http://www.asyura2.com/17/hasan125/msg/672.html
Tweet |
ビジネスホテルのサービスが過熱!朝・夕2食付きや10%還元も
http://diamond.jp/articles/-/157582
2018.1.30 松崎のり子:消費経済ジャーナリスト ダイヤモンド・オンライン
ビジネスホテルを利用する時、宿泊サイトで予約をすることが多いだろう。ところが最近では「公式サイトでの予約が最安値です」とうたう「べストレート宣言」をするホテルチェーンがほとんどのようだ(写真はイメージです)
宿泊の10%還元が当たり前?
ビジネスホテルの宿泊費事情
相変わらずインバウンド(特に訪日外国人旅行)需要は堅調だ。観光庁の発表によると、2017年の外国人延べ宿泊者数は前年同月比でどの月もほぼプラスとなっている。客室稼働率で見ると、シティホテル、ビジネスホテルはどちらも8割前後にのぼり(2017年11月の速報値。日本人宿泊者含む)、その人気ぶりは相変わらずのようだ。
一時、インバウンド需要のあおりを受けてビジネスホテルの宿泊料金が高騰し、出張族を直撃したが、今はどうなっているのだろうか。
筆者も地方に出向く際は観光目的であってもビジネスホテルを愛用している。季節要因はあるものの、「予約が全く取れない」という事態は収まったようだ。価格についても、さすがに都市部で一泊2万円、3万円というようなギョッとする数字は減ってきたと感じている。
総務省「小売物価統計調査(動向編)」の宿泊料調査の項目にある「一泊朝食付き洋室」の一人当たりの金額(全国平均)を見ると、平日のツインルームの場合、2014年が1万6139円、2015年が1万7237円、2016年が1万6572円、休前日の場合、2014年が1万8074円、2015年が1万9267円、2016年で1万8576円という結果だった。
これはビジネスホテルだけのデータではないが、上昇する一方というわけでもないように見える。さらに、今後は本格化する民泊への対抗もあるだろう。ビジネスホテル愛用者として、ホテルチェーンの取り組みをチェックしてみたい。
宿泊ポイントは10%還元で
囲い込みを狙う
ネットショッピングで大きく伸びているのは「旅行の分野だ」というが、筆者もいわゆる宿泊サイトでビジネスホテルの予約をすることが多い。しかし最近では「公式サイトでの予約が最安値です」とうたう「べストレート宣言」をするホテルチェーンがほとんど。主なところでは、アパ(APA)ホテル、コンフォートホテル、スーパーホテル、東横イン、ワシントンホテルなどだ。
加えて、独自のポイントシステムを導入し、高い還元率をアピールしている。大手宿泊サイトの場合のポイント還元率は通常で、じゃらんネット2%(Pontaポイント)、Yahoo!トラベル1%(Tポイント)、楽天トラベル1%(楽天スーパーポイント)だが、ビジネスホテルの独自ポイントはおおむね10%と、大手宿泊サイトの5〜10倍だ。
公式サイトからの予約なら10%還元をうたっているのが、アパホテル、ドーミーイン、リッチモンドホテルなど。さらに、独立系のホテル415軒(2018年1月23日現在)が参加する共通ポイントシステム「Aカード」も、宿泊料金100円(税別)ごとに10ポイント貯まる。通常料金で10%以上、割引料金(会員特別料金)で5%以上となっている。
一定のポイント数が貯まると、宿泊料の値引きに使えるだけでなく、キャッシュバックしてくれるチェーンもある。例えばアパホテルは、宿泊料金で5万円使えば5000円の現金還元、先のAカードなら、5500ポイント貯めると現金5000円、9750ポイント貯めると現金1万円、1万9000ポイント貯めると現金2万円が戻るという。ビジネスホテルの宿泊料金は安いに越したことがないのだが、Aカードで5500ポイント貯めるには1泊9500円の場合なら6回の宿泊が必要という計算になる(ポイントの有効期限は最終利用から1年半)。
スーパーホテルでは、期間限定で公式ホームページから予約した場合、1泊1室につきスタンプ1個をカードに捺印する「とくとくECO泊カード」を実施。スタンプ2個貯まると次回の宿泊時に1000円のキャッシュバック、あるいはスタンプ5個貯めて次回の宿泊時に3000円のキャッシュバックがある(2018年3月末までの期間)。
また、ロイヤルグループであるリッチモンドホテルは、10%還元で貯まった1000ポイントをロイヤルホスト等で使える500円分のロイヤルグループ商品券と交換できる。さらにクラブ会員証提示で、ロイヤル、ロイヤルホスト、天丼てんやなどでの飲食料金が10%割引となる。
特にキャッシュバック制度は、期間を設けていることもあり、お客の囲い込みにつながりやすい。最安宣言をして会員を集め、高還元率のポイントを付与し、リピーターになっていただくという戦略だ。
ただし、「最安」宣言には落とし穴もあり、あくまで「宿泊サイトと同日同条件の場合に限り」との但し書きがある。宿泊サイトのポイントアップや早割などのキャンペーンプランの場合、そちらのほうが安いケースもあるので、比較は必ず必要だ。
共通ポイントや
電子マネーで還元も
