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シンガポールに集まる富裕層の「節税事情」を解説!
【第20回】 2017年4月8日 花輪陽子
相続税や贈与税がなくキャピタルゲインも非課税と、
富裕層には魅力的なシンガポールの税制の実態は?
ファイナンシャル・プランナー(FP)の花輪陽子です。
シンガポールには、有名な大富豪がたくさん住んでいます。例えば、世界的にその名を知られる投資家のジム・ロジャーズ氏や、世界の長者番付で上位にランクインしている「フェイスブック」共同創業者のドゥアルド・サベリン氏。また、スペインのサッカーチーム・バレンシアのオーナーとして有名な、シンガポールの投資家ピーター・リム氏など。
米国の経済誌「フォーブス」の長者番付に名を連ねる大富豪の多くは、不動産関係者、投資家、石油取引業者、銀行業の関係者などとなっています。ちなみに、シンガポールにおける長者番付の現トップは、不動産デベロッパー「ファー・イースト・オーガニゼーション」を率いるロバート・ウン氏とフィリップ・ウン氏の兄弟で、約1兆円の資産を保有しているとされています。
シンガポールに住む著名な日本人としては、エイベックスグループ代表取締役社長の松浦勝人氏と妻の畑田亜希氏、村上ファンド事件で有名になった村上世彰氏、医師と結婚してシンガポールに移住をした、フリーアナウンサーの中野美奈子氏などが挙げられます。投資好きのタレントとして有名な松居一代氏も、シンガポールに住んだことがあるようです。
街やコミュニティーが小さいので、一般人でもパーティーやオーチャードのカフェなどで著名人を見かける機会が多々あります。「あの人、日本で騒がれているけど、シンガポールにいるのね……」といった具合に、日本ではあまり遭遇しないような人にも、身近なところで出会う機会があって、よく驚かされます。
シンガポールは「相続税」「贈与税」がない!
所得税・法人税も低水準で節税目的の移住者が多数
それにしても、なぜ世界中からこれだけの富裕層が集まっているのでしょうか。事情はさまざまでしょうが、やはり「節税」を目的としている人が多い印象です。
シンガポールは相続税や贈与税がかからず、キャピタルゲインも非課税、所得税の最高税率は20%、法人税は17%と、とても税率が低い国です。さらに、シンガポールの居住者になっても、年金など国外で発生した所得には、税金がかかりません。そのため、外国人がビジネスを起こして働いたり、資産運用したりするには、とても有利な国なのです。
また、シンガポールには、起業家向けの「Entre Pass(アントレパス)」という制度があります。「Entre Pass」を活用すると、日本円で約400万円の資本金で会社を立ち上げ、事業を行う場合に、雇用の承認と居住のビザを取得することができます(カフェやフードコートなど、一部対象外の事業もあります)。
家族を連れてきたり、「Entre Pass」の更新をしたりするためには、一定以上の売り上げや「ローカルスタッフを何人雇わないといけない」など条件が増えますが、起業時のハードルは低めです。
投資用永住権の「Global Investment Program(GIP)」に関しては、かなりハードルが高く、約2億円で新規事業を立ち上げるか、既存事業の拡大に投資をする、もしくは約2億円を「GIPファンド(シンガポールにベースを置く企業に投資をするファンド)」に投資する必要があります。しかし、それだけのお金がある超富裕層であれば、お金で永住権を獲得できるわけです。
「非居住者」と認定されれば、日本に納税義務はない!
ただし、この認定を巡って過去には事件も発生
ところで、シンガポールでいくら税率が低くなったとしても、日本で税金をとられるのではないか? と思う人も多いでしょう。しかし、日本国籍を持っている場合も、「非居住者」になると税金が変わってきます。非居住者とは、「日本に住んでいない」と認定されている人のことです。
非居住者になると、日本で発生する所得に対しては日本の税金がかかりますが、外国で発生した所得については、原則日本では課税されません。そのため、シンガポールで働いて得た収入に関しては、シンガポールで納めることになります。
また、相続税・贈与税に関しても、財産を渡す人ともらう人の両者が国外に5年以上居住し、財産が国外財産の場合は、日本で原則課税されないことになります。シンガポールのような相続税・贈与税が非課税の国に居住している場合は、日本でもシンガポールでも課税されないというケースも出てきます。
ただし、裁判になった武富士創業者の長男のケース(香港に居住地を移したうえで、海外資産の贈与が行われた)では、「非居住者の判定」が争点になりました。非居住者と判定されるには、海外に一定期間以上在住し、海外に生活の拠点を置いていることが証明できなければなりません。
資産を守るために国籍を変え、新天地を選ぶ人も多数!
