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【第6回】 2017年4月13日 ザカリー・カラベル , 北川知子
貿易統計は「サービス」を測定できていない
前回の記事で、アメリカの対中貿易赤字は存在しない可能性があると示唆したザカリー・カラベル氏。その理由は、GDPや貿易統計が現代を正しく反映していないからだという。新刊『経済指標のウソ』第8章から一部を特別に公開する。
国際金融取引は
貿易統計から漏れている
(画像はイメージです)
サービスは財の取引に比べると測定が困難だが、20世紀初頭までは小さな要素だった。しかし1980年代に入ると、サービスが世界貿易、特に金融サービスのかつてなかったほど大きな部分を占めるようになっていた。
サービスの取引とは何を意味するのか。たとえばアメリカの銀行のロンドン支店があるとしよう。ゴールドマン・サックスだと考えてもらってもいい。
ゴールドマン・サックスのロンドン支店は、西アフリカに工場を建設したいと考えている某スイス企業のためにローンを組む。この取引は、「クロスボーダーファイナンス」の一例だ。
国境を越えた金融活動は、この数十年で、世界の経済活動の無視できない一部になっている。ところが従来の貿易統計では測定されることはなく、統計的には存在しない。
旅行業は、金融を上回る「サービス輸出」だ。ロンドンっ子がアトランタに行くためにデルタ航空のチケットを買うたび、旅行業の輸出とみなされる。アメリカ企業による非居住者へのサービス提供だからだ。
中国人の団体旅行客がサンフランシスコ観光のためにバスをチャーターしたり、マンハッタンのホテルに団体予約を入れたりすれば、アメリカから中国への「サービス輸出」として計算される。逆に、アメリカ人の団体旅行客がアンコールワットやマチュピチュを訪れた場合には輸入になる。
教育は、アメリカにとってもう1つ重要な「サービス輸出」だ。サウジアラビアの学生がアメリカの大学に入学したり、中国人の大学院生がカリフォルニア工科大学でPh.D.を取得したりすれば、教育の輸出とされる。
知的財産もサービスの一種であり、輸出されたり輸入されたりする。チャイナ・モバイルがサンディエゴに本社を置くクアルコムから携帯電話技術のライセンスを得れば、統計的には、アメリカからこのサービスが輸入されたと言える。
しかし、対中貿易赤字を示すアメリカの公式統計に含まれるのは財だけであって、サービスは含まれない。国勢調査局によって毎月発表される数字は財だけを追跡し、経済分析局が追跡するサービス貿易は盛り込まれていない。
アメリカは、中国に対しても、世界全体に対しても、財に関してはかなりの赤字である一方、サービスは黒字であるため、これは問題だ。2011年には、サービス輸出が輸入に比べて2000億ドル超過だった。
とはいえ、さまざまな検討が行われながらも、サービスをあらわす数字の入手は困難であり、統計数字の編纂に関わった者は誰でも、国際活動のかなりの部分が測定から漏れていると気づいていた。
経済分析局が、たとえば旅行サービス業をどのように測定しているかを知れば、ますますややこしくなるだろう。実際のところ、特定の中国人団体旅行客がサンフランシスコでいくら使ったかを示す信頼できるデータは存在しない。
そのため経済分析局は、外国人旅行者数に平均支出額をかけて、外国人旅行者によるアメリカでの支出額を推計していた。平均支出額は、旅行者やツアーグループに対する空港での調査に基づくものであり、正確さには疑問が残る。
「一国一単位」という
時代錯誤の前提
あるモノがどこで作られたのか、付加価値のどれだけをどの国に割り当てることができるのか。こういった判断はますます困難になっている。
そもそも貿易統計は、一国を一単位とする単純な前提に基づいている。この単位は、閉じたシステムだ。
外国製品が入ってきて(輸入)、国内製品が出て行く(輸出)という出入りはあっても、国民経済は、貿易の影響を受ける閉じた回路として扱われている。
これは、現代にどこまで当てはまるのだろう。確かにたいていの人は、生まれた国で育ち、成長し、死んでいく。昨今のように旅行や貿易が拡大していても、ほとんどの人が生まれた場所の近くで暮らす。
しかし、物理的にどこかの場所に根を下ろすとしても、人間が営む経済活動は違う。
これは、経済生活が、旅行や教育、オンラインなどのサービスによって定義されるようになっているためだけではない。財でさえ、1つの地域には簡単に割り当てられなくなっているからだ。
