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「子会社あるある」覆面座談会、理不尽親への不満炸裂! ギャンブル依存ビギナーズラックが危ない 借金重ね社会的地位失って
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投稿者 軽毛 日時 2017 年 2 月 10 日 20:12:27: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 


2017年2月10日 週刊ダイヤモンド編集部
「子会社あるある」覆面座談会、理不尽親への不満炸裂!
週刊ダイヤモンド2017年2月11日号特集「子会社『族』のリアル」より
これまで誰も触れなかった「現代の身分差別」が存在する。大企業の子会社で働く「子会社族」だ。子会社で勤務経験のある20代の社会人4人に、その実態や本音を聞いた座談会。日本のビジネス界を担っていく彼ら若手層からは、現場に渦巻く「子会社あるある」のような不満や愚痴が次々噴出した。(週刊ダイヤモンド2017年2月11日号特集「子会社『族』のリアル」より)


同一労働同一賃金などを謳う「働き方改革」の議論の中でも、非正規労働者のようにスポットが当たることがない“現代の身分差別”、それが「子会社族」だ??Illustration by Saekichui Kojima
A/元ネット広告大手の子会社勤務・20代女性
B/大手携帯キャリアの子会社勤務・20代男性
C/元大手広告会社の傘下企業勤務・20代男性
D/大手消費財メーカー子会社勤務・20代男性

──「子会社」で勤務経験のある皆さんですが、実際に働いてみて感じたことを聞かせてください。

D?まず給料を上げてほしいってことですね。

A?早速始まったよ!

D?それはともかく、僕は周りの社員と比べても、がんがん仕事をしていきたいタイプだと思っていました。ただ、就職氷河期の中で当時は慶應大生でも大企業から内定を得られず、かといってベンチャー企業は危険な香りがする。結果的に大手消費財メーカーの子会社に入社しました。

?すると(親会社から子会社に)出向してきている人が多くて、どれだけ頑張っても追い付けない壁がある現実に突き当たりました。日本企業は採用が入り口戦略になっていて、入り方が大事になっているじゃないですか。

?子会社社長は常に親会社からの出向者です。上から2番手、3番手なら子会社採用のプロパー社員でもなれる可能性はありますが、行けてもそこまでですね。

?当然、本社側の人事方針などもあるのだと思いますが、そういう会社人事の在り方に個人的には不満を感じています。転職活動も視野に入れていましたが、ひとまず希望していた国際部門に行けたので、1年間は頑張ってみようと思っています。


A?私がいた会社は、(親会社と子会社で)交流は特になかったな。月1回、役員が親会社の人につるし上げられるぐらい(笑)。

D?そこはだいぶ違いますね。うちの会社の場合、親子間の折衝もあるだろうし、社長が親会社から来るのは理解できます。ただそうなると、今の会社にいる限り出世に限界が見えていて、この先どうしていくか迷いもあります。

A?大きな人事交流こそなかったけれど、親会社と子会社の社長同士は犬猿の仲だったな。親会社にもうけを献上する“上納金”みたいな仕組みがあってね。基本的に正社員1人当たり、月7万円ほどを親会社に献上しなきゃいけない、そんな決まりがあった。

?ただ、それは交渉によって若干、下げることも可能だった。というのも、ゲーム開発の別の子会社がグループ内では収益的に重要な存在で、その会社があるとき親会社に「上納金が多過ぎる」と文句を言って献上額を下げてもらった。

?うちの会社も、それまで上納金は絶対に下がらないと聞いていたのに、IPO(新規上場)を目指している中でやりとりのあった関係者から「あのゲーム開発子会社は上納金を下げてもらったみたい」という情報が後で入ってきた。

?そこで、私がいた子会社の幹部が親会社側に問い詰めると「実はその通りです」と認めた。最終的に、親会社側は「他のグループ会社には内緒にしてほしい」とした上で、私の会社の上納金も下げることにした。でも上納金の仕組み自体、一般社員は知らない。

C?明かしましょう!