フットワークの軽さ、情報収集力が富裕層の力
しかし、日本のような非居住者への優遇がない国もあります。たとえば米国はそうです。米国の国籍や永住権を保有している人は、原則として国外に居住していても本国に税金を支払わなければなりません。
そのため、なかにはフェイスブックのドゥアルド・サベリン氏のように、米国籍を放棄する人もいます。シンガポールに住んでみて、お金のために国籍を放棄する人や、居住権を得て海外に渡る人が世の中に多くいることを実感し、大変驚かされました。
高齢のシンガポール人でも、子どもを頼りにオーストラリアなどの海外に渡っていく人が少なからずいます。日本人ならば、高齢になってからこれまでの交友関係を捨てて、海外に永住する人は少ないのではないでしょうか。シンガポール人の場合、英語ができることが大きいのでしょうが、フットワークの軽い人が多い印象です。
お金持ちは一国にこだわらず、どこの国で働き、どこの国で資産運用をして、どこの国で子どもに教育を受けさせ、どこの国に居住するのが有利かを考えて、自分の拠点を決めています。その拠点は、目的によって複数に分かれていることもしばしばあるのです。
永住権取得を手助けするコンサルタントもおり、シンガポールを含む税制のメリットが大きい国で、永住権を取る外国人もたくさんいます。世界の富裕層は、どこの国で何をするのが有利かという情報を熟知しており、それを忠実に実践しているところがすごいと感じます。
http://diamond.jp/articles/-/123923
2017年4月8日 秋山謙一郎 [フリージャーナリスト]
大阪・西成は激安B級グルメの聖地、値段はC級、人情A級!(上)
ホームレスが大勢いる「日雇い労働者の街」というイメージが前面に出ている大阪市西成区、通称「あいりん地区」。実は、格安のB級グルメの聖地としての、もう1つの顔を持つ。今回、西成で特に人気の有名店を中心に、西成グルメの現状をレポートする。(フリージャーナリスト 秋山謙一郎)
安くて美味いB級グルメの聖地
西成の「もう1つの顔」
大阪市西成区・あいりん地区――ともすれば「日雇い労働者の街」としての一面だけが取り上げられるここは、今、安くて美味いモノを求める「グルメ」たちが集う場所でもある。そんな「B級グルメ街」でもある“西成”を取材した。
西成では「誰もが知っている有名店」として名を馳せているホルモンうどん・そば店「きらく」。隣にあるのは露店の焼き鳥屋。西成は「安くて美味い」店がたくさんある 写真:秋山謙一郎(以下同)
「こらっ、こらっ〜。写真撮るなら店だけやで!人の顔は絶対に写すなよ!うちら指名手配かかっとるさかいな!!」
西成では「誰もが知っている有名店」(地元住民)、ホルモンうどん・そば店の「きらく」の外観を記者が撮影していた時のことだった。その隣にある露店の焼き鳥屋で呑んでいる客と店の大将から声掛けされた。
その口調は正直、ちょっと怖かった。でも、どこか温かい。今、世代を問わず西成に「魅せられる」人が多いという。それはこの西成に住む人たちの剥き出しの「人情」に触れられるからかもしれない。
店の外観を撮影しているだけだと伝えて非礼を詫びると、店の大将と3人の客は一転して優しい口調になり、「何の取材や?」と興味津々といった様子で聞いてきた。
「いや、西成で安くて美味しいところ……、できたら、ほら、ネットで全国区になってる目立つところやのうて、地元の人しか知らんようなところを紹介させてもらいたい思いまして。どっかないですか?」
すると、露店の客たちは、「そしたらここや!」という。早速、話を聞こうと記者がメモを取り出すと、その中のひとりで70歳代と思しき客が、ゆっくりと静かに諭すような口調で言った。
「あのな、西成のええところはな『人と触れ合い』や。呑んで、食って、話して。そら喧嘩になることもあるよ。もちろん売られた喧嘩は男なら買わなあかん。せやけど喧嘩しても、次、会ったら、仲良く話せる。マスコミに取り上げてもろうて大勢の客が来たら、俺ら、折角の仲間が来られへんようになるやんか……」
そして、こう付け加えた。「でも、大勢のお客さん来てくれたら嬉しいけどな」。
居酒屋なのに料理は「ドカ盛り」
お造りはミナミの半額!
