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中国がなぞる米海軍の歴史 [FT]
アジア・エディター
ジャミール・アンデリーニ
今年に入って中国から流れてきたニュースと言えば、株式市場の下落と不安定な為替相場の話ばかりだ。だが、同程度のインパクトを世界に及ぼしかねない北京発のニュースがもう1つある。中国は、指針としている軍事ドクトリンをひそかに修正していたのだ。
中国・人民日報系の日刊紙、環球時報は今月、この新しい立場を報じた。これによると「我が国の軍事力の強さは世界に示されなければならない」という。「軍隊が強ければ、中国はこれまで以上に政治的に魅力のある、そして影響力も説得力もある国になれる」と論じている。
このようなタカ派的姿勢は、1970年代後半以降の中国の外交政策を規定してきた「韜光養晦(とうこう・ようかい)」、すなわち「己の能力を隠し、時機が来るのを待つ」という方針が事実上、終わりを迎えたことを示している。
これに米国政府がどう対応するかが、今日の世界で最も重要な外交政策問題だ。しかし、中国の不透明さと西側諸国の知識のなさが相まって、中国が何を望んでいるのか、そしてそれをどのように手に入れる計画なのかを十分に把握している人は、中国政府の内部で政策立案に携わるエリートを除けば、ごくわずかだ。
中国について最も誤解を招きやすい主張の1つに「中国は拡張主義の大国になったことがない」というものがある。だが、戦いに明け暮れた数千年の間に中国の領土が大きくなったり、小さくなったりしてきたことは、数枚の昔の地図をちょっと見ただけで分かるだろう。
今日の中国のように、米国もかつて明確に帝国主義と拡張主義を否定した。米国優位の時代は、他の多くの帝国と同じように始まった。自国から遠く離れたところにいる商人や市民を守ることの必要性から始まったのだ。米国は北アフリカで海賊と戦うという目的のために最初の公式海軍を立ち上げた。
そして中国の場合、過去600年以上の間で初めて海外へ軍艦を派遣したのは2008年のことだ。その任務は何だったか? アフリカ沖のソマリアの海賊と戦うという名目だった。
(28日付)
[日経新聞1月31日朝刊P.15]
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