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日銀の「出口戦略」は実はもう始まっている(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/17/hasan122/msg/613.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 7 月 19 日 10:16:30: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


日銀の「出口戦略」は実はもう始まっている
http://diamond.jp/articles/-/135568
2017.7.19 宿輪純一:経済学博士・エコノミスト ダイヤモンド・オンライン


 先日、FRBの本部を訪問し議論していた時に、米国の一連の利上げについて、彼らが何回も強調していたのは「正常化」だということであった。決して「引締めではない」ということである。

 金融政策を司る中央銀行は基本的に常に「正常化」したいという強い意思を持っている。それは、経済(景気)は波であり、再度、経済が悪化した時に、金利を下げて刺激できる余地をつくらなければならないからだ。米国では昨年9月から完全雇用の状態にあるとFRBのイエレン議長が認定し、さらにトランプノミクスで一段と成長率が伸びた。

 その結果、リーマンショックから回復したと認識され、危機対応で実施していた量的緩和(低金利)を行う必要がなくなり、実際、昨年12月から政策金利を上げ始めている。欧州でも「正常化」は進行しつつある。すでに、ECB(欧州中央銀行)のドラキ総裁は、量的緩和の転換を示唆している。

 金融政策の手法(操作)には「金利」と「資金量」の2つがある。米国FRBは伝統的に「金利」を使う。欧州ECBは、世界最強の中央銀行と言われたブンデスバンクの伝統を引き継ぎ「資金量」をメインに取り扱う。

 日本銀行の場合は、いわゆるアベノミクスがスタートし、当初は「資金量」をメインに上げていたが、質的に“株”や“土地”も買い始めた(この連載で書いたように、その結果、市場機能を低下させている)。その後、マイナス金利を導入したが日本の銀行株が暴落したことが引き金となり、世界の金融市場が荒れたため、昨年9月から「短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入し、目標を「金利」に変更した。

 日銀にはFRBやECBのように、どちらを重視するかという明確な方針はない。現在、日本銀行は、当座預金にマイナス0.1%のマイナス金利とし、セットで10年物国債の利回り(長期金利)を0%程度(マイナス0.1%〜プラス0.1%)に誘導している。

 最近、米国と欧州に加え、英国、カナダ、豪州そしてスウェーデンの中央銀行までもがそろって利上げの方向性を示している(中銀間で密約を結んだとの話もある)。そのため、指標である先進国の10年物金利は上昇した。すでにカナダ銀行(中央銀行)に至っては、7年ぶりの利上げを実施した。

■日銀の国債買い入れは年50〜60兆円ペース

 日本銀行は、実は「出口戦略」を始めていると考えている。日本の財政赤字はこの10年約40兆円程度で、そのために約40兆円新発債を発行し、穴を埋めている。それに対し年間国債を80兆円も購入するため、国債の市場機能は停止した。最近、その日銀の買い入れペースを確認していたが、このままだと約50〜60兆円しか行かない。これは金利を重視した、国債購入ペースの低下に他ならない。つまり、出口戦略を開始していたと考えている。一方で日銀は最近も、80兆円の目標は下げないと明言しているところに無理がある。本件は、IMFも指摘している。

 しかし、海外の長期金利の上昇によって、日本の長期金利も連れ高となってしまい、上限の0.1%を突破しそうになった。それに対し、指し値オペ(金額無制限の介入)で対抗した。指し値オペは今年の2月にも行っている。この“無制限”という制度は、市場主義経済にとって果たして良いことだろうか。

 このような介入は市場機能をさらに低下させるのは間違いない。また、この無制限のオペレーションを実施したために、そして今後も行う可能性があるために、せっかく減らした国債買い入れ額をさらに増加させた。この状況が続けば、逆に80兆円を超える可能性すら否定できない。結果として、利上げを展望している先進国と金利を維持する日本との間で金利差が広がる。平常時には、為替レートに最も影響を与えるのが金利である(弊書『通貨経済学入門(第2版)』(日本経済新聞出版社)参照)。

■日銀が「踏ん張る」間に金融セクター改革は間に合うか

 このように日銀が大量に国債を購入する理由は国家財政のサポートであり、日銀だけの問題ではなく、日本経済全体の問題であることは明白だが、さらに金融セクターの問題があると考える。現在、銀行を始めとした金融セクターは森金融庁長官の指導(森ドクトリン)のもと、経営改革に取り組んでおり(『金融庁、地銀への「監督・検査姿勢大転換」の衝撃』参照)、多数の合併が進み、様々な新業務に取り組み、収益性の改善に取り組んでいる。銀行といった業態がなくなりそうな勢いである。

 それも、今後、金利が上昇した時の準備なのだろう。一般的に、金利が上昇すると、弱い銀行は経営が悪化する。特にイタリアが(世界最古の銀行である)大手行を国営化するなど、欧州全体で銀行の不良債権処理をしているのと状況は同じといえる。日銀が、金利が上がらないように“無制限”に踏ん張っているうちに、日本の金融セクターが経営改革を進められるかどうかといった「時間との勝負」なのではないか。

(経済学博士・エコノミスト 宿輪純一)


 

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コメント
 
1. 2017年7月19日 18:02:56 : vyZmekGwVM : Etmfh9@J2Io[5]
出口は次のトンネルの入り口だって話か、日銀のやってる金融緩和と称する政策は財政ファイナンスと株価の異常な維持に過ぎない。

2. ひでしゃん[1724] gtCCxYK1guGC8Q 2017年7月19日 20:30:56 : qI4NGCBYJE : 33Dcs5G6F4o[56]
黒田日銀は売国・傀儡の安倍晋三と共に退場
財政ファイナンス目的の出鱈目金融政策で中央銀行を投資銀行にした罪は重い
リスク資産で水膨れした日銀のバランスシートを見よ
日本国債暴落金利上昇も間もなくだろう
結局尻拭いは国民に

3. 2017年7月19日 21:19:44 : xKVqPko53g : elkR5AizQ5w[25]
着飾った デブに見えるぜ 日銀が

4. 2017年7月20日 13:03:42 : z0SQdjEyNM : pYIKdJH9r_s[41]
なんだかチェルノブイリの原発でやっていた実験を見ているみたい。

「あれ、おかしいなインフレになるはずなのに」
「もっと株と国債かってみ」
「買ってるんだけど全然インフレにならないおかしいなあ」
「もっと買ってみ」「おかしいなあ」

ドッカーン。


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