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真珠湾訪問に至る流れと安倍首相の発言 :朝日新聞
オバマ大統領に利用されて終わる安倍首相の真珠湾訪問
http://xn--gmq27weklgmp.com/2016/12/24/post-5818/
24Dec2016 天木直人のブログ
安倍首相の真珠湾訪問がはじまるというのに、その事に関する報道が驚くほど少ない。
いつもなら、この手のパフォーマンス外交については、事前にメディアが大騒ぎして宣伝記事を繰り返すというのにである。
なぜか。
それは今度の訪問が、もはや安倍首相にとって宣伝効果がない事が分かったからだ。
その理由の一つが、「現職首相が米大統領とともにアリゾナ記念館で慰霊に臨んだ例はない」という朝日の記事の文章の中にある。
つまり、何事も歴代首相のなし得なかった事をやるのが自慢の安倍首相であり、今度の訪問も歴代初と自慢したかったのに、吉田茂とか鳩山一郎とか、なんと岸信介まで、ハワイの真珠湾を訪れている事が次々と明るみになった。
そこで、「現職の首相」であることや、「米国の大統領と共に慰霊する」、といった表現を入れなければ「初めて」にならないことになった。
これではありがたみがない。
しかし、安倍首相が今度の訪問に熱が入らないのは、もう一つの大きな理由がある。
それは、その決定過程における迷走にある。
その事を朝日新聞の記事は教えてくれている。
すなわち安倍首相は広島と真珠湾の相互訪問は「日米和解と同盟強化」を同時にアピールできる外交カードであることを知っていた。
そして、それはオバマ大統領も同様だ。
しかし、安倍首相は「広島と真珠湾がリンクしているように受け止められるのは良くない」と米側の要請を断り、訪問計画はいったんは立ち消えになったと朝日は書いている。
それなのに、なぜ決断したか。
まさしく、トランプ氏にいち早く面談した事でオバマ大統領との関係が悪くなったからだ
。
APEC首脳会談での最後の会談が出来なかったからだ。
そこで、とっさに立ち話でハワイでの「最後の日米首脳会談」を申し入れた。
レーガシィを残したいオバマ大統領はそれを受け入れた。
このような不純な動機で慰霊を行う事がうまく行くはずがない。
当然のことながら、今度の安倍首相のハワイ訪問は、オバマ大統領の思惑通りになる。
安倍首相は、真珠湾奇襲攻撃の謝罪こそしないだろうが、慰霊の対象はあくまでも米兵の犠牲者に重点が置かれる事になる。
日本軍の捕虜になった米兵までもオバマ大統領は招待している。
米国が日本の真珠湾攻撃を知っていて、いわば米国参戦の米国世論工作にそれを利用したという側面はまったく無視され、日本の卑劣な奇襲と、それ許した米国側の和解の精神ばかりが強調されることになる。
それはまさしくオバマ大統領の広島訪問の時と同じだ。
オバマ大統領は、あれほどの犠牲者、しかも真珠湾と違って多くの民間人の犠牲者を出した原爆投下について、謝罪を封印したまま、和解を訴えた。
つまり、広島と真珠湾の相互訪問による「和解」と「慰霊」は、米国の都合に沿った不均等、不平等な「和解」と「慰霊」になるのだ。
これで歴史が封印されるのだ。
そして強調される事は「日米同盟強化」という名の、米軍の日本占領の永続化である。
誰が見ても対等な「和解」や「慰霊」ではない。
ましてや、安倍首相は東京裁判を米国による勝者の裁判として否定し、A級戦犯のまつられる靖国参拝に固執している。
米国が押し付けた戦後レジームからの決別を政治信条としている。
そのような安倍首相が、いくら長期政権狙いだからといって、不平等な「和解」と「慰霊」を点数稼ぎにしていいのか。
そういう葛藤が間違いなく安倍首相にあり、安倍首相のまわりの愛国・右翼連中にあるに違いない。
おまけに中国・韓国や日本の左翼からは、和解は真っ先にアジアと行えと非難される。
こう考えて行けば、安倍首相が今度の真珠湾訪問を手放しで喜ばない理由がうなずける。
まだある。
それは首脳会談の不毛さだ。
トランプ氏との協力関係構築に早々と舵を切り、トランプ大統領就任のあかつきには、真っ先に訪米してトランプ大統領と首脳会談を行いたいと希望している安倍首相だ。
いまさらオバマ大統領と首脳会談をしてみても語る言葉はない。
オバマ大統領と首脳会談しても、トランプ大統領批判を聞かされるのがオチだ。
ひょっとしてオバマ大統領の方から首脳会談を断ってくるかもしれない。
真珠湾慰霊式での立ち話で十分だと言われるかもしれない。
そして、オバマ大統領とのゴルフもなくなりそうだ。
安倍首相にとっては、何から何まで、つまらないハワイ慰霊の旅になるに違いない。
報道が少ないはずである(了)
◇
(真珠湾訪問:上)和解発信、オバマ政権中に 時機探り、外交カード切る
http://www.asahi.com/articles/DA3S12721172.html
2016年12月24日05時00分 朝日新聞 後段文字お越し
「安倍晋三首相にも、真珠湾に来てほしい」。日本政府関係者によると、今年5月にオバマ米大統領が広島を訪問する前に、米国務省の高官が日本政府にそう伝えてきたという。
