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日本の製造業は衰退したのか?――「技術力ではなくビジネスモデルの問題」と専門家
タグ:日本製造業
発信時間:2017-12-27 13:24:00 | チャイナネット |
大手企業の相次ぐ不祥事に揺れる日本の製造業。不祥事ばかりか、この2年ほどの間に中国企業による日本の大手メーカーの買収も相次いでいる。美的集団(マイディアグループ)による東芝白物家電事業の買収や鴻海(ホンハイ)精密工業によるシャープの買収、レノボによるNECパソコン事業の買収など、枚挙にいとまがない。こうしたことから日本のモノづくり神話は崩壊し、衰退に向かっていると考える向きも多い。では、日本の製造業は実際にはどうなっているのだろうか。
専門家は、日本の製造業は今なお世界トップレベルにあるとした上で、「欠けているのは技術力ではなく、あくまでビジネスモデルだ」と指摘する。
キヤノングローバル戦略研究所の研究主幹、瀬口清之氏は、「日本とドイツは世界の2大技術大国であり、これを凌ぐ技術力を有する国は存在しない。米国ですら日本と真っ向から勝負したら、製造業ではまず敵わないだろう」と語る。
日本の製造業による相次ぐ事業売却の背景には、経営のスリム化や事業転換を図る戦略がある。その最たる例が家電メーカーだ。パナソニックやソニー、日立製作所といった大手電機メーカーは「家電」の看板を外し、多角経営化に乗り出している。
ソニーはデジタル家電分野で培った独自技術を応用し、医療機器市場を開拓している。2011年に医療用診断機器の開発を手がける米国のベンチャー企業、マイクロニクス社を買収、これを機に次世代診断機器の開発と事業化に向けた取り組みを加速している。銀行や保険などの金融事業も大きく成長し、そこで稼ぐ利益は今や半導体、カメラ、映画といったソニーの得意とする既存事業を凌ぐまでになっている。
日立はビッグデータや人工知能(AI)、金融ソリューション、発電や発電制御システム、工業設備、鉄道システム、半導体製造装置、臨床検査用装置、ヘルスケア、高機能材料、建設機械、車載器など事業の多角化を図り、いずれの分野も成長している。
勿論、日本の製造業に問題がないというわけではない。日本の某シンクタンクのアナリストは匿名を条件に次のように語った。
「ここ数年でフィンテックが急速に脚光を浴びているが、中国はこの分野で日本の遥か先を行っている。決済サービスの支付宝(アリペイ)や微信支付(ウィーチャットペイ)をみてもわかるように、もともと中国発ではないこうした技術を如何に中国市場に合わせるかに腐心してきた。これに対し、日本の企業は技術力はあるのに、ビジネスモデルが上手く構築できていないため、せっかくの高い技術力が真価を発揮できていないのが現状だ」
「日本の製造業も同様の問題を抱えている。国内の消費者のニーズに応えることや質の高いサービスを提供することばかりに研究開発の重点を置き、海外市場のニーズや動向を捉えることを疎かにしてきた。このため高コスト体質となり、国際競争力の低下を招いた。日本の携帯電話などは、かつては世界をリードしていたが、日本人のニーズだけに合わせた海外では必要のないような機能もある。そのためコストが嵩み、発展途上国をはじめ海外市場に打って出ても競争力が発揮できなかったわけだが、これもビジネスモデルの問題といえる。日本の製造業は市場リサーチが足りず、市場のニーズにあまり敏感でないのではないか」
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年12月27日
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