貿易統計は、ほかのほとんどの指標にもまして、世界の変化に追いつけなくなっている。端的に言えば、私たちは現実には存在しない世界に基づいて決断を下しているのだ。
紛れもない一例は、米中貿易均衡である。数字がある程度正確だとしたら、現実に不均衡が存在することになる。
しかし、数字は正確ではない。貿易統計が、製品がどのように作られるかをもっと正確に測定できるなら、中国とのあいだに貿易赤字が存在しなくなる可能性もあるのだ。
どの国が成長していて、どの国が停滞しているのか、それぞれの国の強みと弱みはどこにあるのか。誰もが統計に答えを求めるが、肝心の統計そのものはほとんどの場合間違っているのだ。
原因は、財の原産地を判断する方法、サービスという明確な形のない世界を測定する方法が十分に進化していないところにある。といっても、統計を編纂する人々や、担当機関の限界によるものではない。
統計数字の編纂に責任を持つ者はみな、この問題を認識している。統計担当機関は政府の官僚機構の一部であり、人手も予算も無限ではないため、動くスピードにも作業量にも限界がある。一方、世界経済の進化には限界がない。
http://diamond.jp/articles/-/124691
2017年4月13日 週刊ダイヤモンド編集部
経済学史に残る「驚きの三大バトル」を振り返る
週刊ダイヤモンド2015年9月26日号特集「やっとわかった! 経済学」より
経済現象の真理解明に生涯をささげた大経済学者たち。時に先陣争いを繰り広げ、また論敵との激論に臨み、経済学史にその名を残した。本当にあった驚きのバトルを振り返ろう。(週刊ダイヤモンド2015年9月26日号特集「やっとわかった! 経済学」より。)
マルサスVSリカード
自由貿易か保護貿易か
小麦の輸入で大激論
?「経済学の父」アダム・スミス以降の英国古典派経済学者といえば、トマス・マルサス(1766〜1834年)とデヴィッド・リカード(1772〜1823年)が代表的な存在だ。
?マルサスは『人口論』(1798年)で現在でもよく知られている。ケンブリッジ大学で数学などを学び、卒業して5年後に教職に就いた。1805年以降は東インド会社に付属する官僚養成学校で経済学教授を務める。
?一方、リカードは14歳から20歳まで証券仲買人(証券会社)だった父の下で働き、21歳で結婚。独立した後、証券業界で頭角を現した人物だ。金融ビジネスの現場にいたから、当初マルサスとリカードはまるで違う人生を歩んでいた。
?しかし、スミスの『国富論』を読んで経済学に目覚めたリカードが1809年に論壇でデビューし、民間の経済学者として世に出ると2人は生涯の論敵となる。
?最も有名な論戦が、「穀物法論争」だ。1815年にナポレオン戦争が終わると、1806年にフランス皇帝ナポレオンが英国を経済的に孤立させようと敷いた大陸封鎖令が解除された。これにより、英国に大陸から穀物が輸入されることになる。
?そこで英国議会は穀物法を施行し、輸入を制限することにしたのだが、この法律の是非をめぐって論戦を繰り広げたのだ。
?フランスの大陸封鎖令は英国にとって保護貿易の手段ともなっていた。しかし輸入が再開されて安い小麦が国内市場に入れば、小麦価格が下落してしまう。それを恐れた地主貴族が小麦輸入の制限を訴え、穀物法を通した。
?ところが産業革命で力を付けていた産業資本家は施行された穀物法に反対し、その廃止を訴えた。食費が上がるのはかなわない、というわけだ。
?マルサスは地主貴族の立場に立つ。産業資本家が作った生産物を購入するのは地主、労働者と農民。小麦価格が下落すれば地主らの所得が減るから、産業資本家の商品の需要も減ると主張した。また、食糧安全保障上も国内生産を維持する必要があるという。
?反論するリカードは産業資本家側に立った。食費が上昇したら資本家は労働者の賃金を上げざるを得なくなる。資本家の利潤が減ったら、産業革命のための資本蓄積が進まなくなる、と主張した。1817年には『経済学および課税の原理』を出版し、貿易国がそれぞれ相対的に得意な物の生産に特化して交易すれば、双方とも豊かになるという比較優位説を展開してもいる。
?つまり、マルサスは保護貿易を、リカードは自由貿易を訴えたのだ。
?リカードが早世するまで論戦は続いた。ただし、2人は論敵であると同時に親友にもなっていた。そこには、学者としては幸福なライバル関係があったといえる。
Illustration by Akira Nakayama
ワルラスVSジェヴォンズVSメンガー
誰が最初の提唱者?
