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アマゾンが「サザエさん」のスポンサーになる真の野望
http://diamond.jp/articles/-/159129
2018.2.9 鈴木貴博:百年コンサルティング代表 ダイヤモンド・オンライン
『サザエさん』の新スポンサーとして名前が上がるアマゾンは、『サザエさん』で何をアピールしたいのか。その真意を探る
スポンサーが変わると
磯野家のライフスタイルも変わる?
「買い物しようと街まで出・か・け・な・い。サイフを忘れてスマホで支払〜い!♪」
国民的アニメ『サザエさん』の次期スポンサーが決まったと、一部のメディアが報じた。フジテレビからの正式発表は3月になるということだが、新スポンサーの1社がアマゾンジャパン(Amazon.com)になるということで、こんな替え歌がネット上で流行している。
長年番組を提供してきた東芝はスポンサーから下りることが決まっており、報道によると今後は日産自動車がメインスポンサーになる。さらに新しいスポンサーとして前述のアマゾン、ベビー用品の通販で知られる西松屋、大和ハウス工業の3社が決まった。
これまで『サザエさん』には東芝の家電製品が頻繁に登場していた。だから新しいスポンサーに入れ替わると、『サザエさん』の登場人物たちのライフスタイルも変わるのではないかと言われている。
あくまで噂だが、メインスポンサーが日産になった以上、いよいよ磯野家にもマイカーが登場するという。マスオさんが免許を持っていることから、マイカーの導入にはそれほど問題はないだろう。家族の人数を考えると7人乗りの「セレナ」がちょうどいい。
とはいえ、サザエさんも運転するとなると、もう少し小型で取り回しのいい「ノート」や「マーチ」を2台目の車として購入するのがいいようにも思える。
ただそうなると、家は建て替えたほうがいいだろう。大和ハウスなら今の磯野家の敷地の広さで車庫2台分のスペースを取った、広々とした家が建つはずだ。本来は売れ筋の二世帯住宅でもよいのだが、物語設定の制約もあるだろうから、大きく広い注文住宅の一軒家が好ましいだろう。
大和ハウスの「セントラルヒーティング」のお陰で東芝のこたつや扇風機は不要になる。1年中快適な温度で生活できるから、冬は寒かったり夏は暑かったりといった風物詩的なストーリーも昔のものとなるだろう。
スポンサーが変わると
磯野家のライフスタイルも変わる?
キャラクターの出番が減りそうなのが、三河屋さんだ。買い物は主にアマゾンで済ませるから、近所の酒屋さんの出番はなくなる。代わりに西松屋で買ったベビー服を着せるために、イクラちゃんの出番が激増するだろう。
とまあ、あくまで噂の範疇で、実際はどこまで番組スタッフが新スポンサーを忖度するかはわからないが、スポンサーが変わることで作品に影響があるとしたら、こういう流れになるのではないかと世間では話題なのである。
さて、ここで1つ疑問がある。新しいスポンサーに加わったアマゾンジャパンだが、いったい同社は『サザエさん』の番組や放送枠のCMで何をアピールし、売ろうというのだろう。
というのは、コマーシャルというのはそれを知らない大衆に向けた広告宣伝である。いまさら「インターネット通販はアマゾンドットコムが便利です」でもないだろう。成長性が高いのはクラウドサービスの「AWS」(Amazon Web Service)だが、こちらは法人需要開拓がメインだから、CMに向いた商品でもない。
そう考えると、このタイミングで『サザエさん』のスポンサーになったアマゾンの戦略意図は絞られてくる。
今、アマゾンが大衆に向けて売りたい商品が2つある。1つは人工知能アレクサを搭載したスマートスピーカー「アマゾンエコー」(Amazon Echo)だ。
スマートスピーカーは、スマートフォンの次にやって来る未来の生活の中心となるデバイスだと言われている。アマゾンエコーは日本で先行発売されているグーグルホーム(Google Home)などと、今後熾烈な販売競争を展開することになると予想されている。今はまだ日本語のサービスは初歩的なものが中心だが、人工知能アレクサはこれから1〜2年で急速に賢くなると予想されている。
アレクサ!『笑点』が終わったら
フジテレビに替えておくれ
このアマゾンエコーを使うと、近未来ではサザエさんがうっかりすることがなくなるだろう。台所に置いてあるアマゾンエコーに「アレクサ!(アマゾンエコーは作動する際にかならずこう話しかける)、お魚と白菜としいたけで簡単につくれる料理のレシピを教えて」と言えば、おいしそうなメニューとつくり方を指示してくれる。
材料が足りなければ、冷蔵庫の前で買い足さなければいけない野菜の名前をアマゾンエコーに向かって話すと、自動で買い物リストもつくってくれる。通販でよければ、そのままインターネットスーパーに発注までしてくれるから、買い忘れもない。ちなみに、現在アメリカの消費者が一番重宝しているアマゾンエコーの機能はこれだ。
料理中でも「アレクサ!急に雨が降りそうになったら教えてね」と言っておけば、夕立が降る前に地域の天気予報を事前に教えてくれるようになる。「アレクサ!『笑点』が終わったら忘れずにチャンネルをフジテレビに替えてね」と言っておけば『サザエさん』を見逃すこともないだろう。
こんな風に、番組中にアマゾンエコーが登場することはまずないと思うが、CMではこのスマートスピーカーという真新しい商品は、大いに宣伝されることになるのではないだろうか。
もう1つ、アマゾンが今販売を伸ばしたいのが「アマゾンプライム」(Amazon Prime)だ。これは月額400円ないしは年間3900円で加入することができるアマゾンの上級顧客向けサービスだ。
このアマゾンプライム、登場当初は「お急ぎ便」「お届日時指定便」がいつでも使い放題というサービスがメインだったのだが、日本の場合、お急ぎ便にしなくてもアマゾンの荷物は早く届くので、当時はあまり加入する意味がなかった。
ところが現在は、むしろコンテンツ利用が無料という内容で、多くの会員がアマゾンプライムを選ぶようになってきている。具体的には「プライムリーディング」(Prime Reading)のサービスで、キンドルアンリミテッド(Kindle Unlimited)のタイトルの中から、新作を含む様々な電子書籍が無料で読み放題。つまり、本を買わなくてもよい生活が送れるようになる。
さらに100万曲以上の楽曲も聴き放題。音楽CDや有料ダウンロードなしでも1日中音楽を楽しむことができる。
「エコー」「プライム」は
サザエさんファンに刺さるのか?
そして近未来にアマゾンプライムの最大のキラーコンテンツになると予想されているのが、プライムビデオ(Prime Video)である。いわゆる有料動画配信サービスの1つなのだが、とにかく番組が充実している。
類似サービスには、WOWOWやスカパーのように旧来からある多チャンネルサービス、Netflix、Huluといったテレビ局の資本が入った動画配信サービス、AbemaTVのような新しいタイプの動画配信サービスがあり、それらと競合関係にある。
この分野は、最終的に加入者数で抜きん出た者が次世代テレビの覇権を握ると言われている。その意味では、フジテレビが後押しするNetflixよりも勢いがいいアマゾンプライムビデオが、フジテレビの有力コンテンツである『サザエさん』のCM枠で宣伝されるようになるとすれば、それはフジテレビにとってなかなか皮肉な展開である。
さて、アマゾンエコーとアマゾンプライム、どこまで売れることになるのか。4月から新スポンサーの提供になる『サザエさん』が、今から楽しみである。
(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)
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