★阿修羅♪ > 国際17 > 149.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
ゲイツが「トランプはJFKのようになる」と判断した理由 ビル・ゲイツとトランプのイノベーション論(WEDGE)
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/149.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 1 月 06 日 12:03:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


ゲイツが「トランプはJFKのようになる」と判断した理由 ビル・ゲイツとトランプのイノベーション論
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/8612
2017年1月6日 山本隆三 (常葉大学経営学部教授) WEDGE Infinity


 日本ではトランプ次期大統領が孫正義ソフトバンクグループ社長と会ったことが大きく報じられているが、米国ではトランプがマイクロソフト創業者のビル・ゲイツと電話で8分間話したことを多くのメディアが報道した。電話でトランプと意気投合したゲイツは、電話の2週間後の12月中旬にトランプタワーを訪問した。ゲイツは大統領選挙中トランプを評価しないと示唆していたが、電話での会談後出演したテレビ番組では「宇宙開発を進めたジョン・F・ケネディ元大統領と同様に、トランプの米国はイノベーションを通し主導権を取る可能性がある」と持ち上げた。

 ゲイツは地球温暖化問題を懸念しており、国連の会議に出席し解決のための支援を呼びかけるほど問題解決に力を入れている(『アマゾン、アリババ、ソフトバンクも ビル・ゲイツが募る革新的エネルギー同盟』)。彼のいま一番の関心事だが、温暖化懐疑論の立場に立つトランプとは大きく立場が異なる。

 トランプは11月下旬のニューヨークタイムズ紙のインタビューでは「温暖化が人為的な理由により引き起こされることも少しはある」と認め、選挙期間中に離脱すると主張していたパリ協定に関しては「開かれた心で考えたい」と答え柔軟性を示したが、その後の閣僚人事では温暖化懐疑論者の閣僚への指名が続いており、トランプの基本的な立場は変わっていないようだ。トランプの何が温暖化問題を懸念するゲイツの評価を変えさせたのだろうか。

■トランプを評価するゲイツ

 11月の大統領選後トランプと電話で話をしたビル・ゲイツは、その後いくつかのマスコミのインタビューを受けたが、その中でゲイツはジョン・F・ケネディに触れ、「エネルギー分野であれ、教育、感染症防止であれ、トランプ政権は物事を組織立って進め、法的な障害を取り除き、イノベーションを通し米国のリーダシップを発揮するだろうという前向きの見方ができる」とトランプとイノベーションについて会話した結果を述べている。

 ゲイツはさらに「エネルギーと気候変動問題は米国がリーダシップを発揮するチャンス」とトランプに話し「多くのイノベーションの機会があり、適切に研究を進めれば大きな収益が期待できる」との話をしたと述べている。ゲイツは「エネルギー分野の研究・開発において米国が先頭を切ることが重要だ。この分野は政府予算のなかで大きな金額ではないが、シェールガスと同様に、(低コストの低炭素エネルギーが)米国経済を助けることになるとトランプに働きかける」とも述べている。

 米国企業の海外進出に反対し、保護主義を主張しているトランプはイノベーションの重要性をどのように認識しているのだろうか。大統領選時のトランプの主張から考えてみたい。

■トランプ大統領を生んだラストベルト地帯

 トランプが大統領戦に勝利した大きな要因は、接戦州と呼ばれる共和党、民主党の票が常に拮抗するペンシルべニア、オハイオ両州を制したことだった。トランプが石炭復活を打ち出し、クリントンが石炭縮小を主張したことが、アパラチア炭田北部に位置する両州の票の行方を左右したことは『トランプ大統領で得をする日本企業は?』で述べた通りだ。

 接戦州となったペンシルべニア、オハイオ州に加え、2008年、2012年の大統領選時オバマが勝ったウィスコンシン、ミシガン両州においてもトランプが勝利したことも、トランプ大統領選出を確たるものにした。日本のメディアでも度々報道されたラストベルト(錆び付いた地帯)と呼ばれる地域だ。

 製造業が衰退した地帯と呼ばれるものの、この両州では今でも製造業で働く人が多い。州の雇用者のうち製造業が占める比率をみると、表の通り、ウィスコンシン州は全米2位、ミシガン州は3位だ。

      

 しかし、自動車産業を中心に製造業は衰退し、製造業を離れた人は、州外に去るかあるいは医療・福祉を中心とした産業に転職した。全米の製造業で働く人は2000年には1700万人だったが、減少を続け、最近歯止めがかかったものの、今は1200万人だ。図-1の通り、この間米国の全雇用はリーマンショックによる落ち込みを除けば、順調に伸びている。

      


 製造業で職を失っても、米国の失業率は高くなく職はある。ラストベルト地帯の失業率も高くない。しかし、大きな問題がある。製造業ほど稼げる産業が州内にないことだ。図-2に米国の産業別賃金を示した。製造業の賃金は平均より高いが、医療福祉を含む教育・健康産業は平均を下回っている。製造業が衰退することの問題は高賃金の職場が失われることなのだ。米国を再度偉大な国にと、製造業復活を謳ったトランプが両州で支持を集めたのは製造業の高賃金を求める有権者が多くいたためだ。

        


■製造業復活を謳うトランプだが

 トランプは、製造業衰退の理由をメキシコなどへの米国製造業の海外進出、あるいは自由貿易により安価な海外製品が流入するためとし、TPPをはじめとする自由貿易には反対する姿勢を示した。工場のメキシコ移転を検討していた空調機器メーカ・キャリアなどの企業は、移転を諦めることになった。