限界革命の手柄の行方
?経済学に革命を起こし、新古典派経済学のトビラを開いたとして教科書に載っている人物は3人である。レオン・ワルラス(1834〜1910年)、ウィリアム・ジェヴォンズ(1835〜82年)、カール・メンガー(1840〜1921年)だ。
?この3人、母国も活動拠点もバラバラだった。ワルラスはフランス人でスイスのローザンヌ大学教授、ジェヴォンズは英国人で後のマンチェスター大学教授、メンガーはオーストリア人で後のウィーン大学教授である。にもかかわらず、3人がほぼ同時期の1870年代前半に、同じ限界効用理論(限界効用逓減の法則)を世に問うたのだ。
?詳しくは「戦後日本55年の政策を経済学三大思想でスッキリ読み解く」に譲るが、「物やサービスの価値を決めるのは人間の満足度だ」とする理論で、それまでの経済学の前提をひっくり返した歴史的な発見である。科学理論でよくあるような、「最初の提唱者は誰か」をめぐる“優先権争い”はなかったのだろうか。
?ワルラスの著書『社会的富の数学的理論』(1877年)にはジェヴォンズとの往復書簡が収められており、当時の様子が少し分かる。外国語版に、ワルラスからジェヴォンズへの書簡に付された注釈があり、ここに優先権についてワルラスが次のように書いていた。
?「ジェヴォンズ氏と私は、関数あるいは曲線による効用の実現と、交換によって獲得される極大効用の条件が、元プロシャ王室の行政官補ヘルマン・ハインリッヒ・ゴッセンによる『人間の交易の法則とそれから導かれる人間行為の基準の発展』(1854年)と題された著作において、ひじょうに明示的に供与されていることを認識した」──。
?なんと、ドイツ(プロイセン)のゴッセンが20年前の1854年に同じ論旨で出版していたとはっきり書いている。しかも、「ジェヴォンズ氏と私(ワルラス)は」それを「認識」したとも。つまり優先権はゴッセンにあったわけだ。
?ところが、優先権の該当者はもう1人いた。フランスのジュール・デュピュイである。やはり限界効用理論に近い論文をゴッセンのさらに10年前、1844年に発表していた。
?デュピュイについてはジェヴォンズが『経済学の理論』(1871年)第2版(1879年)の序文にこう書いている。
?「斬新はもはや私の理論の主たる特徴に数え得ないことが明らかとなった。(優先権の)多くはデュピュイに属し、残りの大部分は、ゴッセンに与えられなければならない」。そして「遺憾」だが、本書が読まれれば「容易に満足の中に呑み込まれるであろう」と結んでいる。
?ただ、メンガーについては、ワルラスもジェヴォンズもまったく触れていない。
?メンガーの『国民経済学原理』(1871年)を読むと、他の2人、いや4人とは大きな違いがある。メンガーは数学をまったく使っていないのだ。一点だけ、食欲と喫煙欲、それぞれの満足度が次第に減ることを示した表を載せているが、あくまでも数式やグラフではなく表である。
?『国民経済学原理』を出版したころ、メンガーは政府系の新聞記者で、まだ大学には所属していなかった。そのため、大学教授だったワルラスとジェヴォンズの目には触れにくかったはずだ。ドイツ語の書物だったことも不利だっただろう。
Illustration by Akira Nakayama
?ゴッセンの著書もドイツ語だったが、数学で記述しているので20年後に発見できたのかもしれない。何しろ、メンガー以外の4人は「数学オタク」という共通項でつながっていたのだ。
?後年、ワルラスはローザンヌ学派、ジェヴォンズの系譜からはケンブリッジ学派、メンガーはウィーン学派を成し、優れた学者を輩出した。デュピュイは土木技術官僚、ゴッセンは行政官だったので弟子はいない。現在の知名度に大きな差があるのは、そのためでもある。
ケインズVSハイエク
政府介入は是か非か
大経済学者が大げんか
Illustration by Akira Nakayama
?J.M.ケインズ(1883〜1946年)流の財政・金融政策で効果を出すには、「ハーヴェイロードの前提」という大きな条件が必要である。名付け親はケインズの弟子のロイ・ハロッドだ。
?ハーヴェイロードはロンドンの上流知識人が多く住む街だ。つまり、裁量的な財政・金融政策は、民間の一般人より賢明で合理的な判断ができるエリートが行うことが前提条件だというのだ。
