http://www.asyura2.com/16/senkyo218/msg/317.html
Tweet |
安倍首相所感「和解の力」全文[NHK]
12月28日 7時26分
安倍総理大臣の所感の全文です。
オバマ大統領、ハリス司令官、ご列席の皆さま、そして、すべての、アメリカ国民の皆さま。
パールハーバー、真珠湾に、いま私は、日本国総理大臣として立っています。
耳を澄ますと、寄せては返す、波の音が聞こえてきます。
降り注ぐ陽の、やわらかな光に照らされた、青い、静かな入り江。
私のうしろ、海の上の、白い、アリゾナ・メモリアル。
あの、慰霊の場を、オバマ大統領とともに訪れました。
そこは、私に、沈黙をうながす場所でした。
亡くなった、軍人たちの名が、しるされています。
祖国を守る崇高な任務のため、カリフォルニア、ミシガン、ニューヨーク、テキサス、さまざまな地から来て、乗り組んでいた兵士たちが、あの日、爆撃が戦艦アリゾナを二つに切り裂いたとき、紅蓮の炎の中で、死んでいった。
75年が経ったいまも、海底に横たわるアリゾナには、数知れぬ兵士たちが眠っています。
耳を澄まして心を研ぎ澄ますと、風と、波の音とともに、兵士たちの声が聞こえてきます。
あの日、日曜の朝の、明るく寛いだ、弾む会話の声。自分の未来を、そして夢を語り合う、若い兵士たちの声。最後の瞬間、愛する人の名を叫ぶ声。
生まれてくる子の、幸せを祈る声。
一人、ひとりの兵士に、その身を案じる母がいて、父がいた。
愛する妻や、恋人がいた。
成長を楽しみにしている、子どもたちがいたでしょう。
それら、すべての思いが断たれてしまった。
その厳粛な事実を思うとき、私は、言葉を失います。
その御霊よ、安らかなれー。
思いを込め、私は日本国民を代表して、兵士たちが眠る海に、花を投じました。
***
オバマ大統領、アメリカ国民の皆さん、世界の、さまざまな国の皆さま。
私は日本国総理大臣として、この地で命を落とした人々の御霊に、ここから始まった戦いが奪った、すべての勇者たちの命に、戦争の犠牲となった、数知れぬ、無辜の民の魂に、永劫の、哀悼の誠を捧げます。
戦争の惨禍は、二度と、繰り返してはならない。
私たちは、そう誓いました。
そして戦後、自由で民主的な国を創り上げ、法の支配を重んじ、ひたすら、不戦の誓いを貫いてまいりました。
戦後70年間に及ぶ平和国家としての歩みに、私たち日本人は、静かな誇りを感じながら、この不動の方針を、これからも貫いてまいります。
この場で、戦艦アリゾナに眠る兵士たちに、アメリカ国民の皆さまに、世界の人々に、固い、その決意を、日本国総理大臣として、表明いたします。
***
昨日、私は、カネオへの海兵隊基地に、一人の日本帝国海軍士官の碑(いしぶみ)を訪れました。
その人物とは、真珠湾攻撃中に被弾し、母艦に帰るのをあきらめ、引き返し、戦死した、戦闘機パイロット、飯田房太中佐です。
彼の墜落地点に碑を建てたのは、日本人ではありません。
攻撃を受けた側にいた、米軍の人々です。
死者の、勇気を称え、石碑を建ててくれた。
碑には、祖国のため命を捧げた軍人への敬意を込め、「日本帝国海軍大尉」と、当時の階級を刻んであります。
The brave respect the brave.
