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日銀のさくらレポート
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/53028969.html
2018年01月16日 在野のアナリスト
ビール消費が右肩下がり、といいます。規制が厳しくなり、安売りできなくなったのと同時に値上げするものもあり、また若者のビール離れの影響もある。ただ、今の子供たちに増えるご飯、おかず、と別々に食べるといった風潮は、ビールを飲みながらつまみ、という食習慣にはなじみ難いといえ、ますますビールに逆風といえます。
日銀の1月さくらレポート、上方修正した地域は東北が『緩やかな回復基調』から基調が抜け、北陸が『緩やかに拡大』から『拡大』へ、近畿は『緩やかに拡大』の前に『足取りを確かなものにしつつ』という文言が入りました。他は横ばいで下げたところがない。一見すると良好な結果ですが、今回は個人消費についてこだわって見てみると、『雇用者所得は改善』という判断がほとんどですが、個別のアンケートでは違う景色がみえます。
雇用、賃金に関するものはほとんどなく、家電エコポイントで買った家電の買い替え、初売りのついで買いが増えた、そしてインバウンド消費が目立つ。宿泊が増えた、というのもインバウンド消費の流れで外国人旅行客が安いホテルを占拠してしまうため、日本人の旅行客が高額のホテルに遷移している、と考えると分かり易いかもしれません。初売りも外国人が買い漁り、後で回収して転売する目的という。それだと、動員された人がついで買いをする機会が増えるでしょう。何しろ、動員された人はそこで何も買っていないことになり、せっかく来たのだから、とまさに『ついで』が発生するからです。
しかも、参照として添付されたデータに、賃金に関するものは一切ない。政府統計を参照しているのですから、賃金に関するデータもあるはずなのに、さくらレポートには入れていない。雇用が堅調、というのはデータからも示されますが、賃金に関して『改善』と指摘する根拠は何もない。にもかかわらず、一体どうやって判断したのか? 謎です。
しかも、最も気になるのが預金残高が2016年が8.1%の高い伸び。17年もこのままなら6%台は維持するでしょう。2015年までが3%台だったものが、ここ2年の上昇は明らかに個人向け国債の販売を止めてしまったから。金利が低く、手数料を除くとほとんど儲けがでない、という商品になってしまったため、銀行やゆうちょも国債を個人には売らなくなりました。結果、行き場のないお金が預貯金として溜まり始めています。いくら流動性を増やしても、預貯金が増えては効果も低くなる。そもそもは日銀の政策で預貯金が増える方向に誘導されているのですから、本末転倒といえます。
読売が一面で、『銀行員の転職』と報じました。低金利で収益性が低下、というばかりでなく、預貯金が増えても運用先がなく、低いといっても利子はつけなければいけないのですから、銀行としては預貯金が増えるのはマイナスです。しかも安倍政権が成果と誇ってきた倒産件数の増加も、昨年からじわりと上昇傾向にある。甘い融資が不良債権になる、ということを身をもって体験している日本の金融機関は、そこまで甘い融資をしているとは思えませんが、それでも倒産がじわり増えているのは危険信号です。
インバウンド消費とて、実は日本が円安、低インフレだから日本に行って買い物を、となっているのであって、安倍政権や日銀が目標とする物価目標2%が達成されたら、むしろ減るかもしれない。さくらレポート、まさに客を装って商品をよくみせようとする、『さくら』のレポートと言えそうです。国内向けに「回復、改善」を謳い、海外向けには低インフレと円安でインバウンド客をよびこむ。まさに日銀が『さくら』となって、多くを騙すためのレポートといえるでしょう。自動車販売も急ブレーキ、それはビール消費と同じように、日本で縮む消費の縮図といえるかもしれず、実態を表していると思えないこのレポートは、錯乱レポートという方が近いのかもしれませんね。
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