?こうしたケインズ経済学に対して激しく論争を仕掛け、長年にわたって反論を続けたのがF.V.ハイエク(1899〜1992年)である。
?ハイエクは急進的な自由主義、つまり完全自由主義者(リバタリアン)である。三つの経済思想(図参照)でいえば、右側の新古典派・新自由主義からさらに右へ突き出た存在だった。
?ウィーンの貴族出身で、第1次世界大戦の兵役後、母校ウィーン大学講師を経て1931年にロンドン・スクール・オブ・エコノミックス教授となり、約20年間勤務する。この間にケインズとの論争が続いた。三つの経済思想の真ん中に位置するリベラルのケインズと、右に振り切れたリバタリアンのハイエクでは激突するばかりで、ほとんど大げんかである。
『これならわかるよ!経済思想史』
坪井賢一?著
(ダイヤモンド社?1600円)
2人の論争はハイエクの著書『ケインズとケンブリッジに対抗して』にまとめられている。
?ハイエクのケインズに対する論点ははっきりしていた。ハイエクは基本的に、合理的ではない人間が合理的に経済を計画することはできないという。経済は自生的に形成される秩序であると語り、公益のために中央政府が介入し、統制する集産主義を批判した。
?ハイエクは長命で、ケインズ没後の1950年にシカゴ大学教授、62年以降はドイツ、オーストリアの大学に勤務し、74年にノーベル経済学賞を受賞。92年に92歳で天寿を全うしている。
【参考文献】中村廣治『リカードウ評伝』(昭和堂、2009)、菱山泉『リカード』(日本経済新聞社、1979)、ジェヴォンズ『経済学の理論』(小泉信 三他訳、日本経済評論社、1981)、ワルラス『社会的富の数学的理論』(柏崎利之輔訳、日本経済評論社、1984)、メンガー『国民経済学原理』(安井 琢磨、八木紀一郎訳、日本経済評論社、1999)、ハイエク『ケインズとケンブリッジに対抗して』(小峯敦、下平裕之訳、春秋社、2012)、西野武彦 『ケインズと株式投資』(日本経済新聞出版社、2015)、フィッシャー『価値と価格の理論の数学的研究』(久武雅夫訳、日本経済評論社、1981)、 L・R・クライン『ケインズ革命』(篠原三代平他訳、有斐閣、1965)、シュンペーター『理論経済学の本質と主要内容』(上下巻、安井琢磨他訳、岩波文 庫、1983〜84)、伊東光晴、根井雅弘『シュンペーター』(岩波新書、1993)、塩野谷祐一『シュンペーター的思考』(東洋経済新報社、 1995)、ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』(野矢茂樹訳、岩波文庫、2003)、藤本隆志『ウィトゲンシュタイン』(講談社、1981)
http://diamond.jp/articles/-/109379
日銀のETF売却は不要、経済活性へ永遠に持て−S&PダウCEO
佐野七緒、Min Jeong Lee
2017年4月13日 00:00 JST
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• 国内ETF市場はおよそ22兆円、3分の2を日銀が保有
• 出口戦略論議は尚早、株価形成もゆがめていない−黒田総裁
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日本銀行はETFを売る必要はないーー。米国の指数算出会社であるS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスのアレックス・マトゥーリ最高経営責任者(CEO)は、市場で取り沙汰され始めた異次元緩和の出口論を一蹴した。日本経済の一層の回復には、中央銀行による刺激策の持続が不可避とみるためだ。
マトゥーリCEOはブルームバーグのインタビューで、「日銀はETFを清算しなくても良いし、永遠に持ち続けられる。株式は永遠に続く」と発言。日銀による指数連動型上場投資信託(ETF)の買い入れは、「経済を活性化するために行っており、経済に資金を投じる必要がある」との認識を示した。
日銀は昨年7月の金融政策決定会合で、2013年の黒田東彦総裁就任以来の量的・質的金融緩和策を強化、ETFの買い入れ額を年間約3兆3000億円から約6兆円に増額した。直近の1回当たりETF購入額は725億円(設備・人材支援ETFを除く従来枠)となっている。ブルームバーグ・インテリジェンスによると、日銀は純資産ベースで現在22兆円あまりの国内ETF市場のうち、3分の2を保有している。
