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企業の「格付け」 東芝の危険度はどのくらいなのか?(写真=Jirsak/Shutterstock.com)
企業の「格付け」 東芝の危険度はどのくらいなのか?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170226-00000005-zuuonline-bus_all
ZUU online 2/26(日) 10:40配信
東芝の格付けが2月15日、格付投資情報センター(R&I)により3段階引き下げられた。
投資の世界では、企業の債務返済に関する信用力を客観的に把握するために格付けという制度が存在している。これは格付けを専門に扱う企業やアナリストを有する証券各社が行うもので、企業の信用力から投資するのに適格かどうか、広く投資家に向けて発信するもの。
格付けの基本的な解説と、東芝株の格付け(信用度)が他社と比べてどの程度のものなのか確認していこう。
■格付けとは?
格付けは、格付けアナリストにより種々のヒアリングや調査を行った結果、企業の信用度を測るものとして付与される。別名レーティングとも呼ばれている。これは企業として債務の履行(借金の返済など)を全うすることができるかどうか、その安全性の度合いをランク付けするものともいえる。
格付けを行う主体は有名どころで海外のスタンダード&プアーズ社(S&P)、ムーディーズ・インベスターズ・サービス社がある。
株式の場合、日本だと証券会社が格付けを行うことも多い。今回東芝の格下げで話題になったR&Iは格付けを中心に扱う投資系情報企業で、事業会社のほか学校法人や政府系法人、投資法人などの格付けも行っている。
株式の格付けの場合、現在より高い格付けとなった場合には「買い要素」とされ株価が上がり、逆に低い格付けとなった場合には「売り要素」とされ株価が下がることが多い。一般的に企業規模の大きな機関の格付けほど、株価に対する影響度合いは大きくなる。
■R&I社の格付けは以下のように定義されている。
AAA:信用力は最も高く、多くの優れた要素がある
AA:信用力は極めて高く、優れた要素がある
A:信用力は高く、部分的に優れた要素がある
BBB:信用力は十分であるが、将来環境が大きく変化する場合、注意すべき要素がある
BB:信用力は当面問題ないが、将来環境が変化する場合、十分注意すべき要素がある
B:信用力に問題があり、絶えず注意すべき要素がある
CCC:信用力に重大な問題があり、金融債務が不履行に陥る懸念が強い
CC:発行体のすべての金融債務が不履行に陥る懸念が強い
D:発行体のすべての金融債務が不履行に陥っているとR&Iが判断する格付
なお格付けは、「AAA+、AAA、AAA-」のように、同じ「AAA」でも3段階あるのでその点も確認しておきたい(ただし、「D」には無い)。
■R&I ホームページより抜粋
今回の東芝の格下げの場合、「BB-」から「B-」への格下げとなり、段階的には3つ下がったことになる(今回の3段階下げは+-も含めたもの)。
今回の格下げでは、東芝の信用力が「問題なし」から「重大な問題あり」に変更されたことを意味している。しかしいまだ、CやDといった債務不履行に陥る可能性がある格付けとはみなされていないようだ。
■東芝格下げにおける着目点
今回格下げとなった理由について、R&I社は次の理由を挙げている。
@内部統制に関する調査の遅れによる第3四半期決算の見送り
A原子力建設会社ののれんによる減損7000億円の通期決算に与える影響がおおきいこと
B2016年12月時点における自己資本がマイナスになったこと
以上の3点から、格付けとしては企業の信用度がおおきく損なわれたと判断された模様だ。一方で、半導体メモリー事業の分社化に関しては、その実現性に不確実性はあるにせよ、実現すれば財務基盤にプラスに働くことにも言及している。
現在の東芝の状況は非常にナーバスだといえる。企業の財務状況からすれば今回の格下げによるB-という評価もやむを得ないといえるだろう。では、この評価はどの程度の危険度なのか、ほかの企業と比べてみることで判断してみよう。
■「B-」判定の危険度はどのくらい?
大手の格付け状況を確認してみよう。なお格付け情報は、R&I(2017年1月31日時点)の格付けを用いている。
トヨタ自動車 AA++
日本たばこ産業(JT) AA
富士フイルム AA
三菱東京UFJ銀行 AA-
ソニー A-
三菱自動車工業 BBB-
シャープ B+
このように、大手有名企業のほとんどがA以上の格付けを維持している。ほかの企業を見ても、BBBはあってもBとなっている企業はほとんど存在しない。ここからも東芝の今の状況は、相当深刻だということがわかる。
■危険度の高そうな企業には投資しないスタンスを
格付けはアナリストが客観的な資料に基づいて判断しているものだ。そのため投資先を、判断する際にも一定の信頼度がおける。少なくとも、危険度の高そうな企業には投資しないというスタンスでいることができるため、その面でうまく活用していくことをお勧めする。
谷山歩(たにやま あゆみ)
早稲田大学を卒業後、証券会社において証券ディーリング業務を経験。ヤフーファイナンスの「投資の達人」においてコラムニストとしても活動。2015年には年間で「ベストパフォーマー賞」「勝率賞」において同時受賞。個人ブログ「インカムライフ.com(http://income-life.jimdo.com/)」を運営。著書に『元証券ディーラーたにやんの超・優待投資 草食編 Kindle版(https://www.amazon.co.jp/dp/B01MD1V3T3)』(インカムライフ出版)がある。
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