独自ポイントではなく共通ポイント戦略を取るチェーンもある。ホテルルートインでは宿泊料金100円(税抜)につきPontaが3ポイント貯まる。6500円の宿泊料で195ポイントだ。独自ポイントに比べて還元率は低くても、共通ポイントは汎用性が高い。一定のポイント数まで貯め続けないと使えないという縛りも少ない。
また、他のサービスで貯めたPontaを宿泊料金として使うこともできる。ドコモユーザーなら毎月の利用料に対し、dポイントが貯まっているはずだが、それをPontaへ交換(1回の交換につき、dポイントが5000ポイント必要)して宿泊料として使ってもいい。
ワシントンホテルでは「藤田観光グループ・メンバースカードWAON」を作れば、利用金額100円ごとに藤田観光ポイントが4ポイント貯まる。500ポイント以上でWAONポイントに交換することができ、さらにそれを電子マネーWAONにチャージできる。500ポイント貯めるには、1万2500円が必要になるが、2回宿泊すれば達成できそうだ(もちろんWAONでの支払いも可能)。
サンルートホテルも会員ポイントは100円(税抜)につき1ポイントだが、500ポイント貯まれば、電子マネー楽天Edy1000円分に交換できる。こちらは宿泊で5万円使えば1000円戻る計算になる。
どうしても汎用性の高い共通ポイントや電子マネーのほうが、宿泊代に対する還元率は低くなる。ホテルチェーンを固定できるなら、独自ポイントからのキャッシュバックを狙うほうが効率はむしろいいといえるだろう。
人手不足への対策が進む
ビジネスホテル
お金のことばかりではつまらないので、ビジネスホテルが向かう合理化についても触れてみたい。
先ごろは大浴場を備えるホテルが増えてきた。スーパーホテルやドーミーインなど天然温泉をアピールするところもある(すべての施設ではない)。
こうした設備は付加価値であるだけでなく、水道光熱費等の節約につながっているのではないかと考える。各部屋で風呂を使うよりもコスト減になるのではないだろうか。そのうち、大浴場に集約し、バスタブを排したビジネスホテルも登場するのではないかと考えたりもする。
さらに、バスルームのアメニティについても、各室に備えるのではなく、チェックイン時にフロントから宿泊客が必要な物を選ぶところも増えてきた。特に女性用のコスメキットの場合はその都度部屋に備えるのは手間がかかってしまう。必要かどうかを判断して客の意思で持っていってもらうようにすればルームメイキングの効率化が図れるし、ホテルから「自由に選んでいい」と言われると、客にお得感を感じさせる効果もある。
さらに「ここまで来たか!」と驚いたことがあった。なんと、施設内に朝食用レストランを備えていないビジネスホテルだ。考えてみれば、そのためのスタッフや厨房を確保するより、いっそ省いてしまえばそこにかかるコストは不要になる。そのホテルでは、朝食用に食事券を販売して、近隣の提携飲食店に誘導するシステムを取っていた。申し訳程度の食事内容なら、こっちのほうが潔い。
そもそもビュッフェスタイルの朝食は宿泊者数にかかわらず、一定量を用意する必要があるから、極端な場合、数名のために準備するというのもムダが出やすいだろう。ちなみにこのホテルでは、会計もすべてチェックイン機で利用者が行うシステム。お金の受け渡しに人を介さないことも合理化の一つだろう。設備を簡素化・集約し、人手をその分最低限に減らしていく。この先、こうしたスタイルのビジネスホテルがどんどん増え、価格競争の波を乗り越えて行こうとするのだろうか。
一泊朝食付きから
朝・夕二食付きの時代に変わるか?
合理化ばかりではなく、「おっ!」と思わせるサービスで楽しませてくれるホテルもある。
ドーミーインは、「夜鳴きそば」の無料サービスが人気だが、さらに平日限定で、夕食も無料でふるまっている(一部ホテルのみ、先着10食、30食など)。さらに、東海エリアを中心に展開しているABホテルでは、やはり一部ホテルに限り、日替わりで丼セットや定食のメニューを無料で出しているのだ。
無料ではないが、安い値段で本格的な味を楽しめるホテルもある。静岡県内に2ヵ所を展開するホテルnanvan(ナンバン)は、親会社がカツオ・マグロを扱う漁業会社ということもあり、天然マグロを使用した海鮮丼や握り寿司などを注文できる(予約制)。さらに、人気の海鮮丼付き宿泊プランまで(マグロを使った夕食や宿泊プランは焼津のみ)ある。マグロが一本当たる抽選や宿泊ポイントが貯まると、やはりカツオやマグロ加工品、あるいは無料宿泊券と交換できる。無料宿泊券もいいが、「マグロがもらえる!」と聞くと、ついそそられるではないか。
このように、食事コストを削るホテルもあれば、逆に充実させるホテルもある。無論、価格や立地、部屋の快適さに設備の充実ぶりは重要な宿泊動機だが、こうしたユニークさは利用客の記憶に残るものだ。大きな流れは省手間化・合理化に向かっていくのだろうが、どこかで「おもてなし」の心を感じさせてほしい。
(消費経済ジャーナリスト 松崎のり子)
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民125掲示板 次へ 前へ
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民125掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。