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ロシアの高性能な地対地ミサイルがシリアへ配備され、イスラエル全域が射程圏内に入った影響
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201701100000/
2017.01.11 03:25:07 櫻井ジャーナル
イスラエルの偵察衛星がシリアへロシアが提供したミサイルの施設を発見、その中にはマッハ6から7で飛行する地対地ミサイル「イスカンダル」が含まれているという。射程距離は280から500キロメートルで、Mタイプの場合、その命中精度は5から7メートルだと言われている。
このミサイルは移動式で、衛星、航空機、地上基地などから目標を指示できるだけでなく、搭載されたコンピュータにターゲットの映像を記憶させて目標の位置を特定させることもでき、しかも電磁パルスを使って敵のレーダーを攪乱させたり、オトリを放出することもできる。西側の防空システムは対応できないと考えられている。シリアに配備されているということは、イスラエル全域が射程圏内に入っていると考えて良いだろう。すでにロシアはシリア政府軍を守るため、防空システムのS-300やS-400をシリアへも配備しているが、状況によっては攻撃国を直接叩くことも可能になった。
核弾頭も搭載できるというイスカンダルの存在はイスラエルの動きを拘束するとも見られている。シリアだけでなくイランを攻撃することも難しくなった。こうした状況がイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ政権をロシアへ接近させ、ネオコンとの間に亀裂を入れた可能性もある。
アメリカとイギリスの電子情報機関、つまりNSAとGCHQが組織しているUKUSAはイスラエルの電子情報機関8200部隊に協力する一方、ネタニヤフ首相の電話を盗聴するなど政府の動向を監視していると言われ、その関係には微妙なものがある。その微妙な部分の隙間が開いてきたのではないか、ということだ。
ロシア政府はシリアの防衛体制を強化する一方、シリア沖からアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を攻撃していた重航空巡洋艦(空母)クズネツォフ提督を他の艦船とともに引き揚げさせるつつある。ロシア軍を長期にわたって貼り付けないようにしているのだろう。
そうした引き揚げがあっても、ロシア軍はカスピ海から巡航ミサイルを発射してシリアのターゲットへ正確に命中させることができる。これは実証済みであり、潜行中の潜水艦から発射されたミサイルによる攻撃も行われてきた。とりあえず、空母を引き揚げても大丈夫だとロシア政府は判断したのだろう。
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