黒田日銀総裁
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
日銀のETF買いはおおむね株価の下落時に入り、相場の下支え役を果たすケースが多い。一方、東証1部の1日当たり平均売買代金が15年の2兆5482億円をピークに16年は2兆2994億円、17年(11日現在)は2兆2346億円と伸び悩む中、日銀の影響力拡大が流動性や価格形成をゆがめるとの懸念も浮上、株安時の日銀のバランスシート悪化リスクは従来に比べ格段に高まった。
野村証券はことし1月、問題視すべきは日銀の過度なリスクテークで、含み損の可能性が疑われれば、日銀に対する信頼感は低下し、金融政策運営上の自由度も大きく損なわれると指摘。4月会合でETF買い入れ額を1兆ー1.5兆円減額すると予想した。ただその後、米国の経済政策に対する期待感の後退や中東、極東の地政学リスクなどを材料に為替は5円ほど円高に振れ、TOPIXは5%弱下がっている。
ブルームバーグの調べでは、日銀はETF購入を通じ既に主要企業の間接的な大株主となっており、現状の買い入れペースなら17年末に日経平均株価を構成する225銘柄中、55銘柄で筆頭株主になる可能性がある。この点についてマトゥーリ氏は、「ETFを購入することで議決権とも分けられている」と指摘した。
日銀がETF購入を続ける背景にあるのは、2%の物価安定目標の存在だ。黒田総裁は4日の衆院財務金融委員会で、ETF購入は目標の早期達成に必要とし、出口戦略の議論は時期尚早で、株式相場の価格形成をゆがめていないと発言。同日公表された企業短期経済観測調査(短観、3月調査)の企業の物価見通しは、1年後が0.7%上昇、5年後が1.1%上昇にとどまる。
英運用会社のアーカス・インベストメントの共同設立者で、日本株ストラテジストの草分けであるピーター・タスカ氏もマトゥーリ氏と同様、日銀の異次元緩和策に「出口が必要だとは思わない」との立場だ。「株式を売ることについて出口を急ぐ必要はない。2%目標から遠く、やめる必要はない」と話している。
トランプ米大統領:ドルは強過ぎる−中国の為替操作国認定は見送りへ
Andrew Mayeda
2017年4月13日 06:06 JST
• WSJとのインタビューで語る−発言を受け、ドルは下落
• ドル高は「人々が私を信頼しているため」であり、私にも責任
トランプ米大統領は中国を為替操作国に認定しないことを明らかにし、選挙公約の目玉の一つを後退させた。その一方で、強いドルが米企業の競争力を損ねているとも指摘した。
トランプ大統領は12日の米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)のインタビューで、中国は「為替操作国ではない」と語り、中国が人民元安誘導を目的とした介入を最近行っていないことを認めるような発言をした。
トランプ氏は昨年の選挙期間中、中国が貿易で優位に立つため為替を操作していると主張し、大統領に当選すれば就任初日に中国を為替操作国に認定すると公約していた。
トランプ氏はWSJのインタビューで、ドルが経済への痛手になるほど強くなり過ぎていると指摘するとともに、他国が自国通貨を「切り下げている」と発言。これを受け、ドルは下落し、米10年国債利回りは低下した。
トランプ氏は「ドルは強くなり過ぎていると思う。これはある程度私のせいでもある。人々が私を信頼しているためだ。しかしはこれは痛手となっている。最終的に痛手となる」と指摘。「ドルが強く、他国が自国通貨を切り下げている状況で競争するのは極めて難しい」と語った。
トランプ大統領はさらに、イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長の再指名の可能性に含みを持たせるとともに、「低金利政策」が望ましいと発言した。
米財務省はトランプ政権発足後では初の外国為替報告書を今月中に公表する見込み。
原題:Trump Says China Not FX Manipulator, Sees Dollar Too Strong (2)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-04-12/OO4WA76JTSE801
