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東洋大准教授の小島貴子さん
50歳リセットで未来が! 「100歳人生」時代の生き方のコツ〈週刊朝日〉
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170728-00000035-sasahi-life
週刊朝日 2017年8月4日号
平均寿命は延び続け、今や男女ともに80歳を超える。人生100年が「当たり前」と思える時代も現実味を帯びてきた。「100歳人生」時代の生き方のコツを、東洋大学准教授でキャリアカウンセラーの小島貴子さんと一緒に考えた。
「100歳まで生きるとしたら、50歳はちょうど半分。50歳になったら、ずっとやりたいと思っていたけれど先延ばしにしていたことにあえて挑戦してほしい」
と小島さんは話す。50歳から新しく生まれ変わるつもりで自分の未来を考えることを提案する。
「就活のカリスマ」と呼ばれる小島さんはこのほど、『女50歳からの100歳人生の生き方』(さくら舎)を出版。小島さんは、学生の就職活動だけでなく、シニアの再就職も専門で、今の時代、男女ともに、人生の後半は自分で作りあげる意識を持つ必要性を痛感しているという。
「日本中が100歳という時代がくる。でも、世の中は悲観的ですよね。高齢化は、姥捨て社会を作ると思っているからです。この社会の歪んだ受け止め方を変えていきたい。そのためには一人ひとりの意識の改革が大事」
寿命が延びると、老後や余生が長くなると考えがちだが、自分のために使える時間ができたと発想を切り替えることからスタートだ。
例えば、小島さんの元に相談に訪れた男性は、55歳で大手製薬会社を退職し、隠居生活に入るところだった。小島さんが「やり残したことはないですか」と聞くと、18歳のときに税理士になりたかったことを思い出し、そこから勉強。67歳で開業したそうだ。小島さん自身、50歳を過ぎてから大学院で学び、修士号をとっている。
「50歳を過ぎたら、家族のためでも、会社のためでもなく、自分自身のために時間やお金をかける。それが社会のためにもなります」
60歳からでも70歳からでもいい。80歳、90歳になっても、人生100歳までと思えば、自分の夢を追い求めることは十分に可能だ。
夢をかなえるための学びは継続すること。続ければ、能力がつき、学んだことを自分の言葉で教えられるようになる。そのレベルまで達したら、稼ぎも後からついてくる。
そして、無駄遣いをすすめるわけではないが、稼いだら消費することも大事だ。
「活動的な人が増えていけば経済は動き、社会も変わります。お金はため込むのではなく、還元。そう考えましょう」
オシャレをしてシニアがさっそうと街を歩けば、それを見た若者も年を重ねることに前向きになれる。そうした世の中の意識の変化に消費の意味があるのだ。
とはいえ、年齢を重ねると、積み重ねてきた成功体験に縛られるようになる。また嫌なことを避ける「生き癖」が行動範囲を狭めがちだ。定年後の集まりに、かつての肩書を口にしてしまうような人もいる。
そんな生き癖を直すには「習慣をちょっと変えるだけでいい」(小島さん)。習慣を変えることは、後半の50年を生きるためのいわばストレッチ。特に思考の柔軟性に乏しい男性におすすめだという。毎日読んでいる新聞とは別の新聞に目を通す、駅まで歩くルートを変えてみるなど些細なことでもいい。そこから新しい情報が入ってきて刺激になるからだ。
それでも「若い人にはかなわない」「年とともにできることが少なくなっていく」と後ろ向きになってしまう人はどうしたらいいのだろうか。
小島さんが話してくれた、以前、高知県にあったカラオケ店が興味深い。昼間に学校をサボって来ていた中高生に、居合わせた70代の人が「なぜこんなところにいるのか」と注意した。ずっと注意することができなかったオーナーが、「シニア力」というものに改めて気づき、その後、店は高齢者ばかりを雇い、地元では、「シルバー」と呼ばれ親しまれたという。
このように仕事でも、若い世代とは違った「役割」があることに気づくべきだろう。
「年齢で決めつけないエイジレスのいい例だと思う」
そもそも、日本の「人口ピラミッド」の将来予測形の逆三角形(支える底辺が若年層)から労働人口が減ると決めるのは良くない、と小島さんは言う。
「若い人が大変、なのではなく上の世代を適材適所に振り分けられるような社会になればいい。総務省の2014年の調査によれば、55歳から75歳の未就労率は54%(1886万人)、女性は34%(1314万人)。この未就労者が今後の日本の労働力になるのです。また、内閣府の意識調査では、60代で83.3%、70代で49.9%、80代で37.3%が働きたいと言っています」
高齢世代を若い世代が支えるという発想ではなく、一緒に社会を作っていく。その先に健全な超高齢化社会があるはずだ。
さて、100歳人生時代は働き方だけでなく、年齢とともに人とのかかわり方も変化してしかるべきだ。
「まず、これまでの役割終了宣言をすること」
夫婦であれば役割分業を排除して、フラットなパートナーとして関係を構築しよう。もしも夫婦間で「パパ」や「ママ」と呼び合っていたのなら、50歳からはやめよう。また、成人した子どもに対し、親としての役目は終えた、とはっきり宣言してもいい。
家族だけに頼らず、人間関係を構築するのは人生のセーフティーネットでもある。50歳を過ぎれば、家族の病気や別れなど人生に「ある意味の欠損」が普通に起きてくる。それを受け入れて、前向きに生きることが大切なのだ。
「家族以外の人と交流し、緩くつながれる場所を多数持ちましょう。孤独であっても、孤立はしていない環境を自分自身で作ることが大事です」
加えて、小島さんがすすめるのは50歳から人生シナリオを書くこと。定期的に書き直すといいそうだ。
「50歳以上になるとアクシデントは避けられない。失うものや予期せぬ別れもある。それも含めて自分のシナリオを上書きしていくのです。欲しいものが手に入るかもしれないという前提で動くことが大切です」
実は、小島さんの夫はがんを再発して闘病中。それでも夫婦は前向きだ。シナリオを何度でも書き直すことで、不可抗力で思い描いていた線から脱線しても、軌道修正して人生を歩んでいく力が湧いてくるというのだ。
ただ、他人の物差しで人生の価値を測っては、自信をもって生きられない。
「50歳からもっとも大切なのは、自己理解。決して他人の人生と比較しないことです」
最後に、仕事も含めて、腹八分目に生きることを小島さんは提案する。
「おいしいものでもおなかいっぱい食べると胃もたれしちゃいますよね」
がむしゃらに進むのではなく、自分の心に忠実に、一日一日を前向きに生きる。そういう人が増えれば、100歳人生時代が来ても、社会は明るいだろう。
【充実した100歳人生を全うするための5箇条】(小島さんの話をもとに編集部で作成)
【1】やり残したことをやる
今まで先延ばしにしていたやりたいことはありませんか。いくつになっても挑戦はできるのです。
【2】新しい役割を見つける
妻・夫、母・父などこれまでの役割を手放して、新しい役割を見つけ、個性を生かしましょう。自分の価値を見つけましょう。
【3】緩いつながりを作る
家族以外のつながりを多く作ることはセーフティーネット。依存せずに自立しましょう。孤独を怖がらずに。
【4】考え方は引き算より足し算
自分にも他人にも減点評価していたら楽しくありません。「年だから」と考えずに、年をとったからこそ見える景色に気づきましょう。
【5】他人と比較しない
人生の定規は自分で作れます。他人を見るより自己理解を。50歳になったら自分自身を見つめましょう。
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