「勇者は、勇者を敬う」
アンブローズ・ビアスの、詩(うた)は言います。
戦い合った敵であっても、敬意を表する。
憎しみ合った敵であっても、理解しようとする。
そこにあるのは、アメリカ国民の、寛容の心です。
戦争が終わり、日本が、見渡す限りの焼け野原、貧しさのどん底の中で苦しんでいた時、食べるもの、着るものを惜しみなく送ってくれたのは、米国であり、アメリカ国民でありました。
皆さんが送ってくれたセーターで、ミルクで、日本人は、未来へと、命をつなぐことができました。
そして米国は、日本が、戦後再び、国際社会へと復帰する道を開いてくれた。
米国のリーダーシップの下、自由世界の一員として、私たちは、平和と繁栄を享受することができました。
敵として熾烈に戦った、私たち日本人に差しのべられた、こうした皆さんの善意と支援の手、その大いなる寛容の心は、祖父たち、母たちの胸に深く刻まれています。
私たちも、覚えています。
子や、孫たちも語り継ぎ、決して忘れることはないでしょう。
***
オバマ大統領とともに訪れた、ワシントンのリンカーン・メモリアル。
その壁に刻まれた言葉が、私の心に去来します。
「誰に対しても、悪意を抱かず、慈悲の心で向き合う」。
「永続する平和を、われわれすべてのあいだに打ち立て、大切に守る任務を、やりとげる」。
エイブラハム・リンカーン大統領の、言葉です。
私は日本国民を代表し、米国が、世界が、日本に示してくれた寛容に、改めて、ここに、心からの感謝を申し上げます。
***
あの「パールハーバー」から75年。
歴史に残る激しい戦争を戦った日本と米国は、歴史にまれな、深く、強く結ばれた同盟国となりました。
それは、いままでにもまして、世界を覆う幾多の困難に、ともに立ち向かう同盟です。
明日を拓く、「希望の同盟」です。
私たちを結びつけたものは、寛容の心がもたらした、the power of reconciliation、「和解の力」です。
私が、ここパールハーバーで、オバマ大統領とともに、世界の人々に対して訴えたいもの。
それは、この、和解の力です。
戦争の惨禍は、いまだに世界から消えない。
憎悪が憎悪を招く連鎖は、なくなろうとしない。
寛容の心、和解の力を、世界はいま、いまこそ、必要としています。
憎悪を消し去り、共通の価値のもと、友情と、信頼を育てた日米は、いま、いまこそ、寛容の大切さと、和解の力を、世界に向かって訴え続けていく、任務を帯びています。
日本と米国の同盟は、だからこそ「希望の同盟」なのです。
***
私たちを見守ってくれている入り江は、どこまでも静かです。パールハーバー。
真珠の輝きに満ちた、この美しい入り江こそ、寛容と、そして和解の象徴である。
私たち日本人の子どもたち、そしてオバマ大統領、皆さんアメリカ人の子どもたちが、またその子どもたち、孫たちが、そして世界中の人々が、パールハーバーを和解の象徴として記憶し続けてくれる事を私は願います。
そのための努力を、私たちはこれからも、惜しみなく続けていく。オバマ大統領とともに、ここに、固く、誓います。
ありがとうございました。
==============================================================================================================================
オバマ大統領の真珠湾での演説全文(日本語訳)[日経新聞]
2016/12/28 11:35
(オバマ大統領演説の英語原文はこちら)
安倍首相、米国民を代表して大変すばらしい言葉に感謝する。今日、この地への訪問は、日米の人々の和解と結束の力を示す歴史的な行動であり、戦争の最も深い傷でさえ、友情と恒久平和に変えることができると気付かせてくれる。
出席者、軍人、真珠湾の戦いの生存者、家族の皆さん、アロハ。米国の人々、特にハワイをふるさとと呼ぶわれわれにとって、この湾は聖なる場所だ。われわれがここに花をささげ、今も涙を流す海に花束を投げ入れる時、天国へ行った2400人を超える米国の愛国者たち、父であり夫であり、妻や娘であった人たちに思いをはせる。
▽米国人の勇気
われわれは毎年12月7日に背筋を伸ばし、オアフを守ろうとした人々に敬意を表する。そして75年前にここで示された勇敢さに思いをはせる。
あの12月の夜明け、楽園でさえこの地ほどは心地よくなかった。水は温かく、あり得ないほど青かった。水兵たちは食堂で食事をしたり、しわのない白い半ズボンとTシャツを身に着けて教会に行く準備をしたりしていた。
湾には軍艦カリフォルニア、メリーランド、オクラホマ、テネシー、ウェストバージニア、ネバダがきれいな列をつくり停泊していた。アリゾナの甲板では、音楽隊がまさに演奏を始めようとしていた。
