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老後資産の取り崩し方は、この「公式」で導き出せる 一体いくら取り崩しが可能かを導き出す(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/17/hasan123/msg/730.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 9 月 23 日 09:09:15: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


老後資産の取り崩し方は、この「公式」で導き出せる 一体いくら取り崩しが可能かを導き出す
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52967
2017.09.23 山崎 元 経済評論家  現代ビジネス


高齢者、当然の疑問

筆者は、仕事柄、個人が集まるお金の扱い方に関連する講演やセミナーに登壇する機会がある。

こうした場合、聞き手が、現在仕事を持ったいわゆる「現役」の世代で、将来の老後のお金について心配している場合もあるのだが、現在仕事で稼いでいるのではなく、年金の収入と自分の資産からの取り崩しで生活されている「リタイア後」の世代の方も少なくない。

こうした方から、(1)資産の取り崩し方、と(2)高齢期の資産運用についてご質問を受けることが時にある。これらのうち、資産運用に関しては、「基本は現役時代と同じです。ポートフォリオにまで歳を取らせる必要はありません」と説明しているのだが、資産の取り崩し方については、正直なところ、まとめて考える機会が少なかった。

「リタイア後」は、考えるべき期間が相対的に短い分、「現役世代」よりも将来を想定しやすい面があるが、さりとて、10年単位以上の将来の経済状態を正確に想定できる人は稀である。

当面取り崩して使っていい金額についてざっくりと考えることができて、資産運用の方法と一貫性のある方法論はないものか、しばし、考えてみた。

運用利回りはあてにしない

外国の著者が書いた運用の本などを読むと、資産の運用利回りが一定程度あることを想定して、例えば「資産額の4%」を取り崩して行くような方法が紹介される場合が多い。

株式と債券とを合わせてバランス運用して4%程度の期待リターンがあれば、収益と取り崩しとがバランスして、概ね資産を減らすことなく長期的に継続可能だというのが、その心だろう。

しかし、少し話が上手すぎるし、「期待リターン」が真に将来の期待値(「予想の平均」に過ぎない)なのだとすると、期待に達しないケースが半分はある訳で、個人の場合、失敗したら企業や政府が穴埋めしてくれる年金基金の運用のように計画を立てる訳には行かない。

現役世代の「必要貯蓄率(或いは「必要貯蓄額」)」を求めるために筆者とFPの岩城みずほ氏とで考案した「人生設計の基本公式」(例えば『人生にお金はいくら必要か』を参照されたい)では、賃金、資産額、生活費等が均等な率で上下する、つまり、資産運用はインフレ率並という前提で必要貯蓄率を求めて、資産運用の利益は「現実に稼いでから、保有資産額に反映する」方法が、保守的で無難であると考えた。

今回は、岩城氏の相談事例等を参考に、リタイア後の資産取り崩し方について、同様に考えてみた。

なお、断っておくが、筆者は、運用益をはじめからあてにするなと言いたいだけであって、運用でリスクを取るなと言っている訳ではない。

むしろ、許容可能なリスクを積極的に取って、より豊かな状態を目指すことが、年齢に関係無く好ましい事であり、高齢だけを理由にリスクを縮小する必要は無いと申し上げる。

また、運用商品の選択は基本的に現役世代と同じで良く、現役もリタイア後も、「より非効率的な運用でもいい」ということはないはずだ。基本的には、リスク資産で運用する金額を調整するだけでいい(世の中の運用商品の99%以上に用は無いはずだ)。

「老後設計の基本公式」

それでは、老後に取り崩していい金額(d:年額、万円単位)を求める計算式の試作品をご覧に入れよう。



求めようとしているd(単位万円、年当たり)は、資産から取り崩して、年金額にプラスして使っていい、一年当たりの取り崩し可能額であり、pは年間の年金額だ。年間の生活費はpにdを加えた、y=p+dが上限の目処となる。

