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[大機小機]増税で不安は解消しない[日経新聞]
世界的に権威のある英語辞書の版元オックスフォード大学出版会が、2016年を表す言葉として「ポスト・トゥルース(真実)」を選んだ。
これは客観的な事実や真実が重視されない時代をよく表している。欧州連合離脱を決める英国民投票、米大統領選などで事実と異なる言説が横行したこと、端的に言えばウソがまかり通ったということだ。
日本でも「ポスト真実」的な言説は多い。典型は疑似科学。古くは血液型性格診断から、近年のマイナスイオン、活性化水素水まで枚挙にいとまがない。
「ポスト真実」は経済の領域でも見られる。例えば、最近の消費が低迷する原因は人々が社会保障に対して抱く将来不安にあり、不安を解消するため消費税増税で財源の安定・充実化を図るべきだという議論がある。「増税すれば国民が安心し、消費も増える」という理屈だ。この「消費増税不安解消説」は本当だろうか。
現状で消費が低迷しているのは事実だ。所得階層別に消費・貯蓄行動を見られる家計調査によると、15年から低所得者層の貯蓄率が上がっている。先日公表された資金循環統計では、家計の資金余剰は第2四半期の対国内総生産(GDP)比0.2%から第3四半期の3.5%まで増えている。
しかし増税不安解消説は、ごく単純な事実を見逃している。それは14年4月に消費税が5%から8%に引き上げられ、その後、消費が低迷したことだ。仮に増税が社会保障への不安を解消するのなら、今ごろ消費は増えているはずだった。現実にはそんなことは起きていない。
増税不安解消説を唱える人は「いや、消費税をもっと上げれば人々は安心する」と言うのかもしれない。だが理論的な問題もある。
合理的な個人を考えてみると、恒久的に増税されると将来にわたって得られる実質所得が減るので消費は恒久的に減少する。非合理的な個人の場合では、目先の所得減少により強く反応するから消費は減少する。
いずれにせよ増税が消費を減らすことには強い理論的根拠がある。これに比べて増税が消費を増やすという議論の根拠は危うい。
来年は客観的な事実と真実が重視される時代にしたいものである。
(カトー)
http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20161223&ng=DGKKZO11015100S6A221C1EN2000
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