【全文】党首討論で「カジノ」「高橋まつりさん」「女性活躍」 ホウドウキョク 12/7(水) 18:40配信「なぜカジノ解禁なんでしょうか?」 蓮舫代表: 民進党の蓮舫です。安倍総理、どうぞよろしくお願いします。 まず総理、やめたいのにやめられない、家中のお金を持ち出す、闇金で借金を繰り返す、多重債務、一家離散、破産、果ては自殺に追い込まれる。これがギャンブル依存症の怖さです。アルコールや薬物依存症と違って体の中に取り込まないギャンブル依存症、そのメカニズムはまだ未解明です。治療法は確立されていません。 やめたいのにやめられない、疑いのあるギャンブル依存症はわが国では536万人いると厚生労働省が推計しています。 なぜカジノ解禁なんでしょうか? カジノは賭博です。刑法で懲役刑で禁止をされています。勤労を怠る、副次的犯罪を誘発する、だから禁止されている。なぜわずかか5時間33分の審議で強行採決に踏み切ったのでしょうか。 国会の声を聴かないで、野党を切り捨てて、連立与党の公明党を捨て置いて、それでも暴走する理由を教えてください。 安倍首相: 議員立法として提出されているIR法案のことだと思いますが、IR法案は統合リゾート施設でございまして、私もシンガポールの施設を視察しましたが、いわゆるカジノだけではなくて、ホテルや劇場、ショッピングモールや、水族館、テーマパークなども構成する要員です。 カジノと言われる施設の床面積は3%のみでありまして、様々な対策を講じていると承知しています。 議員立法ですのでもっぱら国会においてお決めになることですが、このIR法案については現在、安倍政権になって外国人観光客が倍になって、800万人から2000万を超える状況になり、2020年には4000万人を目指している中において、ビジネスや会議だけではなく、家族でそうした施設を楽しむことができるというものが、これがいわゆるIRでございます。 IR法案においては他の議員立法と同じように超党派の議連ができまして、他の法案もそうですが、超党派の議連を作ってそこで議論を重ねていくなかで賛同する議員や党派を増やしていくことがなされたのちに提出するのだと思います。 提案者の中には御党の柿沢未途役員室長も提案者として参加をしていただいております。これは個人とはいえ、まさに役員室長ですので、役員室の中もそんなに意見が食い違うのかな、役員室の中でもバラバラなのかなと思った次第でございます。 私は蓮舫代表とは党首討論では初めて議論をするわけです。予算委員会等で質問される側と真摯に答える側ということではなく、いわば対等な立場なので時には反論することも批判することもありますが、私は性格的にそういうことはめったにしませんのでご安心いただきたいと思うのですが、蓮舫議員がお持ちになる懸念があるのは事実でして、我が党においても与党においても指摘されている所です。 今回は基本法ですが、基本法の後に具体的な法案が出てくる中において、そうした懸念についても具体的な答えを出すということにおいて、我が党でも党議決定が出されたものと承知しております。 蓮舫: 超党派で議連を作って、同じ志を持って議員立法を出すのは異論がありません。問題はそのあとです。 長い国会の歴史で、議員立法の審議は全ての議員が同意をする。その上で審議をして採決をする。それを今回無視したのは自民党じゃないですか。 わずか5時間33分の審議で、その審議に入る時には、私たちの理事に対して、あした審議に入るからよろしくと、こちらの返事も待たずに見切り発車をして、委員長が職権で立てて、採決をしたじゃないですか。 柿沢さんのことを欠席裁判で言わないでください。彼はこの拙速なやり方に対しては問題がある。だから、提案者を止めさせてほしい。 なのに提案者をやめさせてくれないのは自民党のほかの議員じゃないですか。 総理、議員立法と言いました。でも、2011年にIR議連ができて最高顧問になったのは安倍総理でした。 2014年にシンガポールのカジノを視察した時には最高顧問であり、総理でした。 総理としてカジノを視察して、成長戦略の目玉になると発言して、直後のインタビューの独占取材では安倍総理は「成長戦略の大きな目玉になると認識。議員立法だけど、臨時国会で成立させたい」と踏み込んでいるじゃないですか。 総理肝いりの法案だから伺っているんです。 様々な問題があるとおっしゃいました。