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南京駅で昨年7月に行ったウォシュレットのPR展示
中国でウォシュレットがウケる理由
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/8784
2017年1月31日 中西 享 (経済ジャーナリスト) WEDGE Infinity
TOTOが海外での売り上げを着実に伸ばし、これまで思うように浸透していなかった温水洗浄便座「ウォッシュレット」の販売が2016年度第2四半期(10月末)でみると、12年同期と比較して2.5倍伸び、世界市場に向けて本格的な普及期を迎えようとしている。中でも中国市場はこの数年は30%〜40%増加、大きな柱に成長してきている。1990年代の初めから現地で販売をスタートし、ウォシュレットを使うことを経験した中国人観光客の購入が、中国国内や日本で増えたことなどで都市部を中心に徐々に浸透している。インバウンド(外国人観光客)が伸びたことが普及する上でプラスになっているといえる。今年創立100周年を迎える同社は一段とグローバル戦略を強化する方針だ。
■「中国が主戦場」
1979年に進出した中国の売上高は、600億円を超えて営業利益率も20%を超えるなど大きなウエートを占めるようになっており、16年度は北京、上海、広州、天津、深圳の一級都市を重点的に攻略、かなりの成果を上げてきた。レストルーム事業担当の麻生泰一上席執行役員は「中国は大きな市場規模があるため、欧米のメーカーも競って出てきており、今後も主戦場になる。中国は高級品を好むため高付加価値商品を販売しており、利益が出やすい構造になっている。ハイレンジ商品のトップ10%の市場のうち3割近くのシェアを持っている」と中国市場の重要性を指摘する。
中国には衛生陶器の現地メーカーは多く存在するが、高付加価値、特に水回りの技術を搭載した商品を生み出せるメーカーが少ないこともあって、TOTOが優位に立っている。現在、中国全土には衛生陶器の工場が4か所あり、販売する商品の大半を現地生産している。陶器は重くてかさばるため、消費地に近い工場を生かして流通、地産地消の現地化を進めている。
中国では主要都市ではウォシュレットを取り付けてくれるネットワークができているため「中国人が日本に旅行して、ウォシュレットを買って帰っても、TOTOの販売店に頼めば取り付けてくれる。こうした地道な努力を重ねることにより徐々に普及してきている」と話す。
日本で普及したときは一般家庭から広がったが、中国の場合はホテルなどから住宅に向かう日本と逆方向の流れで浸透してきている。大都市圏では高級マンションでは設置するところも出ているが、内陸部は手が付けられていない状況で未開拓の地域は伸びる余地は大きい。
■海外比率24%
TOTOは17年度を最終年度とする中期経営計画を掲げているが、それによると海外売上比率を24%にまで引き上げるとしている。麻生執行役員によると「為替の影響はあるが、いまのペースで行けばほぼ達成できると思う」と自信をみせている。市場別の目標は、中国市場が710億円で最高級ブランドの地位を維持しウォシュレットの認知、販売拡大を図る。次が米国市場で同年度400億円、アジア・オセアニアは同360億円、欧州は110億円を目標にしている。
しかし、トイレは各国の宗教、文化とも関係するので習慣を無視して販売することはできない難しさがある。特にインドネシアなどイスラムには独特の「トイレ文化」があるそうで、普及は簡単ではないという。また欧州ではトイレが設置されるバスルームには電源の場所に制約がある国もあるなど法律上の規制がある。その中で、最近はアジア地域では台湾やベトナムでの売り上げが伸びている。これもインバウンドの好影響とみられ、温水洗浄便座の普及は各国の「トイレ文化」を少しずつ変えてきている。
■欧米の高級ホテルで採用
日本を旅行して温水洗浄便座の良さに感動した中国人やアジア人の中には、ほかの国に旅行した際にホテルで温水洗浄便座が付いた部屋を希望するという。このため「欧州で新しく建設されるホテルで、中国人が多く泊まるシャングリラなどではウォシュレットがスイートルームなどに入るようになってきた」と指摘する。
欧州は衛生陶器の強いブランドのメーカーがいるため、苦戦した時期もあったが、16年度は10年度と比較して、ウォシュレットを採用したホテルの件数が12件から5倍の60件に増えるなど、徐々に認知されてきている。それを象徴するようにフランスの高級スキーリゾートホテル「バリエール・レ・ネージュ」の全室に採用されたという。
米国では昨年9月にニューヨークのマンハッタンにTOTO直営のショールームを移転、増床した。マイアミにできた豪華ホテル「ポルシェタワー」では全室にウォシュレットが入りリッチなイメージになっているそうで、海外の高級ホテルに導入され始めている。
■操作ボタンの統一
TOTOはかつて国内に温水便座の普及をしようと、「おしりだって洗ってほしい」という奇抜なテレビCMを1982年に使った。このCMが評判を呼んだこともあってこれ以後、日本で急速に普及していった。しかし、「トイレ文化」が国によって様々な海外では、CMが当たったくらいで普及するほど簡単にはいかない。中国ではかつて有名女優をCMに使ったことがあるが、期待したほどの効果はなかったという。今後はショールームでの展示、各種のメディアを使ったPRなどあらゆる機会を通じて温水洗浄便座の便利さを知って、体験してもらうことが必要になる。
その中で年初にトイレ機器メーカーの業界団体「日本レストルーム工業会」(会長は喜多村円TOTO社長)が温水便座の「おしり洗浄」などを表す8種類の操作ボタンのピクトグラム(絵記号)を統一すると発表した。これまでメーカーによって表示がバラバラだったため、外国人観光客から「分かりにくい」といった声はあったためだ。統一した絵記号は、便器洗浄(大)、便器洗浄(小)、ビデ洗浄、便座開閉、乾燥などで、直線的なシンプルなデザインになっている。17年度からの新製品に適用し、国際標準化を目指すという。日本製品は国際標準化では遅れをとることが多いので、日本がリードしてきた温水洗浄便座では日本が中心となって標準化を進めるべきだろう。操作ボタンの統一により、トイレでの「おもてなし」が外国人に理解されれば、普及に弾みがつくことになりそうだ。
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