米ハワイ・オアフ島の真珠湾にある追悼施設「アリゾナ記念館」で、日本の現職首相が米大統領とともに慰霊に臨んだ例はない。安倍首相にとって真珠湾訪問は、日米の和解と同盟強化を同時に国内外にアピールできる、外交戦略上の「カード」だった。首相はどこでこのカードを切るのが最も効果的なのか、以前からタイミングを計っていた。
だが首相はこの時、「広島と真珠湾がリンクしているように受け止められるのは良くない」と米側の要請を断った。将来の訪問には含みを残しつつ計画はいったん立ち消えになった。「原爆で一般住民も丸ごと攻撃対象にされた広島と、軍事施設を狙った真珠湾は同列には扱えない」。首相は周囲にそんな考えを伝えていた。
訪問に結びつく調整が始まったのは今年9月ごろだった。同月上旬に東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会合があったラオスで、当初想定されていた日米首脳会談が、別の会議の日程がずれ込んだ影響もあり取りやめとなった。来年1月に任期切れを迎えるオバマ氏との「最後の会談」の設定は仕切り直しとなった。
オバマ氏は、クリスマスの休暇を生まれ故郷のハワイで過ごすのが慣例となっている。ある日本外務省幹部は「そのタイミングで日米首脳会談を行い、『真珠湾にも』という流れになった」と解説する。
両首脳がそろって真珠湾で慰霊に臨めば、「核なき世界」を訴え、現職大統領として初めて広島を訪問したオバマ氏と手を携える印象を打ち出すことができる。安倍政権は保守層の支持が厚いと指摘されることを念頭に、官邸幹部は「オバマ政権のもとで慰霊してこそ、首相は国内の『リベラル層』にも支持を広げることができる」と語る。
11月上旬の米大統領選でトランプ氏が勝利したことも追い風となった。首相周辺は「平和色の薄いトランプ次期政権下では、真珠湾での慰霊は実現しない」と見ていた。日本政府は米側との調整を加速させ、首相がトランプ氏と初めて電話協議した11月10日には年末のオバマ氏との会談日程はほぼ固まっていたという。
10日後の11月20日、首相は訪問先のペルーの首都リマで、オバマ大統領と約5分間、立ち話をした。「真珠湾を訪問したい」。首相の意向をオバマ氏も了承。真珠湾攻撃があった直前の12月上旬に日米が同時に発表することで一致した。
首相は12月5日、記者団の前で、こう語った。「ハワイでの会談を、未来に向け、同盟強化の意義を発信する機会にしたい。オバマ大統領と真珠湾を訪問する。日米の和解の価値も発信したい」
■「これは謝罪外交でない」 「未来志向」こだわる首相
「先の戦争に斃(たお)れた米国の人々の魂に、深い一礼を捧げる。とこしえの、哀悼を捧げる」
戦後70年の節目を迎えた2015年4月、首相は日本の歴代首相で初めて米議会上下両院合同会議で演説した。先の大戦への「痛切な反省」を述べつつ、日米同盟について「希望の同盟と呼ぼう。米国と日本、力を合わせ、世界をもっとはるかに良い場所にしていこう」と呼びかけた。
米国内では、13年末に靖国神社を参拝した首相に「歴史修正主義者」との批判も出ていたが、首相は演説後、周辺に「米国との関係をきちんとすることができた。日米関係を緊密にしていけば、中国なども日本に謝罪を求めなくなるだろう」と語った。
15年8月、首相は戦後70年の安倍談話を発表した。首相は当初、戦後50年の村山談話などにある「植民地支配と侵略」「心からのおわび」といった文言をめぐり、「同じことを入れるのであれば談話を出す必要はない」と述べていた。だが、最終的には村山談話などにある表現を引用し、「我が国は先の大戦における行いについて、繰り返し、痛切な反省と心からのおわびの気持ちを表明してきた」「こうした歴代内閣の立場は、今後も揺るぎないものである」と明記。一方で「私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない」と盛り込んだ。
韓国とは昨年末、長年の懸案だった慰安婦問題を決着させる合意を交わした。首相は合意後、記者団に「不可逆的な解決を70年目の節目にすることができた。今後、日韓は新しい時代を迎える」と強調した。
首相に一貫するのは「未来志向」へのこだわりだ。先の大戦への反省は随所で示しつつ、歴史認識に直結する「加害責任」について多くは語ろうとしない。首相周辺は、こうした首相の姿勢を「右車線と左車線をうまく乗り換えながらやっている」と評する。
真珠湾訪問を発表する直前の12月5日夕、自民党役員会で、首相は「戦後政治の総決算」に挑むと力を込めた。首相はこの日、在任が通算1807日となり、中曽根康弘元首相を超え戦後歴代4位になった。衆参両院で自民党は単独過半数を占め、内閣支持率は5割前後を維持。さらなる長期政権を見すえ、右に左に支持を広げながら先の敗戦のくびきにとらわれない国への脱却を自らの政権下で目指そうとしているかのようだ。
真珠湾訪問の発表後、首相は最近になって周囲にこう強調している。「オバマ大統領は5月に広島で謝罪をしなかった。こちらも、真珠湾で謝罪しなくて済む。これは謝罪外交ではない。戦略的な外交だ」
(内田晃、小野甲太郎、下司佳代子)
◆安倍晋三首相が26日から米ハワイを訪問し、真珠湾でオバマ大統領と慰霊に臨む。真珠湾訪問をめぐる背景を追い、関係者の思いを探った。
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