事実、西成の飲食店では、ブログや飲食店を紹介するサイト、マスコミの紹介で、「一時的に大勢の客が来ることに困惑している」(西成あいりん地区にある飲食店店主)という実態もある。そのためいくつかの店からは、「(店の)外観を撮影するのは構わないが店を紹介することはやめてほしい」という声もあった。
いずれも「地元の人、常連を大事にしたいから」という理由からだ。地元放送局の男性有名アナウンサーや女性ローカルタレントが“常連”として知られる店もある。
「まあ今、この西成も、若い人や外人さんも大勢来てはるしな。もう、地元の人間だけゆうわけにもいかんのやろうな……」
「霧島の豚鳥店」の店内。大手居酒屋より少し安め、しかしボリュームのスゴさはピカイチだ
周囲にいた他の客、そして大将が黙って頷く。その一瞬の静寂を破ったのが別の客の次の言葉だった。
「おおっ、それやったらな、西成警察署近くにある『霧島』行ってみ。あそこは『安くて美味い店』ゆうことならぴったしやで!」
こうして西成の有名店『きらく』横から、西成警察署に向かって歩くこと数分、評判の店・「霧島の豚鳥店」へと向かうことになった。この「霧島の豚鳥店」は、大阪市西成区役所のプロジェクトチーム「ぼちぼちいこ課」が発行のガイドブック「ぼちぼちいこウォーカー」にも掲載されている、「西成区で一推しの店」(大阪市関係者)のひとつでもある。
たしかに評判の店だけあって、平日の夕方の早い時間にもかかわらず、カウンター席はすでに満員状態だった。お勧めは「メニュー全部」(ママさん)だそうだが、地元の人の間では「チキン南蛮」が特に好評だという。その価格は550円。全国大手居酒屋チェーン店の同メニューよりもやや割安といったところ。だが、そのボリュームのスゴさは他の店の追随を許さない。
居酒屋というよりも「食堂」と言った方がいい。10代、20代の男性が好むであろうド迫力に度肝を抜かれる。鳥、豚と肉系を得意としているが、「刺身などの魚系も新鮮で美味い」と地元住民の間でも評判だ。
この「霧島の豚鳥店」に居た客に、「今、西成で評判の店」として教えてもらったのが、西成・あいりん地区の中心に位置する西成警察署から東へ、飛田新地方面に向かって歩くこと数分の寿司店「からし志」である。
「コスパがええんや!大阪・ミナミの寿司屋と比べると握りで100円から200円安い。造りなんかミナミの半額ちゃうか?でも味も鮮度も“からし志”のほうが上や!それと飲み物やな。ビール大瓶で380円やで。信じられへんやろ?」
西成区・あいりん地区からJR環状線で駅ひとつ、天王寺駅近くの職場からやって来たという50代サラリーマン男性は言う。
若者にも人気の西成グルメ
火付け役はユーチューバー
ビール大瓶380円が「西成価格」。大阪市内の相場より100円以上も安い。西成なら、美味い寿司をつまみながら呑んでも5000円で収まるとう
確かにビールも安い。今、大阪市内の飲食店でビールを注文すると、大瓶で500〜600円、中瓶で400〜500円、小瓶で300〜400円が平均的な価格だといわれている。しかし西成の飲食店の多くは「大瓶で380円」というのが一般的な価格である。
「天王寺や難波で寿司をツマミながら呑むとなると5000円ではちょっとキツいんとちゃいます?でも、西成やったら1人5000円あれば美味い寿司に酒もそこそこ呑める。財布に優しいと思うからついつい足を運んでしまうですわ」
こう語る前出・50代サラリーマン男性だが、西成の飲食店に足を運ぶのにはもうひとつ、大事な理由があるという。
「タバコが吸えるんですよ。今、飲食店のほとんどが吸えませんよね?とくに寿司屋でなんて吸えません。でも、西成の店なら大抵のところは吸わせてくれる。愛煙家にとっては有り難いですよね」
実際、西成では、ほとんどの飲食店が「喫煙可」としている店が多いという印象だ。これについてある飲食店店主は苦り切った表情を隠さず、次のように語った。
「西成でも(タバコを)吸わへん人もいるんよ。せやけど、吸う人が多いさかい、吸うてもらわな商売にならんわな。料理を食べにくるんやなくて『喫煙場所』として来てくれるのやったら、料理人としてはあんまり嬉しいもんやないわな……」
