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Apple社の投資計画と日米の労働環境
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/53029093.html
2018年01月18日 在野のアナリスト
昨晩、Apple社が300億$の投資と、海外の滞留資金を米国内に還流するなどして5年間で3500億$の効果、と発表しました。トランプ減税の効果ともされますが、内情はやや異なるようです。バッテリー問題でミソをつけたAppleは、米国で巨額となる訴訟問題に直面します。しかもバッテリーを割安で販売、交換する施策もとるため、今後は動作がもっさり、バッテリーの持ちが悪くなった、といって買い替える消費者が減ります。これは訴訟による選挙対策、賠償費用の負担と、消費減のダブルパンチとなってAppleを襲います。
さらにAppleが従業員用に無料の送迎バスをだしていますが、それに石が投げられる、との報道もある。地元住民としてはAppleがくると家賃が上がる、などの弊害しかない。さらにここのところの不祥事も重なるのでしょう。つまり米国内で嫌われ者となりつつあるAppleにとって、米消費者への理解がすすむような施策を準備する必要があった。これも広告、宣伝費の位置づけなのでしょう。しかしAppleなど、勝ち組の企業、従業員へと向けられる厳しい目に対して、これが答えになるかは依然として不明です。
米国ではトランプ減税により、従業員への還元策を発表する企業も多いですが、結局それは米国内の人材不足を露呈するものです。トランプ政権では移民の規制や、不法移民二世を追いだす、といった施策が打たれるかもしれない。少しでも従業員を確保しておかないと、人手不足で事業がいきなり頓挫、といった事態を招きかねない。だから少し余裕のあるうち、我々の企業は従業員に優しい、というアピールに余念がないのです。
日本でも春闘が本格化しますが、経団連などは安倍政権の要請通り、企業に3%の賃上げを要請します。毎年同じ光景が繰り返され、現実にはボーナスを下げたり、実際の賃金が3%の賃上げを達成することはありません。しかし今回、企業も3%の賃上げに言及するところが出てくるなど、前向きな姿勢も見受けられます。ただしこれにも裏があり、来週始まる通常国会を、安倍政権は『働き方改革国会』と位置づけ、残業代ゼロ、高プロの導入、裁量労働制の拡大、などの法律を通すつもりです。つまり賃上げ3%を実施したとしても、残業代などが減れば企業としては固定費削減となり、リターンが大きいのです。
企業としては少しでも国内のムードをよくし、労働法制の改定を安倍政権にすすめさせ、後に実際の賃金の支払いを下げることを目的としている。つまり米国では人材確保のために企業は向いていて、日本では人材を疲弊させる方向に企業も政治も向いている。これが成長を維持できる国と、低成長にあえぐ国との違い、といえるのかもしれません。
しかも日本では賃上げがすすまないと、増税もセットで議論されるため、ますます国内経済が疲弊しかねない。日本の場合、3%の賃上げはマスト、でもそれほど春闘でもそうした動きが広がっていないのが現状です。日本は政治による誤った方向性と、企業の過度な自己防衛により、いつまで経っても低成長を脱することができないのでしょう。
今日の日経平均は朝方24000円をつけましたが、ほぼ寄り天で値を消しました。オプション市場で24000円のコールが増え、それを崩せば反対売買で利益がでる、そう見定めてここ数日、買い支えていた層が意外と落ち着いた動きだったため、ポジションを外さざるを得なかった、というのが実態でしょう。よく日本は国際的な景気敏感株、などといわれますが、それは国内経済がぼろぼろで、海外に依存した収益性を高めているために、そうなるのです。世界では仮想通貨への規制が議論され、価格が大きく値下がりし、日本の個人投資家にも大きな損失がでました。こうしたものも、政府の方向性が世界と逆行している、その一例なのでしょう。日本の労働市場も、政策によって滅茶苦茶にされつつあるなら、Appleのような企業が日本に現れることは絶対ない、と言いきれてしまうのでしょうね。
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