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バブル期超えた!景気拡大、私たちの実感が薄いのはなぜか? 今後はどうなる?
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170704-00010002-nikkeisty-bus_all
NIKKEI STYLE 7/4(火) 12:12配信
戦後3番目の好景気に(出所・内閣府)
――日本の景気は良くなっているのですか。
日本の景気が良くなっているという記事が目につくわ。経済統計などデータ上はそうなのかもしれないけれど、日々の生活の中で実感がないのは、なぜなんだろう。日本の景気の現状について富川由美子さん(64)と合川瑞穂さん(33)が藤井彰夫編集委員に話を聞いた。(ニッキィの大疑問)
「2012年12月から景気拡大が4年半続いており、その長さも1990年前後のバブル経済期を超え、戦後3番目になったことがニュースになりました。国内総生産(GDP)でみると、2017年1〜3月期は年率換算で1.0%増と5四半期連続でプラス成長です。働きたい人1人に対し企業から何人分の求人があるかを示す有効求人倍率は4月は1.48倍となり、これもバブル期を超え、43年ぶりの高水準になりました。小売り、飲食、物流、建設業などで人手不足感が強まっています」
「さらに企業の17年3月期決算で過去最高益の企業が相次いでいます。日経平均株価は、6月2日に約1年9カ月ぶりに2万円台を回復しました。このようにマクロの経済指標は良くなる傾向をはっきりと示しています」
政府や経済界が働きかけても、消費者の反応は鈍い
――景気が良くなっている理由は何ですか。
「世界経済の改善が日本経済にも好影響を与えています。米国は08年のリーマン・ショック後の金融危機から立ち直り、09年7月から長期の景気拡大が続いています。一時、心配された中国経済は政府の財政支出もあって足元は良くなっています。欧州も持ち直しています」
「日本からアジア向けの半導体製造装置や電子部品、自動車部品などの輸出が増えています。日本企業は海外での企業買収にも積極的です」
――でも、日々の生活のなかで実感はありません。
「戦後3番目に長い好景気とはいえ、年平均で1%台と非常に緩やかな成長です。これも景気回復の実感がわかない一因でしょう」
「ただそれ以上に大きいのは、賃金の伸びが鈍いことです。企業の利益の高い伸びに比べると、賃上げには勢いはありません。企業が、手元資金を将来の稼ぎにつながる投資や配当など株主への還元に回しているのが一因です」
「安倍晋三政権は個人消費を喚起するため、大企業に賃上げを求めました。要請を受け大企業は賃上げに動きました。中小企業にも賃上げの動きが出ているほか、パート・アルバイトの時給も上がっています。ただ、バブル期のように皆が好景気を実感できるほど収入は増えていません。一方で社会保険料などの負担が増え、自由に使える可処分所得の伸びが鈍いことも消費者心理に影響しています」
「株や土地が値上がりするなか、今は資産を持つ人とそうでない人との景気実感に差が出ています。都市と地方でも景気に温度差があります」
――今後の見通しはどうでしょうか。
「世界経済が失速しなければ、日本も当面は穏やかな回復を続けることができるでしょう。人手不足のなか、賃金は上がりそうなので、その分が消費に回れば、企業の売り上げも増え、さらに賃金が上がるという好循環が生まれます」
「ただ、少子高齢化に伴って、年金や医療・介護費用など将来への不安から、現役世代が消費を抑えて貯蓄にお金を回すという話をよく耳にします。将来の不安を取り除くには、日本の成長力を引き上げるとともに、財政を健全化することが重要になってきます」
「今後、人口が減っていくなかで、成長力を高めるには労働生産性を向上させる必要があります。カギを握るのが第4次産業革命です。人工知能(AI)や、あらゆるモノがネットにつながるIoT、ロボットなどを柱とする第4次産業革命は世界的に注目を集めており、政府が推進に力を入れているほか、日本企業も関連投資を増やしています。この波にうまく乗って日本の成長力が高まれば、個人の収入も国の税収も増えます。皆が多少なりとも明るい未来を描けるようになれば、今より景気回復を実感できるようになるでしょう」
■ちょっとウンチク 広がるコト消費 阻む「見える化」
実感なき景気回復の背景には、人々のライフスタイルの変化もあるのではないか。戦後の高度成長期やバブル経済期と違って、最近は給料日やボーナス支給日に、職場の仲間でそろって飲みに出かけることは減っているのではないか。景気が回復しても会社がバブル期のように接待費・交際費を大きく増やしているという話も聞かない。
高度成長期の3C(カラーテレビ、クーラー、自動車)のようなモノの購買欲も小さくなっている。車は買わずにライドシェア、モノは買わずにイベントなどコト消費。繁華街でタクシーがつかまらなかったバブル期のように好景気が「見える風景」としてなかなか出てこない。景気回復の「見える化」も課題だ。
(編集委員 藤井彰夫)
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