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パキスタン軍が巡航ミサイル「バーブル3」の発射実験に成功したと発表
パキスタンが潜水艦ミサイル実験、「核の連鎖」の緊張強まる
http://www.cnn.co.jp/world/35094792.html
2017.01.11 Wed posted at 09:52 JST
香港(CNN) パキスタン軍はこのほど、核の搭載が可能な巡航ミサイルを潜水艦から発射する実験に初めて成功したと発表した。これに先立つ12月、インドは大陸間弾道ミサイル「アグニV」の発射実験を行っていた。
パキスタン軍は今回発射実験を行ったミサイル「バーブル3」について、近隣国が独自の技術開発を進める中で、パキスタンの防衛を強化する一助になると強調。「パキスタンの近隣国が採用している核戦略や態勢に対して計画的に対応する戦略の表れ」だとした。これは暗にインドを示唆していると思われる。
パキスタン軍の元高官、タラート・マスード氏はCNNの取材に対し、敵からの攻撃を想定した反撃能力の確立を目指すパキスタンの取り組みは「始まったばかり」だと指摘した。
ただし潜水艦の艦隊による反撃能力の維持は経済的にも外交的にも高くつくとマスード氏は見る。軍事情報大手ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリーによると、パキスタンの艦隊に配備された潜水艦は現時点で8隻。現実的に敵を抑止するためにはそのうち3隻に核の搭載が可能なミサイルを装備する必要があるとマスード氏は話している。
一方、パキスタンのミサイル実験に対するインドの反応についてインド政策研究センターのバーラト・カーナド教授は「脅威ではあるが、インド海軍は対峙(たいじ)できるとの確信を持っている」と分析。抑止力の観点からはパキスタンによるミサイル発射の発表は意味があると解説した。
インドの国産長距離弾道ミサイル「アグニ5」
ただしインドはパキスタンにとどまらず中国にも目を向けており、翻って中国は米国に照準を合わせつつある。カーナド氏はこの状態を「解決策のない核の連鎖」と形容し、「この地域にとって最大の戦略的問題」と位置付ける。
パキスタンのバーブル3は、1990年代にパキスタン国内でほぼ無傷で見つかった米国製ミサイルの技術を分析して開発されたと思われる。パキスタン軍の発表によると、地上発射式巡航ミサイルの改造版で、射程は約450キロ。「水中制御式の推進機能や高度な誘導・航行機能など、最新鋭の技術」を結集し、敵のレーダーや対空防衛をかわす能力を搭載。ある程度のステルス技術も採用しているという。
パキスタンとインドはカシミール問題を巡って対立を深めており、今回のミサイル発射で一層緊張が高まる可能性もあるとジェーンズは予想している。
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