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大企業病脱却のための一歩
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/8893
2017年2月16日 寺川尚人 WEDGE Infinity
サラリーマンが酒の席でよく口にするのが「上司が意見を聞かない」「意義がわからない仕事が多い」といった愚痴だろう。それらがもたらされる原因は「大企業病」という言葉で表される。それにかかった企業の社員は、上司も部下も一様に今までやってきた発想に縛られ、リスクを取らず、大きく変わることを望まない。
大企業病を打破するための取り組みがある企業で行われた。従業員数1万人以上、典型的な日本の大企業だ。同社ではこれまで、経営陣に向かって今後の事業方針などをプレゼンするのは40代後半の社員だった。しかし今後の経営環境を考えると、従来の年齢から経営感覚を身につけさせたのでは間に合わないと判断。初めて、30代の社員が直接社長に向かって「今後同社がすべき事業」「同社の方向性を変える提案」をプレゼンする機会を設けた。
ベンチャー企業からすれば「何を今さら」と思われる事例だろう。ただ、これが日本の大企業の現実だ。こういった事例では、募集をかけると得てして、失敗を恐れる「賢い」社員は積極的に参加しない。その代わりに声をかけられて嫌々ながら、役員の目を気にして動き出す社員が集う。そして、緊張感と切迫感のないプレゼンが続き、結局何のための場なのか疑問視しながら、毎年それが続いていくといった話をよく聞く。
同社ではそれを避けるために幾つかの仕掛けを用意した。(1)プレゼンする社員は自薦、他薦を問わない、(2)他薦の場合、推薦した人物も評価の対象とする、(3)社長プレゼンに進むには予選を通過する、(4)プレゼンが通れば実際に予算をつけて、組織を設けて実行させる。この場を設けたことで同社は大企業病脱却の1歩目を踏み出したようだ。
大企業に共通するのは、組織の統率を「マネジメントによる恐怖感」に頼りすぎること。そして、自ら変化しないで組織に従順な人ばかりを採用している、という2点だ。大きな組織を経営陣の目指す方向に動かしていくために、ある程度規律は必要だ。しかし、それだけに頼りすぎると、現状の事業で結果を出すことばかりに社員の目が向いてしまう。
また、大企業の役員と話していると「アイディアは持っているけど、部下にどう取り組んでもらったらいいかわからない」といった意見もよく聞く。私からすれば、役員自らがリスクを背負って実行に移してほしい。その姿勢が、いずれ黙っていても部下が自ら課題やアイディアを見つけて持ってくる組織を作ることにつながるはずだ。
日本企業は今、シリコンバレーのような、新しいアイディアが毎日のように生まれ、ビジネスとなる世界で勝負している。大企業は現状のビジネスを維持しながら、競合企業に伍して戦える「緊張感」や「スピード感」を持たなければならない。でなければ、ベンチャー企業等との協業を通じた「オープンイノベーション」も夢のまた夢だ。
経営陣もスーパーマンではない。刺激のあるプレゼンが日常的に行われ、経営者が気づいていない領域に気づき、事業につながることこそ、理想形だ。
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