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日経ビジネスオンライン
「消費者に価値は正確に分からない」前提に立て
記者の眼
売れない時代に売る秘訣
2017年2月15日(水)
水野 孝彦
「最近の若者はモノを買わなくなった」「世の中にはモノがあふれ、消費者が買いたいものがもうない」――。そうした意見を聞くことは少なくない。しかし、実態は異なると記者は考える。総務省の家計調査によれば、一世帯当たりの実収入は2000年に月間56万2000円(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)だったが、2015年には52万5000円まで低下した。つまりこの15年間で月額4万円近くも収入が減っている。
減っているのは「物欲」ではなく「所得」で、その分だけ国内で商売をすることが難しくなったのは間違いない。2月13日号の日経ビジネス本誌では価格設定をテーマとした特集「凄い値付け」を担当したが、消費者心理を理解した価格設定の重要性が増しているのは確かだ。そして参考になるのが「行動経済学」的な発想だと考える。
人に「本当の値段」は分からない
行動経済学とは、従来の経済学のように人間を合理的な存在とは考えず、実際の人間の行動を実験などから分析した経済学の一つのジャンルだ。その行動経済学が専門で価格戦略にも詳しい、立命館大学大学院客員教授、ルディー和子氏は「人は物の価値を正確に判定できるわけではない」と指摘する。この視点は重要だと感じる。
立命館大学大学院客員教授のルディー和子氏。行動経済学が専門で「合理的なのに愚かな戦略」(日本実業出版社)など著作多数
例えば、価格700万円の国産車に本当に700万円分の価値があるかどうかを、材料費や技術開発に要したコストから判断している消費者はいないだろう。ベンツやBMWの様な高級外車と比較して割高か割安かを主観的に判断しているはずだ。
つまり、直感や比較で物の価値を判断しようとする人間の行動パターンを理解したうえでの値付けが大切になる。例えば、商品の価格は1000円や1万円といった大台を超えないように意識することは値付けの基本の1つ。ある商品の価格が1020円や1030円だった場合、人はこの商品を直感的に1000円より20円高い、30円高い商品だと感じる。逆に価格が980円や970円なら1000円より20円安い、30円安いと感じる。1000円を超えるかどうかだけで価格への印象が全く違ってくる。
比較という点では、消費者に参照できる価格を提示することで、売り込みたい商品の価格がお値打ちであることを示すことも重要だ。例えば、バーゲン時には定価をあえて見せたうえでバツ印を付けて、「〜割引き」といったバーゲン価格を示している。定価や同等品と比べてお得感を示すことで、消費者は安心してその商品を購入できる。「『損失回避性』といって、人は利益を得ることよりも損を避ける傾向がある」(ルディー和子氏)ので価格に納得感を与えることが欠かせない。
そして、企業が高価格帯の商品を売りたい場合に重要なのが、商品にストーリーを作ることで価格に納得感を与えることだ。「人間は物語が好きで、感情移入をしやすい。脳の活動を分析する機器を使ったある実験では、登場人物に感情移入をしながら小説を読んでいる読者の脳の中では、登場人物が本の中で感じていることや経験していることを、まるで自分自身も経験しているかのような反応が起きている」(ルディー氏)。
競合品とは違う価値があり、価格が高いのにはワケがあるという作り手のこだわりをストーリーとして丁寧に伝えられれば、高額商品であっても、その価格に納得感が与えられる可能性は高まる。
居酒屋には3000円のカベがある
人間の心理に基づいた値付けに最も熱心な業種の1つが「外食」だ。外食業界のベテランコンサルタント、石田義昭氏は「居酒屋には客単価3000円のカベがある」と話す。来店客は使うお金を1人3000円前後までに抑えたいと考えている。一方で、料理は3品・ドリンクは2〜3杯を楽しみたいとも思っている。その結果、「1品あたり600円を超える金額の商品は頼みたくない」という心理が働いていると石田氏は指摘する。
見方を変えれば、1品あたり600円の半額以下の商品であれば、注文数のカウントも楽で安心して注文ができる。急成長している焼き鳥専門店チェーンの「鳥貴族」は全品280円。串カツ店チェーンの「串カツ田中」も1本100円台のメニューがメーンだ。「この値段設定なら簡単には3000円を超えないと感じるので、料理やお酒を安心して楽しめる」(石田氏)というわけだ。
鳥貴族の2017年7月期は売上高25%の増収予想。串カツ田中も2017年11月期は売上高28%の増収予想と共に好調に推移している。値付けを工夫した商品をそろえることの効果の高さを、この2社の躍進は証明している。
冒頭で触れたとおり、消費者が失ったのは物欲ではなくて所得だ。現在、政府はデフレからの完全脱却を目指しているが、その効果が労働者の所得にまで及ぶようになれば、消費者は徐々にお金を使うことができるようになるはずだ。そのときに備えて、物欲を刺激する価格設定について今のうちから準備を進めることは有益なはずだ。
鳥貴族(左)と串カツ田中。共に価格設定に特徴があり、業績が好調なチェーンだ
このコラムについて
記者の眼
日経ビジネスに在籍する30人以上の記者が、日々の取材で得た情報を基に、独自の視点で執筆するコラムです。原則平日毎日の公開になります。
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イエレンFRB議長:経済が軌道維持すれば一段の利上げ必要に
Christopher Condon、Craig Torres、Jeanna Smialek
2017年2月15日 00:49 JST