──社内でも「上納金」と呼ぶのですか?

A?グループ運営費、という名前になっていたね。またグループ内で営業利益順に子会社がランキング化されていた。グループ運営費は販管費として営業利益から差し引かれるので、上納金が多いほど業績の重荷になる。親会社から収益状況について突っ込まれたときに「グループ運営費がなければ、こんな順位ではなかったのに!」という不満は、子会社の上層部の中にはかなりあった。


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C?それだと人数が多いほど、負担がかかることになりますね。

A?そう。四半期末の従業員数によって、翌四半期の上納金が決まっていたから、例えば12月末ではなく、15日付の退職にさせたがっていた。月末まで在籍していると、その人がいないのに上納金を翌四半期も払わないといけなくなるから。

C?闇は深いですね(苦笑)。

A?本当にむかつくよね。新卒の給料は、親会社より2万円ほど少なかったけど、上納金がなければ子会社の方が数万円多い、ということになるわけで。

B?現場社員がこの実情を知らずに働いているとは……。もう言ったら暴動が起きかねないですよ!

A?ちなみに子会社は営業赤字。それでもグループ運営費を払わされていた。一方、孫会社は黒字で、そちらの方がもうかっていた。それで子会社は資金繰りに困っていて、孫会社から多額の借り入れをしていた。上納金は孫会社からも出ているけれど、孫会社在籍の社員は全て子会社からの出向者。だから、結局は子会社を通じて献上している形だった。

──営業赤字でIPOを目指しているとは。上場の目的は?

A?ただ単にストックオプション(新株予約権)を手放したい、ということ。それだけで社員のモチベーションを引っ張っている。持ち株制度で従業員に子会社株を持たせていたのね。けれど、私は会社の業績が厳しいことを知っていたから制度に加入しなかった。同期の中には買っている人もいたな。

若手抜擢人事は人材獲得のため
モテる子会社社長

A?あと同じ事業をやる子会社をたくさんつくって戦わせる仕組みがあったな。

一同?へ〜(嘆息)。

──子会社同士で取引先がかぶるのでは?

A?よくかぶるよ。要は「戦え」と。

C?仲悪そうですね。

B?Aさんとは同業界にいましたが、例えば子会社と孫会社の両社の営業マンが取引先に出向いて、そこの担当者から「何で同じグループ内の2社から来ているのですか」と不思議がられる。そんな話を聞くことも珍しくなかったですね。

A?会社をつくるのもつぶすことも頻繁にやる。それで抜てき人事をニュースリリースで出すことがあるけど、あれは優秀な学生が入るのを狙っている目的が大きい。

D?チャラチャラした若い人も「社長になれる」みたいな(笑)。

B?例えば「2012年卒の3年目で子会社社長になった」という人のコメントがリリースに載る。すると、学生がそれを見て「若いのにそんな上まで行けるのか」などと思って受けると聞きますね。

A?それで入ってはくるけれど、そういう会社は大体、2〜3年後につぶれていることも多い(笑)。

──確かに親会社の若手が経営経験目的で出向する場合も多いです。

A?ただ私がいた会社の場合、経験を積むのではなく、リリースに載せて優秀な人材を集めたいだけ。子会社ベンチャーの社長に就いた若手がしているのは、せいぜい営業リーダーレベルの仕事。損益計算書ですら読み込む能力がない。

D?でも名刺の肩書は「社長」になっているってこと?

A?だからキャバクラでモテる(笑)。ちなみに、合コンで“電通”と名乗る人は大体CCI(サイバー・コミュニケーションズ、電通子会社)というのもよくある話ね。

D?子会社の若手社長は本社の経営会議には出ていなかったの?