あの朝、肩につけた階級章が見劣りするほどに彼らは勇敢だった。島中で米国人は訓練用の砲弾や旧式のライフルを使用して可能な限り戦った。アフリカ系米国人の給仕はいつもなら掃除をしていたが、この日は上官を救い、弾が尽きるまで対空砲を撃ち続けた。
われわれは軍艦ウェストバージニアの1等砲撃手、ジム・ダウニングのような米国人に敬意を表する。彼は真珠湾に駆け付ける前、新妻から聖書の一文を託された。「永遠なる神は汝のよりどころ。その永遠なる腕に抱かれて」
ジムは船を守るため戦うと同時に、倒れていった仲間たちの名前を記録していた。彼らの家族に最期を伝えるためだ。彼は言う。「やるべきことをやっただけだ」と。
われわれは、ホノルルの消防士ハリー・パンのような米国人を記憶にとどめている。激しい炎が眼前に立ち上る中、飛行機の火を消すために彼は身をささげた。名誉負傷章を受けた数少ない民間消防士の一人だ。
50口径のマシンガンを2時間以上も操作し、20にもわたる傷を負い、軍人に授けられる米最高の勲章である名誉勲章を受けたジョン・フィン曹長のような米国人を、われわれはたたえる。
▽戦争の試練
この地でわれわれは、いかに自分たちの永続的な価値が戦争によって試されたか、日系米国人たちが戦時中、いかに自由を奪われたかを思い返す。米国史上で最も多くの勲章を授かった部隊は、日系米国人2世で構成された第442連隊戦闘団であり、第100歩兵大隊だった。
その第442連隊戦闘団には、私の友人であり誇り高きハワイ人であるダニエル・イノウエ(故人)も所属していた。彼は私の生涯の大半を通じハワイ州選出の上院議員を務め、上院で彼と共に働くのは私の誇りだった。彼は名誉勲章や大統領自由勲章の受章者であるだけでなく、彼の世代における最も傑出した政治家の一人だった。
ここ真珠湾で、初めて第2次大戦を戦った米国は奮起した。この地で、米国は成熟した。私の祖父母を含む「最も偉大な世代」は、戦争を求めていたのではない。しかし彼らは戦争から尻込みするのを拒んだ。そして彼らは前線や工場で自分の役割を果たした。75年を経て、真珠湾の生存者は時とともに数が減ってきたが、この地で思い出す勇敢さはわれわれ国民の心に永久に刻まれている。
真珠湾や第2次大戦の退役軍人の皆さん。どうか立ち上がってください、もしくは挙手してください。国民が皆さんに感謝できるように。
▽強固な同盟
国家の品性とは戦時中に試されるものだが、その意味は平和の下で明確になる。海をまたいだ激しい戦いにより、数万どころか数千万の命を奪った人類の歴史で最も恐ろしい一章の後、米国と日本は友情を選び、平和を選んだ。
数十年にわたり、われわれの同盟は、両国に一層の成功をもたらした。さらなる世界大戦を防ぎ、10億人以上を貧困から引き上げた国際秩序を支えてきた。
共通の利益だけでなく、共通の価値観に根ざして結びついた日米の同盟は今日、アジア・太平洋地域の平和と安定のための礎石となっており、国際的な発展のための力となっている。われわれの同盟はかつてなく強固だ。
良いときも悪いときも、われわれは共にある。津波が日本を襲い、福島の原子炉が溶けた5年前を思い出そう。そこには、軍服に身を包んだ米国の男性や女性たちが、日本の友人たちを助けるためにいた。
日米はアジア・太平洋地域と世界の安全を強化するため、世界中で肩を並べて働いている。海賊を追い返し、疫病と闘い、核兵器の拡散を遅らせ、戦争で引き裂かれた地域の平和を保ってきた。
今年初め、真珠湾の近くで、日本は二十数カ国と世界最大の海上軍事演習に参加した。それには、米海軍将校と日本人の母との間に生まれたハリー・ハリス司令官が率いる米太平洋軍も含まれていた。ハリーは横須賀生まれだ。彼のテネシーなまりからは分からないだろうけれど。
ハリー、君の際立った指導力に感謝する。
その意味では、われわれが今日ここにいることが、政府間の関係だけではなく人々同士の関係が、そして安倍首相がここにいることが、国と国との間、人々同士で何が可能であるかを思い起こさせてくれる。戦争は終わり得るものなのだ。最も激しく戦った敵同士が、最も強い同盟をつくることができるのだ。平和によって得られる成果は、戦争による略奪を常に上回るものだ。これこそがこの神聖な湾の不朽の真実だ。
この地でわれわれは思い出す。憎悪が最も激しく燃えさかる時でも、民族的な優越意識が最も高まる時でも内向きになることに抵抗しなければならないことを。自分たちと違う者を悪魔のように決めつける衝動に抵抗しなければならない。
▽お互いのために
ここで払われた犠牲、戦争の苦悩は、全人類に共通する神聖なるものを追求することを思い起こさせてくれる。わたしたちが日本の友人たちが言うところの「お互いのために」努力しなければならないことを示している。
