http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/668.html
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たんぽぽ舎メールから転載
国際放射線防護委員会ICRPが眼の水晶体被曝量を
| 年間150mSvから年間20mSvにまで引き下げた
| にもかかわらず
| ・日本でこれに対応した被曝基準の引き下げが行われていない
| ・多くの原発事故処理作業員がこの基準を超えて
| 被曝させられている
| おしどりマコさんが重要な論説(『DAYS JAPAN』9月号)
└──── 渡辺悦司(市民と科学者の内部被曝問題研究会)
◎ おしどりマコさんが『DAYS JAPAN』の9月号(現在発売中)に、重要な論説
を書いておられます。
「突貫工事が招いた原発作業員の水晶体被曝」(50〜51ページ)です。
国際放射線防護委員会ICRPが、2011年のソウル会議で、眼の水晶体被曝量
をそれまでの年間150mSvから、事実上年間20mSvにまで引き下げたという指摘です。
◎ マコさんの記事は、
(1)日本でこれに対応した被曝基準の引き下げが行われていないことの批判、
(2)多くの原発事故処理作業員がこの基準を超えて被曝させられていることの
暴露、と展開されていきます。
この点、政府の帰還政策を評価する上でも注目すべきではないかと考えます。
関連して調べてみましたら、この内容は、ICRPのPublication118に公表さ
れており、最近、日本語に翻訳されて、無料で公開されています。
これは、放射線被曝による、いろいろな疾病の閾(しきい)値を包括的に検討し
たもので、下記からダウンロードできます。
http://www.jrias.or.jp/books/cat/sub1-01/101-14.html
まだ通読できていませんが、パラパラ見ていますと、白内障の閾値は0.5グレイ
(Gy)(ほぼ500mSvと同じ)と出てきます。
◎ 確かめてみましたら、放射線技士養成用の教科書『放射線生物学』(メジカ
ルビュー社)にも同じ記載があります。
さらに、そこには、発症初期であれば、高齢化による発症と、放射線影響によ
る発症とは、白濁の部位がちがい、それで区別ができるとも書かれています
(171〜172ページ、197ページ)。
◎ 私見では、年20mSv地域に帰還する住民やとくに子供について、同じく水晶体
被曝による白内障の危険を言わなければならなりません。
政府による帰還政策が強行されている現在、白内障の閾値が0.5Gy程度だとする
(これは後で検討するように過小評価ですが)と、20mSv/年の地域に居住すれば、
大人で25年間で、子供だと(放射線感受性がICRPでも平均の3倍ですから)
8年程度でこの閾値に達してしまうことになります。
ICRPによれば、白内障は「組織反応」という考えですから、閾値を超える
と急カーブで発症するという想定になります(いわゆるシグモイド曲線)。
ですから、年間20mSv地域に子供を帰還させることは、リスクを過小評価したI
CRPの基準に従ったとしても、8年程度で影響が出始め、10数年も経てば、帰
還した子供のほとんどが、白内障になる可能性が高いということになります。
帰還政策とは、このように残酷で基本的人権を無視した計画ということになり
ます。
◎ また、このICRPの閾値推計には、私どもが共著『放射線被曝の争点』に
おいて検討したように、
(1)放射性微粒子として角膜に付着した放射性物質からの被曝や、
(2)内部被曝による体内からの被曝の影響、
(3)個人間の放射線感受性の大きな相違(大阪大学の本行教授によれば最大で
約100倍)などは、無視されています。
ですから、この閾値には、大きな過小評価があると考えるべきです。
ですが、それでも、マコさんの指摘される水晶体被曝は、現在行われている帰
還政策の危険性・非人道性を示す一つの典型的な事例になると思います。
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