A?全然、出てない。経営会議に呼ばれるのは私がいた子会社だけで孫会社は対象外。取締役以上がローテーションで出るけれど、業績が悪いときなどは指名される。一番数字を分かっているから「今回は常務が来い」といった形で。

C?人事的な話で言うと、被害を直接受けてはいないのですが、営業部隊に昨春、親会社の部長クラスの人が子会社に下ってきて、失敗を現場になすり付けるという不満を内部から聞きました。親会社が持っている広告分野を強めようとするタイミングで、上層部の人がたくさん入ってきたそうです。

──親会社側のリソースを活用しようとする中で、“天下り”も同時に起きたということですね。

C?それが現場では弊害となっていたようです。僕が子会社を辞めた後は、あるときから役員が一斉に親会社の人に様変わりしました。

A?それで思い出したのは、前職の入社時には従業員の約半数が親会社の出向者だったけど、「ゴミ捨て場」のようになっていたことね。

B?私は親会社が広告系の案件を代理店に通す前、一度今の子会社に入ってくる、という場所で仕事をしています。そこで営業担当が親会社を訪ね、提案しに行くのですが、そのオーダーに振り回される感じがあります。

?もともとベンチャーにいたのですが、そのときの平均年齢は非常に低かった。一方、今の親会社は年齢層が高く、堅い社風もあって帰宅時間が早い。こっちは働いていて、しかも大事な案件なのに担当者がもう帰っている、というようなことが結構あります(苦笑)。

──Bさんの会社はベンチャーとして創業して数年後、今の親会社に買収されていますよね。

B?そういう意味では、スピード感も親会社に左右されているところがあります。ベンチャーだったらすぐあれもこれもやろう、というふうになりますが、やっぱり上(親会社)がいると、ぱんぱんスピードを上げて、という形でプロダクトは生み出しにくいですね。

?親会社側には「グループ会社だからシナジー(相乗効果)を図っていこう」という文化がある。親会社が出しているサービスに沿った広告では、対象者が限られて逆に効果が薄くなってしまうのが実態なのですが、大方針も考慮してユーザーにメリットの少ない親会社の広告をある程度、出さざるを得ない。それは親会社が上にいるからこその大変さだと思います。


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所属は変わらず努力で埋まらぬ差
いずれは転職も

C?メーカー勤務のDさんは、こういう話を聞いてどう思います?

D?とても動きが速いですよね。同じ子会社というくくりでも、ネットビジネスのベンチャー系企業と、メーカー系の保守的な人が多いところでは全然違うなって。

?僕の会社では皆、本社側に気を使っている感じがすごくあります。子会社社員の給与は親会社の大体9割。だいぶ差が縮まる流れにはありますが、ベースが下がると年金などの格差も出てきます。

?海外駐在すれば赴任手当も出るので、給与差を努力で埋められる部分もありますが、やっぱり所属は変わらない。いずれは必ず差をつけられるので、そのときに転職しようと考えています。

?合コンとか含めて、対外的には親会社のブランドを名乗るわけですよ。でも細かく見ていくといろいろ違う。悔しくて、「このままじゃ終われない」とは思っています。

C?逆に僕は宿命なので(子会社でも)別に仕方がないかなと、楽観視するタイプでした。スキルを伸ばせるならいいかなって。

?ただ、こちらで作った提案書なのに、営業に同行できないのは、納得いかない点ではありました。

A?あれは本当にむかつくよね。

C?例えば親会社の大手広告代理店と一緒に進める案件があり、僕らが提案書を作る。すると親会社の人だけがわれわれの作った提案書を取引先にプレゼンしに行き、同席はできません。理由の一つに子会社だから、というのがあったようです。向こう(親会社)の手柄にしたいのでしょうね。

A?それで案件を落としたら営業力ではなく、私たちの提案書のせいにするやつもいる。なんか愚痴というか“子会社の闇”って感じ。話しだすと止まらないね。

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2017年2月10日 岡本実希
ギャンブル依存症の引き金、「ビギナーズラック」が危ない