それこそが戦艦ミズーリのウィリアム・キャラハン艦長が残した教訓だ。彼は自分の船が攻撃された後でも(命を落とした)日本のパイロットが軍人の尊厳を持って、米国の水兵らが縫った日本の国旗に包まれて埋葬されるように命じた。何年も後にこの湾に戻ってきた日本のパイロットが残した教訓でもある。彼は年老いた海兵隊のらっぱ吹きと友人となり、慰霊のらっぱを吹いて、記念碑に毎月2本のバラを手向けるように頼んだ。1本は米国の犠牲者、もう1本は日本の犠牲者のために。
この教訓は、両国の人々が日々、最もありふれたやり方で学んでいる。東京で勉強している米国人であり、米国に留学している若い日本人たちだ。そして、共にがんの未解明な部分を解き明かそうとしたり、気候変動対策に取り組んだり、星々の研究をしたりしている両国の科学者たちもいる。
平和と友情で結ばれた日米両国の人々が共有する誇りに支えられ、マイアミのスタジアムを沸き立たせているイチローのような野球選手もいる。
国として国民として、われわれは受け継ぐ歴史を選ぶことはできない。しかし、そこから何を教訓とするかは選ぶことができる。その教訓に基づいてわれわれの将来像を描くことができるのだ。
安倍首相、日本の人々がいつも私を歓迎してくれたように友情の精神であなたを歓迎する。私はあなたと共に、戦争よりも平和からこそ勝ち取れるものがあるのだということ、報復よりも和解からこそ、恩恵を受けられるというメッセージを世界中に送りたい。この静かな湾でわれわれは友人として共に、亡くなった人々を悼み、両国が勝ち取ってきたもの全てに感謝をささげる。
犠牲者たちが神の腕の中で永遠に抱かれますように。退役軍人とわれわれを守るために立ち上がった人々を見守ってください。われわれ皆に神の祝福がありますように。ありがとう。〔共同〕
http://www.nikkei.com/article/DGXLAS0040001_Y6A221C1000000/?nf=1
==============================================================================================================================
日米首脳「中国空母の動向注視」 会談で一致
2016/12/28 9:00
【ホノルル=山口啓一】安倍晋三首相は27日午前(日本時間28日午前)、オバマ米大統領とハワイ・ホノルルの米太平洋軍司令部で約30分会談した。来年1月に任期満了を迎えるオバマ氏と最後の会談で、アジア太平洋地域の安定に貢献してきた日米同盟を維持していくことを確認。中国空母が初めて西太平洋に進出したことについて「中長期的観点からも注目すべき動向だ」との認識で一致した。
オバマ氏との正式な会談は2012年12月の第2次安倍政権発足後、今回で9回目。
首相は冒頭「この4年間、共に努力し、日米同盟は安全保障、経済、人的交流を含む幅広い分野で協力が深化した」と謝意を伝えた。オバマ氏は「同盟の中核は友情だ。故郷のハワイに首相を迎えて最後の首脳会談をできるのを嬉しく思う」と歓迎。「これからも日米同盟がこれまで以上に盤石となることを期待している」と応じた。
首相は日中関係に関するオバマ氏の支持と理解に謝意を示したうえで「尖閣諸島が日米安保条約第5条の対象になることや、日本の施政を損なおうとするいかなる一方的行動にも反対するとのメッセージは力強い」と米側の対応を評価した。
北朝鮮情勢に関しては両首脳は「かつてなく強力な国連安全保障理事会決議の履行が重要だ」との認識で一致。オバマ氏は「これから米国も韓国も過渡期を迎えるが、米国としても日韓関係が慰安婦合意により進展していることを高く評価している。日米韓協力の強化を期待する」と語った。
沖縄の基地問題に関し、首相が「オスプレイの事故発生は遺憾だ」として安全確保と情報提供を要請。オバマ氏は「緊密に意思疎通していく」と述べた。首相は沖縄の米軍基地面積を2割減らす北部訓練場の返還は意義深いとしたうえで、普天間基地の名護市辺野古移設に関して「国は27日に工事を再開した。政府として工事を着実に進めていきたい」と説明。オバマ氏は「沖縄の負担軽減に協力していく」と応じた。
環太平洋経済連携協定(TPP)を巡っては、首相が「新政権に粘り強く働きかけていきたい」と説明。オバマ氏は「TPPに関する理解を増進し、今後とも推進すべく努力したい」と応じた。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS28H0W_Y6A221C1000000/?dg=1
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK218掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。