だったら違法性の阻隔を一言も説明しないで、ギャンブル依存症にどう対応するかも説明しないで、暴力団のマネーロンダリングの問題もどうやって排除するか説明しないで、中には自民党議員が般若心経を質問に使って、なぜ強行採決なんですか、もう少しわかるようにお答えください。 安倍: いま蓮舫議員は審議の仕方に問題があるから、中身に問題があるからではなくて、両方に問題がある?柿沢未途議員も提案者であったと、中身を理解した上で、提案者の中なので、中身を理解していなくて提案者になるんですか。 それはおかしいですよね、みなさん? そこで、柿沢未途議員として中身は賛成であるから提案者になったけれど、やり方がおかしいからやめさせてくれと、私は多分にして存じ上げないのですが、それはやり方であって、委員会において判断がなされるものです。 議員立法は全会派が一致と言うのは、今までの歴史の中で必ずしもそうではない。 なるべく多くの会派が全会一致になるのが望ましいし、我が党の理事も汗を流されたと承知しています。 その中で御党は退席をされたというのは大変残念ではあるわけでございますが、蓮舫議員がなされた中身については建設的な議論をしたいと思います。 蓮舫: 中身についてお伺いします。 IR施設は、その中でカジノはわずか3%の面積で、その他は商業施設、国際会議やホテル等だと。確かにそこでは設備投資、雇用を生み出す経済効果は一時あるかもしれません。 けれども、総施設の売り上げの7〜9割はわずか3%のカジノが生み出しています。カジノだけが盛り上がって衰退しているというのは世界でも報告されています。 カジノがなぜか問題なのか。それは負けた人の掛け金が収益だからです。 依存症に陥って、借金までして、それでも勝てなくて負けた金が、それが収益であり利益になっている。 サービス業やものづくり産業のような新たな付加価値は全く生み出しません。これのどこが成長産業なんでしょうか。 私は国家の品格に欠くと思います。成長産業であるという理由を端的にお答えいただけませんか? 安倍: まさに法案の中身については、欠席をされずに委員会でご議論いただきたいと思うわけです。これは閣法でありませんから、私はこれについて説明する責任は負っていません。委員会において建設的な議論を提案者にしっかりと質問をしていただきたいと思う次第でございます。 蓮舫: 総理自らが成長産業の大きな目玉になるとおっしゃっているんです。なぜか教えてください。 安倍: 統合リゾート施設であり、これは床施設の3%は確かにカジノですが、それ以外は劇場であったり、テーマパークであったり、ショッピングモールであったりレストランなどであるわけです。 それは、そこに投資があるわけで、それは雇用にもつながっていくのは事実です。 だからこそ統合リゾートと言われているわけです。街中にいわゆるカジノができるわけではありません。 限定的な場所で今言った形で作られると言うのはご理解いただきたいと思います。 蓮舫: ただのリゾート施設だったら法案はいらないんです。カジノが入っているから、こうやって法律を出しているんじゃないですか。 カジノがどうしたら成長産業になるのかと伺っても、総理の答えない力、そして逃げる力、ごまかす力、まさに神っています。ちゃんと真正面から答えてくださいよ。 私はカジノをこんなに拙速な審議で解禁するのは反対です。 公明党の山口代表は、夏キューバのカジノ視察のあとに言っています。「観光振興の切り札とはならない、むしろ副作用が現実的に見えてきた」と率直な感想を言っていますよ。 衆議院の本会議では11人の公明党議員が自分の両親に従って反対の決を出しています。亡国の法案と言った方もいます。国対委員長も幹事長も反対しているじゃないですか。なぜ連立与党を捨て置いてこんなに急ぐのか私にはわかりません。 きのう新しいことが明らかになりました。今年度の1.9兆円、約2兆下振れる、つまり支出はきまっているが入ってくるお金が2兆足りなくなった。じゃあどうするか、足りなくなったら借金です。赤字国債を発行することになるんでしょう。 総理、4年待ちました。異次元の金融緩和、大胆な財政出動、いつ景気が良くなるのか、そしたら4年目にして今度は歳入が2兆円も欠損した。改めて立ち止まるべき時じゃないでしょうか。 考えたらTPPは数兆円の経済効果を生み出して雇用を生み出すと言っていたものが、大統領選の結果がこうなって、発効の見通しが難しくなりました。ニュージーランドのキー首相も辞意を表明して旗を振る人がどんどん減ってきた。 自民党の来年の予算への経済対抗、TPPの文字が削られたとの報道がありました。 その時に残る成長産業は何ですか?カジノですか?