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(回答先: 消えた中国保険の創業者 派手な買収主導、規制強化で逆風 投稿者 あっしら 日時 2017 年 6 月 25 日 03:08:22)
〈FT特約〉中国の保険大手失墜 海外M&Aの実態不透明
中国のたたき上げの大物の中でも、安邦保険集団の呉小暉董事長は彗星(すいせい)のごとき存在だった。だが、今や地に落ちようとしているようだ。腐敗を摘発する当局が安邦の帳簿を調べ始め、呉氏は先週拘束された。その後に残ったのは中国企業の海外M&A(合併・買収)攻勢での不透明さと不安定性に関する一連の教訓だ。
調査会社ディールロジックによると安邦は2014年10月以降、米名門ホテルのウォルドーフ・アストリア・ニューヨークなど世界で十数件の買収を完了し、数々の企業の大株主にもなった。中国企業による昨年の海外M&Aは総額2290億ドル(約25兆円)に達したが、安邦は最も貪欲な一社だった。
だが、一部の買収はその質に疑問がつきまとう。安邦の場合は、あまりにも情報の開示が乏しい。安邦は会社所有者の実像やグループの監査済み財務諸表、取締役会のメンバーを公表していない。
何よりも安邦のビジネスモデルは専門家でも説明できない。特に不可解なのは、グループの年間保険料収入が13年の260億元(約4200億円)から16年の5040億元へ急増したとされる点だ。
拘束は公式には確認されていないが、呉氏が戻ってくるかどうかはわからない。呉氏が米国や欧州など世界各地で買収した一連の企業に不確実性が生じる公算は大きい。
安邦の転落は、欧米の規制当局と中国企業による買収の対象企業にいくつかの教訓を示している。第一に、透明性を強く求めることだ。中国の買収側企業が最も基本的な会社情報を明かさなければ、その会社のビジネスモデルの安定性と中国の階層構造の中での位置付けを判断できない。
第二に、中国の政治情勢の移ろいやすさに関わるリスクだ。海外M&Aがブームとなった昨年は対外投資が急増したが、今年は資本流出に対する中国政府の懸念から流れが止められている。それと同時に、当局は民間の企業家に対する取り調べを強化した。
第三に、中国企業の負債比率の高さだ。中国企業の負債総額は国内総生産(GDP)の約170%に達する。これは海外M&Aの一部は買収先よりも財務状態が大きく劣る会社によって行われていることを意味する。呉氏の拘束は欧米の規制当局と企業に対して、不透明な中国企業による買収行動をもっと精査する必要があることを思い知らせるはずだ。
(19日付、社説)
=英フィナンシャル・タイムズ特約
[日経新聞6月20日朝刊P.8]
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