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『定年男子 定年女子 45歳から始める「金持ち老後」入門!』(大江英樹 井戸美枝/日経BP社)
「定年退職後3000万円の貯蓄がないと老後破産」は、ウソ? ホント? “定年男子・定年女子”が説く、老後に困らず暮らす方法
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170522-00376336-davinci-life
ダ・ヴィンチニュース 5/22(月) 6:30配信
最近よく目にする「下流老人」という言葉。「一億総○○社会」という言葉もよく目にする。ネガティブな言葉が多く並び、それに関するニュースや記事を読むと余計ネガティブな気持ちになる。しかし同時に「ここに書かれていることは本当だろうか?」という疑問もわいてくる。確かに老後は非常に不安だが、定年退職後に3000万円の貯蓄がないと本当に老後破産するのだろうか。
『定年男子 定年女子 45歳から始める「金持ち老後」入門!』(大江英樹 井戸美枝/日経BP社)には、経済コラムニストで定年男子の大江英樹氏(65歳)と年金通の社会保険労務士で定年女子の井戸美枝氏(58歳)が説く、老後破産せずに暮らしていく方法が書かれている。本書の内容をほんの少しだけ紹介したい。
大江氏によると、「定年退職時に貯蓄が3000万円ないと老後破産」は、老後どのような暮らしをするかによって、ウソにもホントにもなるそうだ。
老後のお金の「入」と「出」を把握
生活保険文化センターによれば、ゆとりある老後生活のために夫婦が必要な生活費は月35万円だそうだ。夫婦2人とも65歳から90歳まで25年間生きるとして、合計で1億500万円。「いやいやマジか」とめまいのする数字だが、全ての夫婦が毎月35万円を必要としているわけではない。毎月の生活費が25万円で済むならば、合計で7500万円。20万円なら6000万円で足りる。老後の生活費がいくらかかるかによって数字は大きく変わる。つまり老後の生活費を突き止めることができれば、漠然とした老後の不安を拭うことができるのだ。
そこで大江氏がオススメしているのが、退職の2年前から退職後の1年間、計3年間の家計簿をつけること。これにより夫婦の支出を確認し、老後に必要な生活費を突き止めることができる。ちなみに大江夫妻の生活費は、現役時代の34万円から退職後には22万円と、約4割減ったそうだ。
次に老後に入ってくるお金、公的年金を考える。現役時代の1ヶ月の平均給与額が36万円の会社員で、妻が専業主婦という夫婦の場合、65歳から90歳まで受け取る公的年金の合計は約6750万円。会社員はこれに加えて退職金が入る。うーん…案外なんとかなりそうな数字だ。ちょっぴり希望が見えてきた。
これらより重要なのは、「収入」ではなく「収支」にメドをつけること。「入」と「出」を予測することで、どれだけお金が足りないかをはじき出し、貯蓄などの対策が立てられる。今から老後破産にならない対策を立てられるわけだ。
ちなみに本書では非常に簡単な毎月の生活費の出し方も紹介されている。
step.1 一年間の収入を出す
手取り月収×12ヶ月+手取り賞与=1年間の収入
step.2 年収から大きな支出・貯蓄分を引く
1年間の収入−(1年分のローンの総額+1年間の大きな買い物
+1年間の貯蓄額)=1年間の生活費
step.3 「1年間の生活費」を12で割って1ヶ月分の平均を出す
1年間の生活費÷12ヶ月=1ヶ月の生活費
本書ではこの他にも、年金を賢くもらうコツ、医療と介護にかかるお金など、老後に備えて今のうちに知りたいことが紹介されている。ちなみに井戸氏によると、これから先、年金を受け取り始める時期が遅くなったり、年金額が減ったりするだろうが、年金がゼロになることはまずないそうだ。「ねんきん定期便」で自分の受取額がいくらかを確認することが大事。また、女性の一生には介護が3度あり、医療+介護でひとり800万円あれば、まあまあのサービスを受けながら息を引き取れるのではないか、とも述べている。
若いうちは「なんとかなるだろう」と将来を楽観視できる元気があるが、年を重ねるとそんな余裕もなくなってしまう。余裕があるうちに備えておくのが得策だろう。そのためには、備えるための「知識」を得ることだ。ぜひ本書を読んで、将来の「定年男子」「定年女子」になった自分を考えてみてほしい。
文=いのうえゆきひろ
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