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はれのひ、不適切会計の疑い…売上も資本金も虚偽の数字を公表
http://biz-journal.jp/2018/01/post_22013.html
2018.01.16 構成=長井雄一朗/ライター Business Journal
成人式当日に営業しなかった、はれのひ八王子店(写真:日刊現代/アフロ)
成人式の当日に新成人に悲劇をもたらした「はれのひ」の問題点が次々と浮上している。
すでに従業員への給与未払いや着物メーカーへの支払い遅延が露呈しており、昨年閉鎖した店舗では、契約した客に対して「キャンセルはできない」と返金を拒否していたことも明らかになった。被害総額は2億円を超えるとみられており、詐欺罪での立件も現実味を帯びてきている。
東京商工リサーチ情報本部情報部の原田三寛部長は、はれのひについて「夜逃げ同然」と糾弾する。急拡大していたはれのひの何が問題だったのか。消費者が気をつけるべきポイントはどこか。原田氏に聞いた。
■売り上げ&資本金も噓だった、はれのひ
――はれのひの一連の騒動を、どう見ていますか。
原田三寛氏(以下、原田) はれのひの問題点は、偽りの数字を公表していたことです。ひとつめは資本金で、150万円なのに1000万円としていました。ふたつめは売り上げで、3億8000万円なのに4億8000万円としていました。それぞれ就職サイトなどで公表しています。
はれのひは急拡大を試みて失敗しました。店舗は横浜市、八王子市、福岡市、つくば市以外にも、かつては横須賀市と柏市にもありました。出店を加速させたことで、当然ながら費用と人員が必要になります。そこで、信頼を得て従業員の採用や顧客獲得を有利に進めようと偽りの数字を公表していたとみられており、この点は非常に悪質性が高いです。
また、はれのひは決算内容の修正も行っていました。ホームページでは順調な業績推移を装っていましたが、2016年9月期決算で1億5000万円の過年度決算の修正損を計上しており、営業利益は1億8000万円の赤字、最終利益も3億6000万円の赤字でした。最終赤字が膨らんだのは、過年度決算にかかわる修正損を1億5000万円計上したためです。
内訳は、売上高の過大計上に関する修正損が4000万円、商品在庫の過大計上に関する修正が9000万円などです。無理な店舗展開などで活発になった資金需要に対応するため、売上高や商品在庫の過大計上で不適切な会計処理を行っていた可能性があります。
つまり、過去の決算が不適切だったということです。資金調達のために関係者に提出する内容においても、同様に不適切だった可能性があります。
――はれのひは、業種分類上は何に該当しますか。
原田 日本標準産業分類に照らし合わせると、貸衣装業で呉服店ではありません。貸衣装業の特色は、商品となる着物などへの資金負担が大きいことです。そのため、資金繰りは金融機関からの借り入れに依存します。なかには代表者が会社に資金を貸しているケースもあります。バランスシートは資金が固定化し、負債比率も他業種より高くなっています。
一方、新興勢力のはれのひは拡大のために好立地での出店が必要です。すでに閉鎖されたホームページでは、「2020年までに100店舗を目指す、上場する、海外進出する」とうたっていました。急激な拡大には資金が必要で、そこに無理があったといえます。
■てるみくらぶとの共通点&違いとは
――今は、貸衣装業全体が厳しい状況なのでしょうか。
原田 業界全体が厳しいわけではありません。ただし、新興勢力が急拡大するのは難しい業界です。在庫管理や減価償却が適切に行われ、決算内容もしっかりしているような老舗業者は安心です。親の世代から地域に密着して着実に商売をしている会社とはれのひは分けて考えるべきです。一方で、新興勢力が身の丈以上に拡大を図ると、はれのひのように無理が出るわけです。
――はれのひのサービス内容については、どう見ていますか。
原田 レンタルプランは10万円からで、比較的良心的な価格設定です。業界の特徴として、たとえば姉が「はれのひは良かったよ」と妹に紹介すると、妹の世代にも評判が伝播していきます。しかし、多少安かったり店舗がきれいだったりホームページがしっかりしていたり、というだけで安心してはいけません。その裏では、経営が大変なことになっている可能性もあるからです。
――同業他社からは風評被害を懸念する声も出ています。
