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会ってすぐ「トランプを信頼」と言う安倍首相のおぞましさ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/194316
2016年11月21日 日刊ゲンダイ 文字お越し
悪の枢軸?(内閣広報室提供・ロイター)
この週末、テレビは「安倍・トランプ会談」一色だった。50万円の高級ゴルフクラブを手に、米国のトランプ次期大統領の元に押っ取り刀で駆け付けた安倍首相の“外交力”とやらをヨイショしまくる。「主要国のトップで最初にトランプに会った!」「自宅に招かれた!」と大ハシャギで、「ウマが合ったようだ」「よかった、よかった」とやっている。
たしかに、波長は合うのだろう。会談後、トランプは自身のフェイスブックで「安倍晋三首相が私の自宅に立ち寄り、素晴らしい友人関係を始められて光栄だ」とコメント。安倍も記者団に「胸襟を開いて話ができた」「トランプ氏は信頼できる指導者であると確信した」と話していた。
選挙戦で差別発言を続け、自由や民主主義の価値観を踏みにじってきたトランプには、世界が警戒している。米国内でも、いまだ反トランプデモが収まらず、就任前から支持率より不支持率の方が高いという珍しい現象が起きている。
そんなトランプと会ってすぐに胸襟を開ける安倍もたいしたものだが、反知性主義でポピュリストの独裁者という点では、この2人はよく似ている。
「わずか1時間程度の会談で、何を根拠に『信頼できる』と判断したのか知りませんが、世界がトランプ氏の動向を見極めようとしている状況で、いち早く『信頼できる』とトランプ支持を表明したことは致命的な外交ミスと言えます。トランプ氏にしてみれば、日本の首相が会いにきて、信頼できる指導者と認めてくれれば、いい宣伝になる。まんまと利用された格好です。
似た者同士で波長が合うというなら、首脳を辞めてから親しく付き合うのは構いませんが、国家間の外交は政策がすべて。個人的な波長などという情緒を優先すれば、足元を見られて、痛い目に遭うだけです」(元外交官の天木直人氏)
■APECもトランプを警戒
折しも、現地時間20日までペルーで開催されたAPECでは、自由貿易の重要性がテーマになった。日本時間の21日未明に開かれた首脳会合でも、「自由貿易に対する懐疑的な見方が広がっていること」への懸念が話し合われた。「米国ファースト」で、保護主義的な政策を掲げるトランプを警戒してのことだ。
そのトランプの元に真っ先に馳せ参じ、「信頼できる指導者」と持ち上げたのが安倍である。
さらに言えば、安倍がトランプタワーを訪問して舞い上がっていたその時、オバマ大統領が何をしていたかというと、ベルリンでドイツ、英国、フランス、イタリア、スペインの首脳と会談していた。NATOの重要性を確認し、ロシアやトランプ政権への対応を話し合ったのである。
ドイツのメルケル首相と共同会見したオバマは、「(トランプが)真面目に取り組まなければ問題が浮き彫りになり、長くは大統領職にとどまれない」と強い言葉で牽制。「人々が民主主義的な妥協の過程を怠り、専制的な見方で相手を扱うようになれば、民主主義は崩壊する」と危機感を表明した。
翌日の米ウォールストリート・ジャーナル紙は、オバマとメルケルの握手写真と、トランプと安倍の握手写真を並べて、1面にデカデカと掲載した。まるで、民主主義を守る正義のリーダー連合と悪の枢軸を対比するような写真の扱いである。
オバマ米大統領とメルケル独首相は価値観の共有を確認(C)AP
自由と民主主義の価値観から逸脱するトランプに追従
「安倍首相の行動と発言は、国家主義者、差別主義者のトランプ氏に対する懸念を共有している西側諸国の結束を乱した。おそらく、西側の主要国トップは大統領就任前にトランプ氏と会談をすることはありません。自由や民主主義の基本的な価値を本当に共有できるのか、慎重に見極めているからです。あと2カ月はオバマ政権が続くのに、さっさとトランプ氏に軸足を移して協調をアピールする安倍首相の言動は非常に危うい。国際社会で孤立しかねません」(天木直人氏=前出)