借金を重ね、社会的地位を失っても、ギャンブルをやめることができないのが「ギャンブル依存症」だ。厚生労働省の調査によれば、男性のおよそ9人に1人は依存症の傾向があるとされており、深刻な問題となっている。2016年12月にはカジノ法案が成立したが、ギャンブルに触れる機会が増えるようになることで、依存症患者がさらに増加する危険性も指摘されている。ギャンブル依存症とは何なのか、どのような対策をとるべきなのか。専門家に話を伺った。(取材・文/岡本実希、編集協力/プレスラボ)

?昨年末、福岡県飯塚市の斉藤守史元市長らが平日昼間から賭け麻雀を行っていたことが発覚。今年1月末に飯塚市長を辞職した。疑惑を向けられた当初、「金をかけなければ麻雀人口が減る」と自己弁護したことも批判を浴びた。このように、ギャンブルによって自らの社会的な評判や地位を失うことは決して珍しいことではない。


※写真はイメージです
?国立病院機構久里浜医療センター・樋口進氏を代表とする厚生労働省の研究班が2014年に行った調査によると、ギャンブルをやめることができず日常生活に支障を及ぼしている依存症の患者は、日本全国で536万人にも及ぶという。特に男性では全体の8.7%にものぼり、およそ9人に1人は依存症の傾向があるという驚きの結果も発表された。

?ギャンブル依存症には適切な治療が必要だ。しかし、「やめられないのは意思が弱いから」というように性格の問題として片付けられてしまいがちであることから治療が遅れ、症状が悪化する原因のひとつとなっている。正しいギャンブル依存症への理解を広め、対策を整えていくことが患者の増加を食い止める一歩になることは間違いない。

?そこで、ギャンブル依存症の原因や治療の方法、そして行うべき対策を知るべく、ギャンブル依存症の患者の治療やブログでの情報発信を行う医療法人社団榎本会榎本クリニック・山下悠毅院長にお話を伺った。

親の年金を使い切り
生活保護を余儀なくされるケースも

――ギャンブルが好きな人はたくさんいると思いますが、依存症かどうかはどのように判断するのでしょうか。

山下?判断する条件は、大きく分けて以下の3つです。

?(1)1日中ギャンブルのことばかり考えてしまう
?(2)「やらないほうがいい」と自分で分かっている
?(3)自分の力で止めることができない

?これらの条件が満たされていると、病気だと判断して治療に移ることが多いですね。ただ、医学的に明確な診断基準がないことから、最終的には本人や周囲の人が困っており、治療を望んでいるかどうかに基づいて治療を開始します。

――ギャンブル依存症について、今までご覧になってきた患者ではどのようなケースがありましたか。

山下?自分の貯金を使いきってしまうのはもちろんのこと、家族が借金を数百万円工面した後も続けている方が大多数です。中には、親の年金にまで手を出してしまう方もいます。私が経験した最も深刻なケースだと、両親の積み立てた保険を解約し、土地の権利書もこっそりと売ってしまった方を診察したことがあります。結局その方は、本人の治療はもちろんのこと、ご両親の生活保護の書類も私が書きました。

ギャンブル依存症
やめられなくなるメカニズムとは

――「やめられないのは意思が弱いからだ」という意見を言う人もいます。


山下悠毅
帝京大学医学部卒業。東横恵愛病院医局員、たわらクリニック院長を経て、平成28年8月より榎本クリニック院長。日本精神神経学会認定精神科専門医?精神保健指定医?日本医師会認定産業医
ブログ:プラセボのレシピ
山下?ギャンブル依存症は「意思の弱さ」といった性格が原因なのではなく、治療が必要なれっきとした「心の病」です。こういった間違ったイメージをなくしていくためにも、ギャンブル依存症についての正しい理解が広がることが必要だと考えています。

