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580億円流出事件がきっかけに…仮想通貨「世界同時規制」の深刻度 ドイツとフランスが動き出して…(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/17/hasan125/msg/671.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 1 月 30 日 15:44:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


580億円流出事件がきっかけに…仮想通貨「世界同時規制」の深刻度 ドイツとフランスが動き出して…
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/54292
2018.01.30 町田 徹 経済ジャーナリスト 現代ビジネス


日本の仮想通貨規制は今後どうなるのか

「ビットコイン」価格の昨年末からの急落に加えて、先週26日には580億円分の仮想通貨「NEM(ネム)」の外部流出事件が発生――。新しい決済手段として、従来の法定通貨にはなかった利便性から注目を集める一方で、取引につきまとう仮想通貨のリスクの大きさが、あらためて浮き彫りになった。

海外に目を転じると、今年3月に予定されているG20(20か国・地域財務大臣・中央銀行総裁会議)で、フランスとドイツが仮想通貨の規制強化を共同提案する構えが見られ、国際的な議論が始まりそうな状況だ。実現すれば、日本でも仮想通貨取引をめぐる制度が大きく変わるだろう。

利用者保護やテロ資金作りに悪用されないための規制は不可欠で、世界の金融当局の対応は遅きに失した感がある。

しかし、その一方で、自由な経済活動は保障されるべきだし、依然として規制の網がかかることを嫌う取引業者や投資家が多いのもまた事実だ。いざ規制となれば、一段とボラティリティ(価格の変動性)が高まって、価格が乱高下する可能性も否定できない。

急膨張してきた仮想通貨市場で何が起きているのか、政策当局がどう介入してくるのか、ポイントを整理してみたい。

カネ余りの時代にありがちな儲け話

歴史はくり返す。

経済にカネ余りや過熱の兆候が出てくるたびにくり返されてきたのが、「濡れ手に粟」の儲け話と、それに翻弄された人々の悲・喜劇だ。筆者が新聞記者として経済ジャーナリスト人生を歩み始めた1984年ごろ、つまり本格的なバブル経済のスタートとなったあの時期も、巷には、そうした熱に浮かされたような話があふれていた。

いまよりもひどかったのは、金地金(いわゆる「金の延べ棒」)の取引を装ったペーパー商法の豊田商法事件、必ず儲かる株式を教えると謳った投資ジャーナル事件、住宅ローン債権などの裏づけがあるという触れ込みの抵当証券事件など、事業者を装う関係者に悪意があり、刑事事件化が相次いだことだろう。

最初の二つの事件は、1986年に投資顧問業法が制定される端緒になった。同法は、投資家(顧客)の資金を預かって有価証券で運用する事業者を対象とし、一定の審査などが必要な登録制度のもとで規制して、投資家が詐欺や詐欺まがい商法の被害者になることを防ごうとするものだ。のちに関係法規が改正され、現在は金融商品取引法に統合されている。

今回あらためて浮き彫りになったのは、二つのリスクである。

第一は、価格のボラティリティの大きさだ。仮想通貨の一種、ビットコインが象徴的な動きをくり広げた。昨年初頭から1年間で約20倍に急騰し、12月18日に1ビットコイン(BTC)=1万9000ドル超(約230万円)の高値をつけたあと、1月17日には1万ドルの大台を割り込み半値以下になったのだ。

第二は、仮想通貨の売買ができる取引所の管理体制だ。大手のコインチェック(東京・渋谷、資本金9200万円)が1月26日に発表した、利用者から預かっている仮想通貨NEMの外部流出問題は、投資家のみならず世間に大きな衝撃を与えた。

コインチェック社は「現在究明中」だらけ

26日深夜に開いた記者会見で、同社は不正なアクセスにより外部に送金されたことを明らかにした。しかし、同社が27日付で発表したプレスリリースには、「一部機能の停止について」としか記されておらず、文中の「事象・原因」という項目にも「当社にて保有しているNEMが不正に外部へ送金されたもの」「原因に関しては、現在究明中」とあるだけだ。

被害金額は流出時点の価格で約580億円。この金額は、ビットコインの消失が原因で2014年に経営破たんした当時世界最大の取引所「マウントゴックス」の消失額(約465億円)を上回り、過去最大だ。

コインチェックはその後(28日未明)2度目の記者会見を行い、被害者が約26万人にのぼること、同社での取引停止後に別の取引所で付いた安値に換算して、代金(総額約460億円)を返済する方針であることなどを明らかにした。

しかし、肝心の具体的な返還時期や手続き方法については「現在検討中」の段階だ。返金の原資は「自己資金」で賄うと説明したが、会社にいくらキャッシュが残っているかも明らかにしていない。また、顧客から預かった他の仮想通貨や現金の出金、取引の停止も続いており、再開のめどは立っていない。

新聞各紙は「みなし業者」を批判

コインチェックの問題は、早くも新聞各社の批判の的になっている。たとえば、28日付の朝日新聞デジタルは「仮想通貨流出、『みなし業者』容認が裏目に」という見出しの記事で、「仮想通貨の相場が急騰する中、取引所が業務を拡大し、資産管理が甘くなったことが背景にある」と断じ、「トラブルの波紋は大きく、国の規制のあり方も問われる」とした。

また、読売新聞(YOMIURI ONLINE)も、27日付の「『人材不足で』ネット遮断せず管理、流出標的に」という記事で、「同社は、NEMのデータについて、外部から遮断された状態ではなく、ネットでつながる状態で管理していたが、その理由について、26日夜に開いた記者会見で大塚雄介取締役は『技術的な難しさと人材不足』と説明した。仮想通貨取引所では、外部からの不正アクセスを防ぐため、外部ネットワークから遮断して管理するのが通例だ」と批判した。