トランプ米大統領、イエレンFRB議長再指名の可能性残す−WSJ紙
Christopher Condon
2017年4月13日 06:29 JST
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イエレン氏を「好感」、低金利政策が「好ましい」
イエレン氏の任期に関する話は極めて尚早だ
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トランプ米大統領は就任後初めて、来年2月に任期切れを迎えるイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長を再指名する可能性を残していることを示唆した。
米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)との12日のインタビューに応じたトランプ大統領は、イエレン氏を「好感し、尊敬している」と述べた上で、「極めて尚早だ」と付け加えた。同大統領はまた、「低金利政策が好ましいと、私は正直に言わねばならない」と語った。
大統領選中、トランプ氏はイエレン議長を批判していた。昨年9月には同議長が「政治的な仕事」をし「非常に見せ掛けの経済」にしており、「自身について恥ずべきだ」とトランプ氏は述べていた。イエレン氏のFRB議長としての任期は来年2月3日に満了する。
同紙によれば、トランプ大統領のインタビューの一部にはムニューシン財務長官も同席。同長官は、トランプ氏が極めて近いうちに空席のままとなっている銀行監督担当のFRB副議長を指名する方針だと話した。
原題:Trump Says He’s Open to Renominating Yellen at Fed, WSJ Says(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-04-12/OOBEMZ6TTDS101
ブラジル中銀、2009年以来最大の利下げ−景気てこ入れで
Mario Sergio Lima
2017年4月13日 06:35 JST更新日時 2017年4月13日 09:39 JST
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• 政策金利1ポイント下げ11.25%に、エコノミスト44人中42人が予想
• 緩和ペースを少し速めたのは現時点で「適切」−声明
ブラジル中央銀行は12日、政策金利を1ポイント引き下げることを決めた。利下げ幅は約8年で最大。中南米で最大規模のブラジル経済の成長を積極的に促進する。
イラン・ゴールドファイン総裁率いる政策委員会は政策金利を11.25%に引き下げた。前回と前々回の政策委ではそれぞれ0.75ポイントずつ利下げしていた。ブルームバーグが調査したエコノミスト44人中42人は1ポイントの利下げを予想。2人は1.25ポイントの利下げを見込んでいた。
中銀当局者は金利決定と同時に公表した声明で、「金融緩和を1月と2月の会合で決めたペースよりも今回少し速めたことは、現時点で適切だ」と説明。ディスインフレのプロセスがさらに拡大しており、食品価格は好ましい供給ショックを与えているとの認識をあらためて示した。
インフレ率が今年、目標を下回る見通しであるため、中銀が景気支援で一層の行動を取り得るとみるアナリストもいる。グラジュアルCCTVMのチーフエコノミスト、アンドレ・ペルフェイト氏は電話取材に対し、「中銀はインフレに明らかに満足しており、経済は極めて弱い。中銀はより大幅な引き下げの可能性を排除していない」と指摘した。
エコノミスト予想によれば、ブラジル中銀は年内に政策金利を8.5%に引き下げ、2018年いっぱいは同水準で据え置く見通し。予想通りなら、07年9月までの2年間に19.75%から11.25%に利下げして以来最も大幅な金融緩和サイクルとなる。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-04-12/OOBFCG6TTDS001
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