?まず、「依存症とは何か」について説明しますね。ギャンブル依存症は、大麻や覚せい剤などが原因の「物質依存症」とは異なり、「行為依存症」と呼ばれています。「私たちは、「のるか、そるか」といった、まさしくギャンブル状態におかれると、興奮してドキドキしますが、そのドキドキがやみつきになって該当行為をやめられなくなることを指します。ちなみに、万引きや盗撮が止められない方も、この「行為依存症」です。そのため、私は「行為依存症」を「ドキドキ依存症」とも呼んでいます。

――ドキドキしているとき、体内ではどのような変化が起こっているのでしょうか。

山下?人間の頭のなかを簡単に表現すると、「本能」と「理性」に分けることができます。本能は、大脳辺縁系という部分で、好き嫌いを決める偏桃体や、記憶に関わる海馬などからなっています。これは全動物に備わっていて「エサを食べたい、異性に接近したい」といった欲動のアクセルです。

?一方、理性を司っているのが前頭前野です。これは、人間が最も発達しており、「おいしそうだけど、今はお腹いっぱいだから後にしよう、異性に対していきなり抱きつかずにまずはデートに誘おう」というように、欲動に対してブレーキをかける機能を持っています。

?そして、依存症患者は、この脳の「本能」を司る大脳辺縁系の周囲に「依存の回路」が後天的にできてしまっているのです。

?ギャンブル依存症患者も、普段は「理性」を司る前頭前野のブレーキがきちんと働いているのですが、パチンコ店や競馬場の前を通りかかった瞬間、過去の記憶や快感が呼び起こされ、大脳辺縁系周囲の回路が強く活性化します。その結果、回路に多くの血液が集まり、前頭前野の血液量が少なくなる(※)ことでブレーキ機能が停止状態となり、アクセルが暴走してしまうのです。

※人は、アルコールを摂取すると前頭前野の血流が低下し、ブレーキ機能が低下することが証明されています。そのため、アルコールを摂取すると暴言を吐いたり、セクハラをしたりといった不適切な行為が多くなる傾向にあります。ギャンブル依存症では上記のような血流の動きはまだ完全には証明されていませんが、アルコール摂取時と同じようなメカニズムが脳内で起こっている、と山下さんは言います。

ビギナーズラックや大当たりが
依存症を加速させる

――依存症になる人とそうでない人がいるのはなぜでしょうか。

山下?暇であったり、趣味や専念できるものがない、なんて方は危険ですが、それ以上に重要な要素が「ビギナーズラック」です。誰だって、初めてギャンブルをした時に、一度も当たることなく大金をすってしまったら、「二度と行くもんか」と思いますよね。しかし、偶然にも初めて行った時に大きく勝つ人がいる。そうすると、ドーパミンが大量に分泌され、大脳辺縁系に依存の回路ができるのです。私も、パチンコは友人に誘われ、行ったことはあるのですが、もしそこでビギナーズラックを経験したならば、依存症になっていた可能性があると思います。

――パチンコや競馬、宝くじなど様々なギャンブルがありますが、特に注意が必要なものはありますか。

山下?運だけが大きくものをいう宝くじで、サラ金からお金を借りてまで依存してしまう人は皆無です。一方、素人が偶然、羽生善治さんに将棋で勝ったとしても、勉強を非常に要する将棋の依存症になることもありません。

?つまり、大切なのは、この「運」と「勉強(工夫)」の組み合わせなのです。パチンコや競馬は、雑誌を読んで機種や馬の研究をするなど一定の工夫のしがいがあり、かつ運も必要になってきます。これが、ギャンブルが面白くなる絶対的要素で、依存の回路が強化されている条件なのです。また、「自分は努力している」という自己肯定感や「自分は選ばれている」といった選民意識もそれを後押ししていると思います。

「欲動のアクセル」を抑え
「理性」のブレーキをかけること

――では、ギャンブル依存症はどのように治療を行えばいいのでしょうか。

山下?よく、クリニックにいらっしゃった患者のご家族の方が「もうやらないように反省文を書かせました」「もうしませんと誓わせました」とおっしゃるのですが、これは全くといっていいほど意味がありません。先ほども説明したように、依存症患者はギャンブルを目の前にすると、理性である前頭前野のブレーキが壊れた状態になってしまうからです。いくら理性の部分で反省や誓約をしたところで無意味なのです。


