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東芝の半導体売却に突如ふりかかった障害はアメリカの陰謀?
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170409-00010001-flash-peo
SmartFLASH 4/9(日) 12:00配信 週刊FLASH
アメリカの原子力事業で巨額損失を計上した東芝。倒産を避けるため、虎の子の半導体子会社「東芝メモリ」を売却することとなり、その第1次入札が終わった。
東芝自体は子会社の価値を「少なくとも2兆円」と判断していたが、台湾の鴻海が3兆円に近い額を提示したのをはじめ、アメリカのブロードコムも2兆円超えの金額を提示。東芝はほっと一息ついたことだろう。
だが、入札結果が判明すると同時に、大きな問題が持ち上がった。台湾の半導体メーカー「マクロニクス」が、東芝の半導体の特許権侵害を米国際貿易委員会に訴え出たのだ。
今後、この問題は関税法に基づいて調査されるが、もし特許侵害が認められれば、メモリーそのものはもちろん、そのメモリーを搭載したビデオやカーナビなどがアメリカで販売できなくなる可能性もある。
マクロニクスとはどのような企業なのか。半導体に詳しいジャーナリスト湯之上隆氏が言う。
「もともとは任天堂のゲーム機に搭載するメモリーを作っていた企業ですが、その後、最先端のメモリー開発に成功しています。たしかに東芝のメモリーと構造がよく似ているので、特許侵害と判断される可能性もあります」
東芝が製造する最先端メモリーは「3次元NAND」と呼ばれるもので、アップルのiPhoneに採用されている。そのほか、データセンター用のメモリーにも使われ、今後、市場規模が一気に拡大すると見込まれる。
そのため、今回の第1次入札には中国、台湾、アメリカの企業など10社以上が参加した。アマゾンやアップル、グーグルも参加したといわれている。今後、第2次入札をへて、売却先は6月にも決まる見込みだ。
実は、今回の入札に先立ち、日本政府は「東芝メモリの中国、台湾、韓国企業への売却を阻止する」と発表している。これは、メモリーに細工されれば、すべての情報が外部に流出しかねないため、情報セキュリティー上、問題があるからだという。
この日本政府の判断に異議を唱えるのが、前出・湯之上氏だ。
「すでに、中国企業も『3次元NAND』の製造技術は持っており、とりたてて問題があるとは思えません。それより、このタイミングで特許侵害の話が出てきたことのほうが重要です。
日本政府が反対する以上、いくら3兆円を提示されても、東芝は鴻海に売却できません。事実上、売却先はアメリカ企業しかない。そう考えると、東芝を安く買い叩くため、アメリカが台湾企業のマクロニクスと組んで、特許侵害の話を持ち出した可能性がきわめて高いのです」
東芝が倒産寸前になったのは、アメリカの原子力事業の失敗が原因だった。その東芝をさらに買い叩くため、アメリカが仕組んだ罠だとしたら――。
かつて東芝は、共産圏への工作機械の輸出でアメリカに摘発され、巨額の損害を出したこともある。今回の特許違反がアメリカの罠だという証拠はないが、「川に落ちた犬を棒で叩く」ことこそ、シビアな国際ビジネスの現実なのだ。
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