カジノで、ギャンブルで、賭博で、この国をどこへ連れて行くのか。 改めて私は反対です。納得できる強行採決の理由を教えてください。きょう審議入りしたのに、あした採決をしたいと参議院の自民党から言われています。これが当たり前の国会運営なんでしょうか? 安倍: 政策が失敗した結果税収の見通しが違ったという話がありましたが誤りであります。全くの誤りであります。 政治の役割はなんでしょう。雇用を作り、働くことができるようにすることです。 政権がとる前は10万人の雇用が失われていた。私たちは100万人の雇用を作り、税収は21兆、皆さんの時代よりも増えました。 みなさん聞きたくないかもしれませんが、事実でありますからたまには耳を傾けていただきたいと思います。 有効求人倍率も47全ての都道府県で1倍を超えました。1人の求職者に対して、1人分以上の仕事がある。 まだ言っているという野次が飛んできましたが、あなたちはたった8つの県でしかそれができなかった。その反省から始まらないと皆さんの支持は戻りませんよ。 企業は過去最高の収益を上げている。 では、なぜ税収がそうした結果になったかは円高です。120円だと思われていたところが100円になってしまった。今は110数円。いちいち私が為替について言及するのは差し控えますが、そこに大きな点があった。 そしてそれは、昨年と比べて予想より伸びがなかったということなので、私たちの政権が始まった当初からはるかに伸びているのは事実じゃないですか。この事実を認めないと、正確なマクロ経済の分析はできないというのは申し上げておきたい。 現役世代の皆さんも、生活保護については9万世帯も減っています。そうした現実もしっかり見ていただきたい。 私たちの政策が間違っているからIR法案をやるのではない。 2000万人時代を迎えて、4000万人海外からの旅行者を迎えようとしている。旅行者は3兆円を国内で消費をしています。 旅行者が増えても経済に効果がないと批判すらあったわけですが、それが違うとすでに証明しています。そこで、今回はこのIR法案については、統合リゾートとして、様々な投資が起こり、雇用を作っていくと言うことにつながっていくと先ほど申し上げたところです。 「高橋まつりさんという24歳の女性の名前を憶えていますか?」 蓮舫: 総理、よくわかりました。総理は良いときは自分の功績、悪い時はひとのせいだと。4年前に敏感になるのはわかりますが、そろそろ今に敏感になってください。 総理は4年前に敏感で今に鈍感すぎます。 確かに雇用は広がって有効求人倍率は増えました。それは東京に一極集中で集まっているからじゃないですか、地方に仕事がないじゃないですか。 雇用が広がったと言いますけれども、今広がっている雇用は、非正規雇用です。低収入者も広がっています。不安定雇用が広がっています。だから、どういう風に改善するか対案を私たちはいつも出し続けています。 総理にお伺いしますが、高橋まつりさんという24歳の女性の名前を憶えていますか。 安倍: これは討論ですのでそれに対して反論させていただきます。 有効求人倍率が各県で回復したのは東京一極集中が進んだからではありません。それだったら沖縄の有効求人倍率が上がるわけないじゃないですか。人口が減少すれば消費者が減ると言うことです。生産者が減ると言うことです。役所以外は商売できないということにつながっていくんです。 人口が減少すれば有効求人倍率が良くなる、これは間違っています。この考え方で経済政策を進めれば間違えますよ。 各県で有効求人倍率が1倍になったことを喜ばないということなので、驚くべき議論だなと思ったわけであります。 そこで、高橋まつりさんについて、電通の方でありまして、過酷な長時間労働によって自らの命を絶った、大変悲惨な出来事であって私も強い憤りを感じました。このようなことを2度と繰り返してはならないという思いで、働き方改革を1日も早く進めなければいけないと決意を新たにしたところです。 蓮舫: 中学から母子家庭で、お母さんを楽にさせたい。勉強して東大へ行きました。大学を出て、大手広告代理店、電通に入社をした。日本のトップの企業に入って社会に貢献したい。未来ある若者でした。去年のクリスマスに自殺をしました。 直前にお母さんにメール。心配になったお母さんが電話をして、死んじゃダメと説得をした。その直後でした。今年の秋、過労死認定されました。 過労死認定の長時間の最低基準は80時間超です。高橋さんは140時間を超えていました。