?そこでまず今すぐにとりかかれることとしては「できてしまった依存の回路が回らない、つまり前頭前野のブレーキが壊れない環境をつくる」ことです。当たり前ですが、ギャンブルはお金を持っていないとできませんから、家族にお金を管理してもらい自由に使えないようにすれば、ブレーキがきちんと機能し続けるのです。

?お金のようにギャンブルをしてしまうきっかけになるものは、ほかにも数多くありますが、私はこれらをまとめて「THE・TPO」と呼んでいます。以下のような要素をできるだけ生活のなかから排除することが依存の回路を回さない環境づくりのためには重要です。

?T:ツール(道具)打つためのお金、お店に行くための車など
?H:ヒューマン(人)一緒に行く人、パチンコの雑誌を見せてくる人など
?E:エモーション(感情)職場や家庭でのストレス、孤独感や寂しさなど

?T:タイム(時間帯)ノー残業デーの帰り道、休日の空いた時間など
?P:プレイス(場所)お店がある場所、ギャンブルの雑誌がある場所
?O:オケーション(状況設定)上記のT・H・E・T・Pの組み合わせ

?これらを徹底的に、できうる範囲内で日常から排除、解決していくのです。

?例えば、日曜日の暇な時間帯(T:タイム)にギャンブルをやってしまう傾向がある人は、その時間にジムに行く習慣をつけてパチンコができないようにするといった対策が考えられます。また、パチンコ店が通勤ルートにあり(P:プレイス)目に入るとやりたくなってしまうという人は、通勤ルートを変えてその道を避けるという対策をとることができるでしょう。

?もうひとつ重要なのは、「自分でもう一つブレーキを作る」ということです。これを私は「二次ブレーキ」と名づけていますが、前頭前野が機能停止をしても大丈夫なようにしておくのです。

?簡単に言うと、いつもパチンコ店の前を迂回して通勤している人が、偶然出張などでパチンコ店を見つけてしまったら、「あっ、と思ったその瞬間に、180度後ろを向いてその場を離れられるようダッシュする」とあらかじめ決めておくのです。こうすることで、欲動のアクセルが暴走してしまうその前に、問題行動を防ぐことができるのです。

?私の行う治療では、実際にパチンコ店を見つけてしまったと仮定して、ダッシュするロールプレイングも行っています。何度も練習することで、この二次ブレーキのかけかたを覚えこませることが大切です。

カジノ法案が成立
ギャンブル依存症は増加する?

――2016年12月にはカジノ法案が成立しました。今後ギャンブル依存症患者が増える可能性も指摘されていますが、どのような対策をとっていけばよいでしょうか。

山下?現状、日本にはパチンコ店や競馬場が数多く存在しており、既に日常生活のなかにギャンブルが浸透しています。ですから、新しくカジノができたことでギャンブル依存症患者が急増するとは思いません。

?例えば、オリンピックに向けて都内にたくさん日本酒のバーができたところで、コンビニでビールが買える日本において、アルコール依存症の患者が増えないであろうことと同様です。

?ただ、世界各国ではカジノを設置する際に、ギャンブル依存症患者が増えないように法律が定められるなど様々な対策がとられています。

?例えば、韓国では入場回数が多い顧客に対してカウンセリングが定められており、依存症が深刻になる前に治療を始められるようになっています。また、韓国やマカオ、シンガポールでは、依存症やそのリスクが高い利用者は本人もしくは家族・行政がカジノ施設への入場を規制することができるようになっています。

?日本でもこうした各国の対策を参考にして、依存症患者の治療制度を整備していく必要はあると思います。
http://diamond.jp/articles/-/117430
 

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