Aは、原則として現在確実に保有していると考えられる資産額だ。来月確実に振り込まれる退職金のような確実な収入があれば加えていいし、家・土地や自動車のような資産を処分しようと思っている場合に確実に見込める保守的に見積もった売却額を加えてもいい。逆に大きな一時支出の予定があれば、その金額分差し引いて置こう。

pは、前述のように年金の受取額(年額)だ。後でご説明するが、公的年金は70歳から繰り下げ受給して、金額を増やすことをお勧めしている(65歳受給開始よりも42%増える)。

aは年金の受給開始までの期間だ。60歳で退職して、70歳から年金を受給開始しようとする場合10(年)ということになる。

wはリタイア後に働いて収入を得る場合の年収(万円)で、bは働く予定の年数だ。年金受給開始までのa年と同じだけ働くというような場合もあろうし、それ以上働く前提でも結構だ。老後の生活設計の根幹をなす数字の一つだ。家計を同じくする配偶者が働いて見込める稼ぎをw×bの形で見込んでもよい。

Hは設定の難しい数字だが、最晩年に確保しておきたい金融資産の額だ。(単位は万円)。例えば、最晩年の5年間を老人ホームに入ると考えた場合、入所一時間で1000万円掛かるとすると、この1000万円を含めておくべきだ。

また、遺産として家族に残したい金額、余裕として持っていたい金額などを合計して入力する。この数字は、多分、取り崩し可能額とのバランスを見ながら、何度か変更しながら、現実的な水準を求めることになるだろう。

nは、現時点から余裕を持って想定した寿命までの年数だ。例えば現在60歳の男性であれば、95歳程度までの寿命を想定しておきたい(平均寿命プラス1標準偏差くらいの長寿を想定している)。nは35(年)ということになる。

日本を含めて先進国の平均寿命は凡そ10年経過する毎に2年程度伸びている。自分が長寿である可能性を過小評価しない方がいい。

この計算方式では、最晩年に保有しておきたい金融資産額(H)をなるべく余裕を持って見積もることと、自分の寿命を平均よりも長めに設定しておくことで、「余裕」を確保しようとしている。

原則として、資産Aは適切だと自分が考える程度のリスクを取って運用することを想定している。例えば、運用が上手く行って資産額が増えたら、これは次の歳以降のdの計算にプラスに反映することになる。

前述のように、高齢者であってもある程度リスクを取った運用を行うことを推奨するが、運用の利益は、それが現実に生じてからその後の取り崩し可能額に反映させていくのがいいと筆者は考えている。

また、現実に資産を取り崩す額は、dと異なる場合があるだろう。従って、dの計算は原則として毎年行うことが好ましい。

なお、この計算は、「人生設計の基本公式」の場合と同様、資産運用がインフレ率並みに行われていることを想定している。資産を全額普通預金に置いているような場合、現在取り崩すお金を減らし気味にして、資産(A)の減りを遅らせて、将来使うお金に余裕を持たせるような心掛けが必要だろう。

こうした場合も、毎年計算し直すことで、今後自分が使える額を確認しながら生活するといい。


概念図(リタイア後に少し働き、その後に年金受給開始する場合。A’は翌年の資産額)

60歳リタイア、資産5000万円の場合

60歳でリタイアし、退職金を手にして資産が5000万円ある独身の元会社員の男性を想定してみる。

彼は、65歳で年金を受給開始すると年間200万円、70歳で年金受給を開始すると284万円受け取ることが出来るとしよう。全く働かないで残りの人生を乗り切ろうとした場合、毎年幾らで生活が出来るだろうか。

彼は、身体や場合によっては認知機能がままならなくなる最晩年にあたっては、介護施設に入所するつもりであり、そのための一時金として1千数百万円、余裕を見て2千万円くらいを持って最晩年を迎えたいと考えているとしよう。

彼は、今後働かない積もりなので、「w・b」の部分はゼロだ。A=5000(万円)、年金受給までの取り崩し「p・a」が65歳で受給開始する場合で200(=p、万円)×5(=a、年)で1000万円、70歳まで受給開始を延ばすと、284(=p、万円)×10(=a、年)は2840万円なので、取り崩し可能額は前者で57万1400円、後者で4万5700円となる。