米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は、経済が緩やかなインフレ率上昇や労働市場の引き締まりという金融当局の見通しと一致すれば、一段の利上げが適切になるとの認識を示した。
議長は14日、上院銀行委員会の公聴会で証言。事前に配布された原稿によると、「今後の会合では、連邦公開市場委員会(FOMC)は雇用とインフレがそうした予想と一致する形で改善し続けるかどうかを評価することになる。そう判断された場合は、フェデラルファンド金利のさらなる調整が適切となる可能性が高い」と述べた。
イエレン議長はこの日、半期に一度の金融政策報告を議会に提出。トランプ米大統領の下では初となる。
議長は「緩和解除を長く待ち過ぎるのは賢明ではない。待ち過ぎればFOMCは最終的に急速なペースでの利上げを迫られる可能性があり、金融市場を混乱させ経済をリセッション(景気後退)に追いやるリスクが生じる恐れがある」と指摘した。
原題:Yellen Sees More Rate Hikes Needed If Economy Stays on Course(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-14/OLDF1N6VDKHT01
1月米生産者物価指数:前月比0.6%上昇、12年9月以降で最大の伸び
Shobhana Chandra
2017年2月15日 00:34 JST
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イエレンFRB議長:経済が軌道維持すれば一段の利上げ必要に
Signage for Toshiba Corp. is displayed atop the company's headquarters in Tokyo, Japan, on Monday, Jan. 23, 2017. Toshiba's shares climbed the most in three weeks on Monday after reports that the companys plan to sell a stake in its chip unit is drawing attention from possible investors. Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
東芝、暫定決算発表、原発減損7125億円、今期株主資本マイナスに
米エトナ:370億ドルのヒューマナ買収を断念−判事決定に控訴せず
クレディ・スイス:10−12月赤字−年内に最大6500人追加削減へ
1月の米生産者物価指数は前月比で2012年9月以来で最も高い伸びを記録した。特にガソリンが上昇し、インフレが加速しつつあることが示唆された。
米労働省が14日発表した生産者物価指数(PPI)は前月比0.6%上昇、前月の0.2%上昇から伸びが加速した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は0.3%上昇だった。前年比では1.6%上昇と、市場予想(1.5%上昇)を上回った。
項目別に見ると、食品やエネルギーなど財部門のPPIは前月比1%上昇と、2015年5月以来の高水準だった。特にガソリンは12.9%上昇と大幅に上昇、医薬品やヒーティングオイル、天然ガス、豚肉も上昇した。サービス部門のPPIは0.3%上昇と、先月の0.1%上昇から伸びが加速した。
食品とエネルギーを除くPPIコア指数は前月比0.4%上昇。前月は0.1%上昇だった。前年比では1.2%上昇した。
食品とエネルギー、商業サービスを除いたベースのPPIは前月比0.2%上昇した。前月は0.1%上昇だった。前年比では1.6%上昇(前月1.7%上昇)。
原題:Wholesale Prices in U.S. Increase by Most Since September 2012(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-14/OLDC2C6VDKI001
ドイツとイタリア:10−12月成長が予想下回る−世界的不透明の中
Alessandro Speciale
2017年2月14日 16:25 JST 更新日時 2017年2月14日 18:36 JST
ドイツの10−12月GDPは前期比0.4%増、イタリア同0.2%増
いずれもエコノミスト予想を0.1ポイント下回る
ドイツの2016年10−12月(第4四半期)成長率は前期から加速したものの、世界的に不透明感が広がる中、エコノミスト予想に届かなかった。イタリアの成長率も予想を下回った。
ドイツ連邦統計局が14日発表した第4四半期の国内総生産(GDP)速報値は季節調整済みで前期比0.4%増。統計局は1月に、第4四半期成長率は約0.5%との推計値を示していた。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想も0.5%増だった。16年7−9月期は0.1%増に改訂された。
同日発表されたイタリアの第4四半期GDPは0.2%増で、こちらもエコノミスト予想を0.1ポイント下回った。
ドイツ統計局の発表によると、第4四半期の成長は内需がけん引した。政府支出が大きく伸びたほか個人消費も若干増加。投資も増えた。輸入の伸びが輸出を上回り、純貿易はGDPにマイナス寄与となった。
原題:German Growth Accelerates Less Than Forecast Amid Trade Drag(抜粋)
Germany, Italy Grow Less Than Forecast Amid Global Uncertainties
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-14/OLCRWI6JTSE801
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