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仮想通貨で一攫千金!でも利益の半分以上が税金に!?
http://diamond.jp/articles/-/158829
2018.2.11 高橋昌也:税理士 ダイヤモンド・オンライン
仮想通貨については「相場高騰により莫大な利益を獲得した」「実際に誰が儲けたのか国税庁が調査に乗り出した」そんな話題が続いていたところに、今度は流出騒動まで起こりました。2017年から起こったそのような仮想通貨に関する話題は、まだまだ収まりそうにもありません。今回は仮想通貨に関わる税務について確認してみましょう。(税理士 高橋昌也)
税法上、通貨に近いものとして認定された
2017年7月から、ビットコインをはじめとした仮想通貨の購入および譲渡について消費税が非課税になりました。それまでは「物やサービスの購入」と同じ取り扱いで、購入時点では消費税が課され、売却した時点でも課税売上とされていました。しかし、非課税となったことにより「株式や投資信託などの有価証券」と同じような取り扱いになりました。
これは、仮想通貨が現預金に限りなく近いものとして税務的に認定されたことを意味します。消費税が非課税となったことにより、2017年夏以降の相場急騰に繋がったという分析もあるようです。
所得税上は雑所得として認定される
個人が仮想通貨の売買により利益を得ている場合、原則的には雑所得というものに該当します。雑所得とは「給与、事業、不動産、譲渡などに該当しないその他の所得」です。イメージとしては、仮想通貨の売買による所得は税務上「副業的なもの」として取り扱われます。
この雑所得は、最終的には給与や事業、不動産といった他の所得と合算する総合課税という方式により課税が行われます。仮想通貨の売買による利益額だけでは税率が決まらず、給与や事業など他の所得がどれくらい出ているのかにより、税率が大きく異なります。仮に最高税率が課されると、所得税率は45%に達します。住民税の10%と合わせると、半分以上が税金です。
なお、仮想通貨の売買により利益ではなく損失が出ていた場合、損失は他の所得(給与や事業)と通算することができず、損失を翌年以降に繰り越すこともできません。
事業や不動産で損失が出た場合には、他の所得と通算ができます。また有価証券売買で損失が出た場合には、配当との通算や翌年以降への繰り越しも可能です。これらに比べると、雑所得での課税は色々と不利な点があることがわかります。
また、確定申告の義務判定にも留意が必要です。仮想通貨売買により年間20万円超の所得がある場合には、確定申告が必要となります。申告義務の有無はその他様々な状況も影響します(医療費控除や住宅ローン控除を受けたい場合など)ので、総合的な判断が必要です。
利益や損失はどの時点で認識される?
仮想通貨は、仮想通貨のままで保有をしているだけでは、利益(損失)は認識されません。いわゆる含み益の段階で課税はされません。利益(損失)が認識されるのは以下のようなタイミングです。
・仮想通貨を売却して法定通貨に戻したとき
これが一番わかりやすい事例です。日本円でビットコインを購入し、ビットコインの値段が上昇したので売却をして日本円に戻したら、ビットコイン売却の時点で利益が認識されます。
・仮想通貨を使用して商品やサービスを購入したとき
仮に1ビットコイン=100円の時点で、1ビットコインを購入していたとします。その後ビットコインの相場が上昇し、1ビットコイン=300円になったとしましょう。その1ビットコインを使って何か300円分の商品を購入した場合、その商品を購入した時点で200円分の利益が確定します。今後、決済手段として使用できる店舗が増えてきた場合には、このような形で利益が認識される事例も増えてくるでしょう。
・他の仮想通貨を購入したとき
最近では仮想通貨Aから仮想通貨Bへの買い替えもできるようになってきました。この場合、買い替えをした時点で利益が認識されます。FXでいうところの「米ドル・豪ドル建」の取引と似たような感覚ですね。最終的には日本円のレートに戻さなければならないので、計算が複雑になりそうです。
仮想通貨は、思わぬ形で利益が確定し、課税対象とならないように注意が必要です。また上述の通り、損失はその年限りで切り捨てられますので、いわゆる損切りをするタイミングについても検討すべきでしょう。
他にも仮想通貨の税務上の注意点はいろいろ
2017年12月に国税庁が公表した資料では、他にも以下のような状況について説明がされています。
・仮想通貨の分裂
仮想通貨が分裂をした時点では課税はされません。新たに取得した仮想通貨を売却した時点で利益が認識されます。なお、その際の取得費は0となります。
・所得分類について
自営業をしている人が日常的な決済手段として仮想通貨を利用している場合には、事業所得や不動産所得として認識されます。また仮想通貨の売買により生計を維持していると客観的に明らかな場合には、事業所得として認識されます。
・仮想通貨の証拠金取引について
FXなどとは異なり、申告分離課税ではなく総合課税の対象です。
・マイニングによる取得
仮想通貨独自の仕組みとしてマイニングがあります。マイニングにより仮想通貨を取得した場合には、
・収入:マイニングなどにより取得した仮想通貨の取得時点での時価
・経費:マイニングなどに要した費用(電気代など)
このように計算します。マイニングをしているような場合には、上で紹介したのとは別の形式での課税がされます。
ここまでの話は、あくまでも「取り扱い規定」レベルのものです。今後、税法の改正が進むなど状況に変化が生じる可能性も多々ありますので、随時チェックしていくことが重要です。
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