さて、冒頭部でも触れたが、今、西成には10代、20代の若い世代も数多くやってくる。彼らがやって来るのは、ひとえに西成という街が醸し出す「非日常感」と食に限らない「物価の安さ」だ。
「はちゃめちゃ感がすごくて。ヤバいですよね…。どのお店も安いし。ちょっとイカツイおじさんもたまにいますよ。でも、そんなおじさんたちも私たちが話しかけると応えてくれますよ。元気がもらえるので、暇ができれば1人でも来ます」
専門学校生という、この19歳女性は西成に足を運ぶ理由をこう語った。今では月に1度は西成に足を運ぶという。その彼女が西成にハマったきっかけは意外にも「Youtube」だという。
「ユーチューバーでジョーさんという人がいるんです。彼の動画『ジョーブログ』で西成が紹介されているのを観て、来てみたいと思ったんです。来てみると若い女の子でも行ける店もあるし。よく言われる“怖い”という感じはないですね」
10代、20代世代から絶大な人気を誇るYoutube動画「ジョーブログ」は、西成の地元住民の間でもよく知られた存在だ。この「ジョーブログ」の動画内での西成特集を観てここにやって来たという若い世代はよく耳にするところだ。
>>(下)に続く
http://diamond.jp/articles/-/124147
2017年4月8日 秋山謙一郎 [フリージャーナリスト]
大阪・西成は激安B級グルメの聖地、値段はC級、人情A級!(下)
>>(上)より続く
格安の西成グルメも
ホームレスには高嶺の花
今、西成には、この若い世代の彼、彼女らが喜びそうな飲食店もいくつか存在する。ジャズバーやクラシック音楽バーもある。なかでも人気は西成警察署近くにあるカレー店「薬味堂」や、居酒屋兼ライブハウス「難波屋」だ。2日間煮込んだというカレーが人気の「薬味堂」は、大阪の下町らしく牛筋肉の煮込みが入った「どてカリー」が600円、コーヒーが300円だ。
“投げ銭ライブ”で知られる「難波屋」では一推しメニュー「肉豆腐」は250円、「焼きそば」も同じく250円で提供している。大阪市内の他地域に比べると若干、安い。いわゆる“西成価格”での提供だ。それにしても、なぜ西成の飲食店は安価での商品提供が可能なのか。地元飲食店主のひとりがその内情を明かしてくれた。
いくら安くて美味いといっても、ホームレスや日雇い労働者にとって、こうした飲食店に入るのは贅沢。彼らがもっぱら好むのは自販機の酒や、露天商から買うコンビニの廃棄食品だ
「地代が安いからとちゃうかな?代々、受け継いだ家・土地やったり、借地や借店舗でも、キタやミナミとは比較にならへん。それにいくら安いゆうたかて、下手なもん出したらお客さん来てくれへん。大阪のなかでも、みんな顔見知りの地域やさかい、おかしな評判が立つと困るんや。だから美味いもんを安く出すしかないんや」
もっとも、こうした「安くて美味いもん」を、西成に集うホームレスや日雇い労働者が口にすることは滅多にないという。
「あの人たち(ホームレスや日雇い労働者)は、自販機の酒とコンビニ廃棄の露天商から買ったもんだけやろう。それか、せいぜい立ち呑み屋やな」
一般人には格安でも、やはりホームレスや日雇い労働者には手の届かない「高級グルメ」なのだろう。では、どんな人たちが西成の飲食店に立ち寄っているのだろうか。
「昔からここに住んではる人や。地の人(地元の人という意味)が多いな。商売してはる人もおれば、サラリーマンの人もおるし、生活保護受けてはる人とかかな。年金生活の人もいてはるけど。それ以上に、今も昔も、外から来てくれはる人やな」
地元住民も悩む
ホームレスの扱い
こう語る前出・地元飲食店主は、「そもそも西成は『ホームレスの街』ではない」とし、西成という街を次のように教えてくれた。
「昔の『赤線(1958年の売春防止法施行以前、全国の公認で売春が行われていた地域の俗称)』、今の飛田新地やけど、そういうのがあるところって“繁華街”やろ?だから呑み屋とか飲食店が賑わうわな。ただの繁華街なんやけど、そこに日雇い仕事にアブれた者がホームレスになったり、よそからホームレスが来るようになって、今みたいな『スラム街』になってもうたんよ。せやから西成は、それこそキタやミナミと一緒とまでは言わんけど、元々は“歓楽街”やと思うてくれたらええ」