1週間で10時間しか寝ていない、死にたいとSNSで発信しました。愛する者を失う辛さに、私たち政治家は向き合うべきです。 働き方改革、大賛成です。ならなぜ法案がいつまでたっても出て来ないんですか。 私たちは長時間労働規制法案をこの国会に出しています。衆議院の厚労委員会で審議をしてくれと、委員長にも自民党の筆頭理事にも何度も言っていますが全部拒否されています。なぜ向き合っていただけないのか。 我々は反対ばかりじゃない、長時間労働規制、インターバル規制入れましょう、仕事が始まってから次の日までせめて休み時間を取ろう。EUは11時間が義務です。そうすれば睡眠時間が獲れるじゃないですか。 今の法律では無条件に働かせ続けられるのなら総労働時間の上限を作ろうじゃないですか、企業に罰則を入れようじゃないですか。過労死なんて悲惨な事件を止められると思います。 働き方改革というのなら、いま議論をして法律をこれから作るのなら、今私たちが出ている法案を同じ議員立法です、カジノと同じように審議入りしてくれませんか。 安倍: まず審議入りするかどうかは、これは国会がお決めになると言うのは常識であろうと思います。 その上で皆さんの法案ですが、私たちも働き方改革については真剣に議論していますが、皆さんの法案については少し批判になってしまいますが、例えば時間外労働の上限規制、これが一番大切ですよね、一体何時間にするのか。 しかし、皆さんの法案では厚生労働省が省令で決めると。これは丸投げですか?インターバル時間もそうです。生活時間、休憩時間、睡眠時間をしっかりとることは大切です。 しかし、どれくらいとればいいのかというのは丸投げ。上限については罰則があるにもかかわらず、厚生労働省に丸投げ。国会をスルーしてしまうわけでして。 ここからが大事で、なので我々は議論して、構造的な問題なのかについても、私たちはしっかりしたものを出そうとしているわけです。 まだ法案を出す前からインターバル制度を導入した企業には助成金を出す仕組みを作った、成功している好事例については徹底させようと進めているわけです。 もちろん法制度の中に入れるべきか、私たちは法改正を躊躇すべきではないと考えていますし、同一労働同一賃金を実行していくことが大切だと思っています。 皆さんも法案を出しています。私たちとの大きな違いは何かといえばガイドラインを私たちは作っています。 ガイドラインで具体的に何が同一労働同一賃金かというのをはっきり示します。皆さんの同一労働同一賃金についてはガイドラインがないんです。 ガイドラインがないというのは、ストライクゾーンなしで野球をやれと言っているのと同じです。 ガイドラインをつくれば、企業にとっては何をやれば違法になるかわかれば、違法になって裁判になってしまうのか、裁判所が判断する基準になっていくわけです。これを作っていくのがなかなか大変な作業なんです。 昨日も非正規で働く女性に集まっていただきました。ここで出た意見は同一労働同一賃金でしっかりと頑張っているのに昇給もない、交通費も支払われない、頑張っていこうと思ってもステップアップの実習も受けられないなどの処遇についてもガイドラインでお示しをしていきたいと思う次第です。 時間外労働の長時間制限についても何時間にするかが一番大事だと思っています。 蓮舫: 長時間労働をなくしましょう。過労死をなくしましょう。大切な話です。 でも、総理、我々の法案が厚労省丸投げ? 政府の出している残業ゼロ法案。年収要件、対象業種、ぜんぶ厚生労働省の省令じゃないですか。 同じようなことをやっている。それをここで批判するのは生産性がない。 だから、議論をして、今言った問題点を国会で審議しようじゃないですか。聞いてないことをどんどん話さないでくださいよ。 カジノは急いで議員立法で5時間33分で強行採決、なんで長時間労働の問題点はそこまで整理しているのだったら国会で議論しましょうよ。なぜしないんですか。 安倍: 私は独裁者じゃないので、行政府の長であります。議員立法においては委員会で見識を持って判断していただきたい。 例えばということで、法案の問題点を指摘した。皆さんの問題点を指摘した以上、それを克服した、構造的な問題はないかしっかり考えた上で、正しい法案を出させていただきたい。 できるだけ早期に閣法として政府としての法案をださせていただきたい。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161207-00010008-houdouk-pol&p=3
|