原田 まさに風評被害だと思います。また、被害者がこれだけ多い以上、同じような問題が起きないとも限りません。
前受金ビジネスという共通点から、はれのひをてるみくらぶと重ね合わせる見方もあります。ただし、てるみくらぶの場合は業界団体である日本旅行業協会(JATA)の弁済制度が整っていました。最終的に3.5%の弁済でしたが、旅行会社の場合は国土交通省の許認可が必要なため、弁済制度があります。しかし、貸衣装業の場合は国の許認可が不要なので、今回のようなケースの対応については業界としても検討する時期なのかもしれません。
――弁済制度もない現状で、被害に遭われた方や一般消費者はどうすればいいのでしょうか。
原田 悪質業者を見極めるのは難しいのが現実です。はれのひはホームページや就職サイトでも虚偽の数字を公表していたわけで、転職サイトのクチコミなどで実情を探るぐらいが限界だと思います。
代金の1〜2割を手付金として支払うのはいいと思います。しかし、過度な前払いは考えたほうがいいです。貸衣装業のなかには、1〜2年前から過度な前受金を求める会社もあります。消費者は「レンタル料金が1000〜2000円安い」という部分だけで判断するのではなく、そうした支払い条件もサービスのひとつと考えて判断すべきでしょう。
たとえば、片方は2年前から全額入金を求め、片方は手付金を支払えばあとは1週間前やサービス提供時に全額入金すればいい。どちらが安心できる業者かは、慎重に判断しなければなりません。
■高すぎる前受金の支払いには注意が必要
――てるみくらぶにしてもそうですが、はれのひは会社としての“引き際”がみっともないですね。
原田 最近は“引き際”の悪い倒産が目立っていると感じます。理由は経営者の資質としかいえませんが、はれのひのケースは夜逃げ同然です。成人式の当日である1月8日に事業停止したわけですが、なぜ9日ではなかったかを探る必要があります。もちろん、9日でも被害者は出ますが、ここまでの大騒ぎにはなっていなかったはずです。
また、前受金を本当に着物の発注に充てていたのかどうかについては疑っています。実際は金融機関への返済に充てられていた可能性もあるからです。そのため、そもそも8日に着物がなかった可能性があります。
――前受金ビジネスがすべて悪いわけではないですが、何が問題なのでしょうか。
原田 申し上げた通り、前払いの期間が長すぎること、ほぼ100%を前払いすることが問題です。ただし、前受金の規制をするのも簡単ではなく、預託金が必要になるため起業の意欲が低下するという問題も出てきます。
――一般消費者としては、目利きが必要になりますね。
原田 新興勢力はバックグラウンドがないので、まず事業の可能性を語ります。株式公開などの夢を提示するわけですが、「その夢に実現性はあるのか」という視点が必要になります。「この業界は急成長できるので可能性がある」と提示されたとしても、選ぶ側、入社する側、お金を貸す側が「この業者が言っていることは正しいのか」と選別する姿勢が必要です。
――選別する目は、どうすれば養えるのでしょうか。新卒者および一般消費者の立場からお願いします。
原田 新卒者については、就職活動の一環として大学のキャリアセンターも「業界分析をしなさい」と指導しています。そこで、大手の売り上げが1%しか伸びていないのに新興勢力が急成長していれば、「この数字はどうなんだろう」と疑うことも必要です。また、「この3年で従業員は2倍になりました。売り上げは1.2倍に伸びました」と書かれていれば、「利益は大丈夫か」という目を持つことが大切です。
一般消費者については、「高い買い物をする際は、なるべく前受金は支払わない」ということが大切です。旅行なども同様ですが、業者に対して「なぜ、この金額の前受金を支払う必要があるのですか。何か業法に則っているのですか」と遠慮なく質問すべきです。選ぶのは我々消費者であり、前受金を支払うかどうかは吟味すべきです。そもそも、2年前に100万円単位の前受金を支払うことは、2年間100万円を融資しているのと同じです。「2年前に100万円を入金しなければ契約はできません」と言われて支払う行為は、冷静に考えれば無防備です。
今の時代は個人が決済条件を吟味して、その会社の信用調査をしっかり行うべきです。一人ひとりが情報マンの感性を養うことができなければ、損をする時代です。
(構成=長井雄一朗/ライター)
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