APECの場で、20日にロシアのプーチン大統領と首脳会談を行った安倍の表情は冴えなかった。北方領土問題の解決についても「簡単ではない」と話し、9月に会談した時より後退した印象だ。プーチンとも「ウマが合う」とか言って、欧米諸国の懸念を無視して接近してきたのに、ハシゴを外されてしまった。
「APECでは、オバマ大統領との首脳会談も予定されていましたが、安倍総理がペルーに到着した時点でもスケジュールの返事がなく、調整が難航。立ち話でもいいからと頼み込んだのですが、なかなか返事がもらえませんでした」(外務省関係者)
ま、当然の反応だろう。民主主義を脅かすトランプの登場と、その暴言王に取り入ることしか頭にない安倍のおぞましい関係を目にして、マトモな識者は憂慮せずにいられないはずだ。
同志社大教授の浜矩子氏が毎日新聞のコラム(19日付)で、〈アメリカの魂が心配だ〉と書いていた。トランプの経済政策は、〈節度完全忘却型レーガノミクス〉の再来になるという。財政大盤振る舞いで、金利が上がり、ドル相場が上がる。その結果、対外収支の赤字が拡大するので、輸入を制限する保護主義をとる。そうした経済問題よりも深刻なのは、分断、差別が際立つ米国の行く末だと、こう憂う。
〈アメリカの精神的荒廃が、あまりにも衝撃的だ。この状況を見れば、「選挙戦中に言っていたことは、大統領に就任すれば変わる」という楽観的通念を当てにするわけにはいかない〉
〈人々の思いと行動は、とんでもない方向に動き出してしまっているのである。その種をまいた当人が、いくらひょう変しても、いまや遅し。毒麦は既に育ち始めているのである〉
■「友情」でカネも人も供給?
トランプによる分断と、「米国ファースト」の理念は、戦前のキナ臭さを想起させる。大恐慌で疲弊した国際社会は、自国優先の保護主義政策に走り、排他主義に傾斜していった。その結果の戦火だった。
「トランプ氏は日本や中国からの輸入品の関税を引き上げると言っていますが、それだけでは終わらない。日本に対して、防衛費の増大や、在日米軍の駐留経費の負担増を求めてくるでしょう。しかも、こんな危なっかしい時に、安倍政権は自衛隊に駆け付け警護の任務を付与してしまった。商売人のトランプ氏ですから、“友情”の証しにカネも人も供給しろと突きつけてくることが考えられます。ISとの戦いに、自衛隊が投入される悪夢です」(経済アナリスト・菊池英博氏)
トランプはイスラム教徒を敵視し、IS壊滅のためにはロシアとも手を組むべきだと主張している。背景には、イスラエルの右派との親密な関係もある。そんなトランプに追従する姿勢を安倍が世界に知らしめた日本はトランプの一味とみられ、テロに巻き込まれるリスクが格段に高まった。そこまで熟慮した上で、トランプとの“信頼関係”を言明したのかどうか。
「総理が熱意を燃やしているのは、米大統領とのゴルフ外交です。かつてオバマ大統領にパターを贈ったのも、一緒にラウンドしたいというメッセージだったのですが、ついに一度も誘ってもらえなかった。そこで、トランプ氏との会談では『スコア66の腕前だそうですね。今度、私にゴルフを教えてください』と、ストレートに願望を伝えたと聞いています」(官邸関係者)
ノーテンキにゴルフの誘いを待っていたら、送られてきたのは招待状ではなく、莫大な請求書だった――なんてことになりかねない。軽薄な友情ごっこのツケは結局、国民に回されるのだ。大メディアも、「トランプとイの一番に会えてよかった」とハシャいでいる場合じゃないのである。警戒が必要だ。トランプ大統領を選んだ米国の絶望は安倍を経由して日本にも確実に浸透してくる。
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