この歓楽街である西成の飲食店に、今、若い世代やサラリーマンが、「安価」という理由から大勢、やって来るようになったというわけだ。
「東京やったら、サラリーマンやOLのお姉さんが、地下鉄乗ってランチに出たりするんやろ?この西成も天王寺から駅ひとつ、2分の距離で来られるわな。そういうのがもうちょっと広がってくれると、うちら地元の飲食店経営者は助かるんや」
このように前出・地元飲食店主は、行政による「ホームレス浄化」が進めば、近隣地域からの客の流入が見込めると話す。
他方、近年、「観光地化」が著しい西成だが、そこに「ホームレスがいない」状況は、「鹿がいない奈良公園と同じだ」という声もある。別の地元飲食店主が語る。
幕の内弁当200円、カツカレー400円など、割安弁当を売る弁当屋も多い西成地区。安い弁当もホームレスたちに好まれる
「最近、若い人が西成にやって来るのは、『物見遊山』『怖いモノ見たさ』やろ?面白半分で来るな!――そんな声もあるけどや。でも、ホンマにホームレスの人がここからいなくなったら、きっと不動産価格も騰がるわな。そしたら今みたいな“西成価格”なんて吹っ飛ぶで!難波や天王寺と同じような値段でサービス提供するようなことになったら、もう誰も西成には来ないんとちゃうか?若い外人さんなんか日本に来られへんで!」
なかにはこんな声もある。労働者の街である西成には「弁当屋」が数多く存在する。家庭的な弁当を提供する店が多く、全国チェーン店よりも割安、200円程度の価格帯で「幕の内弁当」を出している。400円で「カツカレー」を供する店もあるくらいだ。
「ホームレスの人を追い出したら、この商売している人らがいちばん割を食う筈や。あの人らにとっては、弁当屋が売る弁当は“ご馳走”やし、命を繋ぐもんやさかいな」
サラリーマンの夜の宴会も
西成「3大有名店」で
この「ホームレスの人たちが命を繋ぐ」格安弁当も、最近では、ごく一般の外からやって来たサラリーマン客から人気が出ている。
「営業でこの辺に来たら、買って帰ります。だって200円で腹一杯になるんですよ。店に入っても、うどんやラーメンが300円くらいです。お得ですよね?」
こう語るのは、大阪市内の印刷会社でサラリーマンをしているという40代男性。職場での宴会も、わざわざ勤務先から遠く離れた西成で行うことが多くなったという。
「僕らの仲間内では『西成3大有名店』と言ってるんですが、『きらく』『なべや』『やまき』、どこも夜9時には閉店なんです。だからダラダラと宴会ということもないし、楽しく盛り上がって、安く呑んで、食べて、さっと切り上げられる――それができますしね。天王寺や難波だと、夜遅くまで店が空いてるから、なかなか“お開き”とならないのです」
ホルモン1串70円という激安価格の「やまき」。開店から閉店まで、周辺はおろか、「全国から客が押し寄せている」という盛況ぶりだ
一人鍋600円で、すき焼きがぶっ倒れるほど食べられるという「なべや」、ホルモン1串70円という低価格で、開店から閉店まで大勢の客で賑わう「やまき」、どちらもネット時代を反映して、「全国から客が押し寄せている」(地元住民)という盛況ぶりだ。
年々、ホームレス浄化によって彼らの人数が減り、それと入れ替わるように生活保護受給者が増えてきたといわれる西成あいりん地区。今では「昼間は生活保護受給者と、ごく一般のサラリーマンが主な客層」(地元飲食店店主)といわれている。
アベノミクスの奏功で景気はいいという向きもあるが、ここ西成の現状を見るにつけ、ごく普通のサラリーマンと生活保護受給者の「差」は、むしろだんだんと狭まっているのではないだろうか?そう感じさせられた今回の取材だった。
http://diamond.jp/articles/-/124212
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