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アマゾンジャパンの社員はこんなふうに評価を下されている それはシビアで、しかし合理的だ
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/54175
2018.01.25 週刊現代 :現代ビジネス
ボーナスは株で
アマゾンジャパンの従業員には全員に「レベル」がつけられている。レベル1〜2が主に倉庫の現場で出入庫を担当するアルバイトや契約社員、レベル3〜6が正社員。
レベル7以上は役員級となる。社員の給料は年俸制で、レベルによってベースの金額が変わってくる。
アマゾンジャパンにはおよそ5000人の従業員がいるが、その離職率は他の外資系企業と比べても高いと言われている。
それはプレッシャーが一番の理由だと元社員はこう明かす。
「日本企業のようなボーナスはないのですが、代わりにレベル4以上になると、評価に応じて米国のアマゾン・ドット・コムの株が付与されます。
これが報奨金であり、その年間のパフォーマンスに応じて、少ない人は数株、多い人は何十〜何百株にもなります。株をどれくらいもらえるか、これが社員のモチベーションであり、プレッシャーになるんです」
アマゾンの株価は1株1000ドル以上の高値で推移しており、同じレベルの社員でも、付与される株数が違うと年収には大きな差がついてくる。
合い言葉は「倹約」
アマゾンジャパンは'95年に創業されたが、新卒採用を始めたのは'12年から。そのため社員のほとんどは各分野のプロフェッショナルとして中途採用された即戦力だ。英語力は不可欠。社員の2〜3割は外国人である。
「中途で入社すると、初日こそ研修がありますが、あとは現場に放り込まれます。そしていきなり1年単位、四半期単位で目に見える成果を求められて、年俸額と付与株ではっきりと評価されます。
しかも評価の方法も、上司だけでなく、同僚や部下からの査定も含めた360度評価なので気が抜けません」(前出・元社員)
アマゾンの職種は、商品の仕入れや物流をマネージメントするヘッドクォーター、商品の出入庫や検品を担当する現場の倉庫勤務、人事や法務、ファイナンスといったバックオフィスなど多岐にわたる。が、どの仕事でも「数字」で評価される。
なかでもアメリカ本社からのミッションは最優先。これを達成できなければ評価は急落する。
最も評価されるのは、「フルガリティ」(倹約)を達成したとき。この言葉がお題目だという。
たとえば商品に同封する伝票をA4サイズから小さなサイズに変更して、大幅なコスト削減を実現させた社員は一気に評価が上がったという。
常にチェック
アマゾンでは倉庫内の従業員一人が一定時間にどれだけピッキングできたかなど、さまざまな作業が数値化され、目標を超えているかどうかが常にチェックされている。
そのため社員は棚の高さを2p下げて在庫スペースを増やす、出口付近の棚の位置を変えて動線をスムーズにするなど、少しでも「数字」を良くするために苦闘している。
前出・元社員が言う。
「中途社員は2〜3年もったら良いほうだと言われています。辞める理由として、報奨金として提示される株が、実際にもらえるのが2年後ということがあります。だから株数が少ないと辞めるきっかけになりますね。
レベル7以上は他社からヘッドハンティングされた外国人がほとんどですし、何年かいると給料のピークが見えてきます。
また、低い評価が続けば、自然と居場所はなくなっていきますし、あえて無理なミッションがおりてきて、さらに査定が下がる場合もあるんですよ」
離職率は高くても、ネット上では常に中途採用の公募が行われ、代わりの人材には不自由しない。急成長のウラで、ドライな社風が見え隠れする。
「週刊現代」2018年1月27日号より
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