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インタビューに答える早川英男氏(写真:フジサンケイビジネスアイ)
トランプ米政権 極端な保護主義、中国と同じ 早川・日銀元理事に聞く
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170209-00000004-fsi-bus_all
SankeiBiz 2/10(金) 8:15配信
2国間の貿易不均衡を問題視するトランプ米大統領は自動車分野や為替政策で日本に批判の矛先を向けている。日米首脳会談を前に、トランプ政権への対応などについて、日銀元理事の早川英男・富士通総研エグゼクティブ・フェローに聞いた。
「トランプ大統領に対し、極端な保護主義は米国の中国化を招きかねないなどと毅然(きぜん)とした態度で日米首脳会談に臨むべきだ。こびへつらって土産を持って来ましたというような形は避けた方がいい」
「本来は、自党の共和党が法案審議も含めて責任を負うべきだが、トランプ大統領の暴走にブレーキをかけられるのは、同盟国首脳の安倍晋三首相かメルケル独首相だけ。長期政権の安倍首相がリーダーシップを発揮するときが来た」
「トランプ大統領は、就任会見で貿易赤字を「デフィシット(赤字)」ではなく「ロス(損失)」と表現した。国によって異なる貿易構造を理解せず、2国間の貿易収支を企業の損得と同じように捉えている。しかも、ロシアとの関係を深めるなどビジネスを優先する姿勢は、アフリカ諸国に進出する中国と同じだ」
「世界貿易機関(WTO)からの脱退を示唆することについても、米国が最も恩恵を受けてきたことを説明すべきだ。対抗して知的所有権が否認されれば米国は大打撃を受ける」
「金融、環境分野の規制緩和についても反対だ。短期的に企業の負担は減るが、長期的な競争力を失うだけだ。金融緩和政策を続ける日本を『円安誘導』だと批判する発言もおかしい。2008年のリーマン・ショック後、米連邦準備制度理事会(FRB)がルールを破って最初に実行した経緯がある。今回は、難しい外交になるだろうが、手腕が試されている」
◇
【プロフィル】早川英男
はやかわ・ひでお 東大経卒。1977年日銀入行。調査統計局長、名古屋支店長、理事。2013年4月から富士通総研。62歳。愛知県出身。
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