 しかし、米国の製造業が雇用を失ったのは、海外進出のためでも自由貿易のためでもない。図-3に日米の製造業の付加価値額が示されている。米国の付加価値額は順調に伸びている。付加価値額が伸びているにもかかわらず雇用が増えないのは、生産性が伸びているためだ。海外移転を検討するのは主として労働集約型であり付加価値額が相対的に低い部門だ。あるいは自由貿易により輸入が行われるのは米国製品より競争力があるからだ。海外移転あるいは自由貿易を規制すれば、一時的に雇用増が実現するにせよ、付加価値額、賃金が高い製造業が米国内に育つとは考え難い。

       

 トランプも、この点を十分理解しているのではないか。人気取りのために海外移転、自由貿易規制を持ち出したが、製造業の雇用を増やすための根本的な解決策にはなりえないことを理解しているのだろう。

 革新的な技術を創り出し新製品の形にすることにより製造業を復活させるのが、付加価値額の高い雇用を生み出す手段だ。それをトランプは理解しているから、ゲイツがトランプを評価することになったのだろう。

 イノベーションに加え製造業が競争力を高める一つの手段は、競争力のあるエネルギー供給を受けることだ。ゲイツはエネルギー分野でのイノベーションを考えている。

■ビル・ゲイツのエネルギー投資ファンド 

 2015年12月にパリで開催された気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)に出席したゲイツは、世界の富豪と共に二酸化炭素を排出しないエネルギーへの投資を行う革新的エネルギー同盟構想を発表した。

 トランプとの電話での会話後の昨年12月中旬、ゲイツはこの構想を実行するためのファンド、革新的エネルギー・ベンチャーの立ち上げを発表した。ゲイツが会長に就任予定のファンドの規模は当初10億ドル(1150億円)、出資者にはアマゾンのジェフ・ベゾス、ジョージ・ソロス、アリババグループの馬、ソフトバンクの孫などが名を連ねている。

 ファンドの目的は、二酸化炭素を排出しない競争力のあるエネルギーの開発であり、増殖炉を含む原子力、地熱、風力、太陽光、送電、蓄電技術などへの投資だ。ゲイツによると当初の10億ドルは4、5年間の投資を支える資金とのことだが、最終的な投資規模は未だ決まっていない。

 ゲイツは原子力の新技術開発のためテラ・パワーを立ち上げ、個人資産を投入しているが、このファンドの原子力分野への投資は最大で投資額の25%にし、他分野への投資を主にするとのゲイツの意向だ。低炭素エネルギーのコスト引き下げを実現するための鍵はイノベーションとゲイツは強調している。

 ゲイツは、「トランプ政権は割の良い政策を好むから、低炭素エネルギーのイノベーションも検討すると確信している」と述べている。製造業復活を謳うトランプもエネルギー分野でのイノベーションの重要性を認識しているということだ。

日■本が学ぶべきこと

 製造業の雇用が減少した米国では、高賃金の製造業での雇用を求める声がトランプ大統領を作り出したと言えるが、製造業の雇用が減少しているのは日本も同じだ。図‐4の通り、製造業の雇用減少に合わせ平均給与も下落している。

       

 米国と同じように製造業の賃金水準が相対的に高いのも、図⁻5が示す通りだ。1997年をピークに平均給与が減少している日本も製造業の復活がなければ、平均給与も上昇せず、国民の6割を超えた「生活が苦しい」人も減少することはない。

      

 日本企業は、失われた20年の間イノベーションへの研究・開発投資を増やすことをしてこなかった。日米の研究・開発投資の推移は図‐6の通りだ。これでは、製造業の復活は難しい。政府のエネルギー関係予算も日本では減少している。エネルギー分野でのイノベーションも遅れ、エネルギーコストも下がらず、製造業の競争力にも影響が生じる。

       

 経済成長が実現しなければ、イノベーションのための投資は増えない。1月4日付朝日新聞は「経済成長は産業革命以降の出来事。経済成長が実現しなくても、この20年間スマホなどの登場により国内総生産(GDP)では測れない便益の向上があった」として、経済成長は必ずしも必要ないとの記事「経済成長永遠なのか」を掲げている。

 GDPでは測れない便益の向上があるのは事実だが、それだけで私たちの暮らしが豊かになっているわけではない。この20年間で「生活が苦しい」という人は国民の約3分の1から6割強まで増えた。利便性が向上しても生活にゆとりが生まれるわけではない。ゆとりは収入増が生み出すものなのだ。収入が減れば生活は苦しくなる。技術の進歩による利便性の向上と収入増によるゆとりを同レベルで論じ、経済成長不要と主張するのは間違いだろう。

 米国以上に、日本では製造業復活、そのためイノベーションが必要なことを認識し、経済成長の実現、エネルギーコスト削減に向け努力すべきだ。



 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
1. 2017年1月06日 15:32:22 : NGUCbbAPlg : 3A1RfDro0A4[5]
単純にJFKのように暗殺されるってことさ

にしても要約すれば「トランプの本心は言っている事と正反対だから成功する」って
トランプもアメリカ国民も馬鹿にして、かつ筆者もその事に気づいていない文章だな


  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 国際17掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
国際17掲示板  
次へ