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子供の教育にお金をかける前に親が変えるべきもの (1)受験、塾の費用
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/10834
2017年10月19日 金子由紀子 (ライター) WEDGE Infinity
みなさん、こんにちは。私はシンプルライフの魅力と実践方法を発信する仕事をしています。日本の高度成長とオイルショックの中で成長し、青春時代にはバブル後期を過ごした私。大人たちが、モノとお金に翻弄されるのを目の当たりにし、自らも経験した世代です。そのなかで追求したのは、「少ないモノとお金で楽しく暮らすノウハウ」でした。そして今もまた、時代に即した新たなシンプライフを模索しています。
そんな私ですが、今や高校生と大学生の母親でもあります。子育てでいつか直面するのは受験です。受験には高額な費用が必要と言われていますが、わが家ではちょっとした発想の転換と少しの実行をもって、少ない費用で乗り越えてきました。今回は、シンプルライフの子育ての中で、実践し気づいた子供の受験と塾の考え方についてお伝えします。
■お金と学力は比例するのか?!
今や、東京を含む一都三県では7人に1人が中学受験をするといわれます。難関校向けの進学塾では年間100万円以上の費用がかかりますが、受験すればそこに受験料や入学金、私立に合格すれば毎年100万円程度の学費が必要になってきます。高度な私学の授業に伍していくためには、大学入学まで塾との縁は切れません。小4から高3まで塾に通い、私学に行かせたとして、高校卒業までにかかる費用は1500万円以上。家計を圧迫する塾と受験費用は、多くの家庭が頭を痛めるところです。わが子の将来のためなら惜しくないとはいえ、親世代の老後資金を取り崩しては、かえって子供に迷惑がかかるのでは…? また、それだけのコストをかけて、本当にそれに見合ったリターンが期待できるのか…?
文科省の調査によると、学校外教育支出(塾や習い事など)の額と学力は、おおむね正比例しています。それは世帯年収とも連動しているでしょう。本当にお金をかけないと子供の学力は上がらないのでしょうか!?
一方、同じ調査では、経済的支出とあまり関係のない「保護者の子供への接し方」もまた、子供の学力に影響を与えることがわかりました。
「博物館や美術館に子供をよく連れて行く」
「家に本(雑誌や漫画を除く)がたくさんある」
「子供が英語や外国文化に触れるように意識している」
という家庭で、子供の学力が上がるのは、何となく理解できます。
■親の行動が大きく影響する
ところが、「子供への接し方」とは別に、子供の学力と連動している「保護者自身の行動」があることも、同じ調査によってわかっています。興味深いのは、学力の高くない子供の保護者がよくする行動が、
「テレビのワイドショーやバラエティ番組を見る」
「カラオケに行く」
「女性週刊誌やスポーツ新聞を読む」
であることです。学力の高い子供が、何も言われなくても自主的に家庭学習をしているのに対し、そうでない子供の保護者は、毎日のように、
「勉強しなさい」
と言っているという結果も出ています。
わが家では、ライターである私の仕事柄、本だけは大量にあります。子供たちは、「大人は本を読むもの」と認識して育ったと思います。ピアノが趣味の夫は、暇さえあれば(中古で購入した)防音室にこもってピアノを弾いていますから、「大人は楽器を弾くもの」と認識していたかもしれません。そのためか今、子供たちは二人とも読書とピアノが大好きです。
また、我が家のレジャーもカラオケやショッピングよりも、博物館・美術館・図書館といった「館」のつく場所(コスパが良い)や、海や山などアウトドアだったためか、彼らのサークル・部活も、自転車部と山岳部です。
■親自身の変革が大切
もう一つ、学力の高くない子供の世帯の傾向として、
「土曜日も学校で授業をしてほしい」
と考えている保護者が多いこともわかっています。総じて、受け身で、自分から状況を変えようとする姿勢に乏しいように感じられます。
大学の淘汰が始まるという「2018年問題」が取り沙汰されているように、大学受験は「高偏差値・高倍率の人気大学とそれ以外」の二極化の様相を呈しています。かつてのように、「四年制大学にさえ入ればなんとかなる」という時代ではありません。かと言って、どんなにすぐれた教師や塾に巡り合ったとしても、親の考え方・姿勢が大学に依存的である限り、子供もまた、自らの将来に自覚的になることは困難です。
■塾の活用方法は子供の適性によって違う
どの子供に同じ教育を与えても、同じ結果が出るとは限りません。我が家の子供たちも、上の子は好奇心旺盛だけれどメンタル弱め、下の子はマイペースで自分の関心のあることだけを突き詰めるタイプです。二人とも中学で初めて塾に入りましたが、打たれ弱い上の子には個別指導の塾を週2〜3日、他人を気にしない下の子には厳しめの塾を週1日だけ。
上の子は高校では塾に行かなかったので、代わりに美術の短期留学をさせましたが、希望通りの大学に入学でき、楽しく過ごしています。下の子がサッカー漬けの中学時代にもかかわらず、志望校に入学できたのは、厳しい塾の指導のおかげだおかげもあると思っています。
親が子供の適性を見極めて判断することで、その子の適性に合わせたピンポイント的に塾を活用できたのがよかったかもしれません。
■真の評価が偏差値の数値になってはいけない
ますます進む少子高齢化、AIの出現によって消えていく職業、IT化と国際的な人材交流によって世界中どこでも働く可能性など、親世代の若い頃とは比較にならないドラスティックな変化が起きています。消えていく大学も少なくないでしょう。
未来におびえるあまり、例えば、学歴をお金で買うようなことができたとして、それにいつまで効力があるのでしょうか。
ましてや、親として子供の評価を数値で評価してはいけません。子供の真の評価はその子の個性であり、特性です。それを一番に理解しているのが親でなくてはなりません。
それよりも、家族と過ごす時間の中で、子供に何を伝えられるかを考えてみましょう。親の存在する最大の意味は、自分の思う通りに子供を育てることではなく、自分がいなくなった後も子供が幸せに生きていけるよう、子供と一緒に考えるところにあります。
模試でも定期試験でも、本番の受験であっても、我が家で常に言っていたことは、
「結果が良くても悪くても、一喜一憂するな。試験は、自分に足りないところを教えてくれるためにある。たまたま点が良かったり悪かったりしても、それはその時点だけのこと。結果は、これからの自分の努力目標を教えてくれるためのものだ」
それは、私たち自身の人生に対する考え方でもあります。
子供にとって、家族との時間は生きた授業そのもの。その中で、進学や専攻、ひいては職業にも気づきや目標が出来てくるものです。受験はその過程にある通過点にしかすぎないからです。
(企画・編集協力SAKU)
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