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雑感。シムズ理論と日本
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52918124.html
2017年03月02日 在野のアナリスト
安倍首相夫人である昭恵氏が公人か、私人か、今日も論争がおこっているようです。辞書の定義に従えば公人は公職にあるもの、ですがその対義語でもある私人は公職を辞したもの、です。昭恵氏が一度でも公職にあり、それを辞したら辞書の定義は私となりますが、そうではない。特に安倍氏は、私人の定義を明らかに公に語るべきでない人、として用いており、それは辞書の定義とは合致しない。もし公の職を退いたとしても、問題があれば追及するに吝かでないのであり、築地の豊洲移転でも石原元都知事が百条委員会に呼ばれる、というのが良い例でしょう。安倍氏が言いたかったのは、明らかに民間人、まさに奥様だから議題にするな、ということです。それはこれまで裁判でも散々に争われた『公人』の定義であり、その対義語として用いるなら『民間人』となるのでしょう。しかし首相夫人が民間人? と言われると、さらに首をかしげるところでもあるのでしょう。
昨晩の米株は大幅高でした。ただこれは、トランプ米大統領の演説で下げるとみて売っていた層が、何もなかった、で買い戻した形です。しかしもう一つは、そんな売り方を崩して踏ませようとする動き、も300$高まで駆け上がった要因といえます。
しかし一方で、株のバブルをみているのか、FRB高官のタカ派発言が相次ぎます。3月の利上げ確率は60%を越えてきた。つまり今は、利上げがあっても株高、という状況であり、これがバブルとしてFRBは危険視する。それでも株が上げる、という異常事態ともいえます。しかしすでに住宅販売、自動車販売など、ローンを組んで購入するようなものには減速がみられます。株高→マインド良好→経済指標好調、の流れも、利上げをつづけることである日、がくんと急ブレーキがかかるかもしれない。バブルの後始末ほど、大変なものはありませんが、今はそれまでの間、バブルを謳歌するとの認識なのでしょう。
日本では先月、ノーベル経済学賞を受賞したシムズ・プリンストン大学教授が来日し、政府要人と会うなど、シムズ理論について話題になりました。シムズ理論で消費税増税を正当化するつもりでは? とのことですが、そもそも浜田内閣官房参与が「驚いた」と述べて、デフレ脱却の新手法として紹介しました。しかし2011年にノーベル経済学賞を受賞した理論を、今ごろ驚いているなら、経済学者として失格なのでしょう。
しかし問題は、財政政策の拡張にもみえるシムズ理論が、今の日本に必要か? ということでしょう。日本に染み付いた構造的な要因は、小泉政権以後のコストカットによる国際競争力強化、という流れの中で、主な購買層である中間層が崩れてしまっては、いくら財政政策を強化したところで、効果は上がりません。これまで様々な財政政策でも機能しないのは、この構造を長期にわたって元に戻す作業が必要であり、それを抜きで財政政策をしても、金融緩和をしてもほとんど効果がない、と断言できます。
海外の権威に弱い、安倍政権がシムズ理論に頼るのも、もう手詰まりである証明なのでしょう。しかしシムズ氏の用いる計量経済学は、どちらかと言えば過去の分析には適しますが、未来予測は苦手です。確率を用いるため、そこに多くの不規則要因がある。適用者の個性が色濃くでてしまい、まったく予期できない結果を導くことも多いのでしょう。
浜田氏が驚かないといけないぐらい、今の安倍政権には「驚くべき」提案がない。相場の勢いのなさは、日米の政治の姿の差、そのものといえるのです。来週のメジャーSQに向けた動きが出ており、ここから先は上値も重い。ただ3月末までは需給関係の改善があっても、その先はさっぱり期待できない。日本ではバブルが起きていないので、傷が浅くて済む、との期待は多少ありますが、外需頼みの今では下支え役すら不在の状況でもあるのです。もしシムズ理論などを日本で採用しても、シリスボムズ理論にしかならないのが現状なのでしょうね。
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