算している。不成立に終わった13年の移民法案では400億ドルとしていた。貴重な税金にはもっとましな使い道があるはずだ。
トランプ氏は大統領令で、国内での移民取り締まり強化も命じた。特に、連邦当局の移民法執行に協力することを拒んでいる「聖域都市」に対しては、連邦資金の拠出を拒否すると言明した。聖域都市には、ニューヨーク、シカゴ、フィラデルフィアのほか、民主党が強い都市がほぼ全て含まれる。
憲法は、連邦政府が州や市に何かを強要することを禁じているため、実際の効果はトランプ氏が資金拒否をやり通すかどうかにかかっている。これは基本的に政治的な戦いであり、トランプ派の有権者は市長や警察署が法の執行を拒否する光景などごめんだと思っている。
トランプ氏の自制
希望が持てるのは、12年のバラク・オバマ氏の大統領令を無効にすると約束していたトランプ氏に軟化の兆しがあることだ。この大統領令により、子供の時に米国に連れてこられた「ドリーマー」と呼ばれる若者は国外退去の対象外となり、通学しているか卒業して身辺調査に合格している場合は更新可能な2年間の労働許可を申請できるようになった。
ホワイトハウス内外の特に強硬な制限主義者たちは、トランプ氏が自制していることに不満げだ。だがその自制は人道的であり政治的にも優れている。この救済措置の資格がある75万人の若者は自ら法を破ったわけではなく、多くは自分が送還されることになる祖国を知らない。米国が祖国なのだ。ここに数年住んだり従軍したりした末に大学から連れ出され、何が待ち受けているかわからない国に送還される。そんな物語は何にも増してトランプ氏の移民政策をむしばむだろう。
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トランプ氏の措置の利点について私たちが言えるのはせいぜい、移民を巡る議論の不快な部分がいずれ取り除かれる可能性があることくらいだ。大半の国民は移民の制限を政治的に優先すべき事項だとみなしておらず、共和党議員の大半に至っては既に国内にいる不法移民に市民権を付与する道のほうを支持している。法の執行だけでは不法移民は止まらず、食肉工場の立ち入り検査をしたからといって移民でない労働者の賃金が上がるわけでもない。
しかし、半数には満たないものの多くの共和党議員が国境管理を重視しており、改革を阻止できることを示してきた。当然のことながら、それより多くの共和党議員が、国境を越えて入国するテロリストについて懸念している(たとえ9・11同時多発テロの首謀者や、ボストン・マラソン爆弾テロ事件の実行犯とされるツァルナエフ兄弟など国内テロ実行犯は合法的に入国していたとしてもだ)。
政府に不法入国を減らせる力があることをトランプ氏が証明できれば、激情は冷め、議会はより優れた移民政策を成立させられるかもしれない。ゲストワーカー・プログラムによって市場原理で労働力需要を満たすような政策だ。そうなることを期待している。
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