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「爆買い」後も中国人の買い物熱は冷めていない
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/10823
2017年10月19日 JD.com京東日本 JD Worldwide(京東全球購) ビジネス開発ディレクター 郭季柔氏 中島恵 (ジャーナリスト) WEDGE Infinity
中国でアリババに次いで人気の高い巨大ショッピングサイト、JD.com(京東商城)。同社では海外70か国の商品を扱う越境EC(海外の商取引)、「京東全球購」が人気だが、2015年6月、日本商品を専門に扱う「日本館」がオープンした。「日本館」を担当する郭季柔氏に中国人の越境ECでの買い物の傾向などを聞いた。
――JD.com京東は急拡大していますね。
郭氏:JD.com京東は2004年に創業した中国企業ですが、2016年の総取引額は日本円に換算すると15兆8000億円と過去最高を記録しました。米国のフォーチュン誌が発表している収入ランキング『フォーチュン500』でも今年は261位(昨年は366位)と、中国企業として唯一、2年連続で選出されました。年間のアクティブユーザーは約2億6000万人。自社の物流システムもあり、大型倉庫だけで335か所、配送ステーションは約7000か所を所有、中国の99%の人口をカバーしています。オンラインとオフライン両方合わせると、中国最大の小売り業者といえます。海外商品を扱う「京東全球購」では約2万ブランド、1000万アイテムを扱っています。
JD.com京東の巨大な倉庫
――「日本館」ができたということは、日本の商品の需要が高まっているのでしょうか?
郭氏:そうですね。アメリカの次に人気があるのが日本の商品です。アメリカ、日本、次いでオーストラリアや韓国などの商品も中国人に人気があります。「日本館」で販売している商品はファッション、衣料、インテリア、雑貨、カー用品、家電、食品など多岐に渡っていますが、とくに売れているのは(1)ベビー、マタニティ用品、(2)日用雑貨、化粧品、(3)食品、健康食品です。中でも日本のベビー関連商品は、かわいいデザインや機能性、安心・安全という評判もあって、一人っ子が多い中国で大人気です。今後も、日本のベビー・マタニティ用品の需要は伸びていくと思います。
2015年から2016年にかけて、日本で「爆買い」ブームとなったときには、日本の商品の売上高は前年比3桁増の目覚ましい成長を遂げました。今年の弊社の創業記念日である6月18日(1〜18日までがスペシャルセール期間)には全体としても約2兆円の受注額を達成しました。
――「爆買い」の後の状況はいかがでしょうか?
郭氏:「爆買い」によって日本の商品のよさを初めて知り、その後、ご存じのように中国人の旅のスタイルは変化してきました。越境ECを通して日本の商品はすぐに手に入るようになりましたので、旅行では買い物以外の楽しみ方をする人が増えてきたと思います。越境ECのメリットを端的にいえば、海外に行かなくても、中国で販売されていない商品を好きなとき、好きな時間に買えること。旅行によりさまざまな商品の知識を得て、買い物への関心が高まっていますので、日本で「爆買い」をしなくても、買い物そのものへの熱が冷めたわけではないと思います。
弊社が行った調査では、越境ECでの購買動機は「品質保証ができている」(61%)、「コストパフォーマンスが高い」(59%)、「中国国内で買えない」(52%)、「そのブランドが好き」(46%)などがあります。また、商品については、「豊富で選択肢が多い」(43%)、「海外で購入経験があり、使い続けたい」(35%)という声があります。まず海外で購入して、越境ECでリピート買いをする人が増えてきましたので、越境ECもインバウンドの延長線上にあると思います。
中国政府は16年4月に越境ECに関する税制度改革を行いました。海外商品を国内で買う場合の関税は通常30〜50%かかりますが、越境ECの場合、2000元以下であれば、税金はほとんどの場合11.9%(1人年間2万元まで)です。この制度は当初、17年末までの予定でしたが、18年末までに延長されました。このように、海外の商品でありながら、税金の優遇があることも利用者にとって魅力的だと思います。
――配送にはどのくらい時間がかかるのでしょうか?
郭氏:日本からの直送と中国の保税倉庫からの配送の2つがあります。日本からの配送は3日〜1週間程度かかります。保税倉庫からの配送ですと最短で翌日、長くても3日程度で届きます。配送先は、自宅はもちろん、中国の場合、勤務先に送付するケースも少なくありません。配送ステーションでのピックアップや、指定の場所への配送もあります。
JD.com京東の配達員
――利用者の年齢層や利用状況を教えてください。
郭氏:多いのは北京、上海、広州などの沿海部や、内陸部の四川省で、利用者の60%が女性、20〜30代が中心です。特徴的なのは比較的学歴が高く、海外の情報やトレンドに敏感な女性が多いという点でしょう。利用者の80%はスマホを使って購入しています。弊社はテンセント社のウィーチャットと提携しており、ウィーチャットの中のアプリを介して購入している人も多いです。サイトを利用していくうちに、その人の好みに合った情報が次々と流れてくるような仕組みになっていますので、またリピートして購入する人が増えています。
――日本企業でも自社の商品を御社で扱ってほしい、という希望があると思います。
郭氏:はい。私たちも今まで以上に日本でよい商品を発掘したい、と思っており、本格的に日本市場での営業活動に乗り出しました。出店条件は一定ではありませんが、「日本館」のラインナップをもっと充実させていきたいと思っています。売れ筋は先ほどもお伝えしたように、ベビー関連や日用品、雑貨が中心ですが、最近は「無印良品」や「フランフラン」のようなシンプルで飽きのこないインテリア系の商品も人気があります。取り扱えない商品というのは、輸入規制のあるごく一部の商品(タバコ、1都9県の食料品など)を除いてほとんどありません。ワインも取り扱えるようになりました。
JD.com京東日本 JD Worldwide(京東全球購)ビジネス開発ディレクター 郭季柔氏
――日本企業からの問い合わせも増えてきているのでしょうか?
郭氏:はい、増えてきています。よく聞かれるのは「本当にこの(中国の)サイトで販売して、私たちの商品が売れるか、また、ブランドイメージを維持できるのか?」という質問です。日本企業の中にはまだ「JD.com京東」のことをよく知らない方もいると思いますので、その心配も理解できます。
弊社は、中国全体のEコマースの中で第2位という位置づけで、アリババとの差もどんどん縮まってきています。弊社としては、2021年に中国最大のECになるという予測を立てています。また、弊社はサイト上で、正規品であることを強調し、価格管理についても企業様側の意志を尊重しています。越境ECを始める際、日本企業では「中国語ができるスタッフがいない」などの問題で躊躇されることがあるかもしれませんが、中国語のサイトを制作する代行会社があり、日々の商品ページについても、弊社がともに課題を解決していくように努めています。もしご関心がありましたら、ぜひ一緒に取り組んでいけたらと思っています。
――今後も、日本の商品は越境ECで伸びていくと考えてよいでしょうか?
郭氏:はい、そう考えています。まだまだ日本の商品を中国で販売できるチャンスがあります。現在、弊社のサイトで売られている商品だけでなく、日本には私たちが知らないすばらしい商品が埋もれていると思います。そういう商品をもっと発掘して販売していきたいと思っています。
また、商品だけでなく、日本ならではのすばらしい技術や仕組みも、もっと取り入れていきたいと思っています。たとえば、弊社はクロネコヤマトと提携して生鮮野菜を配送するコールドチェーンを実施していますが、こうした仕組みもパワーアップしていきたいと思っています。今後も、商品の販売はもちろん、日本企業との幅広い分野での提携関係も強化していく予定です。
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