こうした批判の根底にあるのは、「みなし業者」問題だ。

金融庁は昨年4月、前述のマウントゴックスの経営破綻を受けて資金決済法を改正。仮想通貨の売買を扱う取引所を対象に「登録制」という緩やかな規制を導入した。正式な登録業者は現在16社。ただし、過渡期の措置として法改正前に事業を開始していた企業については、登録審査中でも登録業者として扱う特例を設けた。

新聞各社は、こうした「みなし業者」としての営業継続を認めてきた措置は生ぬるいと批判しているのである。ちなみに現在、コインチェックのようなみなし業者は50社以上存在する。

金融庁はこうした批判に敏感で、27日までに国内すべての取引所運営会社の代表取締役宛てにシステムの再点検などを求める注意文書を送った。コインチェックに対しては、安全管理体制に問題があるとして、29日に改正資金決済法に基づく業務改善命令を出した。

今後、コインチェックの被害者への返金が円滑に進まなければ、批判は「みなし業者」問題にとどまらず、取引所について、参入規制の中では緩やかな枠組みの「登録制」を敷いたことや、利用者の取引口座の開設時に本人確認を義務づけたぐらいで、仮想通貨の発行者に対する厳しい規制措置がとられていないことに向くことになるだろう。金融庁は、より根本的な規制体系への移行を迫られる可能性がある。

ドイツとフランスの動きに注目

そうしたなかで注目されるのが、今年3月中旬にアルゼンチンで開かれるG20で、フランスとドイツが仮想通貨の規制強化案を共同提案する構えを見せていることだ。両国政府は、仮想通貨がマネーロンダリングに使われ、テロ資金の温床になるリスクがあり、これ以上放置できないという立場を採っている。

具体策は明らかにされていないが、仮想通貨を株式や国債のような「有価証券」と位置づけることを腹案としているのではないかという見方が根強い。

確かに、ビットコインの例を見ても、仮想通貨が単なる決済手段にとどまらず、投機や投資の対象になっていることや、企業が資金調達をする目的で独自の仮想通貨を発行する「イニシャル・コイン・オファリング(ICO)」が活発になりつつあることを勘案すれば、仮想通貨を「有価証券」と位置づけて規制する考え方には一定の説得力がある。

世界的な「規制強化」で起きること

日本は従来、仮想通貨に対して世界で一律の規制を敷くべきだとの姿勢を表明しており、世界的に「有価証券」として規制を強化する方向に舵が切られれば、それに同調して、新たに「金融商品取引法」の対象としても不思議はない。

そうなれば、規制はこれまでと比べ物にならないくらい厳しくなるだろう。ICOを行う企業には厳しい情報開示が義務づけられ、きちんとした会計監査を受けて「有価証券報告書」を開示することが必要になるだろう。

また、売買仲介業者も、いまの仮想通貨取引所のような緩やかな「登録制」ではなく、免許制で規制される銀行や、デリバティブの売買仲介業務や有価証券発行に関わる引き受け業務を行うために「認可制」となっている大手証券会社のように、厳格な金融庁検査の対象となるだろう。

イノベーションをいたずらに制約してはならないし、IT時代の到来とともに自然発生してきた仮想通貨に関して、金融当局からは規制の必要性を言い出しにくい状況があったのは事実だろう。とはいえ、利用者の保護やマネーロンダリングなどの悪用防止には、厳格な規制が必要であることは明らかだ。3月のG20で建設的な議論がなされれば、世界が一気に規制の方向に動く可能性はある。

ただ、そうなれば、人手不足で必要な対応ができていなかったコインチェックの例を持ち出すまでもなく、現在の仮想通貨取引所や「みなし業者」のなかに安定的にサービスを継続できなくなるところが出てきて、相場はもちろん、市場全体が一時的に大きく混乱する事態も予想される。

騒動明けの29日の取引は、1万ドル前半に値を戻して推移し、いまのところ事件の影響は限定的とみられている。インターネットから切り離して管理される他の仮想通貨は、今回流出事件を起こしたNEMとは別物と見られているためだ。とはいえ、今後の取引については、世界的な規制強化の流れに注意を払う必要があるだろう。



 

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コメント
 
1. 2018年1月31日 12:06:19 : V43vlmFfLI : YnHo4Tn3oU4[20]
>そうなれば、規制はこれまでと比べ物にならないくらい厳しくなるだろう。ICOを行う企業には厳しい情報開示が義務づけられ、きちんとした会計監査を受けて「有価証券報告書」を開示することが必要になるだろう。

 このことには、同意できない。もっと別のことを検討すべきであろう。
ICOが活発化したのは、創造的な企業創出にとって極めて手軽に資金や資材を集めることができる手法だからであろう。したがって、株と同じに投資する人は当然リスクを覚悟し、その内容に理解をもった人々になるものである。
 たまたま、これらのコインが急激に価格上昇を起こすのは、変な宣伝やそれに群がる情報利益者による解説等による、無理解な投機者増加によるものに過ぎない。
 コインが株と同様な利益配分を正しくしている内容か否かによって、評価する姿勢を高めるように、各メディアや公的機関は広報強化をすることが第一に求められるのではないか。それによって、社会に有用なサービスが本当に生まれて強化されることになろう。
 そうでなければ、競馬競輪オートレースなどを開催することも否定されるべきであろう。
 
 


2. 2018年1月31日 17:40:08 : mOrCuHi9R2 : 51GQTYphObw[18]
規制強化は当たり前だ。禁止する国も増えるだろう。
日本は対策が遅きに失した。
仮想通貨の利便性なんてどうでもいいことであって、結局は投資やマネロンの道具なだけ。
仮想通貨如きでバラ色の未来を思い描いている阿呆は、人間というものをナメている。

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