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投機家の「野性」が動かす仮想通貨にご用心 恐るべき「フラッシュ・クラッシュ」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52223
2017.07.11 真壁 昭夫 信州大学経済学部教授 現代ビジネス
■仮想通貨は投資に適さず
今、個人投資家の間で、ビットコインをはじめとする”仮想通貨”への注目が高まっている。仮想通貨とは、インターネット空間で取引される通貨をいう。一般的には、政府の規制を受けていない。それは、仮想通貨の価値が不安定であることの一つの理由と考えられる。
今年初以降、金融市場で価格変動性=ボラティリティの低下が続く中、値動きの荒っぽい仮想通貨市場に手を出す個人投資家は増えてきた。世界全体で株式や為替など金融市場の膠着感が高まる中、ダイナミックな仮想通貨の値動きに魅了される人は多かった。
だが仮想通貨には、無視できない重大なデメリットがある。
最大のデメリットは、円のような法定通貨と異なり、常にその価値が不安定な可能性があるということだ。価値が不安定であるために、ほしい人が売りたい人よりも多ければ価値は上昇する。その逆も然りであり、売りたい人が多いと価値は下落する。取引に関する規制も少なく、”投機”の対象となりやすい。
■リスクを回避するはずの投資家たちが……
一方、仮想通貨には便利な面もある。送金にかかるコストが低いことは重要だ。国内でもビットコインで食事や買い物ができる店舗が増えている。また、取引時の匿名性の保持をメリットと考える人もいるだろう。特に、新興国では自国通貨を仮想通貨に替え、その上でドルなどの先進国通貨に乗り換えようとする動きが増えている。それが、仮想通貨への需要を高めている。
足元の状況を総括すると、価値の不安定性が投機熱を高め、仮想通貨市場への注目が高まっている。ビットコインの対ドル交換レートは年初から3倍上昇した。これはバブルだ。相場の高騰に一抹の危なっかしさを覚える人も多いだろう。それでも、仮想通貨への熱狂は高まっているように見える。
伝統的な経済学の理論では、投資家はリスク回避的な存在であると考えられてきた。しかし、これは必ずしも適切とは言いづらい。”ミセス・ワタナベ”と呼ばれるほど、わが国の個人投資家は、外国為替相場で無視できない存在感を発揮している。株や債券などに比べて為替相場のリスクが高い傾向にあることを考えると、投資家の中にはリスクを好むものも相当数いるはずだ。
仮想通貨のダイナミックな動き、その普及期待などを理由に、老後の資金を仮想通貨で運用しようとする個人は増えているようだ。しかし、それは慎重に考えるべきだ。仮想通貨に関する投資家保護制度などは未整備である。4月から金融庁は取引業者の登録性を開始したが、それでも株式や債券の取引に比べると、コスト、法制度、価格決定の透明性など、不確定かつ不透明な要素が多い。
米証券取引委員会SECはビットコインの値動きに追随するETF上場投信の設定を認めていない。それは、ビットコインの価格形成の透明性が低く、マネー・ロンダリング(資金洗浄)などの目的で使用されることもあるからだ。また、イーサリアムの市場では、瞬時に価格が急落する”フラッシュ・クラッシュ”も起きた。
■投機家の”野性”が仮想通貨を動かす
仮想通貨を動かしているものは、投機家のアニマル・スピリッツだ。規制がない分だけ、投機の動きが行き過ぎる恐れがある。誰かが大口の売りを仕掛けた時、雪崩のように相場が崩れるリスクは相応にある。特に、足元の仮想通貨相場はかなり過熱している。各仮想通貨のフラッシュ・クラッシュが発生し、それが相場調整の転換点となる可能性は軽視しない方がよいだろう。
むしろ、注目すべきは仮想通貨を支えるIT技術だ。分散型のネットワークである”ブロックチェーン”を筆頭に、コストの削減やより短時間での情報処理を目指すネットワーク技術の開発が進んでいる。
それこそが、仮想通貨を支えている。仮想通貨に投資するよりも、こうした新しい技術を持つ企業に投資をした方がリスクは抑えられるかもしれない。それは、中長期的な社会の変化を考える重要なきっかけにもつながるだろう。
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