それぞれ、老後の平均的な生活費を計算してみると、65歳年金受給開始のケースで57万1400円+200万円=257万1400円となり、70歳年金受給開始のケースでは4万5700円+284万円=288万5700円となって、95歳まで生きた場合という条件なら、後者が大幅に得だ。

加えて、公的年金の給付は終身貰えるので、より長生きした場合のリスクに対して後者の方が強いとも言える。後者の場合、今後10年の無年金時代は資産の取り崩しで過ごし、年金を受給し始めてからは年金に加えて資産の取り崩しで、毎月約24万円程度の生活が出来る計算だ。

彼は、向こう10年くらいは働くことが出来、毎年240万円程度稼げるので、少し働こうと考え直したとしよう。

先の計算式に当てはめると、d=73.14(万円)となり、毎年の生活費は357.14万円となり、毎月約30万円程度の生活が可能となる。

働いて毎年稼ぐお金(w)、働く期間(b)、最晩年に残したい金額(H)、そして毎年の生活費(d+p)の関係を調整して、ご自分に可能と思われる中で最適なバランスを見付けて欲しい。

そして、この計算を毎年行ってみて欲しい。金融資産(A)の運用で利益が出ると、この数字を大きくして計算し直すことが出来るし、前の例で年間357.14万円と計算された生活費よりも安く生活できた場合も、次の計算で年間取り崩し可能額(d)は、大きくなるはずだ。

もちろん、不測の支出があって金融資産(A)が縮むこともあるし、逆に遺産相続などで増えることもあるだろう。変化があったら、また計算し直すのが基本だ。

取り崩しの順序

これからリタイアメントを迎える方の多くは、公的年金に加えて、企業年金、確定拠出年金(企業型DCあるいはiDeCo)、NISA(少額投資非課税制度)などの公的制度による器に加え、証券口座、銀行預金など複数の口座に資産をお持ちだろう。

これらの中のどの口座にある金融資産から換金して取り崩して行くか、あるいは、口座間で資金を移動するかの順序づけが問題になる。

どのような順序で資産を動かしたらいいかの決定は、時々の税制を始めとする制度の変化の影響を受けるので流動的だが、現時点では、概ね次のようなことを考えるといいだろう。

厚生年金をはじめとする公的年金は、65歳からの受給開始ではなく、70歳受給開始に繰り下げるといい(受給額が42%増え、概ね82歳よりも長生きすると得になる)。公的年金は終身で受け取ることが出来るので、「長生きリスク」に対応出来る強力な手段だ。有効に活用したい。

60歳或いは65歳で退職する場合、70歳の年金受給開始までの期間を金融資産の取り崩しで凌ぐ必要がある。銀行預金、証券口座など、税制メリットの無い口座から資産全体のバランスを見ながら取り崩し、さらに確定拠出年金、NISAと取り崩すような順番が一般的には得になるだろう。

もちろん、証券口座、銀行預金などに、病気等の不測の事態に備えた予備の金融資産(株式や投資信託は直ぐに換金できるので、預金だけでなくともよい)を持つべきだ。

確定拠出年金は60歳を過ぎると受け取ることが出来る。退職所得控除の対象になるかどうか(退職金との兼ね合い)で、受け取り方が決まるが、資金全体に余裕がある場合は、運用益途中非課税での運用ができるメリットを活かすために、運用指図者として、運用を継続することを検討するといい(最長70歳まで可能)。

各種のNISAは、高齢でも利用できる。60歳以降も定期的な収入のある人は新たに「つみたてNISA」を始めてもいいだろう。

「取り崩し」というのは、必ずしも気分のいいものではない。また、老後の生活対策としても、何らかの形で働くことが好ましい場合が多い。

老後に関しては、なるべく長く元気で働くこと、そのための準備をしておくことが何と言っても重要なのだが、それと合わせて、上記の各点に留意して金融資産の扱い方を考えてみて欲しい。



 

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コメント
 
1. 2017年9月24日 15:22:51 : b7ozjzc3KQ : OAUuzMIKwrc[1]
誰かに聞くより自分の頭で考えるのがよろしかろう。

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